じりじりと、ひりつくような陽射しが降り注いでくる。
「ふぃー……あっついねー」
「ホント、今年の陽射しはキツいよなぁ」
小さな庭の片隅でかがんでいるお父さんが、へばったような声を上げている。
いつもインドア生活だから、さすがにこういう天気はキツイのかな。
「ゆーちゃん、大丈夫?」
「うんっ、帽子があるから大丈夫だよ」
植木ばさみをパチパチと響かせながら、ゆーちゃんは楽しそうに笑顔を向けた。
その頭にちょこんと乗っかっている白い麦わら帽子が、ゆーちゃんのかわいさを倍増させてる。
くうっ、いい萌えポイントだっ!
「お姉ちゃん、こういう色合いのは穫ってもいいんだよね?」
「そうそう、真っ赤でいい頃合いだねー」
ゆーちゃんが手にしていたのは、真っ赤に熟したトマト。
私はというと、大きく育ったピーマンを収穫中。こっちもゆーちゃんも、手にしたかごの
中にはたくさんのトマトとピーマンが入っていた。
「お父さん、そっちはどう?」
「ああ、なかなかいい感じだぞ」
そう言いながら、お父さんは立ち上がってザルに積んだ茄子をこっちに見せてくれた。
「おー、こりゃまた豊作だね」
「いっぱりお料理できそうですね」
黒紫色の大きめの茄子は、そこらの八百屋にはなさそうな大きさ。こりゃ食べがいがありそうだ。
「焼き茄子に揚げ茄子、茄子味噌炒めにはさみ揚げ……うむ、たくさん食べでがあるな」
「ねえねえ、今度かがみとか呼んでお食事会してもいい?」
「あっ、私もみなみちゃんと田村さんを呼びたいんですけど……」
「いいよ、二人ともいっぱい呼んできなさい」
「ほんとですか? ありがとうございますっ!」
「よしっ、いっぱい腕を振るっちゃうぞー」
返事をしたお父さんのニヤケ顔は無視して、ゆーちゃんと喜び合う。
その時吹いてきた風は、今までとは少し違う涼しさを含んだ風だった。
「ふぃー……あっついねー」
「ホント、今年の陽射しはキツいよなぁ」
小さな庭の片隅でかがんでいるお父さんが、へばったような声を上げている。
いつもインドア生活だから、さすがにこういう天気はキツイのかな。
「ゆーちゃん、大丈夫?」
「うんっ、帽子があるから大丈夫だよ」
植木ばさみをパチパチと響かせながら、ゆーちゃんは楽しそうに笑顔を向けた。
その頭にちょこんと乗っかっている白い麦わら帽子が、ゆーちゃんのかわいさを倍増させてる。
くうっ、いい萌えポイントだっ!
「お姉ちゃん、こういう色合いのは穫ってもいいんだよね?」
「そうそう、真っ赤でいい頃合いだねー」
ゆーちゃんが手にしていたのは、真っ赤に熟したトマト。
私はというと、大きく育ったピーマンを収穫中。こっちもゆーちゃんも、手にしたかごの
中にはたくさんのトマトとピーマンが入っていた。
「お父さん、そっちはどう?」
「ああ、なかなかいい感じだぞ」
そう言いながら、お父さんは立ち上がってザルに積んだ茄子をこっちに見せてくれた。
「おー、こりゃまた豊作だね」
「いっぱりお料理できそうですね」
黒紫色の大きめの茄子は、そこらの八百屋にはなさそうな大きさ。こりゃ食べがいがありそうだ。
「焼き茄子に揚げ茄子、茄子味噌炒めにはさみ揚げ……うむ、たくさん食べでがあるな」
「ねえねえ、今度かがみとか呼んでお食事会してもいい?」
「あっ、私もみなみちゃんと田村さんを呼びたいんですけど……」
「いいよ、二人ともいっぱい呼んできなさい」
「ほんとですか? ありがとうございますっ!」
「よしっ、いっぱい腕を振るっちゃうぞー」
返事をしたお父さんのニヤケ顔は無視して、ゆーちゃんと喜び合う。
その時吹いてきた風は、今までとは少し違う涼しさを含んだ風だった。
「はいっ、お父さん、ゆーちゃん、お茶だよー」
「おう、サンキュ」
「ありがとう、お姉ちゃん」
居間の扇風機で涼んでいるゆーちゃんとお父さんに、よく冷えた麦茶の差し入れ。暑い
陽射しにあてられたら、ちゃんと水分補給しないとね。
「んじゃ、私も一杯、と」
自分のコップに麦茶を入れて、ボトルを冷蔵庫に戻す。野菜室をのぞいてみれば、さっき
穫ったばかりのピーマンとトマトが冷やされていた。
「夕ごはんが楽しみやねー」
そう言いながらこくっと一口麦茶を飲むと、のどを冷たいお茶が駆け抜けていく。
くぅーっ、この冷たさが一番暑さに効く!
