私は今、海にいる。
--全ての始まりの海に。
--全ての始まりの海に。
-----SEA & SHE-----
私の隣にはあいつ、こなたがいる。
相変わらず、小学生みたいで。
相変わらず、膝裏位まである長い髪とその頂点のアホ毛がトレードマークで。
でも、雰囲気だけは少し大人っぽくなった。
オタクなのは変わらないみたいだけど。
相変わらず、小学生みたいで。
相変わらず、膝裏位まである長い髪とその頂点のアホ毛がトレードマークで。
でも、雰囲気だけは少し大人っぽくなった。
オタクなのは変わらないみたいだけど。
私たちは陵桜学園を無事卒業し、今は大学の一年生。
「此処に来るのも久しぶりね~。」
「去年は受験とかで忙しかったし。」
「あんたが大学生とはね~。」
「酷いよ~、かがみ~。私だってやれば出来るんだから。」
「そうよね。なかなか、やる気にならないだけよね~。」
口ではそう言うものの、正直、私は驚いていた。
法学部と文学部の違いはあるものの、こいつは私と同じ大学に受かった。
その本人は、私の隣でむーっとむくれている。その姿がなんとも可愛いと思ってしまう。
「それよりもどうする?」
「どうって?」
私が首だけ向けて言うと、こなたも海に向けていた目を私に向けて聞いてきた。
「前回よりもかなり早く着いちゃったから、まだ、宿も開いてないみたいだし。」
「まぁ、前回が酷かったからね。」
私たちは、今回は自分達の運転で来ていた。レンタカーを借りて、交代交代に運転しながら。
身の危険を感じたのがひとつ。
二人っきりで来たかったのが、ひとつ。
「ん~。じゃあ、ちょっと早いけどお昼にしようよ。」
こなたの提案により、海の家でお昼ということになった。
二人とも前回と同じメニュー。
「海の家と言ったらこれだよね~。」
「また、それか。」
他愛のない事を話しながら、目の前のものを消費していく。
やはりそれほど美味しくはない。でも、こなたと一緒なのが最高のスパイスとなる。
「此処に来るのも久しぶりね~。」
「去年は受験とかで忙しかったし。」
「あんたが大学生とはね~。」
「酷いよ~、かがみ~。私だってやれば出来るんだから。」
「そうよね。なかなか、やる気にならないだけよね~。」
口ではそう言うものの、正直、私は驚いていた。
法学部と文学部の違いはあるものの、こいつは私と同じ大学に受かった。
その本人は、私の隣でむーっとむくれている。その姿がなんとも可愛いと思ってしまう。
「それよりもどうする?」
「どうって?」
私が首だけ向けて言うと、こなたも海に向けていた目を私に向けて聞いてきた。
「前回よりもかなり早く着いちゃったから、まだ、宿も開いてないみたいだし。」
「まぁ、前回が酷かったからね。」
私たちは、今回は自分達の運転で来ていた。レンタカーを借りて、交代交代に運転しながら。
身の危険を感じたのがひとつ。
二人っきりで来たかったのが、ひとつ。
「ん~。じゃあ、ちょっと早いけどお昼にしようよ。」
こなたの提案により、海の家でお昼ということになった。
二人とも前回と同じメニュー。
「海の家と言ったらこれだよね~。」
「また、それか。」
他愛のない事を話しながら、目の前のものを消費していく。
やはりそれほど美味しくはない。でも、こなたと一緒なのが最高のスパイスとなる。
食事を終え、いきなり泳ごうとするこなたを引き止めて、海岸沿いを歩く。
「食べてすぐ泳いだら、死ぬわよ。」
「だって、海だよ、海。泳がなきゃ損じゃん。」
「はぁ~。」
私が呆れていると、いきなり肩に重さを感じる。
「きゃっ!ちょっと、こなた!?」
見るとこなたが私のツインテールのリボンを片方持っていた。
「何してんのよ。」
「いや、ちょっとね。そっちのリボンも外してくれない?」
私の疑問には答えず、こなたは言う。
あんまり良い予感はしないけど、素直に従うことにする。
「ほら、外したわよ。いいかげん何するか、言いなさいよ。」
髪を下ろすとその髪が浜風に靡いて、欝陶しい。こなたは同じ様に靡いた髪を押さえながら言う。
「まあ、すぐ分かるよ。じゃあ、しゃがんで目をつむって。」
「食べてすぐ泳いだら、死ぬわよ。」
「だって、海だよ、海。泳がなきゃ損じゃん。」
「はぁ~。」
私が呆れていると、いきなり肩に重さを感じる。
「きゃっ!ちょっと、こなた!?」
見るとこなたが私のツインテールのリボンを片方持っていた。
「何してんのよ。」
「いや、ちょっとね。そっちのリボンも外してくれない?」
私の疑問には答えず、こなたは言う。
あんまり良い予感はしないけど、素直に従うことにする。
