とてもシンプルな話だけど、81人も一度の放送で呼ばれるようなロワだと、それへのリアクションは数倍になる。ようは同じようなシーンがそこかしこで行われるってことだ。
「ねえ……阿部ソウタって……まさか……」
「……そうだね。」
「……そうだね。」
親の顔より見た知り合いの死を知ってショックを受けるシーン、そんなものを誰が見たがる? 本人たちにとっては悲しくても、観戦してる側からすれば退屈なテンプレートじゃないか。
望まれているのは、無力なガキにデカい武器を渡してマヌケに殺し合わせること。それが見たくて主催者やってるのが何人もいるのだから、感傷に浸る間など与えない、参加者の事情など知ったことじゃあない。むしろ逆だ、放送の直後こそが、最も盛り上がる瞬間なんだ。
そのために、殺した数を競わせるというレースを作った。
そして、ラストサバイバルを経験した二人の反応は早かった。あるいはそれは、近くに自分たちよりも動揺した年上がいたからかもしれない。
望まれているのは、無力なガキにデカい武器を渡してマヌケに殺し合わせること。それが見たくて主催者やってるのが何人もいるのだから、感傷に浸る間など与えない、参加者の事情など知ったことじゃあない。むしろ逆だ、放送の直後こそが、最も盛り上がる瞬間なんだ。
そのために、殺した数を競わせるというレースを作った。
そして、ラストサバイバルを経験した二人の反応は早かった。あるいはそれは、近くに自分たちよりも動揺した年上がいたからかもしれない。
「蘭が……嘘だな、アイツが死ぬわけない。」
「あの……あなたも、誰か……」
「……妹の名前が呼ばれた。もちろん信じちゃいないさ。君たちも……えっと、桜井くんと、早乙女くんだっけ。」
「早乙女はこっちの……」
「あの……あなたも、誰か……」
「……妹の名前が呼ばれた。もちろん信じちゃいないさ。君たちも……えっと、桜井くんと、早乙女くんだっけ。」
「早乙女はこっちの……」
桜井リクは、早乙女ユウを指差しながら磯崎凛に答える。四角い顔の凛は、顔を赤らめたまま「悪いな、覚えきれてなくて」と言うと窓の外を向いた。リクたちは所詮、知り合いの死を知らされただけだが、凛は妹の名前を呼ばれている。冷静になるスピードは全く違ったというわけだ。
もし、この時にリクが凛の制服のデザインを気づいていたら、もっと落ち着いて外見を見れていれば、同じように動揺していたかもしれないが。その蘭というのは、彼が校舎の中からヒグマに襲われ殺されていくのを見た1人だったんだから。
だがそうはならなかった。リクたちが聞いたのは、階下から響いた悲鳴だったのだから。
もし、この時にリクが凛の制服のデザインを気づいていたら、もっと落ち着いて外見を見れていれば、同じように動揺していたかもしれないが。その蘭というのは、彼が校舎の中からヒグマに襲われ殺されていくのを見た1人だったんだから。
だがそうはならなかった。リクたちが聞いたのは、階下から響いた悲鳴だったのだから。
「美紅ちゃ……きゃあああ!!」
「今のは、サネルさんの声だ!」
「今のは、サネルさんの声だ!」
誰なんだよ、とこの校舎にいる人間の半分ほどは思うだろう。リクたちも思っている。50人近くもいるんだ、その顔を知らないことだって珍しくもない。凛は自衛隊基地からの付き合いなので直ぐに気づいて駆け出したが、彼がいなければリクたちは持ち場から動こうとしなかっただろう。
「大変だぁ! 星乃さんが、星乃さんが死んだぁ!」
沖田悠翔の叫び声も聞こえて、凛の後をついて階段を駆けて降りる足も速くなる。悠翔はリクとユウが見張りに戻ったあとも遺体の収容を続けていた。そういえば6時になったら交代するんだったとリクが思い出しながら3階に向かうと、廊下の真ん中辺りで少女が腰を抜かしている。そこが女子トイレだとわかると凛は一瞬躊躇してから突入した。
「なっ……星乃さん!」
「ヒドい……」
「ヒドい……」
一言で言えば、真っ赤ってやつだ。
トイレの真ん中辺りには血の海っていう陳腐な言葉がピッタリなほどに赤がぶちまけられている。その真ん中には、制服姿の人間が倒れていた。頭が潰れて脳みそがハミ出ているそんなのでも、四肢があればまだ人間だとわかるんだから不思議なものだ。まあスカートでなきゃ女だと判断するのは難しかっただろうがな。
トイレの真ん中辺りには血の海っていう陳腐な言葉がピッタリなほどに赤がぶちまけられている。その真ん中には、制服姿の人間が倒れていた。頭が潰れて脳みそがハミ出ているそんなのでも、四肢があればまだ人間だとわかるんだから不思議なものだ。まあスカートでなきゃ女だと判断するのは難しかっただろうがな。
「サネルさん、大丈夫か? 怪我は、どっかしてないか?」
「だ、大丈夫、だけど、み、美紅ちゃんが……」
「だ、大丈夫、だけど、み、美紅ちゃんが……」
血の気の無い顔で凛に答えるサネルは、肩を貸されてなんとか立ち上がる。リクも悲鳴でスプラッタな光景を予想していなければ同じように腰を抜かしていただろう。目で見て、鼻で臭って、蒸発した血を含んだ独特の空気を体で感じて、あの時見ているだけだった、そしてその後自分の手で体育館へと運んだ遺体を感じていく。それだけの血と死体が目の前にある、だから確信したんだ。
この人は誰かに殺されたと。
この人は誰かに殺されたと。
