突然の眩しい光に思わず貴方たちは目を閉じた。
意識があるのか、ないのか…どのくらいの時間が経ったのか分からない。
貴方たちが目を開くと、雨は止み、学園を覆っていた霧もすっかり晴れ満月の明かりが辺りを照らしていた…
何事もなかったような静かな夜。
「……?」
貴方たちはそれぞれ別の場所にいながらもふと同じことに気づき、そして首をひねる。
なにかを忘れているような気がするが、それが何かが思い出せないのだ。
―10年に一度の満月の夜、誰かが七不思議に近づけば、七不思議の怪異は人として存在出来る…―
知ることの出来なかったその事実は闇に消えた。
勿論、水島のことも誰一人覚えていない…ただ、誰か『もう一人』そこに居たような気がする。
…そんな不思議な感覚だけを残していた。
唯一思い出せたのは、兼田や小次郎から聞いた紫の霧についての情報。
原因は七不思議の探索によって引き起こされ、月が真上に昇る頃には自然に晴れること。
事実、今まさに頭上に輝く月と霧の晴れた空をみて、
さらには全ての魔素が元通り感じられるようになったことで事務員の池田も納得はしてくれたようだった。
貴方たちはどこか夢を見ているような状態で疑問を疑問と感じず、そのまま大学部の食堂に集まり報告会を開いた。
七つ目が空白でありながらも何故かそれにすら疑問を抱かず、二郎のツケで購入されたから揚げ弁当を食べながら…。
数日後、思い返せば七つ目が空白であることには気づくものが多いだろう。
しかしその後、学園での七不思議探索は禁止となったのは言うまでもない………
―END―
最終更新:2015年07月19日 15:13