高校生になって初めての夏休みは宿題の多さに驚いたが、
毎日少しずつ片づけていけば無理難題な量では無いのに、
あえて無理難題にしてしまう人物が今朝から我が家に居座っている。
毎日少しずつ片づけていけば無理難題な量では無いのに、
あえて無理難題にしてしまう人物が今朝から我が家に居座っている。
「ちょっと、こなた。私のノートを写してばかりいないで自分で解く努力をしなさいよ」
「私の脳は指向性が強いから宿題を解く事は出来ないのだよ」
「こなちゃん。それってどういう意味?」
こなた同様に朝から宿題に励んでいるつかさが現実逃避のチャンスを狙っていた様で、
こなたの戯言にイチイチ相打ちを入れるものだから一向に捗らない。
その度に注意していた私だが、努力が実を結びそうに無いと分かると
こなた達を尻目にシューティングゲームを開始する。
「私の脳は指向性が強いから宿題を解く事は出来ないのだよ」
「こなちゃん。それってどういう意味?」
こなた同様に朝から宿題に励んでいるつかさが現実逃避のチャンスを狙っていた様で、
こなたの戯言にイチイチ相打ちを入れるものだから一向に捗らない。
その度に注意していた私だが、努力が実を結びそうに無いと分かると
こなた達を尻目にシューティングゲームを開始する。
こんな感じで夏休み後半の殆んどを費やしてしまい、
気付けば8月も残すところ僅かとなったとある平日の昼下がり。
家の電話がけたたましく鳴り響いた。
気付けば8月も残すところ僅かとなったとある平日の昼下がり。
家の電話がけたたましく鳴り響いた。
「つかさー、誰から電話だったの?」
さっきの電話に出たつかさが、居間でテレビを見ている私の隣に座ったから
ついでに聞いてみると、どうやらこなたが今から家に来るらしい。
「こなちゃん、何の用かな?」
「こなたの事だから『宿題写させてー』がオチよ」
「あはは、そうかもね」
最近の私達は、こなたが私のノートを写し
つかさが宿題で分からないところが有ると私に聞いてくるから
ポイントだけ教えていたのだが、気付いたらつかさの宿題を私がやっていたりする。
宿題以外にも買い物やゲーム、更には読書といった大半の時間をつかさと一緒に過しており、
このような日常がパターン化しつつあるのは大変好ましくないと感じ始めた。
さっきの電話に出たつかさが、居間でテレビを見ている私の隣に座ったから
ついでに聞いてみると、どうやらこなたが今から家に来るらしい。
「こなちゃん、何の用かな?」
「こなたの事だから『宿題写させてー』がオチよ」
「あはは、そうかもね」
最近の私達は、こなたが私のノートを写し
つかさが宿題で分からないところが有ると私に聞いてくるから
ポイントだけ教えていたのだが、気付いたらつかさの宿題を私がやっていたりする。
宿題以外にも買い物やゲーム、更には読書といった大半の時間をつかさと一緒に過しており、
このような日常がパターン化しつつあるのは大変好ましくないと感じ始めた。
それはこなたが私のノートを写しているのが原因では無く、
逆に私のノートを写してばかりいるこなたは夏休み明けの実力テストで
後悔する事になるから別に気に掛ける事でも無い。
ここでの問題はつかさにある。
逆に私のノートを写してばかりいるこなたは夏休み明けの実力テストで
後悔する事になるから別に気に掛ける事でも無い。
ここでの問題はつかさにある。
つかさと私は別々の学校に通っているから平日に顔を会わす機会が極端に少ない。
だから私は休日になると、つかさの傍に居るように心がけ
私が傍に居るとつかさは安心した様な笑顔を向けてくる。
その笑顔は私にとって最も大切にすべき宝物で、二度と離したくないと思っていた。
だから私は休日になると、つかさの傍に居るように心がけ
私が傍に居るとつかさは安心した様な笑顔を向けてくる。
その笑顔は私にとって最も大切にすべき宝物で、二度と離したくないと思っていた。
しかし夏休みに入ると私の傍を離れようとしないつかさを見て、
私の心に一抹の不安がよぎる。
私の心に一抹の不安がよぎる。
夏休み中なら私はつかさの傍に居る事が出来るが2学期が始まる9月になると
また顔を会わす機会が激減してしまう。
それは元のライフスタイルに戻るだけだが、一度寂しい思いしている生活に飛び込む勇気を
つかさが身に付けているのかが気掛かりで、それが私を不安にさせる最大の要因。
また顔を会わす機会が激減してしまう。
