kairakunoza @ ウィキ

こいびとじまん

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匿名ユーザー

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「暑い…。まったく、こんな日にいきなり呼び出すなんてこなたの奴め…」
初夏の日差しが嫌というほど照り付ける中、私はこなたの家に向かっていた。
最近は梅雨っていつ?という感じで連日快晴のため、歩いているだけでも汗が出てきて非常にうっとうしい。
そもそも今日は一緒に遊ぶ予定もなく、家でのんびりするつもりだったのだが…。

『かがみん、今日は暇だよね?家で遊ぼうよ~♪』
というこなたからのメールによって、私の休日の予定が変えられてしまったのだ。
もちろん最初は渋ったのだが、結局押し切られてしまった。
(ま、私がこなたからの誘いを断れたことってほとんどないんだけどね…ん?)
あれこれ考えながら歩いていると、前を見知った人物が歩いているのを見つけた。
緑がかった髪に、スレンダーな体型。
年下ながら私より少し高い身長を持つあの少女はたぶん…。

「みなみちゃん!」
「あ、かがみ先輩…」
うん、やっぱりみなみちゃんだ。
この暑さの中、いつも通りのクールな表情を崩さないのはさすがと言うべきか…。

「みなみちゃんがここにいるってことは、こなたの家に行く途中?」
「はい、ゆたかと遊ぶ約束をしていますので…。先輩は泉先輩とですか?」
「ええ、そうよ。こんなに暑いとちょっと遊びに行くのも大変よねー」
みなみちゃんと話しながら一緒に泉家へと向かう。
わざわざ向こうから遊びに来るなんて、本当に二人は仲が良いんだなーと感心する。

「………」
そのことを話すと、みなみちゃんは頬を薄く染めて微笑んだ。
うん、可愛い。
(そうだ…ふふっ)
いつもと違う表情を見せるみなみちゃんを見ていると、ちょっとからかってみたくなってきた。
べ、別にいつもこなたに弄られてる分を、みなみちゃんで晴らそうなんて考えてないんだからね!

「ねえ、みなみちゃん…」
「はい?」
ここで一呼吸置き、こちらを向いているみなみちゃんの瞳を見つめる。
「ゆたかちゃんの、どこが好きなの?」
「!!!???」
あ、ビクッとなって一気に顔が赤くなった。

「えと、あの、その…」
わたわたと慌てるみなみちゃん。
予想通り、ストレートな物言いには弱いようだ。
みゆきのお母さんはよく「みなみちゃんはすっごく可愛いのよ♪」って言ってるそうだけど、確かにそうだと思う。

「ふふ、どこが好きなのかな~?優しいところ?純粋なところ?それとも子供っぽくて笑顔が可愛いところ、とかかな?」
ここぞとばかりに攻勢に出る私。
「その…全部、です」
「ふぇ?」
しかし、みなみちゃんは慌てながらもしっかりとした声で答えを返してきた。
全部?

「病弱で守ってあげたくなるところも、誰にでも優しいところも、見てるだけで嬉しくなる笑顔も、小さくて可愛いのに背が低いのを気にしているところも…。全部をまとめて、ゆたかのことが好きです」
「い、意外とはっきり答えるのね…」
「だって、本当のことですから…」
照れている様子だけど、はにかみながら笑うみなみちゃんはとても幸せそうだ。
軽くからかうつもりだったのに、惚気られちゃったな…。

「ところで先輩…」
「ん?」
「先輩は、泉先輩のどこが好きなんですか?」
「なっ!?」
それどころか見事に切り返されてしまった!?
こ、これは早く言い返さないと!

「な、何言っているのよ。私は別にこなたのことなんか」
「好きじゃない、というのはなしですよ。…バレバレですから」
「ええっ、そ、そうなの!?」
悪戯っぽく笑うみなみちゃんにたじろぐ私。
そんなに私はバレバレの態度を取っていたのか…?
うわ、何か凄く恥ずかしくなってきた。
ていうかみなみちゃん、いつもとキャラ違くない?

