例えば506のEと陵桜学園の2-Eに何か共通点があるとすれば、その集団を特徴付ける中心的な人物が、強者揃いという点を挙げる事ができるのではないか。泉こなたと、その結果として柊かがみにも降りかかった災難は、2-Eの集団としての性質に起因するものではないにしろ、その中心人物に近いことと、ほかならぬかがみ自身が、所属が異なるにも拘らず、その中心人物の一人だということが絡んでいるとみて間違いない。
その日、かがみは高良みゆきと楽しく話していた。まぎれもなく2-Eの中心的人物であるみゆきと、である。「かがみは私の嫁」を自称する(妙なものだが、だからといって「私はかがみの婿」、または「かがみの婿は私」を自称しているわけではないのである)こなたはというと、少し離れた自分の席で彼女流の読書に勤しんでいた。
自分の嫁が他の人と話しているからといって、別に醜い嫉妬に駆られたりはしない。なぜならかがみは私の嫁だから、放課後になれば「おーっす、帰るわよ」とかなんとか、さも当たり前のように迎えに来るか、私を待つかするのだろう。何の心配もないのだよ。だって、私の、嫁だから。その当たり前にしている点に突っ込むなり、疑問を呈するなりすると、その時の反応がまた可愛いんだわ、私の嫁は。
とはいえ、視界に入る以上気になるとは言わないまでも、どうしても見てしまうものである。なぜなら、私の、嫁だから。何の事を話しているのやら、やけに楽しそうだ。嫁が質問して、みゆきさんが答えて、そして嫁の顔が豹変する……って、うおい?? 飛び上がり、赤面し、次いで背後に炎が燃え上がり、腕を伸ばして……突っ込んで来る!?
「こなたぁ~~!!」
その日、かがみは高良みゆきと楽しく話していた。まぎれもなく2-Eの中心的人物であるみゆきと、である。「かがみは私の嫁」を自称する(妙なものだが、だからといって「私はかがみの婿」、または「かがみの婿は私」を自称しているわけではないのである)こなたはというと、少し離れた自分の席で彼女流の読書に勤しんでいた。
自分の嫁が他の人と話しているからといって、別に醜い嫉妬に駆られたりはしない。なぜならかがみは私の嫁だから、放課後になれば「おーっす、帰るわよ」とかなんとか、さも当たり前のように迎えに来るか、私を待つかするのだろう。何の心配もないのだよ。だって、私の、嫁だから。その当たり前にしている点に突っ込むなり、疑問を呈するなりすると、その時の反応がまた可愛いんだわ、私の嫁は。
とはいえ、視界に入る以上気になるとは言わないまでも、どうしても見てしまうものである。なぜなら、私の、嫁だから。何の事を話しているのやら、やけに楽しそうだ。嫁が質問して、みゆきさんが答えて、そして嫁の顔が豹変する……って、うおい?? 飛び上がり、赤面し、次いで背後に炎が燃え上がり、腕を伸ばして……突っ込んで来る!?
「こなたぁ~~!!」
ボギー・12オクロック・ハイ
(敵戦闘機・12時方向・上方)
(敵戦闘機・12時方向・上方)
剥き出しにした歯はノーズアートのサメのようだ。戦闘機なら主翼か機首に発砲炎が立つところだが、むしろその口から直接火を吹きそうな勢いだった。
ベイルアウト……。
―ダメだ、射出座席が作動しない。
そもそも、このイスは射出座席じゃないし!
……という訳で。
「みゆきに何を吹き込んだのよぉ~!」
ベイルアウト……。
―ダメだ、射出座席が作動しない。
そもそも、このイスは射出座席じゃないし!
……という訳で。
「みゆきに何を吹き込んだのよぉ~!」
バシッ
どんがらがっしゃ~ん
どんがらがっしゃ~ん
射出座席によらずとも、こなたはかがみのラリアットで吹き飛ぶことに成功し、後ろの席の机の上に伸びたのだった。
はは、自慢が一つ増えちゃったな。ウチの嫁はラリアットが上手でね、ってか……。
はは、自慢が一つ増えちゃったな。ウチの嫁はラリアットが上手でね、ってか……。
これを何的と言ったらいいのだろうか? 少なくとも、後頭部の大きなたんこぶから白煙が上がり、それに白い絆創膏を十字に交差させたものを貼っているあたりは、賭け値なくマンガ的だ。
「……して、みゆきさん」
「……はい」
「私の初飛行の訳を聞かせてもらえるかな?」
自慢じゃないがこなた、飛行機に乗ったことがない。だからして人生年表の上では、これが初飛行だった。
「……して、みゆきさん」
「……はい」
「私の初飛行の訳を聞かせてもらえるかな?」
自慢じゃないがこなた、飛行機に乗ったことがない。だからして人生年表の上では、これが初飛行だった。
200●年 嫁のラリアットで初飛行。飛距離・後ろの席まで
嫁の助力といことは内助の功という事になろうからそれは悪くはないが、ライト兄弟は初飛行で58メートル飛んだという。21世紀にもなって、だいぶ負けてるあたりはこれいかに?
