【名前】鳳輦沙耶歌(ほうれん さやか)
【性別】女
【所属】魔術
【能力】「シャプシュの調停」と「ウガリットの天命」及び「字喰らい蟲」
【能力説明】
「シャプシュの調停」とはウガリット神話に登場する女神シャプシュの魔術。シャプシュは世界の全てを照覧し、物語の転換点において神々に重要な助言を行う太陽神である。
嵐と慈雨の神バアルと炎と死の神モートが織り成した死闘ではモートに殺害され冥界の奥地に封じられたバアルを見つけ出し、後に再び死闘を繰り広げる二者を脅迫を交えながら仲裁した。
名前の語源をバビロニア神話の太陽神シャマシュと共通させるシャプシュは残された逸話から権能として『調節』『調停』『仲裁』を持っていると解釈した鳳輦の操る魔術は、神話は違えど太陽神の力を振るう他の類似魔術とは異なる特徴を有する。
シャプシュは天空から世界の全てを照覧するというが、あらゆるものを見通す魔眼のような特徴ある目を持っていたわけでは無い。
それなのに世界の裏側に存在する冥界(伝承では冥界そのものがモートであり、世界の裏側とは大地の下に存在する世界と同義)の奥地に封じられたバアルの亡骸を探し出してきた。
太陽が神格化した存在が太陽神である事から鳳輦は太陽という恒星に備わる全ての力からシャプシュの逸話を分析した結果、シャプシュには太陽神として『引力(重力)』を操る力を有していると結論付けた。
言うまでもなく、地球は太陽の引力の影響を受けている。それは大地の下に存在する冥界においても同じ。太陽の光や熱が届かなくとも引力であれば届く。
つまり、鳳輦は「シャプシュはバアルとの間に特有の引力を設け、見付け出したバアルの亡骸を冥界から引き摺りだした」「世界を照覧する全知の力とは『引力』による事象との“接続”」としたのだ。
鳳輦は太陽神らしく強大な炎やプラズマの高熱に眩き光の力などを振るうが、その先に待ち受けるのは重力を含む引力による力尽くの調停である。
一定の範囲を太陽と同じ重力加速度である30G近くのフィールドに様変わりさせたり、特定の対象間に引力を設け強制的に接続させたり、接続させる引力の方向を上手く利用すれば実質的に真横に強大な重力を放てるなど応用範囲は幅広い。
この“接続”の魔術式を専用の術式に組み替え仕掛ける呪術魔術は互いに引き合う『引力』の強弱を『調節』する事で呪術返しなどの反撃を敢行しようとする対象からの反転攻勢を妨害すると同時に敵対魔術師が鳳輦へ仕掛けて来る呪術魔術や感染魔術を(威力にもよるが)跳ね返すタチの悪さを誇っている。
世界中の事象と接続できる全知の力と解釈する以上様々な事象に接続して情報を収集できる筈だがそこまで再現する事は叶わず、大地や壁などに残る残留思念を収集するに留まる。
「ウガリットの天命」もシャプシュの伝承に基づく呪術魔術である。シャプシュは最高神イルの使者という役割を持ち、逸話的にその言葉は最高神の言葉と同等の力を持つ。
故に神々に重要な影響を与える助言や脅迫を行い、言葉で以て神話を動かしたと捉える鳳輦の言葉そのものが魔術的記号となっており、『鳳輦の言葉に影響を受けた者』に太陽神の加護や呪いが発生する。影響の度合いで威力は上下する。
代表例を挙げると助言を受けた者は気力や体力が活性化され、脅迫(=呪い)を受けた者は体の内側が焼かれるような呪術を宛がわれたりする。
通常では一度に数人程度にしか効果を発揮できない呪術だが、ここに外的要因として太陽の光が重なると、シャプシュの真の力を『引力』と解釈する事も合わさって太陽の光を浴び且つ鳳輦の言葉に影響を受けた者全てに加護や呪いなどが“接続”されるという大規模呪術魔術となる。
鳳輦の言葉を耳にしていない者または一切惑わされない者には全く効果は発揮されない。またシャプシュは天空を住み家としていた関係で、相手の顔の位置が鳳輦の顔の位置より高い所にあると効果は発揮されない。
但し、一度「ウガリットの天命」に掛かると顔の位置を高くしても鳳輦の言葉を遮断しても効果は継続するし、電話などによる言葉でも効果を発揮する。