それは元のライフスタイルに戻るだけだが、一度寂しい思いしている生活に飛び込む勇気を
つかさが身に付けているのかが気掛かりで、それが私を不安にさせる最大の要因。
だから私は、二度と離したくないと思っていた宝物を
手放さなければならない事くらい理解している。
だけど、つかさの笑顔を見るたびに手放した先にある結果を見るのが怖くて
一度手に入れた宝物を手放せずに傍に置き続けてきた。
手放さなければならない事くらい理解している。
だけど、つかさの笑顔を見るたびに手放した先にある結果を見るのが怖くて
一度手に入れた宝物を手放せずに傍に置き続けてきた。
「ねえ、お姉ちゃん。数学で分からないところがあるんだけど・・・」
今も、こなたが来るまでに自分の宿題を片付けようとしたが
分らないところがあるらしく、すぐ私に聞いてくるつかさに対して
私がとるべき行動は、優しく教えてあげるのでは無く
ましてや宿題を代わりにやってあげるでも無い。
今も、こなたが来るまでに自分の宿題を片付けようとしたが
分らないところがあるらしく、すぐ私に聞いてくるつかさに対して
私がとるべき行動は、優しく教えてあげるのでは無く
ましてや宿題を代わりにやってあげるでも無い。
私が言うべき言葉は・・・
「お姉ちゃん。どうしたの?」
考え込んでいた私につかさが声を掛けてきたのが呼び水になったようで
私から零れ出たセリフには何の迷いが無かった。
考え込んでいた私につかさが声を掛けてきたのが呼び水になったようで
私から零れ出たセリフには何の迷いが無かった。
「つかさ。私に聞いてばかりいないで自分で解きなさい」
「あ・・・そ、そうだね」
瞳以外は冷静さを保とうとしているつかさが立ち上がると、
自分の部屋に行こうとしたので私は急いで呼び止めた。
「あ・・・そ、そうだね」
瞳以外は冷静さを保とうとしているつかさが立ち上がると、
自分の部屋に行こうとしたので私は急いで呼び止めた。
「ちょっと、つかさ。何処に行くのよ?」
「自分の部屋。お姉ちゃんの傍に居ると甘えちゃうから」
つかさの言葉を聞いた私は、後を追う事が出来ず
居間でこなたが来るのを待っているだけだった。
「自分の部屋。お姉ちゃんの傍に居ると甘えちゃうから」
つかさの言葉を聞いた私は、後を追う事が出来ず
居間でこなたが来るのを待っているだけだった。
「こんちゃーす。かがみ」
「いらっしゃい。冷たい飲み物を持って行くから居間で待ってて」
相変わらず悩み事が無さそうなこなたが上機嫌で家に入るなり
つかさの事を聞いてきたから、自分の部屋に居ると教えると嫌な笑顔で私を見てきた。
「私の顔に何か付いてる?」
「いやいや違うよ。つかさと喧嘩でもしたのかなって思って」
「なんでそう思うのよ?」
「いつも一緒なのに今日は居ないから変だなと思ってね~」
こなたって、能天気で周りなんか見えてなさそうに思えるけど
意外と鋭いところが有るから侮れないのよね。
「うーん・・・そんなところかな」
「そっかそっか。かがみもお子様なところが有るからね」
「人を子供扱いする言い方を止めないと、半分以上残っている宿題を自分で解く羽目になるわよ」
「じょ、冗談だよかがみ~」
私に取り繕うとしながらも、何かを企んでいる様な半目な瞳が一瞬だけ輝いたのは気のせいかしら?
「そうだ。私が仲直りさせてあげようか?」
「え?」
「こういう時は部外者が介入した方が良いんだよ」
どうやら気のせいでは無いみたいだけど、
別に悪い事を企んでいた訳では無いので私は直ぐに了承し
今はつかさの部屋でこなたと一緒に談笑している。
「いらっしゃい。冷たい飲み物を持って行くから居間で待ってて」
相変わらず悩み事が無さそうなこなたが上機嫌で家に入るなり
つかさの事を聞いてきたから、自分の部屋に居ると教えると嫌な笑顔で私を見てきた。
「私の顔に何か付いてる?」
「いやいや違うよ。つかさと喧嘩でもしたのかなって思って」
「なんでそう思うのよ?」
「いつも一緒なのに今日は居ないから変だなと思ってね~」
こなたって、能天気で周りなんか見えてなさそうに思えるけど
意外と鋭いところが有るから侮れないのよね。
「うーん・・・そんなところかな」
「そっかそっか。かがみもお子様なところが有るからね」
「人を子供扱いする言い方を止めないと、半分以上残っている宿題を自分で解く羽目になるわよ」
「じょ、冗談だよかがみ~」
私に取り繕うとしながらも、何かを企んでいる様な半目な瞳が一瞬だけ輝いたのは気のせいかしら?