「それが……よく分からなくて」
「みゆき!」
かがみが目を剥く。目までがサメの様だ。
「あんな卑猥な事、こなたに吹き込まれたと思うじゃない」
「ひ、卑猥でしょうか……?」
「卑猥なみゆきさんに興味がないって言ったら嘘になるけど、まあ、順を追って話してよ」
「は、はい。では……」
みゆきはビクビクしながら話し出す。
「この前カラオケに行きましたよね」
「こなたが暴走しまくったアレね」
「私、知っている曲があまりなくて、皆さんが歌うのを聞いてばかりでしたから……」
「いざ歌ったら、すごいインパクトだったけどね」
「このままではこの先、あまりカラオケを楽しめないのではないかと思いまして、歌の習得を決意したのです」
「その方面でも完璧超人を目指すつもりなのよ、この子」
「そこで、たくさん歌をご存知の泉さんに相談したんです」
「ああ、あの事か」
まるで漫才の導入部のような会話に聞き入っていたこなたが、ぽんと手を叩く。
「あんたのことだから、てっきりアニソンとキャラソンとゲームの主題歌ばっかり勧めたもんだと思ったわ」
「それもよかったんだけどね、新たな萌え、新たなインパクト、新たな世界を切り開くため、敢えてみゆきさんには私とは違った道を進んでもらおうと思って、クラシックを薦めてみたのだよ」
「あんた、クラシックなんて聴くんだ?」
「んー、まあ、某バイオリン弾きの関連で少々」
「結局アニメつながりかよ」
「カラオケの機種によっては、オペラのアリアとか、カンツォーネ(イタリア歌曲)やリート(ドイツ歌曲)とかけっこう入っててね。洋楽でも英語ならけっこう歌えるのあるけど、そこを英語以外の外国語で攻めるのも一興だよってアドバイスしてみたわけよ。それでみゆきさんは、路線的には何を選んだの?」
「イタリア語の歌にしました」
「勧めるあんたもあんたなら、それの乗って真面目に取り組むみゆきもみゆきだわ」
「で、それが何で『凶暴神・かがみ様降臨』につながったのカナ?」
こなたは顔をしかめ、白煙の引いた頭をさする。
「私を勝手にアニメのタイトル風にするのはやめてくれ」
「まずカラオケに入っている曲を調べ、聴いてみました。幸いCDは、母が買ってきて聴かないままのものが家にありましたもので」
「「さすがセレブ」」
「早速練習してはみたのですが、なんといいますかこう、イタリア語は大変早口で、日本語に慣れた舌ではとてもついていけなくて……」
「いやー、分かるよそれ。某所で日本のアニメのイタリア語吹き替えを見たけど、早送りみたいだったからね」
「すげーな、某所……どこだか知らないけど」
「そこでまず、日本語の早口言葉で舌を慣らそうとしたんです」
ようやく話が見えてきた。その早口言葉が卑猥だという訳で、かがみが激怒したのだ。
「うんうん、それで?」
こなたは目を輝かせて続きを促す。
「みゆき、言っちゃだめ!」
「ですが……」
「ふっふっふ、情報公開という時代の波に乗ろうよ、みゆきさん」
「都合のいい部分だけ世情に詳しいんだな」
「その早口言葉とは?」
みゆきはためらいながら、その早口言葉を披露した。
「それが……よく分からなくて」
「みゆき!」
かがみが目を剥く。目までがサメの様だ。
「あんな卑猥な事、こなたに吹き込まれたと思うじゃない」
「ひ、卑猥でしょうか……?」
「卑猥なみゆきさんに興味がないって言ったら嘘になるけど、まあ、順を追って話してよ」
「は、はい。では……」
みゆきはビクビクしながら話し出す。
「この前カラオケに行きましたよね」
「こなたが暴走しまくったアレね」
「私、知っている曲があまりなくて、皆さんが歌うのを聞いてばかりでしたから……」
「いざ歌ったら、すごいインパクトだったけどね」
「このままではこの先、あまりカラオケを楽しめないのではないかと思いまして、歌の習得を決意したのです」
「その方面でも完璧超人を目指すつもりなのよ、この子」
「そこで、たくさん歌をご存知の泉さんに相談したんです」
