Elope 第7話に戻る
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8. (ゆたか視点)
「どういうことなの? 」
鼓動の速まりを抑えて、努めて穏やかな表情を作って、みなみちゃんに
話の続きを促す。
「ゆたかが泉先輩とあんな事しているのを聞いてしまって、私、
いてもたってもいられなくなって」
「『聞いている』って? 」
「うん。クラスの女の子が私に話しかけてきたんだ。
『このままだとあなたのお姫様、泉先輩に取られちゃうわよ』って」
私は、酷くおせっかいな同級生の名前を尋ねたけど、ほとんど
面と向かって話したことが無い、印象も薄い人だった。
その人が、私とお姉ちゃんが、体育館の倉庫でえっちな事を
していたところを、見てしまったのだろう。
鼓動の速まりを抑えて、努めて穏やかな表情を作って、みなみちゃんに
話の続きを促す。
「ゆたかが泉先輩とあんな事しているのを聞いてしまって、私、
いてもたってもいられなくなって」
「『聞いている』って? 」
「うん。クラスの女の子が私に話しかけてきたんだ。
『このままだとあなたのお姫様、泉先輩に取られちゃうわよ』って」
私は、酷くおせっかいな同級生の名前を尋ねたけど、ほとんど
面と向かって話したことが無い、印象も薄い人だった。
その人が、私とお姉ちゃんが、体育館の倉庫でえっちな事を
していたところを、見てしまったのだろう。
「ううん。私も軽率だったし、みなみちゃんを責めているつもりは
ないの。ただ、事情を教えて欲しいなって思っているだけなんだ」
みなみちゃんの口から聞き出す為には、私、どんな嘘でも
つけるんだよ。
ないの。ただ、事情を教えて欲しいなって思っているだけなんだ」
みなみちゃんの口から聞き出す為には、私、どんな嘘でも
つけるんだよ。
「私、焦っていたから…… 絶対、ゆたかと泉先輩を、引き離さ
なきゃって思ってしまった」
「だから、私とお姉ちゃんの事を、私のお母さんに話したの? 」
「う…… うん 」
少し曖昧に頷いた。
家族の方は、みなみちゃんが犯人か。
「でも、みなみちゃんが学校で噂を広めたとは思えないよ」
なきゃって思ってしまった」
「だから、私とお姉ちゃんの事を、私のお母さんに話したの? 」
「う…… うん 」
少し曖昧に頷いた。
家族の方は、みなみちゃんが犯人か。
「でも、みなみちゃんが学校で噂を広めたとは思えないよ」
みなみちゃんは運動も勉強もできるんだけど、照れ屋さんで、
無愛想と誤解されることもあって、どちらかというと孤立しがちだ。
学校に噂をばら撒くという積極的な行為をすると考えるには、
性格上からいっても、無理がある。
無愛想と誤解されることもあって、どちらかというと孤立しがちだ。
学校に噂をばら撒くという積極的な行為をすると考えるには、
性格上からいっても、無理がある。
「それは、高良先輩が…… 」
「少し、意外だね」
私は首をかしげた。てっきり、かがみ先輩かと思っていたんだ。
でも、よく考えれば辻褄が合わないことはない。
「みなみちゃんと、高良先輩は、お家が隣同士だし、昔から仲が
良かったよね」
「そう。だから…… 相談した」
「私のお母さんに話したのも、みなみちゃんだけじゃないよね」
私は、確信をもって尋ねる。
先程、私の「誰が私のお母さんに話したか? 」という問いに対する、
みなみちゃんの答えは、『嘘は言っていないが、真実も話していない』
というやつだ。
「少し、意外だね」
私は首をかしげた。てっきり、かがみ先輩かと思っていたんだ。
でも、よく考えれば辻褄が合わないことはない。
「みなみちゃんと、高良先輩は、お家が隣同士だし、昔から仲が
良かったよね」
「そう。だから…… 相談した」
「私のお母さんに話したのも、みなみちゃんだけじゃないよね」