「こ、小林ーー!!」
今度は安永宏の叫び声が聞こえた。その名前に反応するのはユウだ。この校舎でユウと安永の2人が知っている小林は小林旋風だけだ。ユウが関本和也と共にこの殺し合いで初めて出会った1人だ。同い年の男子小学生というのもあって、人付き合いの悪いユウにも和也と2人で引っ張ってくれていた。その小林が呼ばれたということは、だ。これはもう死んだだろう。
「おいおいまたかよ!」
叫ぶ凛、そして目配せするユウとリク。ラストサバイバルの経験者の2人はわかる。この校舎で何が起こっているのを。
「追加ルール、だね。」
「うん。カレンさんみたいなタイプだ。」
「うん。カレンさんみたいなタイプだ。」
2人が想像するのはラストサバイバルで戦った少女である。勝つためなら手段を選ばないシャバで女子小学生やってるのが不思議なレベルの大場カレンのようなタイプが、このバトル・ロワイヤルにも参加している。そしてあの放送で動き出した。キルスコアレースでの一抜けを狙って。
ユウは自然と銃を肩から外し両手で持った。少なくとも1人、殺し合いに乗った奴がいる。なんなら2人かもしれないし、チームを組んでいてもっと多いかもしれない。
ユウは自然と銃を肩から外し両手で持った。少なくとも1人、殺し合いに乗った奴がいる。なんなら2人かもしれないし、チームを組んでいてもっと多いかもしれない。
「ユウくん、まずは悠翔くんたちと合流しよう。たぶん屋上だ。」
「そうだね。」
「おい待て待て待て! どこ行くんだ!」
「凛さん、銃を渡しておきます。」
「そうだね。」
「おい待て待て待て! どこ行くんだ!」
「凛さん、銃を渡しておきます。」
ユウが拳銃を投げると、凛は咄嗟に片手でキャッチする。そのせいでサネルを落としかけ慌てて掴みあげている間に2人は駆け出していた。
「凛さんには悪いけど急ごう。」
「うん。」
「うん。」
この時、2人は気づいていなかった。悠翔と安永は反対側の階段でちょうど4階から3階へと降りていた。彼らはその後、入れ替わりで凛とサネルを発見し、悠翔を残して安永は体育館へとスケボーを走らせる。つまり、リクたちが向かった4階にいるのはただ1人。
「誰ですか。」
銃口を向ける横で誰何するリク。出会ったのは異様な出で立ちの男。見覚えがないことが当たり前のこの校舎でもこんな奴は見たことがないと断言できるその男の名は。
「乙和瓢湖。」
「リクくん逃げて!」
「リクくん逃げて!」
名乗り終わった瞬間、乙和は猛然と駆け出した。確実に殺すという宣言の名乗りに反射的に発砲するユウに、乙和は薄い笑みを向けると廊下から教室へと飛び込む。そして教室の中を走ると、再び廊下に現れた。
速すぎる、速さの次元が違う。リクとユウは戦慄した。乙和に比べれば彼らは雑魚。秒殺されるだけのモブでしかない。教室から教室へと廊下をジグザグに走られ、ユウの銃撃は全く当たらない。そもそも、乙和は銃を持っているのにそれを使わずにわざわざ距離を詰めてきている。ようするに遊んでいるのだ。これは勝負にもなっていない。
そしてカチンという音が、ゲームセットの合図だ。
速すぎる、速さの次元が違う。リクとユウは戦慄した。乙和に比べれば彼らは雑魚。秒殺されるだけのモブでしかない。教室から教室へと廊下をジグザグに走られ、ユウの銃撃は全く当たらない。そもそも、乙和は銃を持っているのにそれを使わずにわざわざ距離を詰めてきている。ようするに遊んでいるのだ。これは勝負にもなっていない。
そしてカチンという音が、ゲームセットの合図だ。
「弾が。」
弾切れ、それを理解するのは乙和の方が早い。回転式機関砲のような連射スピードには驚いたが、所詮はガキ、闇乃武として殺しの場に身を置いてきた乙和には全く、届かない。太刀打ちなどできるはずが無い。
廊下の向かいの教室に飛び込もうと駆け出した足で、乙和はステップを踏む。そうしたらもう、ユウの目では追えない。元々動体視力も反射神経も良いわけじゃあないユウは、教室から教室へと左右に移動する乙和ですら残像が見えていたんだ。予測できる動きでそれなら、タイミングがわからずに左右にブレる乙和が分身しているようにすら見える。そして、視界から消えた。
廊下の向かいの教室に飛び込もうと駆け出した足で、乙和はステップを踏む。そうしたらもう、ユウの目では追えない。元々動体視力も反射神経も良いわけじゃあないユウは、教室から教室へと左右に移動する乙和ですら残像が見えていたんだ。予測できる動きでそれなら、タイミングがわからずに左右にブレる乙和が分身しているようにすら見える。そして、視界から消えた。
「もう終わりかい?」
いつの間にか、ユウの目の前に乙和はいた。合成のような速さで距離を詰める乙和の姿にわからされる。あ、これは無理ですね、たまげたなあ、これ絶対逃げ切れないやつやん。予備に持っていた拳銃を使おうとして、指がさまよう。ポケットは空。
(さっき、凛さんに──)
「はい、2人ぃ!」
「はい、2人ぃ!」
たった7秒。戦闘開始から7秒で、乙和の刀が2人に迫る。せめてリクを庇おうとして、ユウが手を伸ばす先で。
リクは自分から刃に飛び込んだ。
リクは自分から刃に飛び込んだ。
「なにっ。」
「リクくん!」
「走って!」
「リクくん!」
「走って!」
