「何で私が、あ、あいつの、よ、嫁なのよ……!」
そろそろ発火能力に開花するのではないかと思えるほど、美琴の顔は赤みを増していく。
体が熱くて、鼓動が高鳴る。何かが止まらない。
「大体、お嫁さんってのは―――」
(お嫁さんっていうのは、えっと……毎朝ご飯用意して)
そろそろ発火能力に開花するのではないかと思えるほど、美琴の顔は赤みを増していく。
体が熱くて、鼓動が高鳴る。何かが止まらない。
「大体、お嫁さんってのは―――」
(お嫁さんっていうのは、えっと……毎朝ご飯用意して)
……寝息が聞こえる。
寝室に入った彼女は窓際へ静かに歩いて、カーテンを開ける。
明るく、暖かい朝の日差しが差し込む。
雀のさえずりが聞こえる。
寝室に入った彼女は窓際へ静かに歩いて、カーテンを開ける。
明るく、暖かい朝の日差しが差し込む。
雀のさえずりが聞こえる。
彼女は少女ではない。成人した、一人の大人の女性だ。
同じように、かつて少年だった男性がベッドで眠っている。
成人して、大人になって、社会人となって、彼女と結婚して……夫となった。
彼女は夫の肩を揺さぶる。
『そろそろ起きなさい。朝よ』
布団の中から気だるそうに手が伸びて、目覚まし時計を掴んだ。
『もう……こんな時間か』
『ご飯出来てるわよ。さっさと起きる!』
『いやー、中々寝させてくれなかったから眠くて……』
『私だって眠いわよ!寝かせてくれなかったのはあんたでしょ!?』
同じように、かつて少年だった男性がベッドで眠っている。
成人して、大人になって、社会人となって、彼女と結婚して……夫となった。
彼女は夫の肩を揺さぶる。
『そろそろ起きなさい。朝よ』
布団の中から気だるそうに手が伸びて、目覚まし時計を掴んだ。
『もう……こんな時間か』
『ご飯出来てるわよ。さっさと起きる!』
『いやー、中々寝させてくれなかったから眠くて……』
『私だって眠いわよ!寝かせてくれなかったのはあんたでしょ!?』
(男の人を起こして、一緒にご飯食べたり、お仕事に行くときに……)
彼女がネクタイを整えると、スーツに着替えた彼は腕時計で時間を確認する。
鞄が手渡された。
『じゃ、俺はそろそろ行くぞ』
『いってらっしゃい。……ねえ、その。ちょっと、いい?』
彼女は上目遣いで彼の表情を窺う。
彼は頬が赤みを帯びているのに気づいて、
『―――って朝から!?』
『いいでしょ?減らないんだからいくらでもしてやる、って言ったのはあんたよ。
だから、ちょっとだけ……ダメ?』
『……ダメじゃないです』
鞄が手渡された。
『じゃ、俺はそろそろ行くぞ』
『いってらっしゃい。……ねえ、その。ちょっと、いい?』
彼女は上目遣いで彼の表情を窺う。
彼は頬が赤みを帯びているのに気づいて、
『―――って朝から!?』
『いいでしょ?減らないんだからいくらでもしてやる、って言ったのはあんたよ。
だから、ちょっとだけ……ダメ?』
『……ダメじゃないです』
(……って見送ろうとして)
『お弁当は持ったわね?』
『……実は結構恥ずかしいんだよな、愛妻弁当』
『私のお弁当、食べたくないの?』
『食べたいです』
『宜しい』
『お昼が楽しみです……。あと、いつもありがとな』
『ちょ……!?不意打ちなんてずるいわよ―――も、もう一回して』
『……実は結構恥ずかしいんだよな、愛妻弁当』
『私のお弁当、食べたくないの?』
『食べたいです』
『宜しい』
『お昼が楽しみです……。あと、いつもありがとな』
『ちょ……!?不意打ちなんてずるいわよ―――も、もう一回して』
(……っていうのとか、するのよね?
あ、あいつと…私が…き―――接ぷ…口……)
上手く思考ができない。
頭の何かが沸騰して、茹で上がった彼女の思考はそれ以上続かなかった。
あ、あいつと…私が…き―――接ぷ…口……)
上手く思考ができない。
頭の何かが沸騰して、茹で上がった彼女の思考はそれ以上続かなかった。
「お姉様!?い、一体何が……?」
「ええと、ちょっとネット上のお話してたら……」
「何でこうなるまで放っておいたんですの!?」
「お嫁…お嫁さん……私が、お嫁さん―――」
「違いますの!お姉様のお嫁さんは私だけですの!!」
「白井さん…それ、かなり無理がありますよ」
「私は……お嫁さんになれない……」
「そうです!殿方の記憶は消去(デリート)して……」
「御坂さん、うなされてるみたいですよ?」
「…黒子は……お嫁さん、じゃない」
「ぐァはあッ!?」
「ええと、ちょっとネット上のお話してたら……」
「何でこうなるまで放っておいたんですの!?」
「お嫁…お嫁さん……私が、お嫁さん―――」
「違いますの!お姉様のお嫁さんは私だけですの!!」
「白井さん…それ、かなり無理がありますよ」
「私は……お嫁さんになれない……」
「そうです!殿方の記憶は消去(デリート)して……」
「御坂さん、うなされてるみたいですよ?」
「…黒子は……お嫁さん、じゃない」
「ぐァはあッ!?」