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自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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匿名ユーザー

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「今後の計画だが、どうする。
オレとしては他の生存者と合流しつつ、帰還する道を探りたいと思う」
 装具の確認をしつつ謎レンジャーが言った。
「レンジャー、しかし任務はどうする?まあ任務以前になんでこんな場所へ放り出されたのか判らんが」
「記憶喪失に任務も作戦もない、指揮系統も違う、当然階級もな」
 4人の中で謎レンジャーは1等陸尉、階級が1番上だ、特殊作戦郡という身分もある。
順当に行けば彼が分隊のリーダーになる、冬レンジャーは釘を刺した。
「肯定だ。だがあんな化け物が居るんだ、助け合わないと生きていけない。
ところで昨日、この世界は甘くないと言っていたがあんたは何処まで知っている?」
 状況が状況だけに皆殺気立ち、誰も上官に対して敬語を使わない。
一番階級が高いはずの謎レンジャーが砕けた口調で話すのでなおさらだ。
皆昨日知り合ったばかりの他人だ、知らない相手に命を託したいとは思わないからだ。
「あんたらより速く目覚めて、一緒にいた仲間が足の生えたポリタンクに燃やされた。
それから生存者を探してあんたらと合流できた訳だ」
 この世界には砲弾撃つナナフシの他に火を吐くポリタンクがいるらしい。
何もかもが常識の外で頭が痛くなってきた。
BC兵器の他にUAVもばら撒かれているようだ。無差別に、大量に。
他に生存者がいるのだろうか?

「方針は生存者と合流しつつ、帰還するでいい。さて、とりあえずの目標だが」
 先輩達が進める会話に参加しようと私は手を上げた。
意見は常識的なものに留まる。
「水と食料の調達をしながら、森を抜けるのが先決だと思います。
川を見つけたら下ります、水辺には人が居る可能性があり、
現地人にも会える可能性があると提案します」
「ふむ、異論はないな」と冬レンジャー。
「ああわたしも異論はない……が言っておきたい事がある、新人」
 空挺レンジャーは考え込むように言った。
「水辺は食料が多く生き物が集まる、人が居る場所は敵にもいい場所だ。
敵が居るとしたら下流に居る可能性があるだろう」
「生き物か、あのデカイ蟻の群に出会う可能性があるってことだあな」
「蟻は水のある場所へ近寄らないと聞いたが」
「蟻は雑食だよ、茸から草まで食べる。昨日人間も齧ろうとしていた。
種類によっては水の上も歩き空も飛ぶ、地球の覇者だ。蟻は何処にでもいる」
と冬レンジャーは言った。

「蟻か、なあヒヨケムシって知ってるか?」
 謎レンジャーだ、ニヤついた顔は真顔に戻っている。
「いや、知らない。学がないもんでな」答えたのは冬レンジャーだった。
「海外派遣された時見たんだがな、ちょうど蟻ほどの大きさの蜘蛛なんだ。
噛まれた米兵がめまいやら吐き気で寝込んでな、後方送りになった」
 冗談だと思った、昆虫は体が大きくなると重力に耐えられなくなると聞いた。
「そいつが現地でなんて呼ばれてると思う?」
 皆一様に息を呑んだ。
「ラクダ喰いだよ。鳥やネズミ、トカゲも食べる肉食だ」
「肉食動物は群を作りにくいものだが……蟻は、群れる。」
 語尾が切れる。私は考えるほど思考の深みに嵌まっていく気がした。

「30cmの蟻が群をなして来たら……ぞっとするな。
おまけにバルカン付けた芋虫だ、蟻の方もどんな改造がされているか知れたもんじゃない」
「思ったんだが、蟻は明らかにBC兵器だよな」
 ガトリング芋虫や大砲ナナフシ、不自然な生き物達、まともじゃないと誰もが思っていた。
「何処かの馬鹿がばら撒いたのかもな」
「BC兵器ばら撒くって馬鹿かよ、制御できるのかよ」
 制御できなくなった結末が、これなのかもしれない。
「中華かロシアかアメリカか」
「……何処もやりそうだ」
「BC兵器のせいで喰えるもの探すにも苦労しそうだな」
「アフガンみたく生態系変える兵器ばら撒かれたら終わりだ」
「ははっ、食い物が放射能汚染されて食べられなくなってたりしてな」
「過程の話をしてもな、リスクの先に結果はある」
 空レンジャーはパンパンと手を叩いた。
「川に沿って進めば。少なくともまともな食い物にありつけるだろう。
川魚や鳥でも捕って喰えばいい、幸い銃はある」
「気にするだけ無駄ってことか、それに食べ物の心配もあるしな。餓えるのは怖い」
 私達は冬レンジャー、謎レンジャー、私、空レンジャーの順に縦隊で山を下りながら水を探す。
先頭を専門の訓練を積んだ山岳レンジャーである冬レンジャー、中央に指揮をとる謎レンジャー
後ろに新人の私、殿にベテランの空レンジャーである。

「そういや自己紹介がまだだった。尾原 克秀(オハラ カツヒデ)特殊作戦郡所属、1等陸尉だ」
「柿崎 金二郎(カキザキ キンジロウ)第一空挺団、2等陸尉」
「弥富 辰哉(ヤトミ タツヤ)北部方面隊第七、2等陸尉」
「夏乃 涼菟(ナツノ リョウト)所属未定、3等陸曹です」
 全員尉官なのに私だけ曹か、肩身が狭い。
「新人、状況だけに階級は気にせずいこうや。敵は区別しちゃくれない。
紹介が済んだところで、水と食料でも探すか」
「2手に別れ食べられそうなものを持ってくる。場所は此処で落ち合う。
新人とベテランの空挺、山岳とオレで組む、戦闘は出来るだけ避けろ。では行け」
 尾原の命令は素早く簡潔だ、判断が速い。
口こそ悪いが、出来る人物なのかもしれない。
「「「レンジャー」」」
「レンジャー言うな。了解と言え、此処は敵地だ」

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