というわけで今度はミカンを剥いてもらっているわけだが、さっきのリンゴと違ってとっても気が楽です。
リンゴと違って包丁なんて使わなくていいので危険は皆無。
包丁の刃が飛んでくるような事もなければ、美琴の危なっかしい手つきにビクビクさせられる事もない。
……はずなのだが、なんだか美琴の様子が変です。
「わっ!?」
『プシュッ!』っと、ミカンの汁を不意に浴びてあたふたしてます。
普通に剥けばそんなに出る事はないのだが、妙に力が入っているのかおもいっきり汁が飛び出てます。
「(なんでそんな力んでるんだ?)」
何故かまだ美琴はテンパり気味です。
まあその理由は、超が付くほど鈍感な上条さんには一生わからないことでしょう。
リンゴと違って包丁なんて使わなくていいので危険は皆無。
包丁の刃が飛んでくるような事もなければ、美琴の危なっかしい手つきにビクビクさせられる事もない。
……はずなのだが、なんだか美琴の様子が変です。
「わっ!?」
『プシュッ!』っと、ミカンの汁を不意に浴びてあたふたしてます。
普通に剥けばそんなに出る事はないのだが、妙に力が入っているのかおもいっきり汁が飛び出てます。
「(なんでそんな力んでるんだ?)」
何故かまだ美琴はテンパり気味です。
まあその理由は、超が付くほど鈍感な上条さんには一生わからないことでしょう。
「む、剥けたわよ……」
妙に悪戦苦闘しつつもミカンの皮剥き完了。
ミカンの汁を目に浴びまくったせいで少し涙目です。
「……サンキュー……ごほっ…ごほん……!」
大した事頼んだつもりはなかったのだが、なんだかとっても悪い事をした気分です。
「そ、それじゃあ……その……」
落ち着かない様子の美琴は妙に躊躇いがちに、
「あ、あーん……」
ミカンを一つ摘んで上条の口元に差し出した。
さっきみたいに無理やり押し込まれるのではないかと心配していた上条さんは安堵し、そして……、
「あーん……」
「あ、あーん……」
「あむっ……」
食べた。
「っ!」
こんな超恥ずかしい事を本当にやってしまったと、驚いてビクっと緊張した面持ちの美琴さん。
「うん…これ美味いな……」
「そ、そう……それは…よかったわね……」
上条の言葉に素っ気ない態度で答えているが、実際美琴の心情はえらい事になってます。
「(や、やった……! やってしまった……!)」
恥ずかしさ半分、嬉しさ半分、気を抜いたら顔に出てしまいそうなのを隠すのに必死だった。
「? どうした? ごほっ…ごほん……!」
「な、なんでもないわよ……」
「そうか? なら、いいけど……あ、わりぃけど、もっとミカンくれるか? それ結構美味い」
ミカンが気に入ったのか、次を要求する上条さん。
餌を待つ雛鳥のように口を開ける。
「ま、全く……しょ、しょうがないわね……」
そんな事言っているが、まんざらでもない美琴さん。
再びミカンを一つ摘み、上条の口元に差し出すと、
「あ、あーん……」
「あーん……あむっ!」
再び食べさせてやった。
「うん…やっぱこれ甘くて美味いな」
「そ、そう……」
「わりぃ、もっとくれ……あーん……」
食べ終わり、また口を開けて次を要求する上条さん。
そんな上条さんの要望に、美琴は「はいはい、しょうがないわね……」なんて言いながらも、嬉しそうにミカンを食べさせていた。
妙に悪戦苦闘しつつもミカンの皮剥き完了。
ミカンの汁を目に浴びまくったせいで少し涙目です。
「……サンキュー……ごほっ…ごほん……!」
大した事頼んだつもりはなかったのだが、なんだかとっても悪い事をした気分です。
「そ、それじゃあ……その……」
落ち着かない様子の美琴は妙に躊躇いがちに、
「あ、あーん……」
ミカンを一つ摘んで上条の口元に差し出した。
さっきみたいに無理やり押し込まれるのではないかと心配していた上条さんは安堵し、そして……、
「あーん……」
「あ、あーん……」
「あむっ……」
食べた。
「っ!」
こんな超恥ずかしい事を本当にやってしまったと、驚いてビクっと緊張した面持ちの美琴さん。
「うん…これ美味いな……」
「そ、そう……それは…よかったわね……」
