とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 5-71

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匿名ユーザー

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さて、土御門&青髪ピアスから逃走を果たした上条さんですが……、
「とうみゃ~♪」
今回の騒動の根本的な問題の解決には未だ至ってません。
酔いどれ美琴さんは相変わらず正気に戻る気配は全くなく、上条さんにラブラブベッタリ状態のままで、今も上条さんの横にピッタリくっ付き腕をガッチリ取って胸を押し当てています。
『むにゅむにゅ~♪』っと、この女の子な感触には未だに慣れることができない上条さんの心臓はドッキドキのバックバクです。
「(う~~……柔らかい……じゃなくて!)……えっと……みこ…と……?」
「にゃ~に、とうみゃ~♪」
「えっと……ですね……離れて…もらえませんかね? くっ付き過ぎなんじゃ……」
「や~だ~♪」
即答却下されました。
「わたちはとうみゃとこうちてたいにょ~♪」
屈託のない幸せそうな笑顔でそう答えると、上条の腕をギュッっとする。
そうすることで、さらに美琴の身体が密着し胸が上条さんの腕に押し付けられます。
「う……」
さらなる事態の悪化に、口にすべきではなかったか?と、ちょっぴり後悔気味の上条さん。
離れてもらいたい理由として『胸が……』というのもあるのだが、それ以上に今は他人の視線が気になる。
今二人がいるのはさっきまでの誰もいなかった公園の中ではなく、多くの人が行き交う街中なのだ。
上条は自分たちに向けられる好奇の視線を激しく感じていた。
カップルなんてその辺にいくらでもいるにもかかわらず、自分たちに視線が集中するのは、やはり美琴の着ている常盤台中学の制服が原因なのだろうか?
あの常盤台中学の生徒が、白昼堂々男性と腕を組んで歩いているなんて、普通だったら信じられない光景である。
好奇の視線が向けられるのも当然だ。
「(はぁー……とりあえず何をするにしても、ここはまずどこかに身を隠した方がいいよな……。あんま好奇の視線を向けられるのも嫌だし、こんな状況で知り合いと遭遇なんて展開は御免被りたいしな……。はぁー……不幸だ……)」
これからの事を考えると頭が痛い。
何事もなくこの状況を切り抜けられるだろうか?
「どおちたのとうみゃ~? にゃんきゃむちゅかちいきゃおちてるにょ?」
考えに耽っていると、美琴が不思議そうな顔をして上条の顔を覗き込んでいた。
一瞬、また考える事に意識を向けすぎて美琴の事をスルーしていたかと思ったが、今回は大丈夫なようだ。
「(ふぅー……危ない危ない。ちゃんと相手してやらないと、こいつ何しでかすかわかんないもんな……)」
こんなところで突然またキスとかされたら相当厄介だ。
ただでさえ視線を集めているというのに、これ以上の騒動は御免被りたい。
「……いや……ちょっと……」
「げんきにゃにねぇ。わたちがげんきわけてあげりゅ~♪」
「へっ?」

チュッ~♪

「……」
唇に柔らかい感触。
気を引き締めた側から、もういきなりキスを許してしまった。


あまりの出来事に頭の中が真っ白になった。
こんな人通りの激しい街中でキスされ、一目散にこの場から逃げ出したいのだが、うまく思考が働かない。
一刻も早くこの場から逃げ出したいのに、それを実行することができなかった。
現場の決定的瞬間を目撃した通行人から、『おおっ』という歓声が上がり、その歓声を聞き何事かと視線をこちらに向けた人やら野次馬やらが殺到し、視線がもうこれでもかってくらいに上条さんたちに集中します。
そんな中、周りの視線やら声を全く歯牙にもかけない美琴さんは、上条さんの唇を十分堪能したのか唇を離すと、
「とうみゃ~、げんきでた~?」
笑顔で普通に口を開いた。
「……」
「……うにゅ?」
「ちっきしょーう!!! 不幸だー!!!」
ようやく状態異常から完全復帰した上条さんは、声を大にしてその一言を叫ぶと、美琴の手を掴みそのままもの凄い速度で走り出し、涙を流しながらその場から一目散に逃げ出した。