「ほら、外したわよ。いいかげん何するか、言いなさいよ。」
髪を下ろすとその髪が浜風に靡いて、欝陶しい。こなたは同じ様に靡いた髪を押さえながら言う。
「まあ、すぐ分かるよ。じゃあ、しゃがんで目をつむって。」
「?」
やっぱり素直に従う。こういうところがこいつの言うところのツンデレなのかしら。
ふと、頭に何か乗せられる。かぶせられると言った方が正しいかもしれない。
何かと思って目を開けると至近距離にこなたの顔。
やっぱり素直に従う。こういうところがこいつの言うところのツンデレなのかしら。
ふと、頭に何か乗せられる。かぶせられると言った方が正しいかもしれない。
何かと思って目を開けると至近距離にこなたの顔。
--ドクン…
高鳴る鼓動と頭の上のものをを押さえ付け、立ち上がる。
「何よ?」
「いや、予想はしてたけど…」
私はこなたの言葉の意味を確かめるべく、頭に乗ったものを取る。
それは、何処から取り出したのか菫色のリボンの付いた、真っ白なツバ広帽子だった。
今の私の格好は、デニムのパンツに黒のタンクトップ、その上に白いシャツを羽織ったもの。
とてもじゃないけど、こんな清楚な帽子が似合う格好じゃないし、元々、こういうのはみゆきとかの方が似合う。
ふと、こなたのお母さんがこんな帽子を写真の中で持っていたのを思い出した。
こなたはお母さんにそっくりだから、静かにしている分には似合うかもしれない。
今は、私と似たり寄ったりの格好だけど。
「予想はしてたけど…何?」
どうせ似合わないとか言うんでしょうけど。
「イメージにピッタリ。」
「は?この格好でこの帽子は--」
予想外の言葉につい反論してしまう。
「いや、そこは脳内補完だよ、かがみ。普通に可愛いよ?」
そう言って前を向いて歩いていく、こなた。
いつの間にかその頭には麦藁帽子が乗っていた。
顔が熱い。多分私の顔はいま、真っ赤だろう。こなたが前を向いて呉れて良かった。
今の顔を見られたら何を言われるか、分かったもんじゃない。
「何よ?」
「いや、予想はしてたけど…」
私はこなたの言葉の意味を確かめるべく、頭に乗ったものを取る。
それは、何処から取り出したのか菫色のリボンの付いた、真っ白なツバ広帽子だった。
今の私の格好は、デニムのパンツに黒のタンクトップ、その上に白いシャツを羽織ったもの。
とてもじゃないけど、こんな清楚な帽子が似合う格好じゃないし、元々、こういうのはみゆきとかの方が似合う。
ふと、こなたのお母さんがこんな帽子を写真の中で持っていたのを思い出した。
こなたはお母さんにそっくりだから、静かにしている分には似合うかもしれない。
今は、私と似たり寄ったりの格好だけど。
「予想はしてたけど…何?」
どうせ似合わないとか言うんでしょうけど。
「イメージにピッタリ。」
「は?この格好でこの帽子は--」
予想外の言葉につい反論してしまう。
「いや、そこは脳内補完だよ、かがみ。普通に可愛いよ?」
そう言って前を向いて歩いていく、こなた。
いつの間にかその頭には麦藁帽子が乗っていた。
顔が熱い。多分私の顔はいま、真っ赤だろう。こなたが前を向いて呉れて良かった。
今の顔を見られたら何を言われるか、分かったもんじゃない。
しばらく歩いて、岩場を越えると、そこは誰もいない砂浜。
「見て、かがみ!穴場だよ。」
そう言ってはしゃぐこなたはなんだか少し幼く見えた。でも、それ以上に可愛いと思ってしまう私がいる。
「ちょっと、座って話さない?」
気付いたら、そう言っていた。こなたは、頭上にはてなを浮かべながらも頷いて呉れた。
私は鞄からビニールシートを出して、浜に敷いて、その上に腰を下ろす。こなたも私の横に座る。
「ねぇ、こなた?」
「ん~?」
「卒業式の日、学校中を回りながら色んな話をしたわよね?」
「うん。運動会とか文化祭とか……」
「特別なことじゃなくても色んな話を思い出したりして。」
「楽しかったよね、いつも四人で。
みゆきさんは忙しかったり、家がちょっと遠かったりで、休みの日まで一緒とはいかなかったけど。」
「確かにね。ホント、色んなことがあったわね。」
「何もかも皆懐かしい。」
「また、何かのネタか?」
ふと、沈黙が下りた。気まずくは無く、逆に心地良い。聞こえるのは波の音。遠くからは、子供達のはしゃぐ声が聞こえてくる。
「よし、泳ご。」
いきなり立ち上がり、こなたはおもむろに服を脱ぎ始める。
「ちょ…こなた!?」
誰もいないからって……
と、思ったが心配はいらなかったみたい。服の下にはちゃっかり、しっかり水着を着ていた。
前みたいな学校用じゃなくて、今回は白いセパレート。
