kairakunoza @ ウィキ

妄想と現実の境目

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「みーなーみーちゃんっ!」
「ひゃう!?」
最近、二人の様子のスキンシップが前より過剰になった気がする。

「みなみちゃんの髪、さらさらして気持ちいー♪」
「あっ…んぅ…あ、ありが…とう…」
(イイ!すごくイイっスよ!これは間違いなくゆた×みな…って自重自重ーっ!!)
しかし頭ではそう思っても当の本人達はどうだろう。
岩崎さんの頭を撫で回している小早川さんの純粋な笑顔。
撫でられている岩崎さんの何処か熱に浮かされたような恍惚とした表情。
こんな美味しいシチュを前に妄想をしないなど無理な相談である。

―――――――――――――――☆―――――――――――――――
『みなみちゃんは耳が弱いんだよね…』
『…ッ!ダ、ダメ…ここは教室…みんな、見てる…から…』
耳もとで息が軽くかかるようにしてゆたかが囁く。
『嘘。みなみちゃん本当はもっとみんなに見て欲しいんでしょ?女の子らしく感じるところ見て欲しいんだよね?』
『…そ、そんなこと…』
『ふふ、みなみちゃん可愛いー…たしか、首筋も好きだったね』
そう言って髪を触る振りをして首筋を微妙な力加減で擦る。
『ち、違う…私…はっ…ゆたかにだけ…ゆたかにだけ見詰められていたい…』
『…良く出来ました。じゃあ、続きは放課後だね―』
そう言って無邪気に微笑むゆたかの背中には子悪魔の翼が僅かに姿を見せているようで――
―――――――――――――――☆―――――――――――――――

―――っは!
(自重しろ!自重しろ私!ていうか漫画出来てるー!?)
妄想の世界から現実に戻った私の手元にあったのはノートに見開きで描かれた漫画。
しかもコマ割りまでされており、そのままネームの一部に使えそうなくらいである。
(妄想世界もここまで至ると我ながら恐ろしいっスね…)
しかし最近の二人はなんとなく前より更に距離が近い。
そして小早川さんの太陽のような笑顔の裏になにか小悪魔めいたものを感じる
(…純情な少女に宿った劣情の火種を思わせるような微笑が岩崎さんを虜に―って自重汁ー!)
その度に湧き上がる妄想を止める事など、彼女には不可能であった。

そんな日が続いた、テストを間近に控えたある日の出来事である。

「みなみちゃん、次のテスト、勝負しない?」
勝負?小早川さんが岩崎さんに?珍しいなぁ。
「負けたほうは罰ゲームねっ」

負けたほうは罰ゲームね。負けたほうは罰ゲームね。負けたほうは罰ゲームね。

(な、ななななんですとーーーーッッ!!?)
罰ゲームと言う事は勝ったほうが負けたほうを○○○して、×××や△△△で□□な事をくぁwせdrftgyふじこlp

「そうだなぁ……」
(っは!!これは妄想してる場合じゃねぇっス!)
ひよりはこれ以上無い程に耳に全神経を集中する。

だが。

「―――っていうのはどう?」
「……負けない」
結局罰ゲームの内容は聞こえなかった。


その『罰ゲーム』の内容が気になり、悶々とした日々を送ったひよりのテスト結果は芳しくなかったがそれは置いておく

そして全てのテストが帰ってきた日の放課後…

(う~ノートノート)
今忘れ物のノートを取りに小走りしている私は陵桜に通うごく一般的な女の子
強いて違うところをあげるとすれば友達をモデルに百合漫画を描いてるってとこかナー
名前は田村ひより

そんなわけで放課後の1-D教室にやって来たのだ

教室のドアに手をかけようとして私は一瞬躊躇う。
(おっと、私としたことが。基本は忘れちゃダメっスね)
姿勢を正し、教室のドアを勢い良く開ける。

「うぃーす、WAWAWA忘れ物~」

そうして引き戸を開けたひよりの目に映ったのは、征服を肌蹴させ、恍惚とした表情で天井を見上げるみなみと
そのみなみに馬乗りになって嬉々とした微笑を浮かべるゆたかの姿―

「おうあ」
そう間抜けな声を出し、私は鼻血を噴いて倒れた。




















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  • おおう!GJ!!くそみそワロタ -- 九龍(泉こなた) (2008-06-13 19:48:43)

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