それは雑魚の思わぬ一撃、窮鼠猫を噛むの言葉通り、リクは乙和に噛みついた。
リクはユウとは違った。撃てなかったのだ。同じようにライフルを抱えておきながら。リクは1発の銃弾も撃っていなかった。
嫌だった、ウンザリしていた、撃てなかったのは今に限ったことでなく、ヒグマに襲われていたグループを助けられなかった。援護できたとは言っていない、銃なんて撃ったこともなければ、距離は遠いし、だいたいリクのいた場所からは校門や木が邪魔でどうしようもなかった。いやそんなわけあるか、だったら場所を変えれば良かった、我が身可愛さなんて捨てれば良かった。リクは撃てなかったんじゃあない、撃たなかったんだ。
リクはユウとは違った。撃てなかったのだ。同じようにライフルを抱えておきながら。リクは1発の銃弾も撃っていなかった。
嫌だった、ウンザリしていた、撃てなかったのは今に限ったことでなく、ヒグマに襲われていたグループを助けられなかった。援護できたとは言っていない、銃なんて撃ったこともなければ、距離は遠いし、だいたいリクのいた場所からは校門や木が邪魔でどうしようもなかった。いやそんなわけあるか、だったら場所を変えれば良かった、我が身可愛さなんて捨てれば良かった。リクは撃てなかったんじゃあない、撃たなかったんだ。
(今度は、殺るよ。)
人殺しにはなりたくない。誰が好き好んで生き物に向けて銃を向けれるか。そんなメンタルの者がバトル・ロワイヤルで生きていけるわけがない。そのことに気づくのに6時間と何分か、そしてこの7秒かかった。
撃っていれば危険人物を撃退できたかもしれない、近づかれるのを遅くできたかもしれない、ユウに向けて刀が振るわれるのを遅らせることができたかもしれない。でもそんな気づきはもう遅い。ならやることは1つ、少しでもユウへの危険を防ぐのが、ユウへの恩返しってものだろう。
自分たちを守るために人殺しになろうとしたユウへの!
撃っていれば危険人物を撃退できたかもしれない、近づかれるのを遅くできたかもしれない、ユウに向けて刀が振るわれるのを遅らせることができたかもしれない。でもそんな気づきはもう遅い。ならやることは1つ、少しでもユウへの危険を防ぐのが、ユウへの恩返しってものだろう。
自分たちを守るために人殺しになろうとしたユウへの!
「やめろ、ぐあっ!」
バスンと音を立てて乙和の手首が振動する。リクが噛みついた部分は、乙和が暗器を仕込んでいた場所だった。暴発した梅花袖箭が乙和の指を吹き飛ばすと共に、リクの顔面を撃ち抜く。ブツリと、頭の中で音が聞こえた。それきりなんの音もしなくなって、リクはこれが人生最後の音だってわかった。これはヤバい、絶対に死ぬ。そうわかったなら、もうやるべきことはわかりきっていた。すぅ、と大きく息を吸おうとして、全く吸えない。うんこれは死ぬな。サバイバルウォークの時より息が吸えてない。それでも。
「走って!」
全身全霊で叫ぶ。同時に、意識が凄まじいスピードで飛んでいく。映画で見た、宇宙船がワープするシーン。光る星が線になるように、目に映った景色が白い糸のように引き伸ばされていく、白くぼやけた視界が、1人の人間の形になっていく。
(ゴメン、ソラ。)
リクの命が失われていく。
リクの声、リクの視線、リクの魂。ぐるりとリクの目が上を向くのを見て、ユウがきびすを返して駆け出した。託された。伝えなくてはいけない。敵がここにいると、人を殺した奴がいると、リクを殺した奴がいると。
リクの声、リクの視線、リクの魂。ぐるりとリクの目が上を向くのを見て、ユウがきびすを返して駆け出した。託された。伝えなくてはいけない。敵がここにいると、人を殺した奴がいると、リクを殺した奴がいると。
「いい気になるなっ!」
乙和は噛みつかれた腕を振り上げ、リクの頭を廊下の壁へと叩きつける。その衝撃でより歯が肉に食い込むが構わない、コケにしたガキはぶっ殺さなくては。
乙和は殴った。爪を食い込ませてきた腕を引き剥がし、固めた拳で何度も何度も殴った。時間にしたらほんの7秒。リクを引き剥がすのにかかった時間だ。だがその7秒はどうしようもなく遅かった。
乙和は殴った。爪を食い込ませてきた腕を引き剥がし、固めた拳で何度も何度も殴った。時間にしたらほんの7秒。リクを引き剥がすのにかかった時間だ。だがその7秒はどうしようもなく遅かった。
「笑うな!」
なにより、牙を向くように笑いながら死んだことが気に食わなかった。雑魚が強者に一杯食わせた感を出して満足しながら死んでいったことに無性に腹が立つ。なんで秒殺された奴が浸っているんだと、飛んでいってしまった指の恨みは骨髄まで達している。15秒で殺せた相手に指を持って行かれたのが。しかも自分の武器で。これはもう怒髪天を衝くというやつである。
乙和は、猛ダッシュした。プライド的にも実益的にも殺さなくてはならない。舐められるは指を持っていかれるは1人殺したぐらいでこれからずっと殺しがやりにくくなるは、生かしといていいことなど何一つない。至急ぶっ殺す。全殺しだ。
廊下の端を曲がって消えたユウだが、足音はまだ響いている。すぐそこだ。乙和は同じように廊下の端まで行く。階段を駆け下りていくユウの姿を捉えた。踊り場まで数歩で階段を駆け降りると、受け身を取って横へと転がり、勢いそのまままた駆け降りる。そしてそのままユウの頭部へとライダーキック!