「まったく…。そう言う準備は良いんだから。準備体操はしなさいよ。」
「う゛っ…。何で言うかな~。言われてやらなかったら死亡フラグじゃん。」
「ちょっ…縁起が悪いこと言わないでよ。」
「見て、かがみ!穴場だよ。」
そう言ってはしゃぐこなたはなんだか少し幼く見えた。でも、それ以上に可愛いと思ってしまう私がいる。
「ちょっと、座って話さない?」
気付いたら、そう言っていた。こなたは、頭上にはてなを浮かべながらも頷いて呉れた。
私は鞄からビニールシートを出して、浜に敷いて、その上に腰を下ろす。こなたも私の横に座る。
「ねぇ、こなた?」
「ん~?」
「卒業式の日、学校中を回りながら色んな話をしたわよね?」
「うん。運動会とか文化祭とか……」
「特別なことじゃなくても色んな話を思い出したりして。」
「楽しかったよね、いつも四人で。
みゆきさんは忙しかったり、家がちょっと遠かったりで、休みの日まで一緒とはいかなかったけど。」
「確かにね。ホント、色んなことがあったわね。」
「何もかも皆懐かしい。」
「また、何かのネタか?」
ふと、沈黙が下りた。気まずくは無く、逆に心地良い。聞こえるのは波の音。遠くからは、子供達のはしゃぐ声が聞こえてくる。
「よし、泳ご。」
いきなり立ち上がり、こなたはおもむろに服を脱ぎ始める。
「ちょ…こなた!?」
誰もいないからって……
と、思ったが心配はいらなかったみたい。服の下にはちゃっかり、しっかり水着を着ていた。
前みたいな学校用じゃなくて、今回は白いセパレート。
「まったく…。そう言う準備は良いんだから。準備体操はしなさいよ。」
「う゛っ…。何で言うかな~。言われてやらなかったら死亡フラグじゃん。」
「ちょっ…縁起が悪いこと言わないでよ。」
既に波打ち際まで行っていたこなたは、渋々といった感じで準備体操をする。
ラジオ体操を端折った簡単なものをして、それでは足りなかったのか、足や手を伸ばしている。
準備体操を終えたらしいこなたは一旦少し下がって、助走をつけて……
飛び込んだ。
驚くほど速いクロールでこなたは波を掻き分けていく。少し遠くにある岩場にたどり着いたこなたが、それによじ登る。
一息ついたこなたが手を振ってくる。
--恥ずかしいやつめ。
そう思いながら振り返す私も、恥ずかしいやつなんだと思う。
そのまま再び静かな時間が過ぎていく。ただこなただけを見つめる時間。こんな幸せな時間はなかなかなくなってしまった。
そんなことを考えていると、視線の先でこなたが仰向けに寝転ぶ。
私も寝転ぶ。こなたが隣にいないのが少し残念。
もくもくと柔らかそうな入道雲。あ、あれチョココロネに見える。
ちょっと暑い陽射しに、浜風のお蔭で心地よい。運転で疲れたかな……。ね、む……く--。
ラジオ体操を端折った簡単なものをして、それでは足りなかったのか、足や手を伸ばしている。
準備体操を終えたらしいこなたは一旦少し下がって、助走をつけて……
飛び込んだ。
驚くほど速いクロールでこなたは波を掻き分けていく。少し遠くにある岩場にたどり着いたこなたが、それによじ登る。
一息ついたこなたが手を振ってくる。
--恥ずかしいやつめ。
そう思いながら振り返す私も、恥ずかしいやつなんだと思う。
そのまま再び静かな時間が過ぎていく。ただこなただけを見つめる時間。こんな幸せな時間はなかなかなくなってしまった。
そんなことを考えていると、視線の先でこなたが仰向けに寝転ぶ。
私も寝転ぶ。こなたが隣にいないのが少し残念。
もくもくと柔らかそうな入道雲。あ、あれチョココロネに見える。
ちょっと暑い陽射しに、浜風のお蔭で心地よい。運転で疲れたかな……。ね、む……く--。
「---み。---がみ。」
もうちょっと寝かせてほしい。
「かがみ!!起きてよ!」
もうちょっと寝かせてほしい。
「かがみ!!起きてよ!」
--ゴツッ
私は大声に驚いて跳び起きようとした。
衝撃によって阻まれたが。
「「--痛~っ……。」」
隣からもうめき声。どうやら、至近距離にいたこなたと私の額がぶつかった模様。
こなたは石頭らしい。星が飛んだぞ、星が。
「かがみの石頭…。」
相手も同じ状況らしい。暫く二人で呻いていた。端から見たら滑稽だろうな…。
衝撃によって阻まれたが。
「「--痛~っ……。」」
隣からもうめき声。どうやら、至近距離にいたこなたと私の額がぶつかった模様。
こなたは石頭らしい。星が飛んだぞ、星が。
「かがみの石頭…。」
相手も同じ状況らしい。暫く二人で呻いていた。端から見たら滑稽だろうな…。
やっと、痛みが引いてきた。ふと見ると同じく痛みから復活したらしいこなたが夕陽に照らされていた。
…夕陽?
