世界には、自分と同じ人がもう一人いるといいます。つまりは、自分の友達も、同じ人がもう一人いるということ。
もし、あなたがそんな人と出会ったらどうするでしょうか。その人が、自分の大好きな人だったり、大嫌いな人だったら・・・。
あなたがその人に出会ったら、もうひとりの事を話すでしょうか。
そして、同じように振舞えるでしょうか。
自分と、その人は良い関係を作れるのでしょうか。
その人が悲しんでいたり、傷ついていたら、どうするでしょうか。
今回は、旅先で「もう一人の」自分の大好きな親友とであった、ある少女のお話です。
少女は、どういう接し方をするのでしょうか。それでは、物語の始まりです。
もし、あなたがそんな人と出会ったらどうするでしょうか。その人が、自分の大好きな人だったり、大嫌いな人だったら・・・。
あなたがその人に出会ったら、もうひとりの事を話すでしょうか。
そして、同じように振舞えるでしょうか。
自分と、その人は良い関係を作れるのでしょうか。
その人が悲しんでいたり、傷ついていたら、どうするでしょうか。
今回は、旅先で「もう一人の」自分の大好きな親友とであった、ある少女のお話です。
少女は、どういう接し方をするのでしょうか。それでは、物語の始まりです。
かがみは、船の上にいた。船の上で、異国の地に残してきた「あいつ」の存在を思い出しては、あふれ出る涙をこらえきれずにいた。
船は風を切って進み続ける。その度に、あいつとの距離が離れていくことが苦痛でならなかった。柊かがみ。汝は、自分自身の侵した罪に苦しんでいた。
船は風を切って進み続ける。その度に、あいつとの距離が離れていくことが苦痛でならなかった。柊かがみ。汝は、自分自身の侵した罪に苦しんでいた。
あれは、3ヶ月前のこと。
ただお「かがみ、せっかくの冬休みだし、留学をしてみる気はないかな。」
かがみ「え?」
「いやね、いつだかかがみは弁護士になりたいっていってただろう?それなら、世界の法律を肌で感じることが必要だと思ったんだが・・・。」
「お姉ちゃん、すごーい。」
「・・・。そうね。言ってみる価値もあるかも知れないわね。でも、お金は・・・?」
「それは、大丈夫だよ。お父さんの友達が向こうの大学で教えているんだ。今回誘ってきたのもその人だよ。お金は大学の方で出してくれるらしい。もちろん、必要な分だけだけどね。」
「うん。行くわ。お父さん、ありがとう!!」
「わかった。かがみが行きたいならその旨を伝えておくから、自分で準備をしなさい。」
「それでお父さん、行き先はどこ?」
「イギリスだよ。田舎だけど、いいところだ。」
「いいじゃない。」
「お姉ちゃん、時差ボケとか大丈夫?」
「なんとかなるわよ。きっと。」
かがみ「え?」
「いやね、いつだかかがみは弁護士になりたいっていってただろう?それなら、世界の法律を肌で感じることが必要だと思ったんだが・・・。」
「お姉ちゃん、すごーい。」
「・・・。そうね。言ってみる価値もあるかも知れないわね。でも、お金は・・・?」
「それは、大丈夫だよ。お父さんの友達が向こうの大学で教えているんだ。今回誘ってきたのもその人だよ。お金は大学の方で出してくれるらしい。もちろん、必要な分だけだけどね。」
「うん。行くわ。お父さん、ありがとう!!」
「わかった。かがみが行きたいならその旨を伝えておくから、自分で準備をしなさい。」
「それでお父さん、行き先はどこ?」
「イギリスだよ。田舎だけど、いいところだ。」
「いいじゃない。」
「お姉ちゃん、時差ボケとか大丈夫?」
「なんとかなるわよ。きっと。」
出発がはやいとあって、かがみはルンルン気分で準備をした。高校を卒業して9ヶ月。自分の人生が何か変わるチャンスかもしれない。私は英語もそこそこしゃべれる方だから、簡単な会話くらいは出来るし、自分の力を試せるときが来たのね、とも思った。
十数年生きていると日本での生活にも段々飽きてくる頃だと思うし、もしかしたらヨーロッパの素晴らしい一面に触れて、そこに将来移住したいと考えるかもしれない。
不安はあるけど、不安になってたって何も始まらないもの。今はこの気分を味わわないといけない。そうかがみは考えて、大きな旅行カバンに勉強道具や生活の必需品を詰め込んでいった。
十数年生きていると日本での生活にも段々飽きてくる頃だと思うし、もしかしたらヨーロッパの素晴らしい一面に触れて、そこに将来移住したいと考えるかもしれない。
不安はあるけど、不安になってたって何も始まらないもの。今はこの気分を味わわないといけない。そうかがみは考えて、大きな旅行カバンに勉強道具や生活の必需品を詰め込んでいった。
「歯ブラシや消耗品は向こうで買い物の練習を兼ねて買えばいいわね。えっと、後は・・・本でも持っていこうかな。」
かがみが手に取ったのは、一冊の同人誌。こなたが前に家に来たときに忘れていったものであった。
「こ、こんなのは持っていけないわね。ラノベは何冊か持ったし・・・。」
机の上にそれを置き、後は・・・と周りを見回す。そうそう、こなたに、留学するから冬休みは会えないわよ、と言っておかなきゃ。それが終わったら・・・。久しぶりに、漫画でも読もうかな。
―――4日後、出発の日。
空港には、かがみ、ただお、つかさ。それに、こなた。3人に壮大に見送られることになったのである。
