<1>
4月1日。宿酒場民羽。
ハンター達がそれぞれの場所へ向かい、飛鳥の軍人達も広場へと向かった後、月宮香蓮は一人宿に残っていた。
目的はそう、香蓮は直接あってはいないが、田中父の様子を見るためにだ。
香蓮がノックし部屋に入ると、田中父を取り押さえるようにして、宿酒場の店主民羽六三郎が奮闘していた。
やがて、田中父は暴れ疲れて寝てしまう。

民羽「…今眠った。お前たちが事件を解決したつもりでも、狂った人間は元には戻らんのだ。
…立ち去ってくれないか。田中さんの事は我々島の者でなんとかする」

香蓮は仕方なく部屋へと戻ると、声をかけられる。
六三郎の娘、柑奈に声をかけられた。

柑奈「気を悪くしないでくださいね。ああ見えて、お父さんもハンターの方達に感謝してるんです。
ただ、今は眠っている別の部屋の方もそうですが、今はそっとしておいてほしいんです。
これでも、昨日来た時よりは、どちらも安定しているんですよっ」

無理に元気にふるまう彼女を見て、香蓮はこれ以上は関われないと思い、後の事を仲間に託して部屋へと戻った。

<2>
港に来た甚目寺禅次郎と桐石登也。
二人は昨日の夜、栄命島に行く時に船に乗せてもらった漁師と出会った。

漁師「おっ、昨日はよく眠れたかい?俺っちは寝不足でよぉ~ハハハ」

二人は漁師にこの港で暴れた男について聞くと、意外な答えが返ってきた。

漁師「あの男かい?あいつのことは誰も知らないさ。なんせ、所持品調べたら茜から観光に来た男だったんだもんよ。
でもなんか、組合長…ああ、昨日あんたらと口論になってた漁師の人なんだが、そいつが言うには港に来た時に、双三にその観光客が道を聞いてたみたいなんだな。
その時はまさか双三が黒幕だなんて思わなかったから、別に気にもならなかったみたいだぜ。
昨日の男かい?漁師仲間が宿酒場に運んどいたよ」

どうやら、ここでこれ以上の情報を得ることは難しそうだ。
貴方達は漁師に礼を言うと、立ち去った。

<3>
東雲直は一人、村はずれの家にいた。
双海思永が住んでいたこの家は、家主を亡くし鍵はかかっていなかった。
中に入ると、散らかっていないどころか、きちんと整理整頓されているようだった。
おそらく、双海は自分がもうどんな結末だろうと帰ってこないことを悟っていたのだろう。
貴方は何もめぼしい物は無い、主人を亡くした家の中で目を閉じ黙祷を捧げ、後にした。


最終更新:2015年07月30日 04:17