上条の言葉に素っ気ない態度で答えているが、実際美琴の心情はえらい事になってます。
「(や、やった……! やってしまった……!)」
恥ずかしさ半分、嬉しさ半分、気を抜いたら顔に出てしまいそうなのを隠すのに必死だった。
「? どうした? ごほっ…ごほん……!」
「な、なんでもないわよ……」
「そうか? なら、いいけど……あ、わりぃけど、もっとミカンくれるか? それ結構美味い」
ミカンが気に入ったのか、次を要求する上条さん。
餌を待つ雛鳥のように口を開ける。
「ま、全く……しょ、しょうがないわね……」
そんな事言っているが、まんざらでもない美琴さん。
再びミカンを一つ摘み、上条の口元に差し出すと、
「あ、あーん……」
「あーん……あむっ!」
再び食べさせてやった。
「うん…やっぱこれ甘くて美味いな」
「そ、そう……」
「わりぃ、もっとくれ……あーん……」
食べ終わり、また口を開けて次を要求する上条さん。
そんな上条さんの要望に、美琴は「はいはい、しょうがないわね……」なんて言いながらも、嬉しそうにミカンを食べさせていた。
そんな甘々空間が展開される中、『ピーピーピー♪』と、台所の方から電子音が鳴り響いた。
「んっ?」
「何、この音?」
「…むぐっ……炊飯器の音だな……お粥ができたんじゃないか?」
口の中のミカンを飲み込むと、上条が今の電子音について教えてくれる。
炊飯器の音という事は、どうやらお粥が完成したらしい。
「そっか……」
ようやくお粥が完成したわけだが、美琴の心情はちょっと複雑だったり。
ミカンで『あーん~♪』も今食べさせている分で終わりという事になるので、少々名残惜しかったりする。
なんて事を思いながら、残りのミカンを上条に食べさせてやっていると、何やら指に妙な感触が。
「ん?」
何だろうと上条の方に視線を戻すと、美琴の指を咥えている上条の姿が。
「へっ?」
一瞬、何が起こっているのかよくわからなかった。
「あ、わひぃ……」
咥えていた指を解放すると、上条は謝罪の言葉を述べる。
どうやらミカンと一緒に美琴の指も口の中に入ってしまったらしい。
「(えっ? えっ? ええーっ!?)」
口をパクパクさせながらわなわなと震える始める美琴。
現在美琴さんは少々どころかどえらく大変な事になってます。
「(い、いいいいいいま、ななななななななにされた!? 私の指が・・・・・・私の指がこいつの口の中に!?)」
差し出していた手をもの凄いスピードで引っ込めると、胸の辺りに持っていき隠すように抱える。
引っ込めた手に視線を向け、指先をじっと見つめる。
指先にぬちゃっとした感触、つまり上条の涎が指先に付いている。
「(な、舐められた……? か、噛まれた……? こいつに指……)」
事実を再認識すると、意識がどこか遠くへ飛びそうになったが、何とか必死に堪え気持ちを落ち着ける。
「(い、今のはヤバかった……相当ヤバかった……!)」
今のを堪えていなければ、確実に電撃が暴発していただろう。
何とか暴発させずに済んだ事に、心から安堵した。
しかし、まだ一つ問題が……。
剥いてあるミカンはあともう少し残っていたりする。
正直なところ、残りを食べさせている最中にもう一度指が上条の口の中に入ったりしたら、今度は堪え切れる自信がない。
そういうわけで、早々にこの場を切り上げたいところなのだが、
「え、えっと……お粥ができたみたいだし、お粥食べる……?」
「ああ、食うけど……とりあえず剥いてくれた分は全部食った方がいいんじゃないか? まだ少し残ってたろ? 勿体無いし全部食っちまおうぜ」
残っている分を上条さんは食べる気なようです。
美琴としては、できればそれは避けたかったのですが、
「あ…う、うん……そ、そう…ね……」
上条の意見に頷いてしまった。
物事はそう簡単に思い通りに進まないようだ。
「(だ、大丈夫よね……?)」
「んっ?」
「何、この音?」
「…むぐっ……炊飯器の音だな……お粥ができたんじゃないか?」
口の中のミカンを飲み込むと、上条が今の電子音について教えてくれる。
