貴方たちは各々手分けして、紫の霧の中依頼をこなした。

探索中殆どの者が気づいたのは、何故か霧は学園内だけに留まっているということだった。
時刻は18時半、日の長い夏でもようやく空が赤く染まる頃だ。
しかしぼんやりと夕日の光が霧に霞み、赤紫に変化した霧はいっそう不気味さをかもし出している。

「ふっふっふっふ、いよいよ雰囲気が出てきたねぇ!
君たち、人助けも大事だけどちゃんと調査も進んでいるんだろうね?
…………ふむふむ、なかなか面白い!では引き続き探索を進めてくれたまえ!」

不気味さを一気に吹き飛ばすような二郎の声が響く。
貴方たちの報告をノートに纏めながら表情はさらに明るくなり、両手を広げて言った。

「予報ではそろそろ雨が降るらしいから、(・・お腹も空いてきたことだし。)僕は食堂でも調べに行こうかな!」

そういって、二郎は颯爽と白楼館に姿を消していった。
霧に覆われている為雲が出てきたのかは分からないが、少し湿気を孕んだ風が出てきたようだ。
もうじき雨が降るのだろう・・・
最終更新:2015年06月09日 09:39