乙和は、猛ダッシュした。プライド的にも実益的にも殺さなくてはならない。舐められるは指を持っていかれるは1人殺したぐらいでこれからずっと殺しがやりにくくなるは、生かしといていいことなど何一つない。至急ぶっ殺す。全殺しだ。
廊下の端を曲がって消えたユウだが、足音はまだ響いている。すぐそこだ。乙和は同じように廊下の端まで行く。階段を駆け下りていくユウの姿を捉えた。踊り場まで数歩で階段を駆け降りると、受け身を取って横へと転がり、勢いそのまままた駆け降りる。そしてそのままユウの頭部へとライダーキック!
「ぎゃあっ!!」
「はっ、騒ぐなっ。」
「はっ、騒ぐなっ。」
勝った! 足裏から確かな手応えあり。これがジャンプキャラの戦闘力である。だてに実写化はしていない。ちょっぴり刀が握れなくなったが、利き腕は生きている。これでキルスコアは更に2つ。
ブルブルと震える腕で向けられた銃口を蹴飛ばす。あの震え方は脳をやったなと、舌なめずりしながらユウの髪を掴んで持ち上げた。軽く蹴っただけで取り落としたのを見れば、ユウの握力が死んだのが丸わかりだ。むしろ曲がりなりにも銃口を向けられたことがすごい。もちろん褒めてやる気などムチャクチャないが。
ブルブルと震える腕で向けられた銃口を蹴飛ばす。あの震え方は脳をやったなと、舌なめずりしながらユウの髪を掴んで持ち上げた。軽く蹴っただけで取り落としたのを見れば、ユウの握力が死んだのが丸わかりだ。むしろ曲がりなりにも銃口を向けられたことがすごい。もちろん褒めてやる気などムチャクチャないが。
「じゃあ──」
髪を掴んで無理やり立たせたユウの目の前に刀を横に寝かせて見せ、その刃の鋭さを認識させる。楽には殺さない、と行きたいところだが、残念なことにこの後も予定が詰まっている。是非とも死ぬ寸前まで痛めつけてからぶっ殺したいが、この怒りは他のやつを殺すことで晴らすとしよう。
(リクくん──)
ユウが回想シーンに入ろうとするが乙和は許さんとばかりにとっとと刀を持ち上げる。大切な人への先に逝くことの謝罪とか、既に死んだ人間に会うことで自分の死を悟るとか、そんなありがちな展開で死ぬまでの時間稼ぎなど認めない。逃れられない死は実感させられただろう。だったら遅滞なくぶち殺すとしよう。
「死ねええぼらっ!?」
「捕まれ!」
「捕まれ!」
乙和は刀を振りかざしたところで何かに後ろから跳ねられ階段を転がり落ちていった。
安永は保健室に鱗滝左近次と近藤勲を送り届けたあと、3階へと急いでいた。ライフルを持っているので護衛役に残したが、殺人の起きた現場に悠翔を残したのは当然気がかりだ。急いで階段を駆け上がろうとすると、ちょうど降りてきたサネルと凛と鉢合わせた。
「降りてきてたのか、悠翔は?」
「ああ、彼には君に伝言を頼んだんだけど、会ってないのか?」
「ああ、彼には君に伝言を頼んだんだけど、会ってないのか?」
行き違いか。となると校門の方か。「伝言って?」と安永が尋ねると、凛はリク達について話した。
そうだった、屋上に小林たちがいたように、4階にはリクたちが見張りについている。3階で見張りのシフトを任されていた美紅が襲われ、屋上の小林も襲われたとなると、間の階にいるリクたちが危ない。
「クッソ」と悪態をつくと、安永は階段を駆け上がり出した。一段飛ばしでダッシュする。3階まで来たところで銃声が聞こえだした。迷ったのは一瞬、音の聞こえ方から真上ではない、ならこの階のどこかで銃撃が起きていると判断してスケボーを走らせる。だがそれは判断ミス、走れど走れど無人の廊下に間違えたと知る。が、不幸中の幸いってやつは意外と起こるもの、リクの叫び声が聞こえてから少しして、階段を駆け下りてきたユウがドロップキックでぶっ飛ばされ、今まさに殺そうとしている謎の男の横に飛び込む形になった。
そうだった、屋上に小林たちがいたように、4階にはリクたちが見張りについている。3階で見張りのシフトを任されていた美紅が襲われ、屋上の小林も襲われたとなると、間の階にいるリクたちが危ない。
「クッソ」と悪態をつくと、安永は階段を駆け上がり出した。一段飛ばしでダッシュする。3階まで来たところで銃声が聞こえだした。迷ったのは一瞬、音の聞こえ方から真上ではない、ならこの階のどこかで銃撃が起きていると判断してスケボーを走らせる。だがそれは判断ミス、走れど走れど無人の廊下に間違えたと知る。が、不幸中の幸いってやつは意外と起こるもの、リクの叫び声が聞こえてから少しして、階段を駆け下りてきたユウがドロップキックでぶっ飛ばされ、今まさに殺そうとしている謎の男の横に飛び込む形になった。