空港には、かがみ、ただお、つかさ。それに、こなた。3人に壮大に見送られることになったのである。
「ていうか、何であんたまでついてきたのよ。」
「いやぁ、せっかくかがみんと長い間会えなくなるからさぁ、少しでも多く目に焼き付けておこうと思って。」
「といっても、冬休みの間のたかが2週間でしょ?あっという間よ。」
「でも、そんな間でもかがみんの黒タイツが拝めなくなっちゃうのは私にとっては大ダメージなのだよ。」
「あ、あんた、家族の前で!」
「慌てるかがみん萌え~。」
「いやぁ、せっかくかがみんと長い間会えなくなるからさぁ、少しでも多く目に焼き付けておこうと思って。」
「といっても、冬休みの間のたかが2週間でしょ?あっという間よ。」
「でも、そんな間でもかがみんの黒タイツが拝めなくなっちゃうのは私にとっては大ダメージなのだよ。」
「あ、あんた、家族の前で!」
「慌てるかがみん萌え~。」
こなたの言葉に、全員がどっと笑う。旅立ちがこんな風に笑って迎えられるなんて、私はなんて幸せ者なのだろうか、とかがみは感動した。
舌を出して照れるこなたとも、ケラケラ笑うつかさとも、2週間の間お別れかと思うと切なくなった。でも、これは自分に必要な留学なんだから、と考えて、真剣な顔つきで搭乗ゲートをくぐった。
イギリスまではかなりの距離がある。かがみはひっそりと持ってきた、こなたとのツーショットを眺めてはため息を一つつき、ライトノベルを読み出すが、なかなか内容が頭に入ってこない。どうしたのかな、私。いつも私の頭の片隅にはこなたがいた。
向こうに行ったらそれが無くなってしまうんじゃないかという恐怖感。頭の中では、うるさいのからしばらくにげられるから良いわとか思っているが、心の底では、やっぱりこなたに対する思いというか、そういうものがこみ上げていた。
そのうち、考え疲れたのか、いつの間にかかがみは眠ってしまった。その夢の中に出てきたのは、もちろん、青い髪のあいつ。こなた。夢の中でもこなたにつっこんでいる私って一体・・・と思いながら、イギリスに着くまでにその甘い快楽を楽しむ。数時間。
その人生のなかで短い数時間が、今自分に一番の快楽を与えてくれているんだということ。いなくなってから初めてわかる、人の大切さ。
舌を出して照れるこなたとも、ケラケラ笑うつかさとも、2週間の間お別れかと思うと切なくなった。でも、これは自分に必要な留学なんだから、と考えて、真剣な顔つきで搭乗ゲートをくぐった。
イギリスまではかなりの距離がある。かがみはひっそりと持ってきた、こなたとのツーショットを眺めてはため息を一つつき、ライトノベルを読み出すが、なかなか内容が頭に入ってこない。どうしたのかな、私。いつも私の頭の片隅にはこなたがいた。
向こうに行ったらそれが無くなってしまうんじゃないかという恐怖感。頭の中では、うるさいのからしばらくにげられるから良いわとか思っているが、心の底では、やっぱりこなたに対する思いというか、そういうものがこみ上げていた。
そのうち、考え疲れたのか、いつの間にかかがみは眠ってしまった。その夢の中に出てきたのは、もちろん、青い髪のあいつ。こなた。夢の中でもこなたにつっこんでいる私って一体・・・と思いながら、イギリスに着くまでにその甘い快楽を楽しむ。数時間。
その人生のなかで短い数時間が、今自分に一番の快楽を与えてくれているんだということ。いなくなってから初めてわかる、人の大切さ。
目がさめると、そこは異国の地。かがみの下宿先は、本土から船を使って行かなければならない、島の中にある。空港からバスに乗り、船乗り場へと急ぐ。
朝に日本を出発して、9時間くらい飛行機に乗って・・・。そして船。気の遠くなるような時間も、こなたの写真がそれを緩和してくれた。
朝に日本を出発して、9時間くらい飛行機に乗って・・・。そして船。気の遠くなるような時間も、こなたの写真がそれを緩和してくれた。
(ここからの会話やアナウンスは実際は英語ですが、作者により日本語に訳されています。ご了承下さい。)
アナウンス「ポルター島に到着です、お忘れ物のないようにお願いします。」
かがみ「ふう、やっとついたわ。今は・・・ちょうどお昼くらいね。お世話になる大学にでも挨拶に行こうかな。」
かがみ「ふう、やっとついたわ。今は・・・ちょうどお昼くらいね。お世話になる大学にでも挨拶に行こうかな。」
バスに乗って、下宿の近くまで行く。移動の連続に少々疲労したかがみだったが、もうすぐ到着だ、と考えると自然に足が動いた。ただおに渡された地図を頼りに、街の中をひたすら歩く。
そこは、中世の頃からあまり変わっていない街で、今でも教会や古い建物が多数存在していた。そんな街の中をかがみは歩いてゆく。
ふとかがみは、教会の前である少女の姿を見かけた。それは、身長が小さくて、青くて妖怪みたいなロングヘアーで、容姿はまさしく「こなた」そのものであった。
その少女は涙を流しながら、教会の花壇のところに座っている。かがみは、「こなた・・・」と無意識につぶやきながら、その少女のもとに駆け寄った。
そこは、中世の頃からあまり変わっていない街で、今でも教会や古い建物が多数存在していた。そんな街の中をかがみは歩いてゆく。
ふとかがみは、教会の前である少女の姿を見かけた。それは、身長が小さくて、青くて妖怪みたいなロングヘアーで、容姿はまさしく「こなた」そのものであった。
その少女は涙を流しながら、教会の花壇のところに座っている。かがみは、「こなた・・・」と無意識につぶやきながら、その少女のもとに駆け寄った。
「ちょっとあんた、どうしたのよ。」
「あ、あなたは・・・?」
「いいから、訳を話してみなさい。」
「実は、私のお父さんが死んでしまって、お母さんも私が小さいときに死んでしまっているから、身寄りがいなくなってしまって、これからどうやって過ごして良いのかわからなくて・・・。」
「お金は?お金の心配は大丈夫なの?」
「それはなんとか。」
「あ、あなたは・・・?」
「いいから、訳を話してみなさい。」
「実は、私のお父さんが死んでしまって、お母さんも私が小さいときに死んでしまっているから、身寄りがいなくなってしまって、これからどうやって過ごして良いのかわからなくて・・・。」
「お金は?お金の心配は大丈夫なの?」
「それはなんとか。」
うわぁ、設定が見事にこなたといっしょだーと思いながら、かがみは話を聞き続けた。そして、その少女の家では父親がオタクでパソコンや漫画とかが揃っていたこと、少女が自分と同い年であることなどを聞いた。
「大体わかったわ、それで、あなたのお名前は?」
「こなた。お父さんが日本のアニメが好きで、あるアニメの主人公の名前を付けてくれたんだって。」
「こなた。お父さんが日本のアニメが好きで、あるアニメの主人公の名前を付けてくれたんだって。」
かがみは言葉を失った。イギリスではこんなにも時間の流れ方が違うのか、と言うことを実感した。よりによって、私の一番大好きな親友・・・いや、恋人と同じ名前の人と巡り会うなんて・・・。
「そう。私はかがみ。こなたは、おうちはどこ?」
「ここの通りを入っていったところ。よろしくね。かがみん♪」
「なっ!?」
「ここの通りを入っていったところ。よろしくね。かがみん♪」
「なっ!?」
びっくりした。まさか、イギリスでもかがみんと呼ばれるなんて・・・。こっちのこなたを、日本のこなたに会わせたら一体どうなるんだろう。びっくりするかな、自分がもうひとりいるなんて。
言葉は違うけど、仕草や言い回しは同じようなものがあるし。でもこのこなたと一緒にいれば、こっちでもそんなに寂しくないかもしれないわね。
かがみとこなたは、こなたの家についた。そこは小さめの一軒家で、誰もいなかった。そうか、お父さんもお母さんも死んでしまったんだっけ。でも、こなたは私の為なのか笑顔を絶やさずに、私に話しかけてくる。
こなたの部屋に案内されると、そこには日本の漫画やフィギュア、同人誌などが沢山置いてあった。日本の、泉家のこなたの部屋によく似た光景。今日からこなたはしばらくの間、ここで1人で暮らさなければいけないのだろう。
幸い自分と同い年で、大学生だと言うことなのでアルバイトをしながらと言うこともあるだろうし、父親が相当な遺産を残していたようなので、心配はいらなかった。
言葉は違うけど、仕草や言い回しは同じようなものがあるし。でもこのこなたと一緒にいれば、こっちでもそんなに寂しくないかもしれないわね。
かがみとこなたは、こなたの家についた。そこは小さめの一軒家で、誰もいなかった。そうか、お父さんもお母さんも死んでしまったんだっけ。でも、こなたは私の為なのか笑顔を絶やさずに、私に話しかけてくる。
こなたの部屋に案内されると、そこには日本の漫画やフィギュア、同人誌などが沢山置いてあった。日本の、泉家のこなたの部屋によく似た光景。今日からこなたはしばらくの間、ここで1人で暮らさなければいけないのだろう。
幸い自分と同い年で、大学生だと言うことなのでアルバイトをしながらと言うこともあるだろうし、父親が相当な遺産を残していたようなので、心配はいらなかった。
「かがみん、紅茶もってきたよ。」
「さすが、イギリスでは紅茶なのね。」
「え、イギリスではって?」
「い、いや、何でもないのよ。しかし、良くこんなに集めたわね。こなたは日本語は分かるの?」
「うん。大体ね。漫画やアニメで覚えたから。」
「じゃあ、日本語で話しても問題ないかしら。」
「いいけど、それじゃかがみんがイギリスに来た実感がわかないでしょ?」
「それもそうね。それにしても、これだけのもの、全部日本で売ってるのと同じだけど、どこで手に入れたの?」
「いやぁ、私のアメリカにいるペンフレンドが日本に言ってて、その子に送ってもらってるんだ。これがその子の写真。」
「(あ、あれ、これ、パトリシアさん・・・?)」
「パティちゃんっていうの。かわいいでしょ。」
「そ、そうね・・・。」
「いつかかがみんにも会わせてあげたいな。話も合いそうだしね。」
「(て、もうすでに何回も会ってますけど・・・。)」
「最近のお気に入りはね、これ。涼宮ハルヒの限定フィギュア。パティちゃんとお揃いなんだ。」
「(これ、同じのこなた持ってるわよね・・・。)」
「ん、かがみん、どうしたの?」
「え、え、何が?」
「さっきから、なんか元気ないけど。」
「実はね、日本の私の親友にも、こなたと同じような子がいて、その子もこなたっていって、オタクな話が好きなのよ。そいつのこと、思い出しちゃって。」
「かがみん、私悪いことした?」
「ううん、いいの。じゃあ、そろそろ私は下宿の方も見に行かなきゃいけないし、大学の方にも挨拶をしなければならないし、おいとまするわ。」
