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後日、ゆたかとみなみ

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次の日のことであった。
女の子同士なのにまるで恋人同士に見える、とまで言われた二人…
ゆたかとみなみはまだ学校で口をきいていない。
それを不思議がる生徒も少なくなかった。
そして、午前中の授業、昼食、午後の授業、下校…
一日中二人が話すことは無かった。

みなみは1人で家に帰ろうとしていた。
そして下駄箱から靴を取り出そうとした時、
下駄箱の中に一通の手紙が入っていた。
「…ん…?」
恐る恐る手紙を開いて、読んだ。
そこにはたった一行だけ、文字が書いてあった。
 「 学校の近くにある公園で待ってます… 」
みなみはそのまま手紙をポケットに突っ込んで小走りで公園へと向かった。
「(…ゆたか…?)」
みなみはちょっとした不安を抱えながらも公園へ向かう。
学校を出て、しばらく歩き、公園へ着くとそこには差出人がいた。
差出人はみなみの存在に気づくと声をかけた。
「みなみちゃん…」
「ゆたか…?」
「ごめんね、いきなり呼び出したりして」
「それは構わない…でも、もう話しかけないで、って…」
みなみが言い切る前にゆたかが口を開いた。
「そのことで、謝ろうと思って…」
「…え…?」
みなみは驚いた。
ゆたかは昨日の自分がやったことを見たはずだ。
それなのに、何故ゆたかが謝る…?
そんなことを考えていたとき、ゆたかが話し始めた。
「その…昨日はみなみちゃんが、ああいうことしてるのを見ちゃって…」
ゆたかは昨日のみなみがやっていたことを思い出したのか、顔を赤らめた。
また、みなみも同じく顔を赤くしていた。
「その、動揺してた、っていうのかな…とにかく、あの時は頭が真っ白になっちゃってて…だからあんなこと言っちゃったの」
少し間をあけて、ゆたかは言った。

「みなみちゃん…ごめんね…」
みなみはそう言われてすぐに首を横に振る。
「…悪いのは自分…ゆたかが謝る必要なんて無い…」
「でも、ひどいこと言ったのには変わらないよ…」
しばらく間をおいて、ゆたかは言った。
「みなみちゃん…こんなわたしだけど、許してくれる…?」
もちろんのこと、みなみはゆたかを許さないわけがなかった。
「もちろんだよ…ゆたか…」
「…みなみちゃん、ありがとう」
今度はみなみがゆたかに言う。
「ゆたか……何度も言ってるけど、ごめん…」
「その…こんな私だけど…許してくれる…?」
ちょっと恥ずかしがりながら、みなみは言った。
「みなみちゃん…当然だよ」
「ありがとう…」
二人はしばらく見つめあった後、笑った。
「じゃあ、帰ろっか、みなみちゃん」
「…うん」
家に向けて帰り始める二人。
こうやってまた二人でいることができる、それだけでみなみはとても幸せだった。

そうして家に帰る途中のこと、突然思い出したようにみなみは口を開いた。
「そうだ…ゆたか…」
「何?みなみちゃん」
「その…今日、ゆたかの家…お邪魔してもいいかな…?」
「いいよ、みなみちゃんが良ければ…」
そして二人でゆたかの住んでいる泉家へ向かう。

随分と距離があったはずなのに、
いつのまにか家に到着していた。
みなみはその間の時間が一瞬の出来事のように感じた。
「ただいまー!」
ゆたかは元気な声で帰宅を知らせると、
奥からは泉家の娘、こなたが出てきた。
「ゆーちゃんおかえりーっと…あれ、みなみちゃんいらっしゃい~」
「あ、お邪魔します…」


「いっつも礼儀正しいねぇ~。まぁ、ゆっくりしていきなよ」
「…はい」
「みなみちゃん、先に部屋行ってていいよ」
「うん、わかった…」
そう言われ、そのまま二階にあるゆたかの部屋へ行った。

