馳尾勇路
【読み】
はせおゆうじ
【解説】
アプルトンロッジに所属する中学1年生の
保持者の少年。
険のある目つきとシャツの左側の前立てと袖口に安全ピンを6本ずつ刺しているのが特徴的。
保持する
断章は
刀山劍樹。
田上瑞姫の兄貴分だが、所作の鈍いところがある瑞姫に対し苛立ち混じりで厳しく接することが多い。
また、幼馴染の
斎藤愛にも似たような態度で接し、度々
東海林凛などの友達集団から咎められている。
保持者となってから5年とキャリアが長く、いくつかの
泡禍を解決に導いた実績がある等、
騎士として高い能力を持っていることを自負しているものの、
世話役である
四野田笑美からは
「中学生の勇路くんにはまだ早いと思うの」
の一言の元、
ロッジ公認の騎士としては認めらなかった。
そのため、保持者となってから3年と勇路より浅いながらも早々に騎士として認められ、
瞬く間に関東全域のロッジに
雪の女王の名を知らしめた
時槻雪乃を半ば敵視している。
性格的には2人はよく似ており、同族嫌悪という一面もあると思われる。
雪乃に対し嫉妬混じりの敵愾心を持ち、騎士という役目に執着する裏には勇路自身も自覚している強い英雄願望があり、
泡禍により発狂した母親に奪われた誇りを取り戻したいという想いや、自身の妹を救えなかった過去の負い目が根底にある。
笑美に自身を騎士として認めさせるために
赤ずきんの泡禍解決に単独で乗り出すものの、
事件は既に小康状態に向かっているという認識の上で行った死体の隠蔽が雪乃に発見されてしまう。
さらに事件に対する認識の違いに加え、意思疎通の放棄や情報の齟齬から雪乃に対し断章を使用する暴挙に走るなど行動が裏目に出続け、
あげく守っていた愛こそが
潜有者であったばかりか、愛を
異形から守るために瑞姫がその命を散らせるという最悪の状況に発展した。
全てが終わった後、勇路を挑発した
織作健太郎を殴って逃亡、消息不明となる。
その後、
リカの手引きの元
ネットロッジに加入。自身が待望としていた騎士としても認められ、その活動を開始する。
また、
瀧修司に
葬儀屋の断章による瑞姫の蘇生を頼み込み、蘇らせた。
いばら姫の泡禍では雪乃達が乗り込むよりも先に霊能者として真喜多邸に上がり込んでおり、
真喜多耀に
真喜多莉緒を守るように諭し、異端と化した
真喜多さやかを殺害した。
一度真喜多邸から出た後、茨によって家が隔離された際に瑞姫と共に再突入を強行。庭の物置に隠れて様子を窺っていた。
暴走するさやかの襲撃の際に
田上颯姫が庭に避難させられた際に鉢合わせし、自分達の事を内緒にするように約束させるも、
颯姫の不自然な言動から庭で何かがあった事を察した
白野蒼衣によりすぐに見つかってしまった。
瑞姫の存在から泡禍への関与を疑われるも、言質を取られないために黙秘に徹するするが関与だけは一貫して否定し続けた。
真喜多輝之が暴れ始めた時には雪乃と共に莉緒達から引き離そうと動くも、呼応するかのように現れたさやかによって防戦一方に、
刀山劍樹でさやかの動きを封じようと試みるも腕を針ごと引きちぎる荒業の前に為す術も無く沈黙させられるが、
戸塚可南子の復活と悪夢を理解した蒼衣によってどうにか終結を迎え、勇路も生き延びた。
だが瑞姫との仮初の日々も長くは続かず、
しあわせな王子の泡禍にて瀧修司が蒼衣によって殺害されたことで終わりを告げた。
この顛末を
鹿狩雅孝から聞かされた勇路は激高し、蒼衣に対しての復讐を開始。
ラプンツェルの泡禍にてとある田舎町に向かった蒼衣を追いかけ病院で捕捉するや、
白昼堂々断章を用いて蒼衣の足を串刺しにした。すんでの所で雪乃が駆けつけたためトドメを刺すことには失敗し逃走。
仕切り直した後、夜に再度襲撃を仕掛けるも、泡禍によって病院内に居た20名以上の死体が積み重なって出来た『果樹』と、
その上に落下して目を負傷したもののかろうじて生存した
眞守玲を発見したことで襲撃が頓挫。
目の怪我の原因が自分である負い目から、病院を抜けて暗い森の奥に向かおうとする玲に警告しつつも道の先導を行う。
途中で玲が道を踏み外し斜面を滑り落ちてしまい、助けに向かおうとした際に現れた雪乃対峙
左腕と顔半分を焼かれるも、背後から白い手に掴まれ引きられて斜面から落ちたことで雪乃から逃れた。
その後神狩屋を遭遇、同じ蒼衣を狙うもの同士と協力を申し出るがこれを拒絶しただ1人ラプンツェルの泡禍を終わらせるために廃墟へと向かった。
泡禍の終結後
大隅大洋とすれ違い声をかけられるがこれを振り払いって歩み去り、再び消息不明となる。
一度は
神狩屋との共闘を拒んだものの、
白雪姫では半ば颯姫と夢見子を人質にされる形で協力させられることに。
入谷克利の足を断章で害し、蒼衣に神狩屋からの伝言を伝えると共に嘲りの言葉をかけ、颯姫と夢見子の面倒を見ていたが、
木之崎一真と
海部野千恵を颯姫の目の前で異形に変えると脅した神狩屋に対しついに反抗を決意。
蒼衣を追い詰めるために神狩屋が捕らえていた雪乃を解放。颯姫と夢見子を託し、
「騎士として、やるべきことをやる」
と一真と千恵の救出を画策。しかしその直後に動きを察知した神狩屋が現れ、
ドア枠に掛けていた手に対し断章を使用するも意に介さず引きちぎり、原型を留めていない針が刺さった手で殴られ顔や目を抉られた。
そしてそのままフェードアウト。その後の顛末が語られることは無かった。
最終更新:2024年10月01日 17:56