全力ダッシュで逃げ出した上条さんはとにかく走った、走りまくった。
で、最終的に辿り着いた先はどっかの裏路地だった。
「はぁ…はぁ…はぁ……」
全力ダッシュにより激しく体力消耗中の上条さん。
大きく深呼吸をして乱れた呼吸を整える。
しばらくして、何とか落ち着いてきた上条は一緒に逃げてきた少女・美琴に向き直る。
「あのな、み……」
とりあえず、さっきの事(街中でしかも大勢の人の前でキス)について少々説教をかまそうかと思ったのですが、
「みょ~とうみゃ~♪ こんにゃとこりょにわたちをちゅれきょんでどうちゅるちゅもり~♪」
なんて、少々どころかかなりイカレた発言を、なんかとても嬉しそうに口走りやがりました。
「(あ、頭痛てー……)」
そんなイカレた美琴さんに頭を抱える上条さん。
どうやらこの酔っ払いにはもっと他の事についても説教をかます必要がありそうです。
「おい! み……」
気を取り直して、説教をかまそうと顔を上げたのですが、
「ぶっ!? なんでいきなり短パン脱ごうとしてんだよ!?」
目の前にはスカートをまくし上げて短パンに手をかける美琴の姿が。
「うにゅ? にゃにって、みょ~わきゃってるくちぇに~♪」
「わかるかー! って、待て待て待て、待てー! 脱ぐな脱ぐなー! 脱がんでいいー!!!」
「うにゅ? とうみゃがじびゅんでぬがちたいにゃ?」
「違うわー!」
暴走を続ける美琴さんを必死に止める。
なんとか上条さんの言う事をに聞いてくれて、脱ぐのをやめてくれました。
とりあえず一安心と胸を撫で下ろしたのだが、再び美琴に視線を向けると、
「って、なんで今度は上を脱ごうとしてるんですか!?」
いつの間にか上着を脱ごうとボタンに手をかけてました。
「うにゅ? やっぴゃりとうみゃがじびゅんで……」
「違うわー!!!」
そしてまた上条さんは必死になって美琴さんを止めるのでした。


「(つ、疲れる……)」
「どちたにょ、とうみゃ~? にゃんきゃちゅきゃりぇてりゅにぇ?」
それはあなたのせいです、美琴さん……。
あ、とりあえず上着のボタンはちゃんと留めてください、ブラがちょろっと見えてます。
なんかもう今となっては、かつてのあなたが懐かしいです。
電撃ビリビリされてた頃の方がマシだったとさえ思えてきそうです。
「じゃあ、わたちがげんきわけてあげりゅにぇ~♪ んー……」
と再びキスの体勢に入る美琴に、上条さんも素早く反応する。
「待て! 待て待て待て待て待て待て、待て-!!!」
当然上条さんはキスを阻止しようとするのだが、今度は美琴も言う事を聞いてくれません。
酔いどれ美琴さんは上条さんとのキスが相当好きなようで、簡単には諦めてくれません、というか、諦める気なんて全然ありません。
美琴がキスしようとしたら、それは絶対なわけだ。
事実、今のところキスの阻止は一度も成功していない。
というわけで、再びバトルというか、バカップルのじゃれ合いが繰り広げられます。

「はぁ…はぁ…はぁ……」
「にゅふふふふ~♪ と~う~みゃ~♪」
激しいバトル(じゃれ合い)は今までの中でも最長記録を更新したのだが、結局また美琴の勝利という事になりそうです。
上条さんは美琴に追い詰められて、壁に背を押しつけられた状態。
この状況からの脱出、起死回生は無理そうです……。
「とうみゃ~♪」
「ちょ、ちょっとま……」
「ま・て・にゃ・い~♪」
美琴の顔が近付き、

