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【祭のはじまり・ドニー・ドニー編】

「港に立ってた看板、見た?」
「お譲も見たんかあれ」
「本当であれば大々的な祭になるのは必須だろう」
「今年の世界一周は若手に花を持たせてやったのが幸いしたな。
こうして我らが一同ドニーに残っているのも何かの縁かも知れん」
「ヤフーン」
 『これより一ヶ月後、全てのゲートが繋がる“大ゲート祭”が催される。 一致団結、国を挙げて盛り立てる様に』
何時、誰が立てたかも分らぬ看板。
しかし、隅に捺されている“神”の印が放つオーラにより、誰もがその内容が真実であると確信した。
「よし、今ドニーに残っている海賊の代表を集めよう。
最初から皆の船足が乱れては叶わんからな」
「ワシは商会の連中に声をかけよう。
何せ事が事だけに物も金も大量に動くじゃろうしな。 ウッヒッヒ」
元来祭好きなドニー・ドニーの民。あっという間に港が国が慌ただしくなる。

「祭場はゲートのある大艦丸ごとと、接している港をひとまとめで!」
やたらとポップで丸みのある絵柄の祭会場図案を円卓に叩き広げるイツクシモ姫。
「店や出し物は各場所を割り当てられた者に任せる。
特に風俗に著しく反していたり、犯罪に繋がる様なものでなければ自由だ」
羽根帽子の奥から鋭い眼光で念を押すバルバンクール。
祭を楽しむ、商売に繋げる、国や文化を紹介する… 方向性は様々なれど、各々が各々の目的の下で一斉に動き出す。
「ヤフーーン」

「で、海賊酒場をやる事になったん?」
各所急ピッチで設営が進む大艦上で、居酒屋の移設に勤しむ海賊団。
「ウチでは、力自慢大会は前に船長が派手にブチかましてからずっと禁止。賭場はハゲがイカサマやらかしてから禁止。
後はもう食い物屋くらいしか無いのよね」
硬質高密度のドニー杉建材を大量に両肩に担いでも尚余裕のイツクシモ姫。
「ミソラは良いの? ドニーで祭の手伝いなんかやってて。
異世界の研究がどうとか言ってなかったっけ?」
「やー、民俗学や祭事関係はうちの領分やないしな。
それに、ドニーや海賊団の皆には世話になったことやし、ここいらで手伝いでもしてキリの良いとこで出発するわ」
旗や装飾など、裁縫仕事に精を出す山戸森。 何せ従業員の服から座布団やら平時の三倍強は用意しなければならない。
「お二人とも頑張っていますね。 もう少しでお昼ですから」
「食器と調理器具関係はそのまま厨房に運んでおいてくれ。 椅子やテーブルはとりあえず外に置いておこう」
「「「へい、分りやした」」」
千羽鶴とバルバンクールとその部下達が、厨房道具や設置具などを持ってやってきた。
「しっかし店の規模も三倍以上って、もう居酒屋やのうて大酒場の様相やなー」
「他国からの客も来るでしょうし、これくらいは無いと不安で。
そうそう、イツクシモさん、後で採寸しますので来て下さいね。 海空さんも手伝っていただけますか?」
「はいよー」
「え?女将、服作ってくれるの?」
「えぇ。洋風じゃなくて和風のものになりますけど、お祭用に」
「やったー!」

「うーん…」
「なんや風坊、手伝いもせずに何処行ってたんや?」
「ミソラ、精霊に物体をどうこうしろというのは結構無茶な事なんだよ?」
風の精霊はそう言いながら海の北方を指す。 空は至って晴天である。
「特に悪天候が近づいているワケじゃないんだけど…
少し北の方からザワっとしたモノを感じて、ね」
「ふーん。 ま、そこんとこはハッキリ分かってからで良いんとちゃう?
とりあえずこっち来て裁縫でも手伝いーや」
「だから精霊に物体をだね…」
渋る精霊の肩を強引に抱き寄せ仕事場に引き摺っていく。
晴天と海鳥の向こうから、微かに何かの鳴き声が聞こえた様に思えた。


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クライマックスっぽい場面からずっとイツクシモ姫が海に沈んでいるっぽいので
ちょっと引き上げに行こうとドニー大ゲ祭をまとめてみます。

  • ドニードニーの海賊も今ではまっとうな商いを -- (とっしー) 2012-07-31 13:54:11
  • 前コメ続き)しているんでしょうか、えらくフレンドリーな様子に和む -- (とっしー) 2012-07-31 13:55:20
  • やっぱり祭りと海賊は相性がいいですね。海賊団のそれぞれの性格もよく出ていました -- (名無しさん) 2014-10-26 17:23:20
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最終更新:2012年07月24日 05:08