「瞬間よ止まれ。汝はいかにも美しい」
■ ■ ■
夢を夢と結論づけてしまう根拠が、どこに在るというのだろう?
ここが現実てある根拠も、夢である根拠もないのだから。
ならば私は今いったい何処の世界に生きているのだろうか?
何を信じていいのか分からない。
何を認めていいのか分からない。
本当に私は私のまま生きていられるのだろうか。
ここが現実てある根拠も、夢である根拠もないのだから。
ならば私は今いったい何処の世界に生きているのだろうか?
何を信じていいのか分からない。
何を認めていいのか分からない。
本当に私は私のまま生きていられるのだろうか。
「叶えてやろうか」
私の心が作り出した妄言か。
目の前には黒い犬がエメラルドの深い濁った瞳をこちらに向けていた。
口元からチラチラ見え隠れくる鋭い牙が、犬の笑い方を表している。
「あ、あんた………」
私は無意識に数歩後ずさりしていた。
ニタニタと笑う黒い犬から少しでも離れられるように。
しかし黒犬はまた一層深く笑うと、同じ距離近づいた。
「柊かがみ」
黒犬は確認ではなく、ただ告げるように言う。
お前は【柊かがみ】でしかないのだと。
「私の名はメフィストフェレス。―――ご存知かな?」
「め、メフィスト………?」
その名前ならこの私でさえ聞き覚えがある。
18~19世紀ドイツの文人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの
代表作とされる長編の戯曲に出てくる悪魔の名前である。
「あ、悪魔がなんで私のとこになんてくんのよ……?」
「ふふ。それくらいは既に知っていたか」
「だいたい、叶えるって…一体なにをよ……?」
私は知識欲求なんてそんなにないし、学者ですらない。
あの有名なメフィストフェレスが現れるような要素がまるでないのだ。
顔がひきつるのが分かる。
しかし前の悪魔はまだニタニタと笑っているのだった。
「無論、汝の願いだ」
「私の願い……?」
「そう。この世の日の限りは伴侶、召使、あるいは奴隷のように汝に仕えて、
自らの術でかつて誰も得る事のなかったほどの享楽を提供しようというのだよ」
それは教科書に少し載っていた程度の知識だった。
読んだとこのある台詞。そして、イメージにぴったりな姿。
「私は、別に……」
「本当かな?」
「………っ!」
犬の瞳は何もかもを見透かすように、覗いてきた。
「汝はこの世界にある平穏を不満に思っているのだろう?」
「………………」
否定は、しない。
目の前には黒い犬がエメラルドの深い濁った瞳をこちらに向けていた。
口元からチラチラ見え隠れくる鋭い牙が、犬の笑い方を表している。
「あ、あんた………」
私は無意識に数歩後ずさりしていた。
ニタニタと笑う黒い犬から少しでも離れられるように。
しかし黒犬はまた一層深く笑うと、同じ距離近づいた。
「柊かがみ」
黒犬は確認ではなく、ただ告げるように言う。
お前は【柊かがみ】でしかないのだと。
「私の名はメフィストフェレス。―――ご存知かな?」
「め、メフィスト………?」
その名前ならこの私でさえ聞き覚えがある。
18~19世紀ドイツの文人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの
代表作とされる長編の戯曲に出てくる悪魔の名前である。
「あ、悪魔がなんで私のとこになんてくんのよ……?」
「ふふ。それくらいは既に知っていたか」
「だいたい、叶えるって…一体なにをよ……?」
私は知識欲求なんてそんなにないし、学者ですらない。
あの有名なメフィストフェレスが現れるような要素がまるでないのだ。
顔がひきつるのが分かる。
しかし前の悪魔はまだニタニタと笑っているのだった。
「無論、汝の願いだ」
「私の願い……?」
「そう。この世の日の限りは伴侶、召使、あるいは奴隷のように汝に仕えて、
自らの術でかつて誰も得る事のなかったほどの享楽を提供しようというのだよ」
それは教科書に少し載っていた程度の知識だった。
読んだとこのある台詞。そして、イメージにぴったりな姿。
「私は、別に……」
「本当かな?」
「………っ!」
犬の瞳は何もかもを見透かすように、覗いてきた。
「汝はこの世界にある平穏を不満に思っているのだろう?」
「………………」
否定は、しない。
「何かが足りない。そうだろう?」
「………そ、れは……」
「これが現実なら、夢を見たいのだろう?」
犬は目の前に座ると、ニタニタと笑いながらこっちを観察していくる。
昼間の自室で、誰が悪魔に遭遇するだなんて思っただろう。
誰がこんな世界を予想できただろう。
「………」
夢が夢であるうちに、私はそれを謳歌しよう。
目覚めて何も起こらない無意味な日常を受け入れる前に。
「………いいわよ」
「ならば話しは早いな」
犬はさっと私に近づき、額をあわせ目を瞑る。
体が少し柔らかい光につつまれ、温かさを感じ取る。
「………そ、れは……」
「これが現実なら、夢を見たいのだろう?」
犬は目の前に座ると、ニタニタと笑いながらこっちを観察していくる。
昼間の自室で、誰が悪魔に遭遇するだなんて思っただろう。
誰がこんな世界を予想できただろう。
「………」
夢が夢であるうちに、私はそれを謳歌しよう。
目覚めて何も起こらない無意味な日常を受け入れる前に。
「………いいわよ」
「ならば話しは早いな」
犬はさっと私に近づき、額をあわせ目を瞑る。
体が少し柔らかい光につつまれ、温かさを感じ取る。
「 Verweile doch! Du bist so schön. 」
私は犬が何かを喋っているのを聞きながら、少し思った。
これはあの有名な台詞だったのだろうかと。
そしてそのまま、私の意識は潰えるのだった。
これはあの有名な台詞だったのだろうかと。
そしてそのまま、私の意識は潰えるのだった。
■ ■ ■
「あ、かがみ、目が覚めた?」
あれは夢だったのだろうかと朦朧とした意識の中で思った。
私の視界の中には可愛らしい少女がいた。
濃く蒼い髪を長々と伸ばし、大きなエメラルドの瞳を覗かせている。
「あれ……私は……?」
体を起すと、いつもの自分の部屋だった。
ここは2008年を迎えようとしている日本だ。
「夢………だったのかな?」
「何がだ?」
「!?」
あの犬の声が聞こえた気がして、私はバっと振り返る。
全裸の少女は、あの可愛らしい瞳の色を濁していた。
あれは夢だったのだろうかと朦朧とした意識の中で思った。
私の視界の中には可愛らしい少女がいた。
濃く蒼い髪を長々と伸ばし、大きなエメラルドの瞳を覗かせている。
「あれ……私は……?」
体を起すと、いつもの自分の部屋だった。
ここは2008年を迎えようとしている日本だ。
「夢………だったのかな?」
「何がだ?」
「!?」
あの犬の声が聞こえた気がして、私はバっと振り返る。
全裸の少女は、あの可愛らしい瞳の色を濁していた。
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- 面白くなってきた‥! -- フウリ (2008-04-03 13:46:57)
- これはどういう? -- 名無しさん (2008-04-02 16:20:31)