「そうだ。私が仲直りさせてあげようか?」
「え?」
「こういう時は部外者が介入した方が良いんだよ」
どうやら気のせいでは無いみたいだけど、
別に悪い事を企んでいた訳では無いので私は直ぐに了承し
今はつかさの部屋でこなたと一緒に談笑している。
一見すると仲の良い姉妹と友人が楽しくお話をしているだけだが
つかさは明らかに気落ちしていて、それを感じ取った私は直ぐに先程の話を切り出す。
つかさは明らかに気落ちしていて、それを感じ取った私は直ぐに先程の話を切り出す。
「つかさ。さっきはキツイ言い方をしてごめんね。別につかさを嫌いになった訳じゃなくて」
「分かってるよ。お姉ちゃん」
まだ私が話をしている途中なのに、つかさが強引に言葉を交わすから
私は何も喋れなくなってしまった。
「分かってるよ。お姉ちゃん」
まだ私が話をしている途中なのに、つかさが強引に言葉を交わすから
私は何も喋れなくなってしまった。
「お姉ちゃんは私の為を思って言ってくれたんだよね。私がお姉ちゃんに甘えてばかりだから」
淡々と言葉を繋げてくるつかさの表情には先程の気落ちした雰囲気は無く
逆に何か吹っ切れたような清々しささえ感じてしまう。
「卒業式の日に『お姉ちゃんは自分の道を進んでね』って言ったのに、
私がお姉ちゃんの足を掴んでたら進めないもんね。だから謝るのは私の方だよ。
今までごめんね」
淡々と言葉を繋げてくるつかさの表情には先程の気落ちした雰囲気は無く
逆に何か吹っ切れたような清々しささえ感じてしまう。
「卒業式の日に『お姉ちゃんは自分の道を進んでね』って言ったのに、
私がお姉ちゃんの足を掴んでたら進めないもんね。だから謝るのは私の方だよ。
今までごめんね」
私の思いはつかさに伝わった筈なのに、
スッキリしない私の心は何を言いたいのか分からないけど
でもこれだけは言える。
スッキリしない私の心は何を言いたいのか分からないけど
でもこれだけは言える。
私達は卒業式の日から一歩も進んでいなかった。
つかさは私に甘えて、私はつかさに心の安らぎを求めていた。
つかさは私に甘えて、私はつかさに心の安らぎを求めていた。
「かがみは良いの?」
どこか不安げなこなたが発した言葉の真意を汲み取る事は出来なかったが
私なりに解釈するなら『本当につかさを離しても良いの?』と言われているようだった。
『離して良いの?』と言われても、それが最善なのか私には分からない。
だけど一つだけ実行しなければならない事がある。
それは卒業式の日から一歩も進んでいなかった私達のストーリーを進めること。
どこか不安げなこなたが発した言葉の真意を汲み取る事は出来なかったが
私なりに解釈するなら『本当につかさを離しても良いの?』と言われているようだった。
『離して良いの?』と言われても、それが最善なのか私には分からない。
だけど一つだけ実行しなければならない事がある。
それは卒業式の日から一歩も進んでいなかった私達のストーリーを進めること。
だから私は、こなたの問い掛けに対して勢い良く首を縦に振る。
そうしなければ昨日までの私達と決別出来そうに無かったから。
そうしなければ昨日までの私達と決別出来そうに無かったから。
しかしそれは唯の自己満足かもしれない
でも私とつかさが最初の一歩を進められたことは事実で
大切なものを失ったけれど、得た物もある
でも私とつかさが最初の一歩を進められたことは事実で
大切なものを失ったけれど、得た物もある
それがどんな物か今は分からないけど
いつか分かる日が来ると信じて、私とつかさは新学期を迎える事となった。
いつか分かる日が来ると信じて、私とつかさは新学期を迎える事となった。
~IFから始まるStory 第1章 完~
コメントフォーム
- かがみ好きの私としては、こなかが・が
同じクラスなのは嬉しいけど、つかさが
悲しいです… -- チャムチロ (2012-09-29 14:24:06)