「茄子は、シンプルに焼き茄子といくか。おろし生姜をのっけて、鰹節をふりかけて」
「しょう油もいいけど、だしもいいんだよね」
「私の家は塩をつけて食べてたよ」
「そっか。んじゃ、作ったら全部試してみよっと」
コップ片手に居間に戻ると、お父さんは仏壇のあたりを慎重に片付けていた。
「お盆前に片付けたばかりじゃん、そこ」
「いや、とりあえず気分的にな」
仏壇を布巾でていねいに拭きながら、お父さんがぽつりと言う。まあ、その気分もわからなくはないか。
「うしっ、これであとは野菜を乗せればと」
野菜が乗せられた小さなザルをお母さんの写真の前に置いて、軽く拝んでみせるお父さん。
「今年はなかなかの豊作だったぞ。いつも通り、お前にもおすそわけだ」
慈しむように言いながら、お父さんはお母さんの写真に向かって笑いかけた。
それは、お盆以外にもするお父さんとお母さんの毎年のやりとり。こうやって野菜を
収穫した日は、穫れた野菜を一個ずつお供えすることにしていた。
「んじゃ、俺らも食べるとしますか」
「はーい」
「いただきますっ」
そう言って、氷水が入ったボウルに浮かんでいるトマトを一つずつつかんでひとかじり。
「……おー、あんまり酸っぱくなくて甘いね」
「ほんと、とっても甘いです」
「スーパーで売ってるのと全然違うだろ。食べ頃を収穫したからな」
お父さんが言うとおり、スーパーで売ってるのは食感だけっていうのが多いけど、この
穫れたてトマトは果物みたいに甘かった。
「確か、スーパーで売ってるのってまだあんまり赤くないうちに出荷するんでしたっけ?」
「ああ。だから途中で赤くなっても、あんまり甘くないのが多いんだよ」
「熟したのを出荷しても、途中で熟れすぎて腐っちゃったりするらしいし」
最近は甘めに開発された『フルーツトマト』とか売ってるけど、あれは高すぎてなかなか手が出せない。
でも、これだったらかなり甘いし十分だね。
「俺がガキのときなんかは、みんなこういうトマトだったんだけどな」
「そうなんですか?」
「よくかなたの家の畑に忍び込んで、庭で遊んでたかなたに怒られたもんだ」
「お、お父さんってばそんな頃からお母さんにメーワクを……」
感慨深そうにうなずいてるけど、それってすごく困ったちゃんじゃないデスカ。
「あ、あはははは」
話を聞いてたゆーちゃんも、すっかり呆れちゃってるよ。
「今思えば、幼なじみの通過儀礼ってやつだったんだろうな」
「そんな時からフラグを……」
「ん? 言われてみればそういうルートだったのかもしれないな。ふむ、そっかそっか」
「???」
呆れてる私とクエスチョンマークをいっぱい浮かべてるゆーちゃんを置いてきぼりにして、
お父さんがどんどん暴走していく。ああ、お母さん、あなたの夫は相変わらずなヒトですヨ。
「そうなると、あの家庭菜園もそのフラグのたまものってやつか」
「あの家庭菜園って、お母さんが始めたんだっけ?」
確か、かなり前に一度そんなことを聞いたことがあった気がする。
「ああ。この家に住み始めてからもそうだけど、その前に住んでたアパートが始まりだったんだ」
「アパートって……よく管理人さんが許してくれたね」
「その頃はまだ仕事ももらえてなかったもんだから、頭を下げてな。庭の一角を借りて、
ちょっとした菜園を作らせてもらったんだよ」
あ、ちょっと遠い目。昔のことを思い出してるのかな。
「そのきっかけが『野菜は買うよりも作るほうが安上がりです』っていうかなたの言葉でさ。
さっきも言ったけど、実家で家庭菜園をやってたもんだからコツとかもわかってたみたいで」
「へえ……そうだったんですか」
「お父さんとお母さんにも、苦労してた時代があったんやねー」
