とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 5-400

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匿名ユーザー

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翌日も実に快晴日和だった。上条は準備を済ませて、撮影現場へと向かった。
「監督ー、上条君入りまーす!」
上条が到着すると、山下が出迎えてくれた。
「よし、今日は撮影開始だ」
「台本はちゃんと覚えてきたんだろうな?」
「えぇ、でも初めてなんで…お手柔らかに頼みます、監督」
「今日は登場、変身シーンと戦闘だけを撮るから大丈夫だよ」
はぁ、と上条は山下の説明を受ける。
「よーし、行くぞー!」
監督からの指示が飛び、スタッフが慌ただしく、各自の持ち場へと付く。
「上条君、はい、ベルト」
「ありがとうございます……、これが…変身ベルト」
差し出されたベルトを受け取り、まじまじと見詰める上条。
「アクション!」
上条がベルトを見ている間に準備が終わり、監督が撮影開始の合図を出すと、上条は急いで持ち場へと付く。
「キャー!」
「うわああああ!」
エキストラの人々が怪人から逃げ惑う。
その光景に上条は息を呑む。出番が近付く。
「…上条君、出番だ!」
山下が静かに上条に合図する。
「………、」
無言で頷き、上条はついに動いた。


「おい、化け物!こっちを向きやがれよ!!」
エキストラを追う怪人の背後に立ち、叫ぶ。
「………、」
上条の姿を見つけた怪人は、上条の方へと向かってくる。
(来た来た……えーと、確か…)
次の行動を考えている間にも、怪人は距離を狭める。
(くっ…)
距離は目と鼻の先。上条は拳を握る。
「うおぉぉぉ!」
「………!」
怪人へと左拳を突き出すと、怪人は怯んだ。
(次は確か…!)
上条はおもむろにベルトを取り出し、腰に装着して、
「行くぜ、化け物!」
そう叫ぶと、両足をしっかり大地に付け、右腕を龍が天に昇るように上げ、左腕を腰の脇に置き、
「みんなは、俺が護る……、変身!」
上条が叫ぶと共に、上条の全身を眩い光が包み、姿を変えた(変身後の姿はご想像にお任せします)。
(マジで変身出来た…!学園都市の科学力すげぇ!)
いつまでも感心していられない。上条は拳を握り直し、怪人へと突っ込む。
「とりゃああああ!」
「…………!!」
上条の突進に反応した怪人も、向かってくる。
それに合わせて、上条は拳を放つ。
「はぁっ!」
「………!?」
「とぉりゃあっ!」
右、左と拳を叩き付け、これでもかと蹴りも放つ。
「………!!」
だが、怪人もただ黙っているわけではない。


「ぐはぁっ…!」
「………、」
怪人の反撃。
急所を狙ったタックルや、重い一撃をかましてくる。
「くそっ…このままじゃ…やられちまう!」
止まらぬ怪人の猛攻に、上条は焦りを覚える。
「くっ…そったれがぁっ!!」
「!」
攻撃と攻撃の隙間を狙い、上条はパンチを決めると、怪人がぶっ飛ばされた。
「今だ!」
はぁぁぁ…、と全身に力を込め、上条は飛び上がった。
「!!?」
「俺の一撃は、ちっとばかり痛いぜ!」
起き上がり、防御しようとする怪人目掛け、上条は必殺技のキックを炸裂させ、
「!!!」
怪人は爆散するのを確認すると、
「この俺が居るかぎり!平和は乱させない!」
決め台詞を叫んだ。


無事に本日の撮影が終わり、上条は帰り支度を初めていると、
「なかなかいい演技だったよ、上条君」
背後から山下が声を掛けてきた。
はぁ、と上条が答えると、山下は明日も頑張るように、とだけ伝えて去っていった。
「それだけの為に声掛けてきたのかよ」
思わずツッコんでしまう上条。
「さて、帰るか……」
撮影の前には聞いていたが、自分が変身して怪人を本当に倒すという、体験したくても体験出来ない体験をした上条は、変身後の余韻を噛み締め、学生寮を目指した。


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