「………」
こちらをじっと見つめてくる
みなみちゃん。
う、さっき答えさせた罪悪感が…。

「あ~、もうっ!私も全部よ全部!人を弄ったりするくせに妙に人に気を配れるところも、ちっちゃくて抱きしめたくなるところも、子供っぽくクルクル変わる表情も…。私もみなみちゃんと一緒で全部ひっくるめてこなたが好きなのよ!」
恥ずかしくなってつい叫んでしまった。
後輩相手に何をやっているのかしら、私…。

「せ、先輩…。私、感動しました」
そして何故か尊敬の眼差しでこちらを見ているみなみちゃん。
いや、あんたも同じようなこと言ってただろ、と突っ込みたいがみなみちゃん相手ではやりにくい。
「それで、その…。かがみ先輩に相談が…」
さらに歩きながらポツポツ話していると、みなみちゃんはちょっと思いつめた感じでそんなことを切り出した。
本当に今日はみなみちゃんの色々な表情が見れている気がする。

「どうしたの?私でよかったら相談に乗るけど」
「いえ、これはかがみ先輩にしか言えないことで…」
「そ、そうなの?」
こういう風に頼られるのは悪い気分じゃないわね…。
「…泉先輩と付き合っているかがみ先輩にしか…」
「………」
うん、まあ。
話の展開的にだいたい予測は出来てたけどね。

「え~と、それで?」
「はい…。実はこの前ゆたかを抱きしめた時、顔を真っ赤にして動かなくなっちゃって…。泉先輩はかがみ先輩に抱きしめられると凄く気持ち良さそうに甘えてるのに…」
「う、そういうところも見られてるんだ…」
人目に付かないように気をつけてはいるが、学校内では限界があるようだ。
自重しようと考えても、こなたが甘えてくる姿は可愛すぎて…はっ!?
いかんいかん、思い出してトリップするところだった。

「う~ん…。でもこなたも、こっちから抱きしめると恥ずかしがって逃げようとするわよ?」
「…そうなんですか?」
「うん。あいつは自分が主導権を握れてないと大抵は恥ずかしがっちゃうんだけどね。ゆたかちゃんのはたぶん、甘えるのが苦手で抱きしめられるのに慣れてないせいだと思うけど…」
「慣れ…ですか」

「あとはもっと色々なスキンシップを取ってみるのもいいかもしれないわね。こなたは頬っぺた触られたりするのも好きだし…頭を撫でると凄く気持ち良さそうにしながらすり寄って来て、そこですかさず…はっ!?」
また変な方向に行ってしまった。
しかも今度は思いっきり声に出してるし。

「あ…!そういえばゆたかの耳を触った時、くすぐったそうにしてたけど気持ち良さそうでした!」
思い出したように大きな声を出すみなみちゃん。
ほほう、耳か…今度こなたにも試してみよう。
「そうそう。そうやっていけば触られたり甘えたりするのに慣れていくはずだから」
「なるほど…ありがとうございます!」

悩みを解決出来て嬉しそうにしているみなみちゃん。
それにしても…。
「耳で気持ちよくさせちゃうなんて、みなみちゃんも結構やるわね~♪」
「!?そ、それはその…。ゆたかはうなじとか触られたりするのも好きみたいでしたから…」
「そ、そうなの?こなたは喉の辺りが好きなのよね~。猫みたいにごろごろと」
やばい。
新しいネタでからかうつもりだったのに、何だか二人して変な方向に進み始めた気が…。

「ゆたかはおへその辺りを指で弄るととっても可愛い声を出すんです…。それに口では嫌がってるんですけど、いざやめると残念そうな顔をして…」
「こなたは膝の裏とか脇腹とかも弱いのよね~。最初はそうでもなかったんだけど、何度も触ってるうちに敏感になっちゃったみたいで…」
「ひ、膝の裏…さすがは先輩です」
「い、いやいやみなみちゃんこそ。焦らしを使うなんて凄いじゃない」
けっこう危険な話題で盛り上がる私たち。
みなみちゃんとの新密度がどんどん上がっていってる気がする。

「そういえば、ゆたかは胸が一番感じるみたいでこの前も…」
「ストーップ!みなみちゃん、それ以上はヤバい気がするわ…。いや、こなたも確かに胸が一番感じるっぽいけど!」
「そ、そうですね…。何だかすみません」
二人とも黙ってしまったが、今の話でお互いが相手とどの辺まで進んでいるのか分かってしまった。
というかみなみちゃん、あんな悩みを持ってた割に色々やってるのね…。

「あ…着いたみたいですね」
「そうね。ふ~、暑かったあ…早いとこ中に入って涼みましょ」
そう言いながらチャイムを鳴らす。
「………」
「………」
数分待ったが反応なし。

