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フルル本編03

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匿名ユーザー

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「なるほど・・・そんなことが」
医務室を出て、味娘娘に事情を説明する。
「というわけで・・・力を貸してほしいんだけど」
「わかりました。ちょっと行ってきますね」
「え?ああ、おーい・・・」
走って行ってしまった。一体何をする気なんだろう・・・

こちらもじっとはしていられない。
周りに居た連中は歯科子医師に追い払われたようだ。
俺も女の子をなだめようと試みる。・・・が、やっぱりうまくいかない。
程なくして、味娘娘が戻ってきた。その手には炒飯。これを作っていたのか。
味娘娘が女の子に話しかける。
「おなか空いてない?」
炒飯の匂いにつられたのか、女の子が味娘娘のほうを向く。
じーっと炒飯を見つめている。
「さ、お食べ」
レンゲで炒飯をすくって、女の子に差し出す。
しばらくじっと見ていたが、そのうち・・・
ぱく。
おお、食べた・・・言いそうになって、なんとなく口を塞ぐ。
レンゲを女の子に持たせると、ゆっくりと食べ始めた。
「おいしい?」
味娘娘が聞くと、女の子はうなずいた。
「よかった。まだあるから、沢山食べてね」


結局のところ、女の子は炒飯を3杯も食べた。どこか満足げな表情だ。
「おいしかった?」
「・・・うん」
「よかった。ねえ、あなたのお名前は?」
「・・・・・・」
味娘娘が聞くと、女の子はちょっと下を向いてから
「・・・フルル」
そう答えた。
「とにかくこれで、まずは一安心か・・・」
「そうね。今回は名前が聞けただけでも十分進展したと言えるわ」
「フルル、か・・・あー、安心したら・・・眠く・・・」
地面が揺らいだ直後、壁、ドアノブ、地面の順番に後頭部をぶつけて昏倒した。

翌日、医務室で目覚めた俺は、フルルについて尋ねた。
結局のところ他に解った事はないらしい。気長に待つ、との事だ。
それで、完全に味娘娘に懐いたフルルは食堂の手伝いをする事になった。
ただ・・・
「フルルちゃーん、お水ちょうだい」
「は、はい・・・ふぇ!?」
慣れていないので、よく失敗するんだが。
「うぅ・・・」
その度に泣き出すんだが。
あー、どうしよう。自分で片付けようとしてるんだが、助けたい。
そういう気にさせてくれるよな、この子は・・・

その場に居る工員の殆どが、皆うずうずしていた。


おしまい

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