「ああ、あの事か」
まるで漫才の導入部のような会話に聞き入っていたこなたが、ぽんと手を叩く。
「あんたのことだから、てっきりアニソンとキャラソンとゲームの主題歌ばっかり勧めたもんだと思ったわ」
「それもよかったんだけどね、新たな萌え、新たなインパクト、新たな世界を切り開くため、敢えてみゆきさんには私とは違った道を進んでもらおうと思って、クラシックを薦めてみたのだよ」
「あんた、クラシックなんて聴くんだ?」
「んー、まあ、某バイオリン弾きの関連で少々」
「結局アニメつながりかよ」
「カラオケの機種によっては、オペラのアリアとか、カンツォーネ(イタリア歌曲)やリート(ドイツ歌曲)とかけっこう入っててね。洋楽でも英語ならけっこう歌えるのあるけど、そこを英語以外の外国語で攻めるのも一興だよってアドバイスしてみたわけよ。それでみゆきさんは、路線的には何を選んだの?」
「イタリア語の歌にしました」
「勧めるあんたもあんたなら、それの乗って真面目に取り組むみゆきもみゆきだわ」
「で、それが何で『凶暴神・かがみ様降臨』につながったのカナ?」
こなたは顔をしかめ、白煙の引いた頭をさする。
「私を勝手にアニメのタイトル風にするのはやめてくれ」
「まずカラオケに入っている曲を調べ、聴いてみました。幸いCDは、母が買ってきて聴かないままのものが家にありましたもので」
「「さすがセレブ」」
「早速練習してはみたのですが、なんといいますかこう、イタリア語は大変早口で、日本語に慣れた舌ではとてもついていけなくて……」
「いやー、分かるよそれ。某所で日本のアニメのイタリア語吹き替えを見たけど、早送りみたいだったからね」
「すげーな、某所……どこだか知らないけど」
「そこでまず、日本語の早口言葉で舌を慣らそうとしたんです」
ようやく話が見えてきた。その早口言葉が卑猥だという訳で、かがみが激怒したのだ。
「うんうん、それで?」
こなたは目を輝かせて続きを促す。
「みゆき、言っちゃだめ!」
「ですが……」
「ふっふっふ、情報公開という時代の波に乗ろうよ、みゆきさん」
「都合のいい部分だけ世情に詳しいんだな」
「その早口言葉とは?」
みゆきはためらいながら、その早口言葉を披露した。
またぐらの バナナの謎はまだ謎なのだぞ
「またぐらの~ ばななのなぞは~ まだなぞなのだぞ~」
と、つかさが言った。
「つかさ! 復唱しなくていい。韻を踏まなくていい。ていうか、あんたいたんだ?」
「またぐらの、バナナの謎はまだ謎なのだぞ、か」
こなたも味わうように口にした。
「だから復唱すんな!」
「みゆきさんはこれをどこで?」
「えーと、以前見たDVDに……」
「またぐらのバナナが映ったDVD!?」
「声がでかい! 鼻息が荒い! 目を輝かすな!」
「いえ、デンマーク王国の王子が、生きるべきか死ぬべきかではなく薄毛に悩むというお話で、王国の大臣が早口言葉の名人なんです。それでフランスに旅立つ息子との別れ際、その早口言葉を別れの言葉に……」
「なんていうか、終ったなデンマーク」
「いやー、いい話だね。卑猥でもなんでもない」
「どこがよ!?」
「だってねえ。バナナなら普通に売ってるし、座って食べてたら太腿の上に落っことしちゃったって事でしょ」
「謎って何よ、謎って」
「そのバナナを見て疑問に思ったんじゃない? バナナの皮って、踏んづけるとなんであんなに滑るんだろう、って」
「その前にバナナを拾えよ……。ていうか、『またぐら』はなくても早口言葉になるし」
「まあとにかく、純粋な心を持つみゆきさんには、卑猥な意味なんて全然なかったわけだよ。汚れた誰かさんと違って……」
「うぅ……」
作り手側の意図とか、象徴学を持ち出したところで後の祭りだろう。この場ではみゆきがそうなのだから、そうなのだ。
「というわけでががみん、今日はウチにバナナを食べにおいで」
「はぁ? どうしてそうなるの?」