ええと。冷静に考えよう。最後の記憶が昼過ぎだから…。
少なくとも5時間は寝ていたことになる。
「はあぁぁ~。」
盛大な溜息。幸せが逃げる?知ったこっちゃないわよ!
私はなんて勿体ないことを……。折角、こなたとふたりっきりなのに………。
「かがみ~?」
「あによ?」
自分のあまりの不甲斐無さに、対応がつい邪険になってしまう。
「いや~、私もウトウトしてたんだけどね。先に起きれてよかったよ。かがみの寝顔撮れたし。」
こなたが開いた携帯を見せてくる。そこには、私の寝顔。寝顔!?
「消しなさい!いますぐ!!」
「嫌だよ~。こんなレアショット消せる訳ないじゃ~ん。」
そう言うと、こなたは素早い動きで携帯を鞄にしまった。
「……誰にも送ってないでしょうね?」
「当然!!自分で希少価値を下げる真似はしませんヨ。」
なら、良し。今日明日は一緒にいるんだから、チャンスはいくらでもあるわよね。
少なくとも5時間は寝ていたことになる。
「はあぁぁ~。」
盛大な溜息。幸せが逃げる?知ったこっちゃないわよ!
私はなんて勿体ないことを……。折角、こなたとふたりっきりなのに………。
「かがみ~?」
「あによ?」
自分のあまりの不甲斐無さに、対応がつい邪険になってしまう。
「いや~、私もウトウトしてたんだけどね。先に起きれてよかったよ。かがみの寝顔撮れたし。」
こなたが開いた携帯を見せてくる。そこには、私の寝顔。寝顔!?
「消しなさい!いますぐ!!」
「嫌だよ~。こんなレアショット消せる訳ないじゃ~ん。」
そう言うと、こなたは素早い動きで携帯を鞄にしまった。
「……誰にも送ってないでしょうね?」
「当然!!自分で希少価値を下げる真似はしませんヨ。」
なら、良し。今日明日は一緒にいるんだから、チャンスはいくらでもあるわよね。
「なら、いいわ。それじゃ、宿に行きましょうか。」
「うん。わ~、かがみ髪ボサボサ。」
こなたの言う通り、髪には寝癖がついていた。手櫛で整えようとして、手に何か持っていること気付いた。
こなたが被せてくれた帽子--
「こなた。これ……。」
「あ、それ、あげるよ。」
「良いの?」
「良いよ、それくらい。」
「うん。わ~、かがみ髪ボサボサ。」
こなたの言う通り、髪には寝癖がついていた。手櫛で整えようとして、手に何か持っていること気付いた。
こなたが被せてくれた帽子--
「こなた。これ……。」
「あ、それ、あげるよ。」
「良いの?」
「良いよ、それくらい。」
帽子はお言葉に甘えて貰うことにして。手櫛で軽く髪を梳かしてから、その帽子を被る。
こなたも麦藁帽子を被った。
立ち上がり、ビニールシートを畳んで仕舞う。
「それじゃ、行きましょうか。」
「うん。」
今度は並んで歩く。寝起きの火照った体に夕暮れの風が心地良い。
ふと、海に沈む夕陽を見る。夕陽はいつでも変わらないなぁ。卒業式の日と同じ夕陽。
こなたと教室で駄弁ってたら、つかさとみゆきが来て。四人で話して。そうして見た夕陽。
--あぁ、思い出したら目頭が…
でも、無理に笑う。泣くなんて格好悪いし。
「一昨年の夏に此処に来てからも来る前も色々あったよね。学校の外でも。」
「うん。」
こなたの呟きに相槌を打つ。でも、こなたの方は見れない。多分、今、情けない顔をしてるから。
「夏祭りに花火大会。初詣にバレンタイン。ホントにずっと一緒にいたよね。」
「うん。」
想い出が走馬灯の様に駆け巡る。その全てにこなたがいる。
出会いはつかさがきっかけだった。
多分、つかさの紹介じゃ無かったら、ここまで仲良くなれなかったと思う。
つかさにはいくら感謝してもしたりないくらい。
こなたも麦藁帽子を被った。
立ち上がり、ビニールシートを畳んで仕舞う。
「それじゃ、行きましょうか。」
「うん。」
今度は並んで歩く。寝起きの火照った体に夕暮れの風が心地良い。
ふと、海に沈む夕陽を見る。夕陽はいつでも変わらないなぁ。卒業式の日と同じ夕陽。
こなたと教室で駄弁ってたら、つかさとみゆきが来て。四人で話して。そうして見た夕陽。
--あぁ、思い出したら目頭が…
でも、無理に笑う。泣くなんて格好悪いし。