「かがみん。」
「私、かがみんと別れるのさびしいな・・・。」
「わ、わかったわよ、いっしょに行きましょ、私もこっちのこと全然知らないし。」
「穴場を紹介してあげるよ、あ・な・ば。」
「あ、あんまり変なところには連れ込まないでよ!」
「さすが、イギリスでは紅茶なのね。」
「え、イギリスではって?」
「い、いや、何でもないのよ。しかし、良くこんなに集めたわね。こなたは日本語は分かるの?」
「うん。大体ね。漫画やアニメで覚えたから。」
「じゃあ、日本語で話しても問題ないかしら。」
「いいけど、それじゃかがみんがイギリスに来た実感がわかないでしょ?」
「それもそうね。それにしても、これだけのもの、全部日本で売ってるのと同じだけど、どこで手に入れたの?」
「いやぁ、私のアメリカにいるペンフレンドが日本に言ってて、その子に送ってもらってるんだ。これがその子の写真。」
「(あ、あれ、これ、パトリシアさん・・・?)」
「パティちゃんっていうの。かわいいでしょ。」
「そ、そうね・・・。」
「いつかかがみんにも会わせてあげたいな。話も合いそうだしね。」
「(て、もうすでに何回も会ってますけど・・・。)」
「最近のお気に入りはね、これ。涼宮ハルヒの限定フィギュア。パティちゃんとお揃いなんだ。」
「(これ、同じのこなた持ってるわよね・・・。)」
「ん、かがみん、どうしたの?」
「え、え、何が?」
「さっきから、なんか元気ないけど。」
「実はね、日本の私の親友にも、こなたと同じような子がいて、その子もこなたっていって、オタクな話が好きなのよ。そいつのこと、思い出しちゃって。」
「かがみん、私悪いことした?」
「ううん、いいの。じゃあ、そろそろ私は下宿の方も見に行かなきゃいけないし、大学の方にも挨拶をしなければならないし、おいとまするわ。」
「かがみん。」
「私、かがみんと別れるのさびしいな・・・。」
「わ、わかったわよ、いっしょに行きましょ、私もこっちのこと全然知らないし。」
「穴場を紹介してあげるよ、あ・な・ば。」
「あ、あんまり変なところには連れ込まないでよ!」
かがみとイングリッシュこなたは、ふたりで話をしながら車通りの激しい道を通る。かがみの日本を出発する前の不安はもうどこにもなかった。こっちで、親友に再会できた。そんな感じ。こなたといれば私はどこだって大丈夫。無鉄砲。
かがみは、こなたに何でも話した。留学で来てること。2週間しかいられないこと。すべて話した。もしこのこなたが悪人だったとしても、かがみはまったくそんなことを気にしないくらい、こなたにすべてを話した。
かがみは、こなたに何でも話した。留学で来てること。2週間しかいられないこと。すべて話した。もしこのこなたが悪人だったとしても、かがみはまったくそんなことを気にしないくらい、こなたにすべてを話した。
「ここが大学だよ。」
「へぇ、思ったよりよさそうな大学じゃない。」
「ちょっとかがみん、私はもっと低レベルな大学に行っていると思ったでしょ。」
「そういうわけじゃないわよ。ほら、行きましょ。」
「へぇ、思ったよりよさそうな大学じゃない。」
「ちょっとかがみん、私はもっと低レベルな大学に行っていると思ったでしょ。」
「そういうわけじゃないわよ。ほら、行きましょ。」
大学の中に入る。広い廊下を通って、階段を上る。周りを見ると、やっぱり金髪や青い目の人が多く、自分と同じ年だとは思えないほど背が高い人もいる。ここで初めて、かがみはイギリスらしいイギリスを感じることが出来た。
こなたは、職員室のドアをガラッと開ける。そして指導教官らしき人のところへ行って、ちょっと話をするからかがみんは応接室に行って待っててね、と言われたので応接室に向かいそこで待つ。
イギリス人は礼儀正しいって聞いたけど、本当かしらね、と思いながら待っていると、ドアがガラッと開いた。
そして入ってきたのは、黒井先生に似たほっそりとした女の人と、こなた。こなたがまず口を開く。
こなたは、職員室のドアをガラッと開ける。そして指導教官らしき人のところへ行って、ちょっと話をするからかがみんは応接室に行って待っててね、と言われたので応接室に向かいそこで待つ。
イギリス人は礼儀正しいって聞いたけど、本当かしらね、と思いながら待っていると、ドアがガラッと開いた。
そして入ってきたのは、黒井先生に似たほっそりとした女の人と、こなた。こなたがまず口を開く。
「おまたせかがみん。こちら、アメリカ出身のナナ先生。ちょっとなまりがあるけど、気にしないでね。」
「はじめまして、ナナ・クロイいいます。日本からはるばるよー来たな。」
「は、はい。(どこまで強引な設定なんだよ。)」
「かがみんは、何か困ったことがあったらアメリカ出身のナナ先生か私に言ってね。」
「そんなアメリカ出身を強調せんでもえーやろ。」
「あ、あれ、こなたってここの大学の学生なの?」
「そうだよ。」
「へぇ。意外。じゃぁ、これからよろしくね、こなた。」
「それはどうかな。」
「え?」
「私は体育クラス。かがみんは法学クラス。全くと言っていいほどプログラム違うから、あんまり大学じゃ会えないと思うよ。」
「そう・・・。」
「がっかりした?」
「べ、別に、がっかりなんかしてないわよ。」
「やっぱり日本人は萌えのレベルが違うねぇ。」
「(そ、そういうもんなのかしら?)」
「はじめまして、ナナ・クロイいいます。日本からはるばるよー来たな。」
「は、はい。(どこまで強引な設定なんだよ。)」
「かがみんは、何か困ったことがあったらアメリカ出身のナナ先生か私に言ってね。」
「そんなアメリカ出身を強調せんでもえーやろ。」
「あ、あれ、こなたってここの大学の学生なの?」
「そうだよ。」
「へぇ。意外。じゃぁ、これからよろしくね、こなた。」
「それはどうかな。」
「え?」
「私は体育クラス。かがみんは法学クラス。全くと言っていいほどプログラム違うから、あんまり大学じゃ会えないと思うよ。」
「そう・・・。」
「がっかりした?」
「べ、別に、がっかりなんかしてないわよ。」
「やっぱり日本人は萌えのレベルが違うねぇ。」
「(そ、そういうもんなのかしら?)」
挨拶を終え、かがみは早速法学の講義を受けに行く。ヨーロッパで学ぶ法学は、日本で学んだ物よりさらに発展的な部分もあり、中にはとんでもない法律のこともあったりして、かがみにとっては十分満足のいく物だった。
日本で学ぶより、こっちの方が質のいい講義を受けられたりして、とさえも思った。しかし、ここで講義を受けられるのもあと2週間。それが終わったら、日本に帰らなければならない。
かがみは一人で下宿先に帰り、日本とイギリス、両方のこなたのことを考えた。こっちのこなたは、私が日本に帰った後はどうするんだろう。そう考えると、良いベッドでもなかなか寝付けなかった。
日本で学ぶより、こっちの方が質のいい講義を受けられたりして、とさえも思った。しかし、ここで講義を受けられるのもあと2週間。それが終わったら、日本に帰らなければならない。
かがみは一人で下宿先に帰り、日本とイギリス、両方のこなたのことを考えた。こっちのこなたは、私が日本に帰った後はどうするんだろう。そう考えると、良いベッドでもなかなか寝付けなかった。
2日後、こなたがかがみの下宿先に遊びに来た。といっても、大学の講義の後だけど。かがみがこなたを迎える準備をしているとき、一通の手紙が届けられた。それは、日本にいるつかさからの手紙だった。
手紙には、次のようなことが書いてあった。
手紙には、次のようなことが書いてあった。
『拝啓 お姉ちゃん
お元気ですか。そっちの生活にはなれましたか。私は、相変わらず宿題が全然はかどんなくて困ってます。こなちゃんと二人で協力してやっているのですが、出来ない人が2人いても出来ないのが現状です。だめだよね、これじゃ。
お姉ちゃんは私たちのことは心配しないで、そっちで楽しく勉強をして下さい。 つかさより。』
お姉ちゃんは私たちのことは心配しないで、そっちで楽しく勉強をして下さい。 つかさより。』
かがみの目から、自然と涙がこぼれてきた。誰かが一緒にいること。自分の存在。それが、身に染みた。一人でイギリスに渡って、こっちにもこなたはいるけど、でも、つかさやみゆきと一緒にいるときの方が楽しい。そう思った。
丁度その時、玄関のベルが音を立てた。かがみは涙を急いで拭いて、こなたを迎え入れた。しかし、ただでさえ鋭いこなたにその様子を見逃されるはずもなく、すぐに見つかってしまった。
「かがみん、泣いてたでしょ。」
「す、鋭いわね。」
「どうしたの?訳を話してごらん?」
「意味もなくにやけるな!」
「・・・私はかがみんの役に立ちたかっただけなのに。」
「その手には乗らないわよ。」
「は?」
「(そうか、こっちのこなたと日本のこなたは違うんだ)あ、いや、何でもない。」
「ま、遊ぼうか、かがみん。」
「はいはい。」
「す、鋭いわね。」
「どうしたの?訳を話してごらん?」
「意味もなくにやけるな!」
「・・・私はかがみんの役に立ちたかっただけなのに。」
「その手には乗らないわよ。」
「は?」
「(そうか、こっちのこなたと日本のこなたは違うんだ)あ、いや、何でもない。」
「ま、遊ぼうか、かがみん。」
「はいはい。」
かがみは、つかさからの手紙をそっと引き出しにしまって、リビングに向かった。しかし、この数日後に、かがみの生活が変わることになろうとは、夢にも思わなかったのである。
その日は、こなたにご飯を作ってもらった。普段から作っていただけあって、こなたの料理の腕前はなかなか。かがみは、こなたより一足先に食べ終わって、食器を流しに持っていった。
「おお、さすがかがみんは食べるのが早い。まるで怪獣みたいだ。」
「悪かったわね、怪獣で。」
「あ、認めた。」
「み、認めてなんかないわよ。あ、食べ終わったら食器は流しのところにおいて、あとで私が洗うから。」
「サンキュー、かがみん。」
「こなたは、お昼とかも自分で作るほう?」
「私は、夜は深夜アニメとか見るし遅いほうだから、朝そんなの作ってる時間ないんだよねぇ。お弁当作るより、チョココロネ買ったり学食使うほうが早いし。」
「そう。」
「お弁当作りなんて無駄な努力をするよりは、少しでも萌えを極めないといけないのだよ、かがみん。」
「残念でした、私はいつもお弁当よ。」
「自分で作るの?」
「ううん、妹が作ってくれるの。」
「妹・・・。」
「悪かったわね、怪獣で。」
「あ、認めた。」
「み、認めてなんかないわよ。あ、食べ終わったら食器は流しのところにおいて、あとで私が洗うから。」
「サンキュー、かがみん。」
「こなたは、お昼とかも自分で作るほう?」
