何故、俺はこんなわけの分からない場所にいるんだ…?
俺はプッチ神父に徐倫とエルメェスを倒せと命じられ、共に行動していた。
だが、遂に追い詰められ、正に絶体絶命ってときにウェザーのDISCを使い、窮地を脱しようとした――はずだった。
それがどういうわけか、気がついたら全然違う場所に飛ばされていた…それまでの記憶は全くない…
そして目の前に現れた【モナ・リザ似の野郎】に「殺しあって下さい」だと…
「ふざけるなよ、糞野郎がッ!」
特に理由はなく、アンダー・ワールドで地面を掘る。「あれ…?何か変だぞ…」
もう一度地面を掘ろうとするが…
「なんでだ…なんで掘っても何も出てこないんだよ!」
(アンダー・ワールドが使えない…なんでだ、おかしい、掘れないなんてありえない!スタンドはちゃんと出るのに!
地面の記憶を掘り起こすんだぞ。地面に記憶が無いなんてありえない!)
自分のスタンドが使えないことに困惑するヴェルサス。理由もよくわからないまま、辺りを見渡す。
(何か遺跡みたいなとこだな…)
歩を進めながら、荷物の確認をする。
(中に入ってるのは、え~と…パンと水に時計と…おっ地図じゃねぇか、それと名簿か、これは。
なんだこの地図?ごちゃごちゃしてんなぁ、ん、コロッセオ?あれは確かローマにあるものだよな…
じゃあ此処はローマなのか…いや、こんな変てこな地図がローマなわけねぇ。じゃあ此処は何処なんだよッ!?)
頭がさらにこんがらがるヴェルサス。頭をぽりぽりとかきながら、次に名簿に目をつける。
(うわ、多いな何人いるんだ。結構いるぜ、これは。)
最初にパッと全体を見渡すヴェルサスだが、すぐに驚くべきことに気づく。
「ディオだって!?」
突然のことに思わず大声をあげてしまう。
(ディオ…俺の父親
ディオ・ブランドー
こいつ、とっくに死んでるんじゃなかったのか!?此処にいるのかよ。
それにジョースターって奴も何人かいるし…ん、
空条承太郎?
空条徐倫の親戚か?)
そのまま、さらに目を下に動かすと――
(!!空条徐倫!!それにエルメェスにウェザーリポート!――プッチ!!
あいつもかよッ!どんだけ多いんだよッ!あのプッチの野郎、さんざん俺に指図しやがって!
あいつが一体どれだけ偉いっていうんだ?
この際だ、只じゃすませねぇぜ、あのエセ神父がッ!!)
色々な状況から頭がハイになってしまったヴェルサスだが、すぐにクールダウンする。
(けどよぉ、どうすんだよ…アンダー・ワールドは使えねぇし、敵は多いしよぉ…
こんなんじゃ、何も出来ないまま、首チョンパ、すぐにジ・エンド…)
足を進めて数分…眼前にゴミ箱が見えてきたところで、
ふうっと息を吐き、歩を止める。
(とにかくだ、死ぬのだけは絶対に嫌だ!やっとオレは自分の能力に目醒めたばかりだというのに、
まっすぐに胸を張ることさえ出来なかった、このオレが
やっと生きて来た意味がわかりかけて来たというのに――
オレはこんなところで終わらない!
オレだって幸せになる権利はあるんだッ!
こうなったら、どんな事してでも、絶対に生き残ってやるぜッ!)
【H-5 ポンペイの遺跡/一日目 深夜】
【
ドナテロ・ヴェルサス】
【時間軸】:
ウェザー・リポートのDISCを投げる直前
【状態】 :健康
【装備】 :不明支給品1~3
【思考・状況】
基本行動方針:絶対に死にたくない。
1.どんな事してでも生き残って、幸せを得る。
2.プッチ神父に会ったら、一泡吹かせてやりたい。
3.アンダー・ワールドが使えない…?