「死ねええぼらっ!?」
「捕まれ!」
「捕まれ!」
刀を振りかざす乙和をスケボーを浮かして踏み台にすると、2人でもんどり打って廊下を転がる。けっこう簡単に扱えると思ったがそうそう甘くはないことを打ち身で理解するが、今はそれどころではない。ユウを抱えるとなんとかスケボーに乗り走り出す。
「逃がすかっ!」
当然のように乙和は起き上がると爆追しだした。あの勢いでぶつかってなんでピンピンしてんだとさすがの安永もビビる。ビビって足がたたらを踏んで、何かを踏んだ。
「ぐおぁ!?」
その瞬間、スケボーが猛加速を始める。たまたま今まで電動のスイッチを押さずにきたが、スケボーでは意識しなければ足を置かない場所にたまたまこのタイミングで置いたことで、乙和との距離が開く。そしてこれはもう一つのピンチを未然に防ぐことに繋がった。
(……タイミングを逃したな。)
美紅を殺した犯人、芦川ミツルは構えていた銃を下げた。
3階に潜伏していた彼は、ずっと誰かを奇襲するタイミングを見計らっていた。ただできれば銃を持った相手は避けたい、これ以上音を立てて何人も一度に来られるのは困る、そう思って機を伺っていたが、目に見える奴見える奴誰かしら銃を手にし続けていたのでチャンスをふいにし続けた。美紅の時のような計画に無い殺しを嫌ったという面もあるが、ともかく。
3階に潜伏していた彼は、ずっと誰かを奇襲するタイミングを見計らっていた。ただできれば銃を持った相手は避けたい、これ以上音を立てて何人も一度に来られるのは困る、そう思って機を伺っていたが、目に見える奴見える奴誰かしら銃を手にし続けていたのでチャンスをふいにし続けた。美紅の時のような計画に無い殺しを嫌ったという面もあるが、ともかく。
(あの追いかけている男にさっきのを殺したってなすりつけられないか……)
そう考えながら銃ではなく杖をとる。
上の方から銃声が聞こえてきたので銃を使ってもいいだろうと方針転換したが、あのスピードでは当てられるか少し自信がない。だが幸運にもミツルの方へと逃げてきている。さっき安永だかをやり過ごしてよかったと思いながら、得意技の蠢く影に突っ込ませてやろうと魔法を唱えた。
上の方から銃声が聞こえてきたので銃を使ってもいいだろうと方針転換したが、あのスピードでは当てられるか少し自信がない。だが幸運にもミツルの方へと逃げてきている。さっき安永だかをやり過ごしてよかったと思いながら、得意技の蠢く影に突っ込ませてやろうと魔法を唱えた。
「大いなる冥界の宗主よ、我、盟約にのっとりここに請い願わん。闇と死者の翼の眷属よ、我ここに古の黒き血の契約の印を以って呼びかけん。我に仇なす敵に久遠の死の眠りを、解けぬ氷の呪縛を与えたまえ。サキュロズ、ヘルギス、メトス、ヘルギトス、出でよ闇黒の娘、バルバローネ!」
(まずい、早すぎた。)
「なんだあっ!?」
(まずい、早すぎた。)
「なんだあっ!?」
呪文の常だが、高速で動かれるとタイミングを合わせるのが難しい。早口で唱えたが早口すぎたのか意外と距離があった。バルバローネの鞭のような腕が伸びるが、間一髪安永が身を投げ出すことで後ろを走っていた乙和に向かうことになる。
「舐めるなっ!」
「踏み台にした……!?」
「踏み台にした……!?」
しかしこれも間一髪、乙和は跳躍すると、腕の上をそのまま駆け出した。慌てて引き戻したのが正解だ、足場を無くした乙和は梅花袖箭を放つも、バルバローネにその程度の攻撃は通用しない。教室の中に姿を隠したままさて次の攻撃はどうしようかとミツルが考えていると、奇妙な感覚、いや違うこれは悪寒!
「水牢の術。」
「バルバローネ!」
「バルバローネ!」
完璧に幸運で偶然だった。あるいはこれまでの冒険で培った戦闘経験の賜物だ。漁夫の利を狙われるならこのタイミング!
ミツルの足元から四方八方に伸ばした影に、いつの間にか真後ろにいた少女が後退する。そのことにまたも驚愕するミツル。そこまで近づかれていたことにも、おそらくカウンターのタイミングで放ったのになんなく躱されてしまったことも。
ミツルの足元から四方八方に伸ばした影に、いつの間にか真後ろにいた少女が後退する。そのことにまたも驚愕するミツル。そこまで近づかれていたことにも、おそらくカウンターのタイミングで放ったのになんなく躱されてしまったことも。
「むおおぅ!?」
現に突っ込んできていた乙和はギリギリで刀で腕を受け止めたものの弾き飛ばされ、安永の後ろで転がっている。ヒグマもズタズタに惨殺したバルバローネの影をただの刀なんぞに防がれたことに驚くが、ミツルの神経は奇襲を仕掛けてきた少女に向いた。何だコイツは?