「一昨年の夏に此処に来てからも来る前も色々あったよね。学校の外でも。」
「うん。」
こなたの呟きに相槌を打つ。でも、こなたの方は見れない。多分、今、情けない顔をしてるから。
「夏祭りに花火大会。初詣にバレンタイン。ホントにずっと一緒にいたよね。」
「うん。」
想い出が走馬灯の様に駆け巡る。その全てにこなたがいる。
出会いはつかさがきっかけだった。
多分、つかさの紹介じゃ無かったら、ここまで仲良くなれなかったと思う。
つかさにはいくら感謝してもしたりないくらい。
卒業式の日に言いたくて、でも、言えなかった言葉を、今、言おう。
もう、言える機会は二度と来ないと思っていた言葉を。
「ねぇ、こなた?」
「ん?」
こんな時にもこなたの顔は見れない。私は夕陽に向かって話し続ける。
「多分、最初はここだったんだと思う。」
「何が?」
「私はねあんたを、泉こなたっていう一人の女の子として見てた。」
「それってどういう--」
「私はこなたが好き。友達としてじゃなくて、恋愛対象として。」
「………。」
こなたは何も言わない。当然よね。
友達に、しかも同性の友達にそんなことを言われて、すぐに理解できるわけがないわよね。
私がこなたを親友以上に感じ始めたのは、やっぱりここなんだと思う。
こなたが同じ大学だって知ったのは、大学の入学式の日。
卒業してから暫くは会ってたけど、そんなこと言ってなかったし。入学の準備で忙しくなってからはなかなか会えなかったし。
だから、こんな風に想いが告げられる日が来るとは思って無かった。
想い出になるんだと思っていた。
「一晩。一晩考えさせて。」
「…うん。」
すぐに断られると考えていた私は、驚いたけど、すぐ苦笑を漏らした。
期待させられる方が辛いんだけどな。
もう、言える機会は二度と来ないと思っていた言葉を。
「ねぇ、こなた?」
「ん?」
こんな時にもこなたの顔は見れない。私は夕陽に向かって話し続ける。
「多分、最初はここだったんだと思う。」
「何が?」
「私はねあんたを、泉こなたっていう一人の女の子として見てた。」
「それってどういう--」
「私はこなたが好き。友達としてじゃなくて、恋愛対象として。」
「………。」
こなたは何も言わない。当然よね。
友達に、しかも同性の友達にそんなことを言われて、すぐに理解できるわけがないわよね。
私がこなたを親友以上に感じ始めたのは、やっぱりここなんだと思う。
こなたが同じ大学だって知ったのは、大学の入学式の日。
卒業してから暫くは会ってたけど、そんなこと言ってなかったし。入学の準備で忙しくなってからはなかなか会えなかったし。
だから、こんな風に想いが告げられる日が来るとは思って無かった。
想い出になるんだと思っていた。
「一晩。一晩考えさせて。」
「…うん。」
すぐに断られると考えていた私は、驚いたけど、すぐ苦笑を漏らした。
期待させられる方が辛いんだけどな。
その後は、もうふっ切った様に、旅行を楽しんだ。料理は美味しかったし、卓球も負けたけど楽しかった。
お風呂ではこなたの裸にドキッとしてしまったけど。
適当にテレビを見たり、話したり、こなたのゲームを覗き込んだり、小説を読んだり。
布団に入ってからも、昼に寝たからかなかなか眠れなかった。ずっと起きていても良かったけど、宿に迷惑が掛かるということで、取り敢えず消灯していた。
「かがみ?起きてる?」
眠れないのはこなたも一緒のようだ。
「起きてるわよ。」
「そっちの布団に行っても良い?」
「良いけど……何するかは保証出来ないわよ?」
「ん~。やるならもう、やってるでしょ。」
そう言われたら何も出来ないじゃない。まぁ、元々こなたが嫌がるようなことはする気はないけど。
そう考えているうちに、こなたがもぞもぞと私の布団に入って来た。
「かがみ、あったかい。」
「こなたも、あったかいわよ。」
心臓が早鐘の様で、寧ろ熱いくらいだったけど、こなたの温もりは心地良かった。
私はそのまま、眠りに落ちていった。
お風呂ではこなたの裸にドキッとしてしまったけど。
適当にテレビを見たり、話したり、こなたのゲームを覗き込んだり、小説を読んだり。