「こなたの奴…またゲームにでも熱中してるのかしら?こういう時は上がってていいって言われてるから、お邪魔しちゃいましょ」
「はい…」
そう言いながらさっさと中に入る。
みなみちゃんは少し躊躇したようだが、こういうことはあまり珍しくもないので私にとっては慣れたものだ。
靴を脱いで端に揃え、とりあえずリビングに向かう。
どうやらリビングは冷房がついているようだ。

「こなた~、来たわよ~…ってふおおおっ!?」
「先輩、どうしたんですか…っ!?」
リビングに足を踏み入れた私たちの視界に、信じられないものが飛び込んできた。

「すう、すう…」
「んんっ…くう…」
こなたとゆたかちゃんが、ソファーの上で身を寄せ合って眠っていた。
何という可愛らしさ。
こなたがいつも言っている『萌え』を、今私は間違いなく体感している。

「え、えっと…妖精?」
「お、落ち着きなさいみなみちゃん。私も天使かと見間違えたけど、あれはこなたとゆたかちゃんよ」
まずい、動悸が止みそうもない。
みなみちゃんとの会話で溜まったモヤモヤが爆発しそうだ…!
(いや待て、耐えるのよ私!二人っきりの時ならともかく、後輩に暴走する姿を見せる訳には…)

「んん~、かが…みぃ…」
「むにゃ…みなみ…ちゃん」
「「!!!!!!」」
ざんねん!かがみとみなみをひきとめていたなにかは、こなごなになってしまった!

「ねえ、みなみちゃん…」
「何でしょう、先輩…」
「今日、おじさんは帰って来ないって知ってた?」
「はい、作品の取材でいないと聞いてます」
二人の寝顔を凝視しながらみなみちゃんとひそひそ話す。
「かがみ先輩は、この家がけっこう防音に優れていることを知っていますか…?」
「ええ、もちろん。たとえ大きな声を出しても、外にはほとんど漏れないのよね」
そして私とみなみちゃんは視線を合わせ、頷き合う。

「「………」」
私がこなたを、みなみちゃんはゆたかちゃんを抱き上げ、リビングを出る。
その際こなたは無意識に私に抱きついて来た。
すでに壊れたはずの理性が一瞬だけ復活し、再び粉々になった気がした。
この理性クラッシャーめ!

起こしたりしないように細心の注意を払いつつ、階段を上っていく。
そして2階に上がると、私とみなみちゃんは微笑み合ってそれぞれの部屋に分かれた。
(みなみちゃん、しっかりね)
(先輩も…頑張ってください)
声に出さずとも、私たちの心は間違いなく通じ合っていたと思う。

さて、この後のお楽しみについては私からは語らない。
まあ、こなたをいただいている間にも「み、みなみちゃん、そこはダメだよぅ…!」とか、「やああああっ!?」とか微かに聞こえてきていたとだけ言っておこう。
もちろんこなたの可愛い声も向こうに聞こえてただろうけどね♪



















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  • GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-08-12 22:26:57)
  • ゆたかとこなたが迎えに出てきてこの話を立ち聞き…みたいな展開を予想していたのですが、予想外www
    「…妖精?」で吹いたwww
    名作との出会いをありがとうございましたm(__)m -- FOAF (2012-08-25 13:32:52)
  • かがみとみなみは、このぐらい親密になってもいいと思うんだ。
    そしてそのうち、二人して夜通し計画を練る仲に……

    ―― 一方その頃、泉家ではこなたとゆたかが、
    「誘い受け」のバリエーションについて、
    熱く語っているのであった、まる。 -- 名無しさん (2010-03-10 20:57:31)
  • 笑えたwww

    GJwwwつか萌えるわw -- 名無し (2010-03-09 21:36:46)
  • 激しくGJです
    難しいっと思いますが逆バージョンが読みたいかもw -- 名無しさん (2009-08-06 01:45:13)
  • いつもこなたに弄られてる分・・・
    お前、最終的にはいつも弄ってるだろwww -- 名無しさん (2009-07-27 02:46:04)
  • くっ、言動は変態的なのに何故かほのぼのしてしまう…!
    作者さんGJです! -- 名無しさん (2009-07-13 17:03:04)
  • あ、新しい題材になりそうな予感・・・!作者GJ! -- 名有りさん (2009-07-09 19:04:32)
  • そうかそうかこなたの部屋は2階にある設定なのか -- 名無しさん (2009-07-09 18:38:33)

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