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「くすぐり」は、いかが?

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 私は、くすぐったがりだ。
 子供の頃からゆかりさんに散々くすぐられてきたので、自分でもそのことはよく分かっている。
 このことを知っているのは、家族とゆかりさんの他にはみゆきさんくらいだけれど、

「みなみちゃん、糸くずが付いてるよ」
「ひぅっ!?」

 制服に付いていた糸くずを取ろうと、私の脇腹あたりに触れたゆたかにも、
 私がそれに過剰に反応してしまったことによって、知られてしまった。

「みなみちゃん、もしかしてくすぐったがりやさん?」

 私はゆたかが、まさかゆかりさんのように私をおもちゃにするような子ではないだろうなと思って安心していたのだけど、

「うん……あの、恥ずかしいからみんなには内緒にしてほしい……」
「分かった、みんなには、内緒だね」

 そういって無邪気に微笑むゆたかこそが、
 最もこの秘密を教えてはいけない子だったと気付くのは、そう時間のかからないことだった。

「みーなーみーちゃん、おはようっ!」
「ひゃっ!?」

 次の日から、ゆたかはことあるごとに私の体を触ってくるようになった。
 挨拶のときの脇腹タッチは恒例のこと、抱きつくふりをして私の脇を触ってきたり、
 髪を触るふりをして首すじや耳元を撫でてきたり……

「あの、ゆたか……」
「んー? どうしたのー?」
「う、ううん、なんでもない」

 私も何回か注意しようとしたけれど、
 いざ言おうとするとゆたかはこうしていつものように無邪気な笑顔を浮かべるものだから、
 ゆたかの触れ方がわざとやっているのかそうでないのか区別が付かないほど軽いものだったということもあって、
 私は結局何も言えないまま、こうしてゆたかに触られ続ける毎日を過ごした。


「みなみちゃん、次のテスト、勝負しない?」

 そんな日が続いた、テストを間近に控えたある日、私は突然ゆたかからそんな提案を持ちかけられた。

「負けたほうは罰ゲームねっ。
 そうだなぁ……『負けたほうは、勝ったほうにくすぐり続けられる』っていうのはどう?」

 ゆたかはおそらく初めから考えてあったのであろうセリフを、にっこりと笑いながら言った。
 ゆたかの笑顔は少し前の私が見たら純粋なものに写っただろうけれど、
 今の私はその奥に何か小悪魔めいたものを感じずにはいられず、
 それは今までのあのくすぐりがわざとだったということに気付いた後に、より強いものとなった。

「……負けない」

 私はゆたかがくすぐりに弱いかどうか知らないので、
 この賭けが何か自分にとってメリットのあるものかは分からなかった。
 しかしここで私が勝っておかないと、今後私達の関係が絶対的に決まってしまうような、そんな胸騒ぎがして、
 私はこのゆたかの誘いを断わることが出来なかった。
 私は今までゆたかにテストで負けたことはなかったけれど、きっとゆたかもたくさん勉強してくるだろうから、
 だから、いつも以上に力を入れて勉強した。


 そしてすべてのテストが返ってきた日の放課後、
 誰もいなくなった教室で、私達はテストの点数の見せ合いをした。

「そ、そんな……」

 自信はあった。確かな手ごたえもあった。
 しかし結果は、私の負け――。それも、二点という僅差で負けてしまった。
 この数週間、私はくすぐられたくない一心で、勉強に打ち込んだ。
 しかし、ゆたかは私の思いを凌ぐほどの熱意、「私をくすぐりたい」という一心で、私に勝ってしまったのだ。

「ゆたか、そんなに私をくすぐりたかったの……?」

 生気の抜けた声でゆたかに問いかけると、ゆたかは

「だって、くすぐられてるときのみなみちゃん、なんだか可愛いんだもん」

 と、喜んでいいのか分からないことを、人差し指で頬を掻きながら言った。

「じゃあ、さっそくやっちゃおうかな」
「えっ、こ、ここで……?」
「うん、誰もいないし、大丈夫っ。じゃあ、いくよ?」

「ひぁっ……ふふ、ふふふふっ、あははははっ!!」

 心の準備ができないうちにゆたかに脇下に手を差し込まれ、驚いたのも束の間、
 堪えられない刺激がすぐに襲ってきて、私はみっともなく声を上げて笑いだしてしまった。


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「ふふっ、だ、だめっ、あはははっ、ゆたかっ、ふふふふっ!!」

 ゆたかの指がもぞもぞと動かされ、私も抵抗しようとするのだけれど、
 逆に体が緊張して脇をもっと強く締め付けてしまい、さらに抜け出せなくなってしまった。

 ふるふると反応する私の体は段々とその震えを大きくさせていき、
 そのうちに私は座っていた椅子からガタンと音をたてて落ちてしまった。

 しかしゆたかはそれでも私をくすぐる手を止めず、私に馬乗りになって容赦なく私の体を蝕んでいった。

「あはっ、あははははっ!! はぁっ、ゆたかっ、もうやめ、ははははっ!!!」

 ゆたかは片方の手を脇に入れたまま、もう片方の手で腰や、お腹を制服の下から手を入れて、直に触り始めた。
 私は限界もいいところで、目に涙を溜めながら、早くゆたかがこの罰ゲームに飽きてくれるのを必死に待った。
 けれどいつになってもゆたかはその手を止めてくれず、
 むしろその顔は新しいおもちゃを手にいれた子供のように、いつまでもイキイキとしていた。

「ひはっ、ふふふふふっ!! ふはぁっ、あはははっ!! も、だめ、あははははっ!!!」

 首すじや足など、体のいたるところをくすぐられ、私はもう感覚がなくなってきていた。
 それでも笑いだけは止まらずに、おそらく顔を真っ赤にしながら、私はゆたかにくすぐられ続けた。


 永遠にも感じられる時間が過ぎ、ゆたかの手が止められた頃には、
 私は制服をはだけさせ、満身創痍といった状態で教室の天井を見つめていた。

「はぁっ、はっ、はぁ……」

 ぼんやりとする頭のせいで、ゆたかがどんな顔をしているのかは分からない。
 もう飽きてくれたのだろうか。それとも、休憩しているだけ……?
 ただ、分かっていることは、「おそらく今後もこの罰ゲームはゆたかの気分次第で行われる」ということだけだった。

 教室に入ってきた田村さんが鼻血を出して倒れるのを見たと同時に、
 ゆたかの手にまたかすかな力が込められていくのを、私は不思議と嫌だとは思わなかった。















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  • やっぱりゆーちゃんはドS役が似合うなぁ
    原作の意地悪なゆたかのイメージにぴったりだw -- 名無しさん (2017-09-19 04:42:20)
  • ゆたか受けVerも欲しいwww -- 名無しさん (2014-04-03 19:17:12)
  • やっぱり みなみちゃんは受けがいいと思う! -- 中学2年生 (2013-04-25 17:29:24)
  • 話はよかった。うん、ネタも萌えるし
    でも、個人的には挿絵のみなみをもっと原作調にしてほしい -- おれ (2009-01-07 23:49:15)
  • シチュエーションと挿絵に萌えてしまった・・・
    ゆたかって意外と責めが似合うなw子悪魔的なイメージがあるのか。
    ともあれみなみちゃんはオモチャ決定ですな~お幸せにw -- 名無しさん (2008-05-08 23:55:20)
  • GJ、通りすがりに良い仕事してる作品を見つけてしまった・・ -- 名無しさん (2008-04-12 00:52:45)

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