「字喰らい蟲」とは世界中に点在する文字信仰において、字を食べる習俗を虫食い算の蟲に見立て最適化した『字を喰らう』魔術である。
魔術を発動すると有象無象の幽体蟲が現れ、字の匂いを嗅ぎ取り、貪り、消化ないし封印するというサイクルを繰り返すただそれだけの魔術。
喰らった文字の内容を知る事はできないが、喰らう前後の蟲の反応と今までの経験則で文字の種類や文章量などをおおよそ推測できる。
書物に記された文字や石版に刻まれた絵文字など文字だけを食べるので、油性マジックで書いた文字が間違っていても気軽に消せるお手軽魔術などと鳳輦は嘯いているが無論そんな代物では無い。
魔術において魔法陣やルーン文字を筆頭に文字を使用した魔術は事欠かない。鳳輦の「字喰らい蟲」はそんな文字を操る魔術の天敵であり、それだけの為に鳳輦はこの魔術を開発した。
文字を喰らう性質上鳳輦の「字喰らい蟲」は魔道書をも喰らう。とはいえ、原典クラスともなればできても封印するのが精一杯と言ったところ。
一方写本や偽書であれば大抵は短時間の内に消滅させ、時間が掛かる場合でも確実に消去できる。
魔道書を喰らう場合における蟲の利点は上記でも述べたように鳳輦が蟲の喰らった文章の内容を“知らされない”事に尽きる。
専門の『異端審問官(インクジショナー)』でさえ写本の処分に伴う『毒』の汚染の除去に5年は掛かるとされているが、鳳輦はその現状を変える魔術を秘かに編み出したのである。
魔道書の『毒』の汚染に染まらず魔道書を処分できる事から鳳輦が所属する結社の構成員等は魔術師鳳輦沙耶歌を指して『魔道書納め(デパーチャー)』と呼称している。
【概要】
魔術結社『
多からなる一(イ・プルーリバス・ウナム)』の構成員。日本出身の女性魔術師。魔法名『斯くそう在れ(praesentia500)』。
強硬派でも穏健派でも無く中立派を謳う和平主義者。結社内では強硬派と穏健派の間を取り持っている。時折内部衝突の仲裁役を買って出る事もある。
唇を半月型に広げながら浮かべる笑みは魔女では無く、魔性でも無く、例えるなら何処までも得体の知れない怪しげな嗤い。
和平を謳い、何事もまずは穏便に物事を解決しようとするが暴力による解決に打って出る事もよくある。
鳳輦は和平主義者であり平和主義者では無い。和平に必要であれば暴力を容易に認めるしその逆に暴力による解決法が多勢を占めても穏便な解決策を提示する事も多々ある。
例えば、かの魔道書原典『カレワラ』強奪の首謀者
カッレラや他の反逆者への寛大な処分を提示した
イロ=コイにいち早く賛同したのも鳳輦である。
鳳輦沙耶歌「そもそもさー、今も『カレワラ』がカッレラを主と認めてるんだよね?それなのに、どうやってカッレラを処分するのさー。あっ、そうだ☆あの手があった。私の『字喰らい蟲』で『カレワラ』を封印したらいいんだ☆私の蟲達は雑食だからねぇ、封印した時に『カレワラ』が傷付いて、さぁ復活させた時に読めた代物じゃ無くなってても勘弁願うよ皆さん☆」
『カレワラ』が敵対勢力と渡り合う強大なカードである事は言うまでも無く、封印に伴うリスクを鑑みればイロ=コイの提案は実に優れているという方向へ“誘導させた”人間こそ鳳輦沙耶歌である。
その口車の軽やかさと秘められた思惑の深みは人の心を読む強硬派筆頭格の
トワイライト=グリモスでさえも時に戦慄させる。
時勢を見抜くのに長け、バランス感覚が抜群な鳳輦は『多からなる一』が管理する魔道書に万が一の事(強奪され敵対勢力に利用されているetc)が発生した時に魔道書を処分ないし封印するという、彼女の通り名である『魔道書納め』としての役目を請け負っている。
また、極々僅かしかいないイロ=コイが秘める悲願を知る人間の1人でもある。イロの悲願に対する鳳輦の反応は現在のところ特に無い。強いて言うならば、『怪しげに嗤いながら興味深そうに眺めている』くらいである。
扱う魔術の関係から太陽の力を削ぐ月の魔術を得意とする
ビッグス=フォー=カラミズムと戦線を共にする機会は多くない。
元来エロジジイのビッグスとは反りが合わない部分があるようだが無用の諍いを起こすような悪手を打つ事は無い。逆にトワイライトに対しては物怖じせずよくからかうような態度を見せる。
元々は日本に存在する魔術結社『
神道系出雲派』に所属していた。鳳輦家は跡継ぎとして
天道祓栄を擁する天道家に並ぶ高名な家柄である。
鳳輦家の血を引く者は代々『出雲派』に所属する、これが習わしでもあったが鳳輦にとっては酷く窮屈だったのだろう。
『出雲派』に所属していた頃に秘かに開発中だった「字喰らい蟲」と関連し、シリアの古代都市ウガリットに保存されていた粘土板文字であるウガリット文字やウガリット神話に興味をそそられた鳳輦は鳳輦家に勘当される事を条件に『出雲派』を離脱し、フリーの魔術師として単身シリアに渡る。
そこで得た知識から「シャプシュの調停」と「ウガリットの天命」を編み出し、その後世界を回る流浪の旅を経て「字喰らい蟲」を完成させた頃に絶滅の危機に陥っている文化などを守る『多からなる一』に腰を据えた。
現在『多からなる一』の保護下に置かれている
アメリ=クロニクルとジスト=クロニクルが気の狂いから生じる蛮行を行おうとした地方こそ『出雲派』が本拠地を構える中国地方であった。
アメリとジストを「オ☆シ☆オ☆キ」して帰宅する途上で偶然ながら天道家の跡取りである天道祓栄と彼と行動を共にしている『神道系皇室派』所属魔術師
神座遊奉に遭遇した。
彼から
鳳輦家の安泰振りを聞き内心ホッとしたのは言うまでもない。そして、『多からなる一』の保護下で再び騒動を起こそうとしたクロニクル兄弟に「キ☆ョ☆ウ☆イ☆ク」を施し、アメリとジストを正気に戻した(実は天道達と遭遇した時に神座が芸として見せてくれた「アメノウズメの術式」に着想を得た類似魔術を用いてクロニクル兄弟が抱く負の感情を散らしている。出身柄鳳輦は日本の伝承や神話にも詳しい)。どスケベな野郎が大嫌い。
【特徴】
身長165センチに色白の肌、肩まで掛かる艶のある黒髪。外見は20代後半に見えるが実際は40代前半。胸やヒップを含めた総合的スタイルは中の上。
枯れた大木を中心に星々が熟れた果実のように捉えられる銀河が一面に描かれたTシャツ、ダークブルーのクライミングパンツに白を基調としたスニーカーを着用している。
黒色の指ぬきグローブを装着し、右手の親指・中指・小指と左手の人差し指と薬指にそれぞれ粘土状の指輪を付けている。首からは粘土等で構成された特注リングをぶら下げている。
ジャマル=アジェ=ハッダードという知り合いが居る。ジャマルとは彼が作製した霊装『鋼の銃剣(ダマスカスウェポン)』の賃貸契約を結んでおり、ジャマルから『鋼の銃剣』の数々を借りている。
【台詞】一人称「私」。語尾に「☆」を付ける時がある。男性の名を呼ぶ時は「~君」、女性の名を呼ぶ時は「~さん」になる。
「中立というのはとても良いものだ。穏便にもなれれば強硬にだってなれる。あはは☆中立という言葉はどっちつかずになるという意味じゃ無いよ。無限の可能性を開く事ができるリスポーン地点…それが私の立っている場所さ」
「こんな狭い部屋に捕らえられて可哀想だねぇ
カッレラさん?でも大丈夫☆君は直にここから出られる。よかったよかった。あははー☆」
「心を読まれて失敗するだなんて笑っちゃうよね。心を読んでもどうしようもない現実を叩き付けてやるくらいの気概が欲しいもんだ。そうは思わないかいトワイライト君?」
「アメリ君もジスト君も遅いね。大方愛しの
アリアさんに今日もまた心奪われたクチかな?こりゃ間に合うかな?間に合わないかな?さてさて、クロニクル兄弟は果たして鳳輦沙耶歌の『オ☆シ☆オ☆キ』を免れる事ができるか…答えは一分後すぐ☆」
「私の蟲達を随分気にしているようだけど、君にそんな余裕はあるのかな?触らぬ神に祟り無しと昔の人は零していたけれど、今の君は既に女神の色香に囚われてしまっているんだよ。つまりはね…女神と“繋がった”君は決して逃れられない」
【SS使用条件】
特になし
最終更新:2016年04月04日 01:36