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【デヴィルズ湖の元旦】

ノースダコタ、デヴィルズ湖。大ゲート管理基地付近の湖面にボートが浮かんでいる。
「年も明けて早々に…たまりませんね」
「休日出勤決定ビンゴ大会の結果だ。受け入れるしかないだろう」
凍えるような寒さの中でウエットスーツのダイバー二人がダイブする。
「何時になったら機械を投入できるようになるんでしょうかね」
「今現在の情勢と我が国の云々を考えるとその道は遠退いただろうな。上は周囲に警戒心を与え過ぎた」
機材や船の規模が大きくなると方々に察知されるので発見当初からずっと少数による直接調査が続いている。

  湖底に沈む巨大な塊の経過調査
かつて湖に大ゲートが出現したと同時に異世界より飛び出してきたドラゴンは戦闘の末に撃墜された。
世界各地で確認された大ゲート出現による異世界コンタクトの一つであるが、実はもう一つ起こっていた。
ドラゴンが飛び出した時に発生していた濃霧でレーダー以外の視認でしか確認されていなかった『巨大質量の湖への落下』である。
巨大な岩がゲートより出現したという民間人の報告であったが、当時何かを察した指揮官の指示により数名の調査員が直接その『岩』に接近した。
直径にして百mを越える楕円形のそれは下部を半分近く湖底に沈めており、回収するのであれば大掛かりな船舶等の出動が必要であった。
しかし指揮官はその上場の全てを内に処理し上層部へと秘匿項目として伝えることにした。
そして湖に建造されるゲート基地と共にアメリカ軍は内々に岩を調査していくことになる。
岩石と同じ無機質で構成された壁の隙間より少量であるが有機物も検出される。
間隔は数時間とばら付きはあるが岩より発生する低パルス振動を感知する。
数センチ単位ではあるが岩の表面に数か所、形状が変化しているのを確認されている。
極秘裏に編成された調査チームには人間だけでなく異世界からの異種族も組み込まれており、様々な意見が出ては検討されていく中で一つの結論が出る。

  巨大質量物は生命体である可能性が高い
この報告を受けアメリカ軍部内でも秘密裏に幾度となく会議が行われるも結論は出ず、対外に察知されないように調査を継続するという方向に決まり今もそれは継続されている。
しかし、様々な思惑や配慮からか大統領交代の際には『隠匿事項』として引継ぎはなされていない。
ゲートの先にある新天地でもこれ程の規模の生物は稀有も稀有であり、大ゲート発生と同時に小ゲートが発生し辺境か未踏破領域の生物が同時に地球へ転移したのではとも言われている。
どうなるのかは天のみぞ知ることではあるが、人間と異種族双方の知恵を出し合い様々な起こり得るであろう状況に対してシュミレートと対策を重ねている。
故に状況調査は重要であり知られずに行う必要があるのであった。

「…特に変化はないようですね」
「このまま何事も起こらずにいてくれればいいが、きっと『その日』はやってくるだろうと私は思う」
「縁起の悪いことは言わないで下さいよ」
硬い岩肌の方々を調べ終わり湖面へ向かうために浮上しようと見上げた視界に影が過る。
「どうした?」
「いえ、何かが上方を横切ったような気がしまして」
外気も水温も極低温であり、周囲に漁や釣りなどの人影もなかったはず。
「光の加減か何かかも知れないが、一応警戒は怠るなよ」


「流石は魚人だな。人間では想像もできない動きだ」
「陸の移動は助けが必要だがね。 ところで打ち込んだアンカーの数は相当なものになるが起動はしないのかね」
「それは私達の意思ではなく神の御意思により実行されるのだよ」
「求めるものが明らかであればこの世にいる者達で決めればいいことなのではないのかね?地球の宗教というのは未だ理解できぬことが多いな」
「信じる神が違うとは言え君達も宗教に則っているのだろう?協力が続く限りは理解する機会はあるだろう。 私も『言語の神』を理解するのに努めるとしよう」
初日の出が映る湖面を静かに進むボートの遠くで作業を終えた魚人が顔を出す。
「全く姿も言葉も触れることのできぬ神を信じる人間を、私に理解できるかどうか…」

  • 大きさが大きさだがあれかゴジラみたいなものか -- (名無しさん) 2018-01-02 09:53:01
  • もし動き出したらと思うと物騒だけど意思疎通とかできないものだろうか -- (名無しさん) 2018-01-05 00:02:37
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最終更新:2018年01月02日 01:46