「ちょうどバナナ料理を作ろうと思っててね。カレーに入れたり、餃子に包んだり」
「そんなのあるわけ―」
「あ~、聞いたことある」
109行目にしてつかさ、2つ目のセリフである。
「普通の黄色いやつじゃなくて、それ用のをみつけてね。今日はおとーさんも取材でいないことだし、バナナの天ぷらを試してみる」
「その毒見をしろ、と?」
「おー、話が早いねかがみん。まあ、バニラアイスの天ぷらもあることだし、バナナでもいけるんじゃないかな」
「はいはい……。胃薬と整腸剤と解毒剤と抗生物質持参で馳せ参じます。……ラリアットかまして悪かったわ」
そのお詫びとして、一人の食卓の寂しさを解消しに行ってやるというわけだ。
「さすが私の嫁!」
「誰が嫁だ」
「ライト兄弟に負けたお仕置きとして、バナナをたっぷり食べてもらうよ」
わけが分からない。
そう突っ込もうとするかがみに、こなたはぐいと顔を寄せ、耳元でこう囁いた。
「下のお口で、ね……」
「!!」
と、つかさが言った。
「つかさ! 復唱しなくていい。韻を踏まなくていい。ていうか、あんたいたんだ?」
「またぐらの、バナナの謎はまだ謎なのだぞ、か」
こなたも味わうように口にした。
「だから復唱すんな!」
「みゆきさんはこれをどこで?」
「えーと、以前見たDVDに……」
「またぐらのバナナが映ったDVD!?」
「声がでかい! 鼻息が荒い! 目を輝かすな!」
「いえ、デンマーク王国の王子が、生きるべきか死ぬべきかではなく薄毛に悩むというお話で、王国の大臣が早口言葉の名人なんです。それでフランスに旅立つ息子との別れ際、その早口言葉を別れの言葉に……」
「なんていうか、終ったなデンマーク」
「いやー、いい話だね。卑猥でもなんでもない」
「どこがよ!?」
「だってねえ。バナナなら普通に売ってるし、座って食べてたら太腿の上に落っことしちゃったって事でしょ」
「謎って何よ、謎って」
「そのバナナを見て疑問に思ったんじゃない? バナナの皮って、踏んづけるとなんであんなに滑るんだろう、って」
「その前にバナナを拾えよ……。ていうか、『またぐら』はなくても早口言葉になるし」
「まあとにかく、純粋な心を持つみゆきさんには、卑猥な意味なんて全然なかったわけだよ。汚れた誰かさんと違って……」
「うぅ……」
作り手側の意図とか、象徴学を持ち出したところで後の祭りだろう。この場ではみゆきがそうなのだから、そうなのだ。
「というわけでががみん、今日はウチにバナナを食べにおいで」
「はぁ? どうしてそうなるの?」
「ちょうどバナナ料理を作ろうと思っててね。カレーに入れたり、餃子に包んだり」
「そんなのあるわけ―」
「あ~、聞いたことある」
109行目にしてつかさ、2つ目のセリフである。
「普通の黄色いやつじゃなくて、それ用のをみつけてね。今日はおとーさんも取材でいないことだし、バナナの天ぷらを試してみる」
「その毒見をしろ、と?」
「おー、話が早いねかがみん。まあ、バニラアイスの天ぷらもあることだし、バナナでもいけるんじゃないかな」
「はいはい……。胃薬と整腸剤と解毒剤と抗生物質持参で馳せ参じます。……ラリアットかまして悪かったわ」
そのお詫びとして、一人の食卓の寂しさを解消しに行ってやるというわけだ。
「さすが私の嫁!」
「誰が嫁だ」
「ライト兄弟に負けたお仕置きとして、バナナをたっぷり食べてもらうよ」
わけが分からない。
そう突っ込もうとするかがみに、こなたはぐいと顔を寄せ、耳元でこう囁いた。
「下のお口で、ね……」
「!!」
おわり
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- 続きを激しく希望するwさぞ泉家では”楽しい”光景が広がるだろうw -- 名無しさん (2008-10-12 09:41:47)
- ラスト121行目にしてこなた超卑猥! -- (2008-10-10 21:37:01)