私は、確信をもって尋ねる。
先程、私の「誰が私のお母さんに話したか? 」という問いに対する、
みなみちゃんの答えは、『嘘は言っていないが、真実も話していない』
というやつだ。
「あ…… うん。高良先輩と一緒に行って、お話をした」
学校では、トップを争うほど優秀で、『品行方正』で有名な高良先輩の
言葉もあったから、私のお母さんも信用したし、学校の先生も
信用したし、噂も急に広まったわけか。
どちらかというと、高良先輩が主犯で、みなみちゃんは従犯かな。
学校では、トップを争うほど優秀で、『品行方正』で有名な高良先輩の
言葉もあったから、私のお母さんも信用したし、学校の先生も
信用したし、噂も急に広まったわけか。
どちらかというと、高良先輩が主犯で、みなみちゃんは従犯かな。
「黒井先生は、高良先輩に対して、怒らなかったのかな? 」
生徒達と、友達のように親しくて人気がある黒井先生だけど、
そういう行為に対しては、密告者の方に嫌悪感を抱きそうな
印象を受けるのだけど。
生徒達と、友達のように親しくて人気がある黒井先生だけど、
そういう行為に対しては、密告者の方に嫌悪感を抱きそうな
印象を受けるのだけど。
「黒井先生には、全部は伝わっていなかったみたい」
みなみちゃんは、首を少し傾けながら話した。
学校の教師達にも私達の関係は知られてしまっていたけれど、
黒井先生は二人の関係を、『誰が』漏らしたについてまでは、
聞いていなかったようだ。
むしろ、高良先輩の担任だから、情報を故意に遮断されていた
可能性すら考えられる。
みなみちゃんは、首を少し傾けながら話した。
学校の教師達にも私達の関係は知られてしまっていたけれど、
黒井先生は二人の関係を、『誰が』漏らしたについてまでは、
聞いていなかったようだ。
むしろ、高良先輩の担任だから、情報を故意に遮断されていた
可能性すら考えられる。
「どうして高良先輩は協力してくれたの? 」
半ば答えは分かっていたけど、念の為に確認をしておかなくてはならない。
「泉先輩のことを、ずっと好きだったから」
「そう…… 」
好きだから人の仲を引き裂いてもいい。好きだから何をしても許される。
みなみちゃんも、高良先輩も、とても自分勝手だ。
半ば答えは分かっていたけど、念の為に確認をしておかなくてはならない。
「泉先輩のことを、ずっと好きだったから」
「そう…… 」
好きだから人の仲を引き裂いてもいい。好きだから何をしても許される。
みなみちゃんも、高良先輩も、とても自分勝手だ。
「でも。結局…… ゆたかには申し訳ないことになってしまって」
それでも、全く後悔していないわけではないんだね。
確かに、私が陵桜から転校したら、何の為に私とこなたお姉ちゃんを
引き裂いたか分からないし。
それでも、全く後悔していないわけではないんだね。
確かに、私が陵桜から転校したら、何の為に私とこなたお姉ちゃんを
引き裂いたか分からないし。
「みなみちゃん。謝らなくてもいいんだよ」
それでも、私は穏やかに微笑んで、落ち込んでいるみなみちゃんの頭を
優しくなでる。
「あ、ありがとう。ゆたか」
どういたしまして――
全部教えてくれて、こちらこそお礼をいいたいくらいだよ。みなみちゃん。
おかげさまで、何の未練もなく陵桜を去れるから。
それでも、私は穏やかに微笑んで、落ち込んでいるみなみちゃんの頭を
優しくなでる。
「あ、ありがとう。ゆたか」
どういたしまして――
全部教えてくれて、こちらこそお礼をいいたいくらいだよ。みなみちゃん。
おかげさまで、何の未練もなく陵桜を去れるから。
「みなみちゃん。そろそろ寝よう」
「うん。ゆたか」
私たちは同じベッドで眠りについた。
「うん。ゆたか」
私たちは同じベッドで眠りについた。
午前4時。ほぼ予想通りの時刻に目が覚める。
私は、処方されている睡眠薬を飲んでいないと、長時間は眠ることは