炊飯器の音という事は、どうやらお粥が完成したらしい。
「そっか……」
ようやくお粥が完成したわけだが、美琴の心情はちょっと複雑だったり。
ミカンで『あーん~♪』も今食べさせている分で終わりという事になるので、少々名残惜しかったりする。
なんて事を思いながら、残りのミカンを上条に食べさせてやっていると、何やら指に妙な感触が。
「ん?」
何だろうと上条の方に視線を戻すと、美琴の指を咥えている上条の姿が。
「へっ?」
一瞬、何が起こっているのかよくわからなかった。
「あ、わひぃ……」
咥えていた指を解放すると、上条は謝罪の言葉を述べる。
どうやらミカンと一緒に美琴の指も口の中に入ってしまったらしい。
「(えっ? えっ? ええーっ!?)」
口をパクパクさせながらわなわなと震える始める美琴。
現在美琴さんは少々どころかどえらく大変な事になってます。
「(い、いいいいいいま、ななななななななにされた!? 私の指が・・・・・・私の指がこいつの口の中に!?)」
差し出していた手をもの凄いスピードで引っ込めると、胸の辺りに持っていき隠すように抱える。
引っ込めた手に視線を向け、指先をじっと見つめる。
指先にぬちゃっとした感触、つまり上条の涎が指先に付いている。
「(な、舐められた……? か、噛まれた……? こいつに指……)」
事実を再認識すると、意識がどこか遠くへ飛びそうになったが、何とか必死に堪え気持ちを落ち着ける。
「(い、今のはヤバかった……相当ヤバかった……!)」
今のを堪えていなければ、確実に電撃が暴発していただろう。
何とか暴発させずに済んだ事に、心から安堵した。
しかし、まだ一つ問題が……。
剥いてあるミカンはあともう少し残っていたりする。
正直なところ、残りを食べさせている最中にもう一度指が上条の口の中に入ったりしたら、今度は堪え切れる自信がない。
そういうわけで、早々にこの場を切り上げたいところなのだが、
「え、えっと……お粥ができたみたいだし、お粥食べる……?」
「ああ、食うけど……とりあえず剥いてくれた分は全部食った方がいいんじゃないか? まだ少し残ってたろ? 勿体無いし全部食っちまおうぜ」
残っている分を上条さんは食べる気なようです。
美琴としては、できればそれは避けたかったのですが、
「あ…う、うん……そ、そう…ね……」
上条の意見に頷いてしまった。
物事はそう簡単に思い通りに進まないようだ。
「(だ、大丈夫よね……?)」
そんなわけで『あーん』再開なのだが、
「……御坂、もうちょっとこっちにやってくれ。それだと食えない」
「う……わ、わかってるわよ……」
指が口に入る事を警戒してか、届くか届かないかの微妙な位置までしか手を差し出せなくなっていた。
上条に言われてなんとか届きそうなところまで、そーっと手を出すが、上条が口を開けてミカンを食べようとすると、口に入った事を思い出してしまい手を引っ込めてしまう。
『カプッ!』と上条の口が空振りする。
「あ?」
「あ……ご、ごめん……。ちょっと…その……何か付いてたみたいだったから……」
「ああ、そうなのか……」
適当な言い訳でなんとか誤魔化す。
一応何か付いているという事で手を引っ込めたので、摘まんでいるミカンを適当に掃う。
上条は美琴の言った事を馬鹿正直に信じたようで、特に何も言ってこなかった。
「(だ、大丈夫大丈夫……大丈夫大丈夫! 落ち着け……落ち着け、私……!)」
心の中で呪文のように何度も何度も繰り返し自分に言い聞かせる。
深呼吸し気持ちを落ち着けると、再び挑戦。
「あ、あーん……」
意を決し、再びそーっと上条の口元に摘まんだミカンを差し出す。
「あーん……」
上条が大きく口を開く、ここまでは先程までと一緒。
距離が近付くにつれて、また口に入った事を思い出して手を引っ込めてそうになるがなんとか堪え、
「あーん……あむっ……」
「っ!」
食べさせる事に成功、と同時にもの凄い早さで手を引っ込める。
手を引っ込める動作が明らかに不自然なのだが、上条は特に気にした様子はない、というか気付いていないのではないだろうか?