今でこそ一戸建てに住んでるけど、二人ともよくある駆け出し作家の生活ってのを経験してたんだ。
「それまでは酷かったからな。芋がらと大根の葉っぱだけが入ったすいとんとか、九分がゆとか」
「うわっ、それは凄い」
というか、想像以上だってばそれは。よくそれで食べ繋いでたもんだよ……
「かなたが野菜を作ってからは、ご近所さんと交換したりなんだりでいろいろ食べられる
ようにもなって。ここに引っ越してからも『いつ食べられなくなるかわかりませんから』
って言って、庭の片隅で家庭菜園を作ったんだ」
「それが、あの菜園?」
「ああ。かなたが遺していったものだからな……しっかりと、守っていかないと」
そう言いながら、お父さんがまたトマトをひとかじりする。
「かなたが食べさせてくれたこの味を、忘れたくないってのもあるんだけど」
「確かに、お店とかじゃ買えない味ですからね」
感慨深げなお父さんの表情を見てると、たまに見せるおふざけはカモフラージュなんじゃ
ないかって思えてくる。もしかしたら、昔のことを思い出してしんみりしてるのかなーって――
「そうそう。それに、こういうのもなかなか萌えるアイテムだろ? それを持ってるのは
男にとっていいステータスだって証拠だろうし」
って、前言撤回だ前言撤回! このヒトはこれが地なんだ! はあ……ちょっとでも心配して損した。
「まあ、それは冗談として」
全然冗談じゃない。今のアナタの目はマジだった。
「これのおかげで、今の俺があるようなもんだからな。苦しいときもこれで助けられたし、
あの菜園は俺にとっての戒めみたいなもんだ」
「売れるようになっても、驕るなってこと?」
「ああ、かなたにもそう言われたな。少しずつ認められるようになったときも『これから先、
まだまだわからないんですからね』って」
やっぱりできた人だ、私のお母さんは。よくこのお父さんを支えられたもんだよ……
「庭をいじって、こいつらが実るたびにその言葉を思い出すんだ」
「そっかー……」
それでも、お母さんへの想いは本物なんだなって思い知らされる。
ちゃんとお母さんの言葉を覚えていて、こうやってずっと守り続けてるんだもん。
だから、私もちゃんと二人が作ったものを――
「じゃあ、私たちも守っていかないとね」
「私も、お手伝いしますねっ」
せっかくお母さんが作っていたんだもん。しっかり守って、しっかり育てていかないと。
「ああ、よろしく頼むよ」
私とゆーちゃんの言葉に、お父さんが強くうなずいた。
「よーしっ、じゃあ今日は手伝ってくれたお礼に、俺が夕飯をつくってやろう。どうだ?
茄子とトマト、ピーマンのパスタってのは」
「おー、それはいいね。ゆーちゃん、ピーマンとか大丈夫だよね?」
「うんっ、食べられるよ。パスタも大好きだもん」
「んじゃ、それで決定な。かなたの分も、ちゃんと茹でてやろっと」
ははーん、それが目的ってやつですか。まあ、たまにはお父さんの手料理でも味わってみますかね。
お母さんの写真立てをそっとなでているお父さんを眺めながら、私はまた甘いトマトをひとかじりした。
「おう、サンキュ」
「ありがとう、お姉ちゃん」
居間の扇風機で涼んでいるゆーちゃんとお父さんに、よく冷えた麦茶の差し入れ。暑い
陽射しにあてられたら、ちゃんと水分補給しないとね。
「んじゃ、私も一杯、と」
自分のコップに麦茶を入れて、ボトルを冷蔵庫に戻す。野菜室をのぞいてみれば、さっき
穫ったばかりのピーマンとトマトが冷やされていた。
「夕ごはんが楽しみやねー」
そう言いながらこくっと一口麦茶を飲むと、のどを冷たいお茶が駆け抜けていく。
くぅーっ、この冷たさが一番暑さに効く!