できない。
隣を見ると、みなみちゃんはぐっすりと眠っている。
私は瞼をこすりながら、私服に着替えてコートを羽織り、
寝息を立てている、一番の親友だった同級生に別れを告げる。
「サヨナラ。みなみちゃん」
私は、処方されている睡眠薬を飲んでいないと、長時間は眠ることは
できない。
隣を見ると、みなみちゃんはぐっすりと眠っている。
私は瞼をこすりながら、私服に着替えてコートを羽織り、
寝息を立てている、一番の親友だった同級生に別れを告げる。
「サヨナラ。みなみちゃん」
軽く手を振ってから、ホテルの部屋をでて廊下を歩く。
別に誰かに見つかってもいい。その時は部屋に戻るだけだし。
しかし、私の予想に反して誰とも会わずに、フロントを通り抜けて
あっさりと外にでる。
昨日はあれほど執拗に、私とこなたお姉ちゃんを追い回したのに、
正直言って拍子抜けだ。
別に誰かに見つかってもいい。その時は部屋に戻るだけだし。
しかし、私の予想に反して誰とも会わずに、フロントを通り抜けて
あっさりと外にでる。
昨日はあれほど執拗に、私とこなたお姉ちゃんを追い回したのに、
正直言って拍子抜けだ。
外の空気は凍えるほどに冷たくて、体中が震えてしまうけれど、
こればかりは仕方がない。
私は、闇が世界を支配している中、名古屋駅に向かってひたすら東に歩く。
名古屋駅のほぼ真上にそびえ立つ、ツインタワーから瞬く照明を目印に
10分ほど進むと、JR名古屋駅の西口が眼前にあらわれた。
いわゆる『太閤通口』と呼ばれるところで、メインの『桜通口』という
名の東口に比べると、日中の人通りは少ない。
こればかりは仕方がない。
私は、闇が世界を支配している中、名古屋駅に向かってひたすら東に歩く。
名古屋駅のほぼ真上にそびえ立つ、ツインタワーから瞬く照明を目印に
10分ほど進むと、JR名古屋駅の西口が眼前にあらわれた。
いわゆる『太閤通口』と呼ばれるところで、メインの『桜通口』という
名の東口に比べると、日中の人通りは少ない。
私のほとんどの持ち物は、リュックとともに、こなたお姉ちゃんに
渡していたけど、お財布だけはコートのポケットに入っている。
太閤通口の近くにあるタクシー乗り場に向かい、停車しているタクシーの
一つに声をかけた。
渡していたけど、お財布だけはコートのポケットに入っている。
太閤通口の近くにあるタクシー乗り場に向かい、停車しているタクシーの
一つに声をかけた。
タクシーの運転手は、愛想良く後部座席のドアを開いてくれる。
いわゆる『名古屋本』には、名古屋を走るタクシーの運転手は
とても親切だと書かれているが、その記載に誤りは無い。
いわゆる『名古屋本』には、名古屋を走るタクシーの運転手は
とても親切だと書かれているが、その記載に誤りは無い。
「どちらまでいかれますか? 」
「あの、伏見までお願いします」
「伏見のどちらですか? 」
「えっと…… 」
私はお姉ちゃんの知人の住所と、マンションの名前を教えた。
「かしこまりました」
運転手さんは快く頷いて、アクセルを踏んだ。
外は真っ暗だったけど、私の心は弾んでいた。
『ミッドランドスクエア』や、建設中の『スパイラルタワーズ』等、
高層ビル群の照明から遠ざかりながら、タクシーは夜明け前の街を
軽快に走っていく。
そして、ものの10分も経たないうちに、目的地となる伏見の
マンションに着いた。
「あの、伏見までお願いします」
「伏見のどちらですか? 」
「えっと…… 」
私はお姉ちゃんの知人の住所と、マンションの名前を教えた。
「かしこまりました」
運転手さんは快く頷いて、アクセルを踏んだ。
外は真っ暗だったけど、私の心は弾んでいた。
『ミッドランドスクエア』や、建設中の『スパイラルタワーズ』等、
高層ビル群の照明から遠ざかりながら、タクシーは夜明け前の街を