「私は、夜は深夜アニメとか見るし遅いほうだから、朝そんなの作ってる時間ないんだよねぇ。お弁当作るより、チョココロネ買ったり学食使うほうが早いし。」
「そう。」
「お弁当作りなんて無駄な努力をするよりは、少しでも萌えを極めないといけないのだよ、かがみん。」
「残念でした、私はいつもお弁当よ。」
「自分で作るの?」
「ううん、妹が作ってくれるの。」
「妹・・・。」
かがみは内心しまった、と思った。家族を失ったこっちのこなたに家族の話をしてはいけなかった、と反省した。もし自分から司やお父さんやお姉ちゃんたちが去っていって、自分だけ一人残されたら・・・。
そういうところに、今こなたは立たされているんだ、と思うと、かわいそうに思えてきた。自分は家族に恵まれてる。でも・・・。
そういうところに、今こなたは立たされているんだ、と思うと、かわいそうに思えてきた。自分は家族に恵まれてる。でも・・・。
「こなた、ごめんね。私・・・。」
「いいんだよ、かがみん。私にはかがみがいてくれれば。」
「そうよね。せっかくこっちで会えたんだもん、あんたといっしょにできる限りの事をしなきゃ。」
「いいんだよ、かがみん。私にはかがみがいてくれれば。」
「そうよね。せっかくこっちで会えたんだもん、あんたといっしょにできる限りの事をしなきゃ。」
大学からお金が出るとあって、かがみとこなたは講義が終わった後は、二人でいろいろなところを巡った。お金もたくさん使った。どうせ、大学からお金が出るんだから、という思いが頭のなかにあったのかもしれない。
ロンドンとか、ナショナルトラスト、ドーバー海峡・・・こなたといっしょに、イギリスのいたるところを回った。楽しい。こんなに留学生活が楽しいなんて、夢にも思わなかった。これも、こなたのおかげかな・・・。
ロンドンとか、ナショナルトラスト、ドーバー海峡・・・こなたといっしょに、イギリスのいたるところを回った。楽しい。こんなに留学生活が楽しいなんて、夢にも思わなかった。これも、こなたのおかげかな・・・。
下宿先に帰ったかがみは、家の郵便受けに1通の手紙が届いているのに気づいた。それは、日本にいる父親からのものだった。
『かがみへ
元気にしているかな?そっちの生活は楽しいようだが、少しは金遣いのことを考えてもらいたい。
大学で教えている友人から、少し金遣いが荒いとの連絡が来た。出してもらっているからって、あんまり使い込んではだめだよ。もしこのまま使い込みが激しいようなら、日本にはやく帰らさせるかもしれないということを覚えていてくれ。』
大学で教えている友人から、少し金遣いが荒いとの連絡が来た。出してもらっているからって、あんまり使い込んではだめだよ。もしこのまま使い込みが激しいようなら、日本にはやく帰らさせるかもしれないということを覚えていてくれ。』
かがみは、落胆した。私、こなたといっしょにいることで調子に乗っていたのかな。お金もいっぱい使って、なくなる度にもらっていたし・・・。
少し節約しなきゃな。こっちでこなたといっしょにいる時間を少しでも長くするために。そう感じて、財布の紐をキュッときつく締めた。
少し節約しなきゃな。こっちでこなたといっしょにいる時間を少しでも長くするために。そう感じて、財布の紐をキュッときつく締めた。
次の日は、こなたとオタクショップ(現地の言葉らしい?)に行く約束をしていたけど、こういう手紙がきちゃったら行きたくてもいけない。
私はこなたに、行けない、ということを言わなければならない。こなたはワクワクしながらくるだろう。そんなこなたにいうのはとても辛い。
玄関のベルが鳴った。こなたがきた、ということだ。静かにドアを開けると、そこにはコスプレをして立っているこなたがいた。
私はこなたに、行けない、ということを言わなければならない。こなたはワクワクしながらくるだろう。そんなこなたにいうのはとても辛い。
玄関のベルが鳴った。こなたがきた、ということだ。静かにドアを開けると、そこにはコスプレをして立っているこなたがいた。
「やっほー、かがみん。あれ、今お目覚め?いよいよこの日が来たねー、wktk。」
「こなた、私、今日、あんたと一緒に行けないわ。」
「どどど、どーして?あんなにかがみも楽しみにしていたのに。」
「実は、金遣いが荒いって大学のほうから怒られちゃって、それで・・・。」
「いいじゃん、行こ行こ。」
「いいじゃんって、下手したら私は2週間より早く日本に帰らなくちゃならなくなるかもしれないのよ!あんたとも早くお別れしちゃうかもしれないのに・・・」
「問題ないって。」
「こ・・・こ・・・こなたなんか嫌い!!!!」
「こなた、私、今日、あんたと一緒に行けないわ。」
「どどど、どーして?あんなにかがみも楽しみにしていたのに。」
「実は、金遣いが荒いって大学のほうから怒られちゃって、それで・・・。」
「いいじゃん、行こ行こ。」
「いいじゃんって、下手したら私は2週間より早く日本に帰らなくちゃならなくなるかもしれないのよ!あんたとも早くお別れしちゃうかもしれないのに・・・」
「問題ないって。」
「こ・・・こ・・・こなたなんか嫌い!!!!」
ばたんとドアを閉めて、がちゃりと鍵をかける。かがみは、ベッドにうつぶせになって、泣いた。私はこなたといっしょにいたい。でも、あいつはそんなことわかってないのよ、とこなたを責める。
どうして、こなたといたいの?