(大したやつだ。感知タイプか? 水分身とはいえ俺の無音殺人術に対応するとは。)
ミツルに見られ、ピンクの髪色の小学生ほどの少女、に水分身を変化させていた桃地再不斬は、潜んでいる校舎内で思案する。
再不斬が方針をマーダーに転換したのも、放送で流れた追加ルールだ。
元々、彼は更なる参加者との接触を求めて森を駆け回っていたが、あいにくこの辺りの参加者は皆この学校に集まっている。となると必然、再不斬もこの学校に気がつき、直ぐに校舎内に大量の参加者がいることに気づいた。そして園崎詩音たちがいることにも。
こうなると、困る。詩音たちに首輪の調査を任せる、という予定だったが、あれだけ集まるということはもうこの辺りに再不斬が好きにできる参加者はいないと悟る。ではノコノコと学校に行くかというと、戦場にいる忍者がわざわざ人前に出ていくなどありえない。それにそれをしなくていいように詩音たちがいるのだ。第一、出ていったところで再不斬は首輪を外すことに貢献できるわけでもないし、やることがない。
これなら寝てるほうがマシだなと思い、ひとまず休憩を入れた。さしもの再不斬も数時間動き詰めだ、水の1つでも飲みたいところである。適当に家探しでもするかと思っていたところに流れたのが、あの放送だった。
再不斬が方針をマーダーに転換したのも、放送で流れた追加ルールだ。
元々、彼は更なる参加者との接触を求めて森を駆け回っていたが、あいにくこの辺りの参加者は皆この学校に集まっている。となると必然、再不斬もこの学校に気がつき、直ぐに校舎内に大量の参加者がいることに気づいた。そして園崎詩音たちがいることにも。
こうなると、困る。詩音たちに首輪の調査を任せる、という予定だったが、あれだけ集まるということはもうこの辺りに再不斬が好きにできる参加者はいないと悟る。ではノコノコと学校に行くかというと、戦場にいる忍者がわざわざ人前に出ていくなどありえない。それにそれをしなくていいように詩音たちがいるのだ。第一、出ていったところで再不斬は首輪を外すことに貢献できるわけでもないし、やることがない。
これなら寝てるほうがマシだなと思い、ひとまず休憩を入れた。さしもの再不斬も数時間動き詰めだ、水の1つでも飲みたいところである。適当に家探しでもするかと思っていたところに流れたのが、あの放送だった。
(殺し放題だと思ったが、そりゃ同じ考えのやつはいるか。)
再不斬は音を立てずに笑う。
ちなみに再不斬が水分身を女子小学生に変化させた理由は、特に無い。単にわざわざ自分の姿のまま殺しに行くのは芸が無いが、さりとてこれだという姿も無いので、出会った詩音たちと同じぐらいのアカデミー出たての下忍ほどの外見にしたまでだ。髪色も、緑っぽい詩音と黄色っぽいジョゼと青色のバギーを見てなら赤系の桃色で行くかと思っただけだ。これはこの間戦ったうずまき一族の忍者から、その一族が持つという赤髪を連想したというのもあったりなかったりするが、ともかく再不斬はピンク髪の女子小学生っぽい水分身を校舎に突入させていた。
ちなみに再不斬が水分身を女子小学生に変化させた理由は、特に無い。単にわざわざ自分の姿のまま殺しに行くのは芸が無いが、さりとてこれだという姿も無いので、出会った詩音たちと同じぐらいのアカデミー出たての下忍ほどの外見にしたまでだ。髪色も、緑っぽい詩音と黄色っぽいジョゼと青色のバギーを見てなら赤系の桃色で行くかと思っただけだ。これはこの間戦ったうずまき一族の忍者から、その一族が持つという赤髪を連想したというのもあったりなかったりするが、ともかく再不斬はピンク髪の女子小学生っぽい水分身を校舎に突入させていた。
「チクショウ、なんだこれは。」
「安永さん……1人で逃げ……」
「安永さん……1人で逃げ……」
こんな状況に思わず安永は毒づく。何が起こっているかはわかりまくっている、前門の血塗れセーラー服マーダーに、後門の血塗れ和服マーダー、更に左門にはピンク髪ツインテールデカい斧?マーダーである。思わずたまげるのも無理はない。
「桜井の叫び声が聞こえた。アイツは。」
「……」
「あの和服野郎からお前逃したんだろ、じゃあ逃げんぞ。」
「……ムリだよ……このままじゃ、君も……三人に勝てるわけ無いだろ……」
「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前。」
「……」
「あの和服野郎からお前逃したんだろ、じゃあ逃げんぞ。」
「……ムリだよ……このままじゃ、君も……三人に勝てるわけ無いだろ……」
「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前。」
そう強がるが、実際問題勝機は薄い。三方を危険人物に囲まれ、あからさまに人を殺している二人が殺気をぶつけてくる中、使える銃は一つだけ。これを切り抜けるのは至難の業だ。
更に、悪いことってものは重なるものだ。
更に、悪いことってものは重なるものだ。
「早乙女?」
体にもたれ掛かる重さが増す。安永の声にユウはうめき声で返した。そのまま崩れ落ちそうになった彼の頭を受け止めて驚く。頭蓋骨が凹んだ。絶対に頭を持ったときにしないはずの感触がする。
(クソッ、ヤベえな、やるしかねえ。)
ユウの傷の重さに覚悟を決めた安永。目指すは右、校庭側の教室だ。
この3人がチームのマーダーだったらおしまいだが、さっきの様子と今もこうして悠長に考えられていることからその可能性はまずない。だったらユウを抱えてスケボーで教室に逃げ込み、銃を乱射して突っ込んでこないようにすれば、その隙を別のマーダーが狙うだろう。もうこれしかない。
固唾を飲んでタイミングを待つ。この拮抗状態でチャンスは一度きりだ。真っ先に動けば注目を集める。注目を集めれば早撃ちでもされかねない。後の先ってやつを狙おうとした安永の耳を機関銃の銃声が叩いた。
この3人がチームのマーダーだったらおしまいだが、さっきの様子と今もこうして悠長に考えられていることからその可能性はまずない。だったらユウを抱えてスケボーで教室に逃げ込み、銃を乱射して突っ込んでこないようにすれば、その隙を別のマーダーが狙うだろう。もうこれしかない。
固唾を飲んでタイミングを待つ。この拮抗状態でチャンスは一度きりだ。真っ先に動けば注目を集める。注目を集めれば早撃ちでもされかねない。後の先ってやつを狙おうとした安永の耳を機関銃の銃声が叩いた。
(校庭の方からか!?)
安永の血の気が引いた。知った声の悲鳴が聞こえてくる。その中にはクラスメイトの柿沼のものすらある。更には入ろうとしていた教室から煙が出てくる。更には入ろうとしていた教室からバギーが飛び出してくる。更には入ろうとしていた教室からライオンが飛び出してくる。
「なんだお前!?」
「グラァ!!」
「げえっ!? さっきの!」
「お前はあの時の──」
「やれ!」
「チッ。」
「グラァ!!」
「げえっ!? さっきの!」
「お前はあの時の──」
「やれ!」
「チッ。」
素っ頓狂な声を上げる安永、野獣の咆哮を上げるライオン、乙和を見て驚くバギー、バギーを見て驚く乙和、機を見て攻撃に移るミツル、一手出遅れた再不斬。
最初に殺したのは、再不斬だった。
最初に殺したのは、再不斬だった。
(影分身じゃ俺のポイントになるかわからねえが、コイツらに取られるよりはマシだ。)
「ンギャアアアア!!」
「グアッ……アアッ……」
「ンギャアアアア!!」
「グアッ……アアッ……」
一太刀で腰弾されたバギーと首を撥ね飛ばされたライオンが悲鳴を上げる。そこをミツルのバルバローネが突き刺し、バギーとライオンがメッタ刺しされる。そこに乙和が飛び込んでバギーとライオンを斬り伏せる。そこに再度再不斬から飛び込んでバギーとライオンの首を唐竹割りにしようとして。
「掴まれ!」
「! バラバラカー!! 寄越せ!」
「うおっ!?」
「! バラバラカー!! 寄越せ!」
「うおっ!?」
このタイミングを待っていた! 安永はスケボーを走らせる。突然バギーの体がバラバラになる。そしてスケボーと合体する。なんだこれはどうすればいいのだ!
「おい前前前!!」
「うおおおおおお!!!」
「うおおおおおお!!!」
あっという間に教室を横断すると、バギーと安永とユウの3人は窓を突き破って校庭へダイブした。
「大いなる冥界の宗主よ、我、盟約にのっとりここに請い願わん。闇と死者の翼の眷属よ、我ここに古の黒き血の契約の印を以って呼びかけん。我に仇なす敵に久遠の死の眠りを、解けぬ氷の呪縛を与えたまえ。サキュロズ、ヘルギス、メトス、ヘルギトス、出でよ闇黒の娘、バルバローネ!」
「なんだあっ!?」
(げえっ! おれ以外に何人殺しに動いてるやついるんだよ!)
「なんだあっ!?」
(げえっ! おれ以外に何人殺しに動いてるやついるんだよ!)
それは少し前のこと、バギーは適当な参加者を殺すことを考えながら3階の教室に潜んでいた。
3階の見張り担当は美紅とバギーの2人だった。学校に集まったそれぞれのグループから見張り役を集めることになったが、自衛隊基地のグループからは魔法の使えることから志願した美紅が、変電所のグループからは言葉が通じてガタイの良いバギーがとりあえずのシフトに入ることとなった。
というわけで放送後さっそく美紅を殺そうとしたのだが、やけにワノ国っぽい名前が多いことに気を取られている間に美紅は誰かに殺され、銃を持った子供が集まってきてしまった。
3階の見張り担当は美紅とバギーの2人だった。学校に集まったそれぞれのグループから見張り役を集めることになったが、自衛隊基地のグループからは魔法の使えることから志願した美紅が、変電所のグループからは言葉が通じてガタイの良いバギーがとりあえずのシフトに入ることとなった。
というわけで放送後さっそく美紅を殺そうとしたのだが、やけにワノ国っぽい名前が多いことに気を取られている間に美紅は誰かに殺され、銃を持った子供が集まってきてしまった。
(クッソー、あんなのでガトリングみたいに撃てるとかどうなってやがる。)
バギーに斬撃は効かない。異界の使い魔でも幕末の猛者でも忍刀七人衆でも効かない。でも銃で撃たれたら死ぬのだ。必然警戒しなくちゃあならない。ただでさえ首輪のせいでいつもより身体をバラバラにしにくいのだ、バギーは用心していた。
だが彼は知らなかった。この学校ではライオンが目撃されていたことを。そのライオンが、よりによって自分の潜んでいた教室に隠れていたことを。
ライオンは恐れていた。ライオンは言葉がわからない。だから殺し合いも理解していない。それでも殺気はわかる。だから怯えて隠れ潜んでいた。
そしてそこに、雪代縁が放ったスモークグレネードが着弾した。
だが彼は知らなかった。この学校ではライオンが目撃されていたことを。そのライオンが、よりによって自分の潜んでいた教室に隠れていたことを。
ライオンは恐れていた。ライオンは言葉がわからない。だから殺し合いも理解していない。それでも殺気はわかる。だから怯えて隠れ潜んでいた。
そしてそこに、雪代縁が放ったスモークグレネードが着弾した。
「バラバラ〜、着地ぃ!!」
「グハァ!」
「グハァ!」
バラバラの能力で浮遊し着地の衝撃を和らげると、そのままスケボーの自走に任せて校舎から距離を取る。こうなったら仕方ない、まずは逃げよう。逃げてからこの2人を殺せばとりあえず2点だ。
「バギーさん、アンタ俺たちを助けて……!」
「へ? ああ、うん。当たり前だよなぁ?」
「へ? ああ、うん。当たり前だよなぁ?」
なんか安永が勘違いしているみたいなので乗っておく。バギー得意のハッタリは彼を七武海にまで押し上げたのだ、ここでも使える誤解は使っておく。
(にしても血の気の多い奴がいるじゃねえか。東の海より平和かと思ってたが、こりゃ急がねえとおれが殺すぶんが無くなるな。)
「……遅かったか。まあ、君たちを殺せば得点にもなるか。」
「……邪魔だな、殺すぞ、邪魔しなくても殺すが。」
(……身体をバラバラにできるのか。傀儡か?)