軽快に走っていく。
そして、ものの10分も経たないうちに、目的地となる伏見の
マンションに着いた。
「ありがとうございました」
料金を払って、タクシーから降りる。
私は、遠ざかるエンジン音を耳にした後、ゆっくりとエレベーターで
上の階に昇り、おねえちゃんがいる部屋に向かう。
「たぶん。寝てるんだろうな」
私は財布から『合鍵』を取り出して鍵を開けてから、ドアのノブを捻る。
料金を払って、タクシーから降りる。
私は、遠ざかるエンジン音を耳にした後、ゆっくりとエレベーターで
上の階に昇り、おねえちゃんがいる部屋に向かう。
「たぶん。寝てるんだろうな」
私は財布から『合鍵』を取り出して鍵を開けてから、ドアのノブを捻る。
中に入ってから電気をつけ、居間に足を踏み入れると、奥のベッドで、
こなたおねえちゃんがコート姿のままで眠っていた。
ゆっくりと近づいて、ほくろのある寝顔を覗くと、涙の跡が映っている。
おねえちゃんが、私の為に泣いてくれた跡だ。舐めてみると
微かに塩辛い。
こなたおねえちゃんがコート姿のままで眠っていた。
ゆっくりと近づいて、ほくろのある寝顔を覗くと、涙の跡が映っている。
おねえちゃんが、私の為に泣いてくれた跡だ。舐めてみると
微かに塩辛い。
私にほっぺたを舐められたのが、くすぐったかったのだろう。
なんども瞼を瞬かせてから、ようやく目を覚まして――
間近に私の顔をみつけて仰天した。
なんども瞼を瞬かせてから、ようやく目を覚まして――
間近に私の顔をみつけて仰天した。
「ゆ、ゆーちゃん!? 」
「ただいま。こなたおねえちゃん」
私は、お姉ちゃんに抱きついた。
「おかえり…… ってどうやって帰ったの? 」
驚いているお姉ちゃんを見て、私はくすりと笑った。
「えへへ。ちょっと内緒」
私は舌を出した。おねえちゃんは怖い顔をつくって
「いわないと、悪戯しちゃうぞ」
と、言って私の脇をくすぐり始めた。
「あはははっ、や、やめて、おねえちゃん。いう、いいますからっ」
敏感な脇下を責められて、あっという間に降参してしまう。
荒い息をついた後、私はお姉ちゃんに全てを話した。
「ただいま。こなたおねえちゃん」
私は、お姉ちゃんに抱きついた。
「おかえり…… ってどうやって帰ったの? 」
驚いているお姉ちゃんを見て、私はくすりと笑った。
「えへへ。ちょっと内緒」
私は舌を出した。おねえちゃんは怖い顔をつくって
「いわないと、悪戯しちゃうぞ」
と、言って私の脇をくすぐり始めた。
「あはははっ、や、やめて、おねえちゃん。いう、いいますからっ」
敏感な脇下を責められて、あっという間に降参してしまう。
荒い息をついた後、私はお姉ちゃんに全てを話した。
「許せない…… 」
当然ながら、お姉ちゃんの言葉は烈しかった。
「みなみちゃんも、みゆきさんも絶対に許せないよ」
「お姉ちゃん…… 」
私は、怒りに震えるこなたお姉ちゃんをぎゅっと抱きしめた。
「私の為に、怒ってくれてありがとう。でもね、もういいの」
「ゆーちゃんは怒らないの? 」
「ううん。私だって物凄く腹が立ったよ」
「だったら…… 」
「でもね。おねえちゃん。私たちが、みなみちゃんや高良先輩に
怒りを燃やしても、何も生み出さないと思うの」
「ゆーちゃんは、みなみちゃんを許せるの? 」
私は、小さく息を吸ってから、はっきりと言った。
「許すとか、許さないとかじゃないの。みなみちゃんの事は
なんとも感じていないから」
私の言葉には嘘があるかもしれない。でも、もっとも効果的な
復讐とは憎しみよりも、無関心なのではないかと思う。
当然ながら、お姉ちゃんの言葉は烈しかった。
「みなみちゃんも、みゆきさんも絶対に許せないよ」
「お姉ちゃん…… 」
私は、怒りに震えるこなたお姉ちゃんをぎゅっと抱きしめた。
「私の為に、怒ってくれてありがとう。でもね、もういいの」