どうして、今泣いてるの?
どうして、楽しい留学生活を送れたの?
どうして、今泣いてるの?
どうして、楽しい留学生活を送れたの?
その答えのすべてには、こなたが大きく関わっている。自分が今回楽しい生活を送れたのは、こなたのおかげ。私は、こなたが好き。好きな人を自分で突き放してしまったのだから・・・。
かがみは、長い間ずっとベッドに突っ伏したまま、動かなかった。気持ちの整理がつかなかったのかもしれない。このままこなたと喧嘩別れしちゃったら、一生後悔するだろう。いつかは元に戻さないといけない。でも、それはいつ?
ふと、玄関のほうでガゴンガゴンと音がした。そして、聞こえるこなたの声。郵便受けのところから、こなたが喋っているみたいだった。必死に自分を呼ぶ声。かがみは、目を真っ赤にしながらその郵便受けのところに駆け寄った。
ふと、玄関のほうでガゴンガゴンと音がした。そして、聞こえるこなたの声。郵便受けのところから、こなたが喋っているみたいだった。必死に自分を呼ぶ声。かがみは、目を真っ赤にしながらその郵便受けのところに駆け寄った。
「かがみん、かがみん?」
「ど、どうしたのよ。今日は行かないって行ってるでしょ!」
「かがみん、お金がやばいんでしょ?だったら、私が出すよ。かがみの分。」
「え?」
「ど、どうしたのよ。今日は行かないって行ってるでしょ!」
「かがみん、お金がやばいんでしょ?だったら、私が出すよ。かがみの分。」
「え?」
思ってもいなかった言葉だった。時間が一瞬止まる。
「私はお父さんの遺産でお金がたくさんあるから、出してあげるよ。」
「で、でも、そんなの悪いし、第一・・・。」
「かがみんは、私と一緒にいたくないの?」
「そ、それは・・・。」
「私、かがみんと一緒にいたいから。長い間、いっしょにいたいから。だから、行こ。一緒に。」
「こなた・・・。」
「親友を救えるのは親友だけなのだよ。かがみん。」
「こなたぁ・・・。」
「で、でも、そんなの悪いし、第一・・・。」
「かがみんは、私と一緒にいたくないの?」
「そ、それは・・・。」
「私、かがみんと一緒にいたいから。長い間、いっしょにいたいから。だから、行こ。一緒に。」
「こなた・・・。」
「親友を救えるのは親友だけなのだよ。かがみん。」
「こなたぁ・・・。」
かがみは泣きながらドアを開けて、こなたをぎゅっと抱きしめる。一瞬でも親友を突き放した自分が恥ずかしかった。どうして、親友をもっと信用することができなかったのか。感動的なBGMが流れてきそうなこの場面で、二人はお互いの愛を深め合った。
「か、かがみん、苦しいよ。」
「こなた、ごめんね、こなた、ううう・・・。」
「かがみん、大好き。」
「私もよ、こなた。」
「さ、早く着替えて、一緒に行こ。」
「うん!」
「こなた、ごめんね、こなた、ううう・・・。」
「かがみん、大好き。」
「私もよ、こなた。」
「さ、早く着替えて、一緒に行こ。」
「うん!」
それからの1週間は、あっという間だった。大学側も、急に私がお金をもらいにこなくなったことに驚いていたみたいだし、なにより、こなたという存在がいるから。
二人で、いろんな事をした。日本にいるだけではわからないような知識もいっぱい教えてもらった。こなたはそっちの話になると急に熱くなるから、困ったものよね。
そして、帰国する日の前日。こなたとかがみは、街を一望できる丘の草原の上にいた。
二人で、いろんな事をした。日本にいるだけではわからないような知識もいっぱい教えてもらった。こなたはそっちの話になると急に熱くなるから、困ったものよね。
そして、帰国する日の前日。こなたとかがみは、街を一望できる丘の草原の上にいた。
「2週間もあっという間だったわね。」
「本当に、あっという間だよ。イベントとかも2週間だとすぐ終わっちゃうような感じするし。」
「思えば、あっという間だったけど、長かったわ。」
「そうそう。大学の講義は長い。」
「そういう意味じゃなくて。」
「こなた。」
「ん?」
「こなたがいなかったら、私こんなに充実した生活を送れていなかったかもしれない。こなたがいなかったら、日本が恋しくなってどうしようもなかったかもしれない。」
「そんな、恥ずかしいよ、かがみん。」
「ふう。前にね、日本の親友の話をしたでしょ。」
「そうそう。私みたいなオタクの子なんだよね。」
「そう。本当にあんたにそっくりで、ほら、この写真を見て。今みせようと思って、ずっとしまってたんだけど。」
「本当に、あっという間だよ。イベントとかも2週間だとすぐ終わっちゃうような感じするし。」
「思えば、あっという間だったけど、長かったわ。」
「そうそう。大学の講義は長い。」
「そういう意味じゃなくて。」
「こなた。」
「ん?」
「こなたがいなかったら、私こんなに充実した生活を送れていなかったかもしれない。こなたがいなかったら、日本が恋しくなってどうしようもなかったかもしれない。」
「そんな、恥ずかしいよ、かがみん。」
「ふう。前にね、日本の親友の話をしたでしょ。」
「そうそう。私みたいなオタクの子なんだよね。」