布団に入ってからも、昼に寝たからかなかなか眠れなかった。ずっと起きていても良かったけど、宿に迷惑が掛かるということで、取り敢えず消灯していた。
「かがみ?起きてる?」
眠れないのはこなたも一緒のようだ。
「起きてるわよ。」
「そっちの布団に行っても良い?」
「良いけど……何するかは保証出来ないわよ?」
「ん~。やるならもう、やってるでしょ。」
そう言われたら何も出来ないじゃない。まぁ、元々こなたが嫌がるようなことはする気はないけど。
そう考えているうちに、こなたがもぞもぞと私の布団に入って来た。
「かがみ、あったかい。」
「こなたも、あったかいわよ。」
心臓が早鐘の様で、寧ろ熱いくらいだったけど、こなたの温もりは心地良かった。
私はそのまま、眠りに落ちていった。
朝起きると、こなたの寝顔が目の前にあった。ただそれだけで今の私は幸せだと感じられる。
こなたを起こさないように、そっと布団を出ようとして、諦めた。流石に、浴衣を握られていたら、無理。
私はもう暫く、こなたの寝顔を眺めることにした。
こなたを起こさないように、そっと布団を出ようとして、諦めた。流石に、浴衣を握られていたら、無理。
私はもう暫く、こなたの寝顔を眺めることにした。
いつの間にか二度寝をしていたみたい。
目を覚ますと隣には既にこなたの姿はなかった。体を起こしてこなたを探す。すぐに見つかった。
板間の椅子に腰掛けて、少し高く上がった朝日を眺めていた。その横顔がなんだか儚く感じてしまって、私は声がかけられなかった。
そのこなたが振り返る。いつものこなただ。
「何してたの?」
「ん?何となく、ボーッと。」
「ふ~ん。さ、着替えましょ。朝ご飯の時間になっちゃう。」
「ん~。」
こなたが立ち上がる。私も立って、布団を畳む。
二人して着替え。
予備として持ってきた、白のワンピと黒いベルト。昨日と同じ様な服もある。
よし、と決心をつけて、浴衣を脱いで、ブラを着け、白いワンピースに袖を通し、髪を抜き、ベルトを付ける。
こなたはというと、デニムのハーフパンツに赤地のシャツ。
「こなた?髪梳かしてあげよっか?」
私はこなたのボサボサの髪を見て言った。
「うん、お願い。」
こなたの髪は長いのに痛みが少なくて、ちょっと羨ましい。櫛をさっと通しただけで、アホ毛以外は素直に戻る。
「こなた?髪形変える?」
「うんにゃ、いつも通りでいいよ。」
「ん。じゃあおしまい。」
「今度は、かがみの番。」
「じゃあお願いするわね。」
前にポニーテールにしたときにも思ったけど、こなたは意外と髪を梳かすのが上手い。
がさつに見えて、実は手先の器用な奴。
自分でやると必ず引っ掛かるのに、こなたがやると引っ掛からない。
「かがみ?今日もツイン?」
「いや、今日はそのままにしとく。」
「んじゃ、おしまい。」
もう少し、こなたに触ってて欲しかったけど、仕方ない。
その後、荷物の整理して、朝食のために食堂に行く。
目を覚ますと隣には既にこなたの姿はなかった。体を起こしてこなたを探す。すぐに見つかった。
板間の椅子に腰掛けて、少し高く上がった朝日を眺めていた。その横顔がなんだか儚く感じてしまって、私は声がかけられなかった。
そのこなたが振り返る。いつものこなただ。
「何してたの?」
「ん?何となく、ボーッと。」
「ふ~ん。さ、着替えましょ。朝ご飯の時間になっちゃう。」
「ん~。」
こなたが立ち上がる。私も立って、布団を畳む。
二人して着替え。
予備として持ってきた、白のワンピと黒いベルト。昨日と同じ様な服もある。
よし、と決心をつけて、浴衣を脱いで、ブラを着け、白いワンピースに袖を通し、髪を抜き、ベルトを付ける。
こなたはというと、デニムのハーフパンツに赤地のシャツ。
「こなた?髪梳かしてあげよっか?」
私はこなたのボサボサの髪を見て言った。
「うん、お願い。」
こなたの髪は長いのに痛みが少なくて、ちょっと羨ましい。櫛をさっと通しただけで、アホ毛以外は素直に戻る。
「こなた?髪形変える?」
「うんにゃ、いつも通りでいいよ。」
「ん。じゃあおしまい。」
「今度は、かがみの番。」
「じゃあお願いするわね。」
前にポニーテールにしたときにも思ったけど、こなたは意外と髪を梳かすのが上手い。