「ゆーちゃんは怒らないの? 」
「ううん。私だって物凄く腹が立ったよ」
「だったら…… 」
「でもね。おねえちゃん。私たちが、みなみちゃんや高良先輩に
怒りを燃やしても、何も生み出さないと思うの」
「ゆーちゃんは、みなみちゃんを許せるの? 」
私は、小さく息を吸ってから、はっきりと言った。
「許すとか、許さないとかじゃないの。みなみちゃんの事は
なんとも感じていないから」
私の言葉には嘘があるかもしれない。でも、もっとも効果的な
復讐とは憎しみよりも、無関心なのではないかと思う。
「ゆーちゃんがいいのなら、私も、みゆきさんに何かをする
つもりはないんだけどね」
こなたおねえちゃんの瞳から、怒りの色が消えていく。
「私とお姉ちゃんは、この街で生きていくことになるんだ。
だから過去はもういらないと思うの」
つもりはないんだけどね」
こなたおねえちゃんの瞳から、怒りの色が消えていく。
「私とお姉ちゃんは、この街で生きていくことになるんだ。
だから過去はもういらないと思うの」
「そう…… そだね」
お姉ちゃんは遠い目をした。もしかしたら、誰かがほんの少しだけ
違った選択肢を選んでいたら、違った結果になっていただろう。
みなみちゃんとは親友でいられたし、お姉ちゃんは、高良先輩と
親しい関係が保たれたと思う。でも、過去には戻れない。
あの直情なかがみ先輩は、なおも執拗にこなたお姉ちゃんの行方を
追い続けるだろうけど、遅くても明後日には、埼玉に帰らざるを得ない。
お姉ちゃんは遠い目をした。もしかしたら、誰かがほんの少しだけ
違った選択肢を選んでいたら、違った結果になっていただろう。
みなみちゃんとは親友でいられたし、お姉ちゃんは、高良先輩と
親しい関係が保たれたと思う。でも、過去には戻れない。
あの直情なかがみ先輩は、なおも執拗にこなたお姉ちゃんの行方を
追い続けるだろうけど、遅くても明後日には、埼玉に帰らざるを得ない。
全ての日常を、恋心の為だけに捨てられる程の覚悟はないはずだ。
「お姉ちゃん。私、行きたいところがあるの」
「どこかな? 」
こなたお姉ちゃんは、私の抱きしめながら囁く。
「海がみたい」
私はお姉ちゃんの体温に心地よさを覚えながら、希望を言った。
「うん。いいよ。でもその前に」
「なあに? お姉ちゃん」
「キス…… させて」
こなたお姉ちゃんは、私の瞼に手をあてて閉じさせてから、
ゆっくりと唇を塞いだ。
「どこかな? 」
こなたお姉ちゃんは、私の抱きしめながら囁く。
「海がみたい」
私はお姉ちゃんの体温に心地よさを覚えながら、希望を言った。
「うん。いいよ。でもその前に」
「なあに? お姉ちゃん」
「キス…… させて」
こなたお姉ちゃんは、私の瞼に手をあてて閉じさせてから、
ゆっくりと唇を塞いだ。
(了)
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- 普通に逃げれるのかww -- 名無しさん (2008-05-25 22:05:51)
- この後が気になるじゃないかあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!! -- 名無しさん (2008-05-08 21:57:49)
- 読み終わるのが勿体ない程良い作品だ!! -- 名無しさん (2008-04-30 09:53:20)
- こなた自殺、かがみぼっち、その他の色々ssサイト見てきたが、
この作品…、個人的最も素晴らしいと思った。 -- 名無しさん (2008-03-21 14:04:41) - 読み終わっちゃった・・
-- 名無しさん (2008-01-28 16:19:38) - なんとも言えない・・いいものだ -- ウルトラマン80 (2008-01-27 23:41:52)