「そう。本当にあんたにそっくりで、ほら、この写真を見て。今みせようと思って、ずっとしまってたんだけど。」
かがみは、行きの飛行機の中でも眺めた、日本のこなたとのツーショットをこなたに見せた。
「うぉぉぉぉぉ、私とそっくりじゃないすか、これ。」
「でしょ?だから、私こいつと一緒にいるような感じで、こなたにも自然に振舞えたわ。」
「かがみんは、オタクに縁があるんだねぇ。」
「残念なことにね。」
「かがみん。」
「なに?」
「ぬねの。」
「!?」
「冗談冗談。星、きれいだね。」
「そうね。私の住んでいるところからはこんなにきれいな星は見えないわ。」
「きっと、また会えるよね。」
「会えるわよ。空はずうっと、たとえ日本とイギリスがどんなに離れていたってつながっているんだもん。」
「最近は電子メールもあるから、連絡くらいはとれるしね。」
「こなた。」
「なに?」
「ぬねの。」
「か、かがみん!?」
「フフフフフフフフフ・・・。」
「でしょ?だから、私こいつと一緒にいるような感じで、こなたにも自然に振舞えたわ。」
「かがみんは、オタクに縁があるんだねぇ。」
「残念なことにね。」
「かがみん。」
「なに?」
「ぬねの。」
「!?」
「冗談冗談。星、きれいだね。」
「そうね。私の住んでいるところからはこんなにきれいな星は見えないわ。」
「きっと、また会えるよね。」
「会えるわよ。空はずうっと、たとえ日本とイギリスがどんなに離れていたってつながっているんだもん。」
「最近は電子メールもあるから、連絡くらいはとれるしね。」
「こなた。」
「なに?」
「ぬねの。」
「か、かがみん!?」
「フフフフフフフフフ・・・。」
二人は、この丘の上で、お互い眠ることなく夜を過ごしたのだった。楽しかった思い出がよみがえってくる。初めて会ったときのこと。
一緒に大学の中に入っていったこと。二人で食事をしたこと。けんかしたこと。そして、二人でたくさんおしゃべりをしたこと。
一緒に大学の中に入っていったこと。二人で食事をしたこと。けんかしたこと。そして、二人でたくさんおしゃべりをしたこと。
そして、次の日の船乗り場。
「こなた、2週間の間ありがとう。」
「かがみ、元気でね。また、イギリスのものいっぱい送るからね。」
「本当に、この2週間のことは絶対忘れないわ。」
「私もだよ。かがみん。」
「今度は、こなたが日本にくる番よ。」
「うん。絶対行くね。秋葉原、中野、吉祥寺・・・。たくさん日本の名所を巡りたいもん。」
「そっちの名所か。」
「こんどはかがみんが案内してね。」
「いや、私より詳しいやつが向こうにいるから、案内させるわ。」
「私はかがみんと一緒にいたいのに・・・。」
「こなた・・・。さよなら。」
「かがみ、元気でね。また、イギリスのものいっぱい送るからね。」
「本当に、この2週間のことは絶対忘れないわ。」
「私もだよ。かがみん。」
「今度は、こなたが日本にくる番よ。」
「うん。絶対行くね。秋葉原、中野、吉祥寺・・・。たくさん日本の名所を巡りたいもん。」
「そっちの名所か。」
「こんどはかがみんが案内してね。」
「いや、私より詳しいやつが向こうにいるから、案内させるわ。」
「私はかがみんと一緒にいたいのに・・・。」
「こなた・・・。さよなら。」
そのとき、船の出港を告げるアナウンスが鳴り響いた。船が動き出しても、こなたとかがみはお互いが見えなくなるまでずっと見詰め合っていた。
こなたは、かがみが見えなくなると、その場に泣き崩れた。自分の大切な人がまた一人いなくなったみたいで、抑えきれなかった感情が爆発したのだ。一方のかがみも、こなたとの距離が離れていくことに涙を流していた。
ハンカチをだそうとポケットに手を入れると、そこには一枚の折りたたまれた紙。実は、昨日こなたがこっそりとかがみの服のポケットに入れておいたのだ。それを開くと、そこには、小学生が書くような日本語でこう書いてあった。
こなたは、かがみが見えなくなると、その場に泣き崩れた。自分の大切な人がまた一人いなくなったみたいで、抑えきれなかった感情が爆発したのだ。一方のかがみも、こなたとの距離が離れていくことに涙を流していた。
ハンカチをだそうとポケットに手を入れると、そこには一枚の折りたたまれた紙。実は、昨日こなたがこっそりとかがみの服のポケットに入れておいたのだ。それを開くと、そこには、小学生が書くような日本語でこう書いてあった。
―――かがみん、いつまでも、いっしょだよ。 こなた。
船を下りて、飛行機に乗り換える。日本への9時間は、イギリスのこなたとの生活を振り返りながらだとあっという間だった。ずっと、頭の中には、こなたの「いつまでも、いっしょだよ」という言葉が焼きついて離れなかった。
空港につくと、行きの時と同じ3人が待っていた。かがみは、こなたをみるとそれに向かって走り出し、こなたに抱きついた。
「か、かがみん、どうしたの、いきなり。向こうで失恋でもしたの?」
「こなた、ただいま。」
「・・・おかえり、かがみん。」
「こなた、ただいま。」
「・・・おかえり、かがみん。」
いつまでも、ずっといっしょ。だって、この空はどこまでもつながっているのだから。