とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 5-862

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「何で私が、あ、あいつの、よ、嫁なのよ……!」
 そろそろ発火能力に開花するのではないかと思えるほど、美琴の顔は赤みを増していく。
 体が熱くて、鼓動が高鳴る。何かが止まらない。
「大体、お嫁さんってのは―――」
(お嫁さんっていうのは、えっと……毎朝ご飯用意して)



 ……寝息が聞こえる。
 寝室に入った彼女は窓際へ静かに歩いて、カーテンを開ける。
 明るく、暖かい朝の日差しが差し込む。
 雀のさえずりが聞こえる。



 彼女は少女ではない。成人した、一人の大人の女性だ。
 同じように、かつて少年だった男性がベッドで眠っている。
 成人して、大人になって、社会人となって、彼女と結婚して……夫となった。
 彼女は夫の肩を揺さぶる。
『そろそろ起きなさい。朝よ』
 布団の中から気だるそうに手が伸びて、目覚まし時計を掴んだ。
『もう……こんな時間か』
『ご飯出来てるわよ。さっさと起きる!』
『いやー、中々寝させてくれなかったから眠くて……』
『私だって眠いわよ!寝かせてくれなかったのはあんたでしょ!?』



(男の人を起こして、一緒にご飯食べたり、お仕事に行くときに……)



 彼女がネクタイを整えると、スーツに着替えた彼は腕時計で時間を確認する。
 鞄が手渡された。
『じゃ、俺はそろそろ行くぞ』
『いってらっしゃい。……ねえ、その。ちょっと、いい?』
 彼女は上目遣いで彼の表情を窺う。
 彼は頬が赤みを帯びているのに気づいて、
『―――って朝から!?』
『いいでしょ?減らないんだからいくらでもしてやる、って言ったのはあんたよ。
 だから、ちょっとだけ……ダメ?』
『……ダメじゃないです』



(……って見送ろうとして)



『お弁当は持ったわね?』
『……実は結構恥ずかしいんだよな、愛妻弁当』
『私のお弁当、食べたくないの?』
『食べたいです』
『宜しい』
『お昼が楽しみです……。あと、いつもありがとな』
『ちょ……!?不意打ちなんてずるいわよ―――も、もう一回して』



(……っていうのとか、するのよね?
 あ、あいつと…私が…き―――接ぷ…口……)
 上手く思考ができない。
 頭の何かが沸騰して、茹で上がった彼女の思考はそれ以上続かなかった。



「お姉様!?い、一体何が……?」
「ええと、ちょっとネット上のお話してたら……」
「何でこうなるまで放っておいたんですの!?」
「お嫁…お嫁さん……私が、お嫁さん―――」
「違いますの!お姉様のお嫁さんは私だけですの!!」
「白井さん…それ、かなり無理がありますよ」
「私は……お嫁さんになれない……」
「そうです!殿方の記憶は消去(デリート)して……」
「御坂さん、うなされてるみたいですよ?」
「…黒子は……お嫁さん、じゃない」
「ぐァはあッ!?」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー