異世界の 【 金属素材 】 について
紅鋼(クレハガネ)
大延国内の山脈の多くで採掘・採取することができる成分鉄。
岩石を砕いたり溶解させて抽出することが一般的ではあるが、
山間の河川で採取できる物は細かい粒状のもので、“紅砂(クレスナ)”と呼ばれる。
炎にくべることで簡単に鋳造から加工ができる、火と相性の良い性質を持っている。
完成した品も炎にくべることで再度加工が可能なことから、
使わなくなった品を回収しての再利用も盛んである。
産出量も多く加工もし易く再利用も盛んなことから、安価で一般的な鉄製品の多くに使用されている。
鍛冶修練の登竜門的な素材でもあり、“まずは之を打ちて鉄の熱(あつ)さを知れ”とも言われる。
一つ注意する点は、見た目では判別の付かないそっくりなもので、“酷鋼(コクガネ)”というものがある。
酷鋼も火と相性は良いが、変質変異の度合いが天邪鬼でとても思った通りに扱える代物ではない。
なので、窯を痛めない様にと鍛冶師達はまず“味見窯”にくべてどちらの鋼かを確かめるのが通例である。
価格:◎ / 加工難度:◎ / 耐熱性:○ / 耐火性:×
陰鉄(いんてつ)
スラヴィアに夜の国が誕生してから数百年後あたりから採取できる様になった露天鉄。
主に陽の射さない暗い森の樹木や岩石に、まるでそこから生えた様に漆黒の塊が付着しているのが発見できる。
見た目は水晶の様で、手触りも硬くひんやりしているが、少し力を入れるだけで根元が折れる。
なので子供でも容易に採取することができるが、手触りに反して水晶状態では衝撃に対して脆く、
落としたりぶつけ合ったりするだけでヒビが入り瞬く間に割れて霧散してしまうため、その運搬には注意が必要である。
他の鉄素材とは大きく違う点が、精錬・加工方法である。 一切炎を使用しないのである。
漆黒の結晶をどの様な方法でも良いので冷やして行くと、結晶の大きさによって差異はあるが
一定の氷点下度まで下がった時点で結晶が融解を始める。
融けた結晶は粘性のある液体に近い状態になり、接触している物体に浸透し始める。
大抵の物体に浸透は可能であり、染み込んだ物体はその浸透量に比例して黒色化する。
黒色化した物体は極度に闇精霊との親和性が高くなり、光を通さなくなる。
浸透量が増すと、ますますその物体の闇属性化が進み周囲の温度吸収や活動減衰などの性質が発生する。
暗い場所で黒く結晶の形を取り、闇精霊の性質を備えさせるため、“陰鉄”と呼ばれている。
スラヴィアンが異世界で陽の下を行動するための道具などに欠かせない素材である。
価格:△ / 加工難度:△ / 遮陽性:◎ / 保管難度:×
汎ミスリル
精霊・事象力・ルーン作用などなど、特異な力と親和性の高い金属の総称である。
国や人によっては魔法金属、神練鋼、輝霊鉄など呼び方から扱われ方など様々であるが、
共通して言えるのが“何だか分からないけど凄い金属”ということである。
不明な点が多いためか、精錬や加工も難しく、産出量もまちまちである。
ミスリルという名が付いた起こりは、そういった金属を進んで多く日常的に扱っていたのが
クルスベルグであり
そこではそういった金属を“ミスリル”と呼んでいたからというのが有力説である。
加えてクルスベルグは金属素材の加工・製造・流通の大手でもあるため、影響力もあった。
そういった流れの中で、クルスベルグが“真のミスリル”として認める物と、
周辺大勢がミスリルと呼ぶ物を分ける為に“汎ミスリル”と称する様になった。
クルスベルグにとって、汎ミスリルはミスリルで非ず、その価値においても天と地ほどの差があるという。
国や素材によって、価値や性質は変わる
異世界にはどんな金属素材がある?と想像してみました
- エコ金属いいねー。本当のミスリルってどれくらい凄いものなんだろう -- (としあき) 2013-07-18 21:17:46
- 硬いが正義なのは異世界でも変わらなさそうだ -- (名無しさん) 2014-10-03 23:35:19
- 溶鉱炉など大掛かりな鋳造施設のない異世界でどれくらいの加工が可能なのかと考えましたが精霊の力を借りることで地球では実現できない熱量や調整ができそうですね -- (名無しさん) 2016-11-27 15:58:25
最終更新:2013年07月17日 20:15