がさつに見えて、実は手先の器用な奴。
自分でやると必ず引っ掛かるのに、こなたがやると引っ掛からない。
「かがみ?今日もツイン?」
「いや、今日はそのままにしとく。」
「んじゃ、おしまい。」
もう少し、こなたに触ってて欲しかったけど、仕方ない。
その後、荷物の整理して、朝食のために食堂に行く。
「今日は、どうする?」
朝食を終え、お茶で一服しているときに、こなたが聞いてきた。このまま帰るのも味気ない気がするし……。
「ん~。ひと泳ぎしたいかな。結局、昨日は泳げなかったし。」
「んじゃ、そうしよ。」
朝食を終え、お茶で一服しているときに、こなたが聞いてきた。このまま帰るのも味気ない気がするし……。
「ん~。ひと泳ぎしたいかな。結局、昨日は泳げなかったし。」
「んじゃ、そうしよ。」
そして、私たちは昼過ぎまで、潜ったり、浮かんだりして過ごした。
こなたの浮輪に掴まって見上げた空は果てしなく蒼かった--
こなたの浮輪に掴まって見上げた空は果てしなく蒼かった--
「忘れ物はないわよね?」
車のトランクに荷物を積んで、バタンッと閉めてからこなたに聞く。
「ん~。なくはないかも。」
「何処に?」
こなたの歯切れの悪い物言いに、疑問を抱きつつ、聞く。
「向こうの海岸。」
「仕方ないわね。一緒に取りに行きましょ。」
「うん!」
勢い良く頷くと、こなたは駆け出して行った。私も車の鍵をかけてそれに続く。
「早く早く。」
「そんなに急がなくても。」
と言うかビーチサンダルで何故、そこまで速いのか聞きたい。いくら砂浜でも速過ぎ。
麦藁帽子にビーチサンダル。どこの少年だ。
そんな自分は白いワンピに白いツバ広帽。
まるで、浜辺のカップルね。ありゃ、逆か。
そんな不毛な思考を巡らせているうちに、昨日も来た、人のいない浜辺にたどり着いた。
車のトランクに荷物を積んで、バタンッと閉めてからこなたに聞く。
「ん~。なくはないかも。」
「何処に?」
こなたの歯切れの悪い物言いに、疑問を抱きつつ、聞く。
「向こうの海岸。」
「仕方ないわね。一緒に取りに行きましょ。」
「うん!」
勢い良く頷くと、こなたは駆け出して行った。私も車の鍵をかけてそれに続く。
「早く早く。」
「そんなに急がなくても。」
と言うかビーチサンダルで何故、そこまで速いのか聞きたい。いくら砂浜でも速過ぎ。
麦藁帽子にビーチサンダル。どこの少年だ。
そんな自分は白いワンピに白いツバ広帽。
まるで、浜辺のカップルね。ありゃ、逆か。
そんな不毛な思考を巡らせているうちに、昨日も来た、人のいない浜辺にたどり着いた。
そして、「ソレ」が目に入った瞬間--
私の目には涙が溢れ出した--
私の目には涙が溢れ出した--
『I LOVE KAGAMI』
それは、砂浜に大きく書かれたラブメッセージ。
それは、もらえるはずないと思っていた、愛の言葉。
それは、もらえるはずないと思っていた、愛の言葉。
「こなたぁ~~!!」
私は思わず、こなたに抱きついた。こなたの匂いに包まれる。
こなたは私の帽子をとって、頭を撫でてくれた。
「かがみが私が好きだって言ってくれた時、凄く嬉しかった。私も、同じだったから。」
「うん。」
「でも、一晩待ってもらったのは。ちょっとした意地悪。私の方から言いたかったのに、かがみが先に言っちゃったから。」
「うん。」
「もし、もしも。かがみに会ってなかったら、あんなに楽しい高校生活は送れなかったと思う。
ホント、ありがと。」
「うん。」
こなたが紡いで呉れる言葉に、私は鼻を鳴らしながら頷くことしか出来ない。
でも、私が流す涙ごとこなたは抱きしめて呉れる。
「かがみは他の人が好きなんだと思ってた。かがみさ、偶に含みのある溜息吐いてたし。
そんなかがみを見る度に切なくなった。」
「ごめん。」
「良いよ、もう。かがみが私のこと好きだって分かっただけで十分だよ。
ほら、かがみに泣いてるのは似合わないよ。笑ってるか怒ってないと。」
「怒っては余計だ。」
こいつには一生敵わないかもね。さっきまで涙が止まらなかったのに、もう、涙は引っ込んでる。
「そうそう。その意気。あっ……」
