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だれでも歓迎! 編集
つくるものじゃない
繋がりはいつも
そっと結ばれるリボンで
いま風になびいて 仲良くゆれてる


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人は完璧なものに魅かれる。
そしてそれを自分以外の何かに求める。
いくら欲しても自分ではたどり着けないジレンマからだろうか。
完璧を信じたいからだろうか。
その対象はテレビの戦隊もののヒーローだったり
銀幕の世界を救うハリウッドスターだったりする場合もあるし
ごく身近な人であったりする。
私もそんな対象のひとつだったように思う。
「みなみちゃんは勉強ができていいね」
「しっかりしてて偉いわね」
そう褒められるたび、嬉しいと思う反面
人の中に映る私は一体どんな風に見えているのだろうと不安になることもあったし
外に出るときは思わず心のスイッチが入ってしまうような感じがした。
大きな悩みでもないけど雨の日に跳ねる前髪みたいに何となく気になる。
そんな感じが好きでなかったことは事実だ。

桜舞う4月、風に吹かれる花びらよろしく"可憐"という言葉がぴったりの女の子と出会った。
衝撃的な出会いではないけど、春の風みたいに柔らかくて優しい始まり。
「これから3年間よろしくお願いします」
そう言ったゆたかが私の隣にいるようになって1ヶ月あまりが経ち学校生活にも慣れてきた。
そしてこの場所にも。
「大丈夫?」
「ごめんね、みなみちゃん」
ゆたかは体が弱い。こうして保健室に連れて行くのも何度目だろう。
「気にしないで、私は保健委員だから」
そう、私が自分でなりたいと思った、自分で選んだ役割。だから謝らないでいいんだよ。
「今度みなみちゃんにお礼しなきゃね」
「じゃあ私の家に来て」
「みなみちゃんの?」
「うん」
ゆたかは疑問に思ったようだったけど微笑でその答えを返してくれた。
保健室まで連れてくるのが私の仕事だからすぐに授業に戻らなくてはいけないのだけど
最近は少しだけゆたかの様子を見ることにしている。
体調を崩し気味のこの子が気になるのは仕方がないことだろう。
窓から入る風は心地よく
新緑の匂いがわずかに感じられる。
ゆたかが眠りにつくまでの、この静かな時間が気に入っていた。


保健室の約束から2回目の土曜日、晴れ。
今日はゆたかが私の家に来る日だ。
あれから体調も良いようだし昨日電話した時も元気そうだった。
友達を家に呼ぶのも久しぶりで妙に胸が高鳴る。
「行ってきます」
駅まで迎えに行こうと玄関を出ると向かいの家のみゆきさんと鉢合わせた。
「あらみなみさん、こんにちは」
「こんにちは」
「どうしたんですか?嬉しそうですね」
「友達を迎えに・・・」
「新しくできた友人ですか?」
「高校でできた友達です」
「それは良いですね。私も今から友人と出かける所なんですよ」
こうして並んで歩いていると本物の姉妹みたいに思えてきて
みゆきさんの方へと一歩近づいた。
それに気づいたのかみゆきさんは私の手を握った。
「ふふふ」
みゆきさんは何を言うでもなく微笑んでいる。
空には青が広がっていた。

「それでは私はこれで」
「みゆきさん、また今度」
「はい」
ゆたかはまだ駅には着いていないようだった。
それは待ち合わせの時間まであと30分もあるからだ。
それとなく人が行き来するのを眺めていると後ろから声がした。
「早く来ちゃった」
「私も」
「よかったぁ。どうやって時間潰そうか考えてたんだ」

昼ごはんをふたりで作る予定だったので、スーパーへ寄った。
「みなみちゃんて料理するの?」
「たまにお母さんを手伝うくらい。ゆたかは?」
「私もまだ上手にはできないな。こなたお姉ちゃんに教わってるけど」
「じゃあカレーにしようか?」
「うん、私もカレーなら作れるよ」
カレーなら失敗することも少ないだろう。
冷蔵庫にあるものとカレーの材料とを照らし合わせつつ
高い所にあるものは私が、低い所にあるものはゆたかが手に取り
ふたりで相談をして食材を決めた。
傍から見ると姉妹のようだろうか?
「待って、お姉ちゃん」
ひとしきり買い物がすんだ頃、ゆたかに呼び止められた。
「どうしたの?」
なぜ私をお姉ちゃんと呼ぶのだろう。
さっきふたりは姉妹みたいだ、と思ったのがゆたかにも通じたのか。
「お菓子!」
女の子は甘いものが好きだ。
私も例に漏れず勿論好きだが、「お菓子!」と言うゆたかがとても可愛くて思わず笑った。
「あー、笑ったー」
「ごめん。何か凄い可愛くて」
「やっぱ苺ましまろは通じないよね・・・」
プチチーズケーキの箱を見せながらちょっとため息がこぼれたようだ。

何だかよく分からない行動はさておき、
お菓子も買った私たちはベンチで一休みしてから店の外へ出た。
みゆきさんと二人で来た道を今はこうしてゆたかと並んで歩いている。
いつも通る道なのに目の前には少し違う景色が広がる。
不思議がる私にゆたかは「どうしたの?」という目でこちらを見上げる。
深めに被った帽子から覗くその保護欲をそそる表情、男の子なら一発で恋に落ちるだろう。
「何でもない。ちょっと景色が変わって見えるなって思っただけだよ」
「そうだね。私服でみなみちゃんと会うのって何か特別な感じだね。いつも制服だからさ」
そうか、今日は友達と遊ぶ日。
なんでもないことを改めて言葉にするとちょっと恥ずかしいのは何故?
小学生に戻ったみたいな、この落ち着かなくて走り出したくなる気持ち。
実際この思うままに走ったらゆたかを置いていってしまうから止めておくけど
ああ、とても久しぶりな感じがする。
街路樹の葉は日差しを跳ね返していて、それを見てひとつ深呼吸をした。
気づくとゆたかは私の横から消え

「みなみちゃん、行こ」
ふいに駆け出し無邪気な笑顔で振り返った。
その小さな背中に追いつくまで、あと五メートル。






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