「……邪魔だな、殺すぞ、邪魔しなくても殺すが。」
(……身体をバラバラにできるのか。傀儡か?)
スケボーと融合したかと思えば窓から飛び出していったバギーに呆気にとられたが、ミツルは、乙和は、そして再不斬の影分身は臨戦態勢を取る。予想外のことにフリーズしたが互いの目的を理解した以上ここで殺しておきたい。マーダーを殺すことはマーダー以外を殺すことよりも価値がある。己のポイントを横取りする者をポイントに変えられるからだ。追加ルールはマーダーにマーダーを殺す動機を提供していた。
1階では縁が暴れ回る中、3階ではマーダー3人の戦闘が始まろうとしていた。
1階では縁が暴れ回る中、3階ではマーダー3人の戦闘が始まろうとしていた。
【0619 『北部』小学校とその周辺】
【早乙女ユウ@生き残りゲーム ラストサバイバル 宝をさがせ!サバイバルトレジャー(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
殺し合いから脱出する。
●中目標
みんなと一緒に脱出の方法を探す。
●小目標
リクくん……ゴメン……
【目標】
●大目標
殺し合いから脱出する。
●中目標
みんなと一緒に脱出の方法を探す。
●小目標
リクくん……ゴメン……
【磯崎凛@宇宙からの訪問者 テレパシー少女「蘭」事件ノート9(テレパシー少女「蘭」事件ノートシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
何が起こっているか調べて、みんながいたら一緒に家に帰る。
●中目標
蘭たちを探す。
●小目標
蘭……ウソだよな?
【目標】
●大目標
何が起こっているか調べて、みんながいたら一緒に家に帰る。
●中目標
蘭たちを探す。
●小目標
蘭……ウソだよな?
【サネル@新妖界ナビ・ルナ(5)刻まれた記憶(妖界ナビ・ルナシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
ルナや姉のように自分も戦い、殺し合いを止める。
●中目標
灯子の家族を探す。
●小目標
上の方からも横の方からも爆発? 美紅ちゃんは誰に……
【目標】
●大目標
ルナや姉のように自分も戦い、殺し合いを止める。
●中目標
灯子の家族を探す。
●小目標
上の方からも横の方からも爆発? 美紅ちゃんは誰に……
【乙和瓢湖@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
●大目標
殺しを楽しむ。
●中目標
赤鼻の男(バギー)や角の生えた男(キリヲ)を殺せる手段を考える。
●小目標
殺しまくって首輪を外す。
●大目標
殺しを楽しむ。
●中目標
赤鼻の男(バギー)や角の生えた男(キリヲ)を殺せる手段を考える。
●小目標
殺しまくって首輪を外す。
【安永宏@ぼくらのデスゲーム(ぼくらシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
このクソッタレなゲームをブッ壊す。
●中目標
仲間と合流する。
●小目標
柿沼は、相原はどうなった──
【目標】
●大目標
このクソッタレなゲームをブッ壊す。
●中目標
仲間と合流する。
●小目標
柿沼は、相原はどうなった──
【芦川美鶴@ブレイブ・ストーリー (4)運命の塔(ブレイブ・ストーリーシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
ゲームに優勝し、家族を取り戻す。
●中目標
学校にいる人間を殺していき首輪を解除する。
●小目標
まずは目の前のマーダーをどうにかする。
【目標】
●大目標
ゲームに優勝し、家族を取り戻す。
●中目標
学校にいる人間を殺していき首輪を解除する。
●小目標
まずは目の前のマーダーをどうにかする。
【桃地再不斬@NARUTO-ナルト-白の童子、血風の鬼人(NARUTOシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
首輪解除の保険として使えそうな対主催には接触しておくが、それ以外は間引く。
●小目標
目の前のマーダー共を直接殺す。
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
首輪解除の保険として使えそうな対主催には接触しておくが、それ以外は間引く。
●小目標
目の前のマーダー共を直接殺す。
【バギー@劇場版 ONE PIECE STAMPEDEノベライズ みらい文庫版(ONE PIECEシリーズ)@集英社みらい文庫】
●大目標
とりあえず、生き残るのを優先。
●中目標
まずは逃げんぞ!
●小目標
逃げるは良いけどどこ行きゃいいんだよ!
●大目標
とりあえず、生き残るのを優先。
●中目標
まずは逃げんぞ!
●小目標
逃げるは良いけどどこ行きゃいいんだよ!
【脱落】
【桜井リク@生き残りゲーム ラストサバイバル つかまってはいけないサバイバル鬼ごっこ(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
【ライオン@猛獣学園!アニマルパニック 百獣の王ライオンから逃げきれ!(アニマルパニックシリーズ)@集英社みらい文庫】
【桜井リク@生き残りゲーム ラストサバイバル つかまってはいけないサバイバル鬼ごっこ(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
【ライオン@猛獣学園!アニマルパニック 百獣の王ライオンから逃げきれ!(アニマルパニックシリーズ)@集英社みらい文庫】