【備考】
アンダー・ワールドが使えないのは、その地面に記憶が無いからです。
つまり、この殺し合いの舞台は荒木が造った模倣品で、ゲーム開始直後には、何も記憶を持っていなかったからです。
他のマップには参加者の記憶があるので、
時間が経てば、色々な場所から記憶を掘ることができるかもしれません。
細かい能力については他の書き手さんにおまかせします。
まさか「地獄」なんてものが、本当に存在するとは思わなかったな…
これは地獄の刑罰か何かなのか?ならあの荒木という男はさしずめ、「閻魔大王」といったところ…
閻魔も酷いことをするものだ…一度死んだ者同士を殺し合わせるなんて。
最後の一人は天国にでも行けたりするのですか?フッ、まぁそんなことどうでもいいですが。
そういえば、スクアーロはどうしているのだろう…
無事にブチャラティ達の始末に成功したのだろうか…
どうか無事でいてほしい。彼には私の分まで生きてもらいたい…
そうだ、私が此処にいるんだ。ならば、他に死んでいった暗殺チームの奴らもきているかもしれない。
もし、スクアーロが始末に成功したのなら、ブチャラティ達もいる可能性は高い…
きっとこの中には殺し合いに必要な、最低限の物が入っているはず。
――やはり、中にあるのは食料・水・地図にコンパス、それに時計と参加者の名簿。
ん?何だこれは。小さく折られた紙が3つ…とりあえず開けてみよう。
ティッツァーノが紙を開いた瞬間――中から傘が出てきた。
な、何故いきなり「紙の中」から「傘」が!?
地獄では、紙に物をしまうのか?ずいぶんコンパクトになったな。
とりあえず、後の2つも開けてみよう。
バッグから二つ取りだし、紙を開くティッツァーノ。
なんだこれは?有名人のサインか?こんなの何に使うんだ…
こっちの紙から出てきたのは漫画か、
どれもこれも役に立たない物ばっかりだ…
ティッツァーノは傘を手に持ち、他の紙から出てきた物をしまい、
次に
参加者名簿に目を向ける。
名簿にパートナーの名前が記されていないことに、心から安堵するティッツァーノだが、名簿を見ていてあることに気付く。
何故ナランチャの名前がないんだ?ブチャラティチームの名があるなら、奴の名前もあるはず…
それともスクアーロが始末しきれていなかったのか、いやスクアーロが生きていると分かった以上、
あの状況でナランチャが生きている可能性は、まず無いだろう。
彼はきっと他の地獄で別の刑罰を受けているに違いない。ギャングが天国に行くわけないだろうし。
それに
リゾット・ネエロに
チョコラータ、あいつらも死んだのか。
リゾットの所在は不明だったが、誰か別の奴が殺したのだろうか?
チョコラータが始末に行って、相打ちになった可能性も捨てきれないな…
ティッツァーノは、一通りの身辺の整理がついたところで、バッグから地図を取りだし、現在地の確認をする。
ここは地図のどの辺りだろう?――おそらく、此処はポンペイだな。H-5付近、割と南のほうか。
フッ、面白い地図だ。ローマのコロッセオに、ナチスの収容所、スペースシャトルまである。
地獄は一体どういう場所なんだか…
さて、これからどうしようか…
私のスタンド「トーキング・ヘッド」じゃあ、とてもじゃないが殺し合いで勝ち残るなんて、まず不可能。
どうあがいても絶望しかやってこない…
ならどうする?殺し合いに不本意な奴らと、一緒に仲良くじゃれあうか?
それとも、ビクビク子供のように怯えながら何処かで、こそこそと隠れてでもいようか?
まぁ、そんなのどうでもいいけど、もう一度死ぬのは御免だな…
じゃあどうする?さっきから同じ質問ばっかりだな。
このままじゃあ、答えは永遠にでない。
とにかく、誰か他の人に会ってみよう。そうなれば、自ずと答えはでるだろう…
そのあとのことは――まぁどうとでもなる、か…
二人の男は歩きだす
一人は幸せに向かって…
一人は答えを探しに…
二人の行き先には何が待っているのだろうか…
【H-5 ポンペイの遺跡/一日目 深夜】
【ティッツァーノ】
【時間軸】:ナランチャのエアロスミスの弾丸を受けて、死ぬ直前。
【状態】 :健康
【装備】 :
ブラックモアの傘、
岸辺露伴のサイン、少年ジャンプ(ピンクダークの少年、巻頭カラー)
【思考・状況】
1.特に目的も無い…これからどうしよう…
2.とにかく、誰か他の人に会えば、何か分かるかもしれない…
3.スクアーロが生きていてくれて良かった。
4.まさか地獄が存在するなんて…
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最終更新:2008年09月27日 20:03