一人でいる空間…それも、自分の最愛の友人が普段いる部屋…
こうして一人になると、みなみは変な気持ちになった。
「(ゆたかの部屋で…ひとり……)」
みなみはベッドの上にある枕のにおいを嗅いだ。
「(ゆたかの枕…いい匂いがする……)」
まるで変態のように臭いを嗅ぐみなみ。
片方の腕で枕を抱きつつもう片方では下半身のどこかを触っていた。
「んっ…!」
みなみは何故か湿っていたことに驚いた。
「(ダメ…抑えなきゃ…)」
そうして何とか自分の気持ちを抑え、ゆたかを待った。

しばらくすると、ゆたかが部屋に入ってきた。
「ごめん、待たせちゃった」
「そんなことないよ…」
それからはちょっと会話をした。
どれも他愛のないことだったが、みなみもゆたかも、
そうやって二人だけでいる時間を楽しんだ。

色んな話をしていて一区切りついたとき、
ゆたかは顔を真顔にして、みなみに問いかけた。
「ねぇ、みなみちゃん…ひとつ教えて…」
「何…?」
「この前、教室であんなことしてたけど…それも私の机で…」
ゆたかは一呼吸して、言った。
「その、良かったら教えてほしいな…どうして、してたのか…」
あんなこと、あの時教室でやっていたことだ。
みなみは素直に言うか、それとも隠すべきか迷った。
『友人』としてではない感情で、愛している…
そう言ったらゆたかはどういう反応をするだろうか。
女同士で愛し合う、なんていう話は聞いたことが無い。
もしかしたら嫌われるかもしれない。
でも、自分の気持ちを素直に伝えよう。
みなみは意を決して言った。


「ゆたか…聞いて…」
みなみは一呼吸して話し始めた。
私は…ゆたかを愛してる…友達としてじゃない。それ以上の…」
みなみは顔を真っ赤にしていた。
「こ、恋人として…」
ゆたかは突然の告白に躊躇する。
だが、みなみは続けて言った。
「この前あんなことをしていたのは…ゆたかが好きだった。だからやってしまった…」
「みなみちゃん…」
「女の子同士って変…そう思ってなかなか言えなかった…」
「そんなことないよ、みなみちゃん…」
部屋に沈黙が訪れる。
「でも、いいの?こんな私で…」
「ううん…違う…ゆたかじゃなきゃ、ダメ…」
そうだ。ゆたか“で”良いのではない。
ゆたか“が”良いのだ。
「ねぇ…ゆたか…」
「何…?」
「キス…しても、いいかな…」
ゆたかは無言で頷いた。
みなみは自分の唇をゆたかに唇に重ねる。
「んっ…」
しばらく二人はそのままでいた。
数秒の間のことであったが、二人は一瞬のことのように感じた。
「んはぁっ…」
お互いに唇を離す。
「ねぇ、みなみちゃん…」
「…何?」
ゆたかはいきなりみなみに抱きついた。
「っ…!?」
みなみは突然のことに驚く。
「ねぇ、これからもずっと一緒にいてくれる…?」
「…もちろんだよ、ゆたか…」
「ありがとう、みなみちゃん…私、うれしいな…」

その後、みなみは泉家で夕ご飯を済ませることとなり、
泉家の父と娘、そしてゆたかと夕飯をいただいた。

表情にははっきりと出さなかったが、みなみはとても嬉しい気持ちだった。
昨日の過ち…あれでもうゆたかとは元の関係に戻れない、そう思っていたのだから…
でも、今日は仲直りできた。
それだけではない、みなみは自分の気持ちを素直に伝え、ゆたかはそれを受け止めたのだ。
今日はとても嫌な一日であったはずが、とても良い一日となった。


岩崎みなみの心の中はとても暖かいものでいっぱいになっていた。















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コメント:
  • みなみ×ゆたかは鉄板☆ -- 名無しさん (2011-04-16 09:33:39)
  • みなみ ちゃんかぁいいよぅー -- らきすた of みなみ (2010-02-10 23:11:03)
  • よし、良かった -- 名無しさん (2009-12-18 09:54:21)
  • 二人が通じあえて良かった、最高でしたありがとう。 -- 神威 (2008-06-27 16:42:21)
  • 感動しました。二人がちゃんと仲直りできてよかったです。 -- 名無しさん (2007-08-23 03:02:47)

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