「茄子は、シンプルに焼き茄子といくか。おろし生姜をのっけて、鰹節をふりかけて」
「しょう油もいいけど、だしもいいんだよね」
「私の家は塩をつけて食べてたよ」
「そっか。んじゃ、作ったら全部試してみよっと」
コップ片手に居間に戻ると、お父さんは仏壇のあたりを慎重に片付けていた。
「お盆前に片付けたばかりじゃん、そこ」
「いや、とりあえず気分的にな」
仏壇を布巾でていねいに拭きながら、お父さんがぽつりと言う。まあ、その気分もわからなくはないか。
「うしっ、これであとは野菜を乗せればと」
野菜が乗せられた小さなザルをお母さんの写真の前に置いて、軽く拝んでみせるお父さん。
「今年はなかなかの豊作だったぞ。いつも通り、お前にもおすそわけだ」
慈しむように言いながら、お父さんはお母さんの写真に向かって笑いかけた。
それは、お盆以外にもするお父さんとお母さんの毎年のやりとり。こうやって野菜を
収穫した日は、穫れた野菜を一個ずつお供えすることにしていた。
「んじゃ、俺らも食べるとしますか」
「はーい」
「いただきますっ」
そう言って、氷水が入ったボウルに浮かんでいるトマトを一つずつつかんでひとかじり。
「……おー、あんまり酸っぱくなくて甘いね」
「ほんと、とっても甘いです」
「スーパーで売ってるのと全然違うだろ。食べ頃を収穫したからな」
お父さんが言うとおり、スーパーで売ってるのは食感だけっていうのが多いけど、この
穫れたてトマトは果物みたいに甘かった。
「確か、スーパーで売ってるのってまだあんまり赤くないうちに出荷するんでしたっけ?」
「ああ。だから途中で赤くなっても、あんまり甘くないのが多いんだよ」
「熟したのを出荷しても、途中で熟れすぎて腐っちゃったりするらしいし」
最近は甘めに開発された『フルーツトマト』とか売ってるけど、あれは高すぎてなかなか手が出せない。
でも、これだったらかなり甘いし十分だね。
「俺がガキのときなんかは、みんなこういうトマトだったんだけどな」
「そうなんですか?」
「よくかなたの家の畑に忍び込んで、庭で遊んでたかなたに怒られたもんだ」
「お、お父さんってばそんな頃からお母さんにメーワクを……」
感慨深そうにうなずいてるけど、それってすごく困ったちゃんじゃないデスカ。
「あ、あはははは」
話を聞いてたゆーちゃんも、すっかり呆れちゃってるよ。
「今思えば、幼なじみの通過儀礼ってやつだったんだろうな」
「そんな時からフラグを……」
「ん? 言われてみればそういうルートだったのかもしれないな。ふむ、そっかそっか」
「???」
呆れてる私とクエスチョンマークをいっぱい浮かべてるゆーちゃんを置いてきぼりにして、
お父さんがどんどん暴走していく。ああ、お母さん、あなたの夫は相変わらずなヒトですヨ。
「そうなると、あの家庭菜園もそのフラグのたまものってやつか」
「あの家庭菜園って、お母さんが始めたんだっけ?」
確か、かなり前に一度そんなことを聞いたことがあった気がする。
「ああ。この家に住み始めてからもそうだけど、その前に住んでたアパートが始まりだったんだ」
「アパートって……よく管理人さんが許してくれたね」
「その頃はまだ仕事ももらえてなかったもんだから、頭を下げてな。庭の一角を借りて、
ちょっとした菜園を作らせてもらったんだよ」
あ、ちょっと遠い目。昔のことを思い出してるのかな。
「そのきっかけが『野菜は買うよりも作るほうが安上がりです』っていうかなたの言葉でさ。
さっきも言ったけど、実家で家庭菜園をやってたもんだからコツとかもわかってたみたいで」
「へえ……そうだったんですか」
「お父さんとお母さんにも、苦労してた時代があったんやねー」
今でこそ一戸建てに住んでるけど、二人ともよくある駆け出し作家の生活ってのを経験してたんだ。
「それまでは酷かったからな。芋がらと大根の葉っぱだけが入ったすいとんとか、九分がゆとか」
「うわっ、それは凄い」
というか、想像以上だってばそれは。よくそれで食べ繋いでたもんだよ……
「かなたが野菜を作ってからは、ご近所さんと交換したりなんだりでいろいろ食べられる
ようにもなって。ここに引っ越してからも『いつ食べられなくなるかわかりませんから』
って言って、庭の片隅で家庭菜園を作ったんだ」
「それが、あの菜園?」
「ああ。かなたが遺していったものだからな……しっかりと、守っていかないと」
そう言いながら、お父さんがまたトマトをひとかじりする。
「かなたが食べさせてくれたこの味を、忘れたくないってのもあるんだけど」
「確かに、お店とかじゃ買えない味ですからね」
感慨深げなお父さんの表情を見てると、たまに見せるおふざけはカモフラージュなんじゃ
ないかって思えてくる。もしかしたら、昔のことを思い出してしんみりしてるのかなーって――
「そうそう。それに、こういうのもなかなか萌えるアイテムだろ? それを持ってるのは
男にとっていいステータスだって証拠だろうし」
って、前言撤回だ前言撤回! このヒトはこれが地なんだ! はあ……ちょっとでも心配して損した。
「まあ、それは冗談として」
全然冗談じゃない。今のアナタの目はマジだった。
「これのおかげで、今の俺があるようなもんだからな。苦しいときもこれで助けられたし、
あの菜園は俺にとっての戒めみたいなもんだ」
「売れるようになっても、驕るなってこと?」
「ああ、かなたにもそう言われたな。少しずつ認められるようになったときも『これから先、
まだまだわからないんですからね』って」
やっぱりできた人だ、私のお母さんは。よくこのお父さんを支えられたもんだよ……
「庭をいじって、こいつらが実るたびにその言葉を思い出すんだ」
「そっかー……」
それでも、お母さんへの想いは本物なんだなって思い知らされる。
ちゃんとお母さんの言葉を覚えていて、こうやってずっと守り続けてるんだもん。
だから、私もちゃんと二人が作ったものを――
「じゃあ、私たちも守っていかないとね」
「私も、お手伝いしますねっ」
せっかくお母さんが作っていたんだもん。しっかり守って、しっかり育てていかないと。
「ああ、よろしく頼むよ」
私とゆーちゃんの言葉に、お父さんが強くうなずいた。
「よーしっ、じゃあ今日は手伝ってくれたお礼に、俺が夕飯をつくってやろう。どうだ?
茄子とトマト、ピーマンのパスタってのは」
「おー、それはいいね。ゆーちゃん、ピーマンとか大丈夫だよね?」
「うんっ、食べられるよ。パスタも大好きだもん」
「んじゃ、それで決定な。かなたの分も、ちゃんと茹でてやろっと」
ははーん、それが目的ってやつですか。まあ、たまにはお父さんの手料理でも味わってみますかね。
お母さんの写真立てをそっとなでているお父さんを眺めながら、私はまた甘いトマトをひとかじりした。
というわけで、お母さん。
今年もお父さんが一生懸命育てた想い、受け取ってあげてください。
私とゆーちゃんの想いも、いっしょに受け取ってくれると嬉しいです。
今年もお父さんが一生懸命育てた想い、受け取ってあげてください。
私とゆーちゃんの想いも、いっしょに受け取ってくれると嬉しいです。
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