チュッ~♪

二人の唇が重なった。
というわけで、上条さんの唇を奪った事で美琴の勝利が確定したわけだが、

「ちっかみ~ち~、ちっかみち~♪ ちっかみ~ち~、ちっかみ……」

変な歌を歌いながら清掃ロボットの上に乗ったメイドさん・土御門舞夏がちょうどその現場に出くわし、二人の決定的瞬間を目撃する。
バトル(じゃれ合い)に夢中だった二人は、彼女の接近に今の今まで気付かなかった。
「げっ!?」
「うにゅ?」
「おおーっ!?」
三者三様、反応はそれぞれだった。


「大人の階段登る~、二人まだ未成年さ~♪」
「待て待て待て待てー! 行くな行くな行くなー! 何事もなかったかのようにスルーしようとすんな! っていうか微妙に歌の歌詞が変だぞ!? つーか、その歌詞嫌味かー!?」
変な歌を歌いながらその場を何事もなかったかのようにスルーしようとした知り合いのメイドを、慌てて引きとめる。
「なんだ、上条当麻ー。人がせっかく気を利かせてスルーしてやったっていうのにー」
「いらねーよ! そんなの!」
「まあ、何はともあれすまんかったなー、お楽しみの真っ最中にお邪魔して~♪」
「いやいやいやいや、全然違いますから! 全然そんなんじゃありませんから!」
「違うって言われてもなー……」
普通に会話してますが、上条さんはまだ美琴に身体を壁に押し付けられた状態のままです。
で、その上条さんを壁に押し付けてる美琴さんですが、最悪な事に先程のバトル(じゃれ合い)で衣服が乱れて、上着のボタンが全部はずれて上半身の下着及び素肌をおもいっきり覗かせてます。
あ、ついでに上条さんの服装もちょっと乱れ気味。
人通りの滅多になさそうなこんな薄暗い裏路地で、若い男女が服装乱してキスなんかしてた状況で、『違う!』と言っても説得力に欠けます。
「……えーっと……」
これはもしや弁明の余地なしでしょうか?
上条さんピーンチ!と頭を抱えていると、
「とうみゃ……」
「んぁ?」
「とうみゃとちゅちみちゃどはどういうきゃんけい?」
「……はい?」
美琴がそんな質問をしてきました。
「ふちゃりはどういうきゃんけいなのきゃな?」
もう一度同じ質問を繰り返す美琴。
その表情は無表情で、なんかちょっと…どころではなく、非常に強烈なプレッシャーを感じさせます。
「えーっと……上条さんとこのメイドの……関係ですか……?」
コクコクと上条の質問の確認に無言で頷く。
「舞夏は……」
「みゃいきゃ!? いみゃ、みゃいきゃってよびしゅてでよんでぃゃ!?」
舞夏の事を呼び捨てで呼んだ事に激しく反応する美琴さん。
「どういうきょと!? ねぇ、しょれどういうきょと!?」
上条さんの両肩を掴むと、激しくブンブン振り回しながら問い詰めてきます。
「お、お、お、落ち着けー! 落ち着け、御坂ー……!」
「みゃたみしゃかっていってぃゃー! みきょとってよんでっていってぃゃにょにー! いってぃゃにょにー! みゃいきゃにょことはよびしゅてでよびゅにょにー!!!」
誤って名字で呼んでしまって、火に油を注ぎこむ結果となってしまった。
「お、おい……舞夏……こいつ…どうにかしてくれ……」
「はっはっはー、なんか面白そうだからこのまましばらく傍観させてもらうぞ~♪」
「みゃたみゃいきゃっていってぃゃー! しょしてわたちはきょいちゅよびゃわりしゃれたー!!!」
「あーもー、誰でもいいから助けてくれー!!! 不幸だー!!!」


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