まずは一安心と言いたいところだが、量自体が微々たるものなのですぐに食べ終わってしまい、あまり間隔なく次を要求される。
多少ビクつきながらも、上条の要求に応じて次を差し出し食べさせる美琴さん。
その後も何とか問題なく残りを食べさせ、ついに最後の一つとなった。
「(こ、これで最後ね……)」
最後の一欠片を摘まんで上条の口元へ持っていく。
これで最後ではあるが油断はできない。
ここでミスったら結局意味がないので、緊張した面持ちで差し出す。
「あーん……」
「あー……」
もう少しというところまで迫ったが、その時、
「んぐっ!? げほっ……! げほっ……!」
上条が咳をした。
「わっ!?」
その際、上条の唇が美琴の指に当たりそうになるが、間一髪もの凄い速さで手を引っ込めたため触れずに済んだ。
「あー、わりぃわりぃ……げほっ……! うぅぅんっ……!」
上条自身今のは悪かったと思い謝罪の言葉を口にしたが、
「き、き……」
「き?」
「気を付けなさいよー!!! この馬鹿ー!!!」
張り詰めていたものがプツンと切れたのか、美琴さん大爆発。
激しくビリビリ発生させて、上条さんはえらくこっ酷く怒られました。(暴走というわけではなかったので、電撃による被害は何もなかった)
予想外の美琴の剣幕に上条はかなり驚かされたが、自分が悪かったのは事実なので、素直にお叱りを受けた。
「……御坂、もうちょっとこっちにやってくれ。それだと食えない」
「う……わ、わかってるわよ……」
指が口に入る事を警戒してか、届くか届かないかの微妙な位置までしか手を差し出せなくなっていた。
上条に言われてなんとか届きそうなところまで、そーっと手を出すが、上条が口を開けてミカンを食べようとすると、口に入った事を思い出してしまい手を引っ込めてしまう。
『カプッ!』と上条の口が空振りする。
「あ?」
「あ……ご、ごめん……。ちょっと…その……何か付いてたみたいだったから……」
「ああ、そうなのか……」
適当な言い訳でなんとか誤魔化す。
一応何か付いているという事で手を引っ込めたので、摘まんでいるミカンを適当に掃う。
上条は美琴の言った事を馬鹿正直に信じたようで、特に何も言ってこなかった。
「(だ、大丈夫大丈夫……大丈夫大丈夫! 落ち着け……落ち着け、私……!)」
心の中で呪文のように何度も何度も繰り返し自分に言い聞かせる。
深呼吸し気持ちを落ち着けると、再び挑戦。
「あ、あーん……」
意を決し、再びそーっと上条の口元に摘まんだミカンを差し出す。
「あーん……」
上条が大きく口を開く、ここまでは先程までと一緒。
距離が近付くにつれて、また口に入った事を思い出して手を引っ込めてそうになるがなんとか堪え、
「あーん……あむっ……」
「っ!」
食べさせる事に成功、と同時にもの凄い早さで手を引っ込める。
手を引っ込める動作が明らかに不自然なのだが、上条は特に気にした様子はない、というか気付いていないのではないだろうか?
まずは一安心と言いたいところだが、量自体が微々たるものなのですぐに食べ終わってしまい、あまり間隔なく次を要求される。
多少ビクつきながらも、上条の要求に応じて次を差し出し食べさせる美琴さん。
その後も何とか問題なく残りを食べさせ、ついに最後の一つとなった。
「(こ、これで最後ね……)」
最後の一欠片を摘まんで上条の口元へ持っていく。
これで最後ではあるが油断はできない。
ここでミスったら結局意味がないので、緊張した面持ちで差し出す。
「あーん……」
「あー……」
もう少しというところまで迫ったが、その時、
「んぐっ!? げほっ……! げほっ……!」
上条が咳をした。
「わっ!?」
その際、上条の唇が美琴の指に当たりそうになるが、間一髪もの凄い速さで手を引っ込めたため触れずに済んだ。
「あー、わりぃわりぃ……げほっ……! うぅぅんっ……!」
上条自身今のは悪かったと思い謝罪の言葉を口にしたが、
「き、き……」
「き?」
「気を付けなさいよー!!! この馬鹿ー!!!」
張り詰めていたものがプツンと切れたのか、美琴さん大爆発。
激しくビリビリ発生させて、上条さんはえらくこっ酷く怒られました。(暴走というわけではなかったので、電撃による被害は何もなかった)
予想外の美琴の剣幕に上条はかなり驚かされたが、自分が悪かったのは事実なので、素直にお叱りを受けた。