こなたの言葉に顔を上げると、こなたの視線は海に。正確には、風に飛ばされた麦藁帽子に。
私は思わず、こなたに抱きついた。こなたの匂いに包まれる。
こなたは私の帽子をとって、頭を撫でてくれた。
「かがみが私が好きだって言ってくれた時、凄く嬉しかった。私も、同じだったから。」
「うん。」
「でも、一晩待ってもらったのは。ちょっとした意地悪。私の方から言いたかったのに、かがみが先に言っちゃったから。」
「うん。」
「もし、もしも。かがみに会ってなかったら、あんなに楽しい高校生活は送れなかったと思う。
ホント、ありがと。」
「うん。」
こなたが紡いで呉れる言葉に、私は鼻を鳴らしながら頷くことしか出来ない。
でも、私が流す涙ごとこなたは抱きしめて呉れる。
「かがみは他の人が好きなんだと思ってた。かがみさ、偶に含みのある溜息吐いてたし。
そんなかがみを見る度に切なくなった。」
「ごめん。」
「良いよ、もう。かがみが私のこと好きだって分かっただけで十分だよ。
ほら、かがみに泣いてるのは似合わないよ。笑ってるか怒ってないと。」
「怒っては余計だ。」
こいつには一生敵わないかもね。さっきまで涙が止まらなかったのに、もう、涙は引っ込んでる。
「そうそう。その意気。あっ……」
こなたの言葉に顔を上げると、こなたの視線は海に。正確には、風に飛ばされた麦藁帽子に。
私は立ち上がり、涙を拭く。
「飛んでっちゃった。」
「飛んでっちゃったわね。」
「暑い。」
「夏だからね。」
そう言いながら、私の帽子を被せてあげる。
うん、こなたにもやっぱり似合う。
どちらからとも無く、波打ち際まで歩いていく。こなたが昨日泳いで行った岩場に、麦藁帽子と、誰かの浮輪が引っ掛かっていた。
「私ね、サヨナラって言葉って好きになれないんだ。」
「うん?」
「サヨナラってなんか、もう二度と会えないような気がしない?」
「ん~?」
分からない気がしないでもないかな。
「だから、卒業式の日もそれからも、またねとしか言わなかったんだよ。」
そう言えばそうかしら。
「そしてたら、かがみと同じ大学に受かってた。いるんだね、神様って。」
「神社の娘にそれを言うか?」
「細かいことは気にしないの!」
それから暫く波の音を二人で、聞いていた。
「飛んでっちゃった。」
「飛んでっちゃったわね。」
「暑い。」
「夏だからね。」
そう言いながら、私の帽子を被せてあげる。
うん、こなたにもやっぱり似合う。
どちらからとも無く、波打ち際まで歩いていく。こなたが昨日泳いで行った岩場に、麦藁帽子と、誰かの浮輪が引っ掛かっていた。
「私ね、サヨナラって言葉って好きになれないんだ。」
「うん?」
「サヨナラってなんか、もう二度と会えないような気がしない?」
「ん~?」
分からない気がしないでもないかな。
「だから、卒業式の日もそれからも、またねとしか言わなかったんだよ。」
そう言えばそうかしら。
「そしてたら、かがみと同じ大学に受かってた。いるんだね、神様って。」
「神社の娘にそれを言うか?」
「細かいことは気にしないの!」
それから暫く波の音を二人で、聞いていた。
「好きだよ、かがみ。」
「私もよ、こなた。」
「私もよ、こなた。」
どちらからとも無く、手を繋いで。
どちらからとも無く、キスをした。
どちらからとも無く、キスをした。
幼い、でも、想いの詰まった、キス。
初めてのキスは塩味だった。
初めてのキスは塩味だった。
唇を話すとポッと間の抜けた音がして、二人して笑う。
「知ってた?私もかがみが好きだって気付いたの、此処だったんだよ?」
笑いが止まった沈黙の中、こなたがポツリと呟く。
「また、来ようね。」
「うん、きっと。」
笑いが止まった沈黙の中、こなたがポツリと呟く。
「また、来ようね。」
「うん、きっと。」
もう一度、海に目を遣る。
そこには、二人を映した海が広がっていた---
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- GJ。 ただデニムよりチノパンの方が似合いそう。 -- 名無しさん (2008-04-11 04:56:56)