ツインテールの日


「これでよし」

結界具を拠点内に置く上条森羅。
彼が作り出した呪具により、皆の髪型が元に戻っていく。

「へー、たまにはやるじゃんっ!」
「ま、野郎のツインテールなんて見たくないしね。男の娘ならいいけど」

烏月揚羽が、真っ先に喰いつきそうな上条が、皆のためにツインテールの呪いを直そうとしている姿に、見直している所だった。
土御門伍代が、彼の肩を叩いた。

「で?他に言い訳はあるかな?」
「…ゴ、ゴダイクンナンノコトカナ…?」
「ここまでの大規模な呪術、上条家である君しか考えられないのだが」
「誤解だって!それにほら、僕は今呪術の力を使えないしさ…」

必至に弁明する上条の背後から、エストレアが一言呟いた。

―この異次元に於いて、貴様の力は戻っているはずだ。最盛期の呪術の力もな―
「おい!!なにバラしてんだよ!」

背後から呟かれた言葉に、上条はキレた。

「ふざけんなよ…僕だって男までツインテールにするつもりはなかったんだよ本当に。力の加減がさあ」

迫る皆の顔を見れず、横向きの顔で弁明をする上条。

「それに2~3日で元に戻るような呪いなんだって!こんな道具がなくてもさ!おい!近すぎだよ!なんだよこの距離!うわあっ!」

こうして、悪は粛清された。
また、貴方達の階層探索の日々が再開する。
たった一人の犠牲と引き換えに…。


始祖の悪魔バルバードニコル撃破


「ここは…?」
「戻ってきたのか…」
「皆、大丈夫…?」

拠点に戻ってきた、白神凪、桐石登也、牧本シュウは辺りを確認する。
他のメンバーの姿は見えるが、やはり柳茜の姿はない。
そこに、エストレアが全員へ向けて声をかけた。

―竜の戦士が戻るまでの間、お前達は新たに開通した6層へと向かうがいいだろう―

6層。
バルバードニコルを倒したため、6層への道が開かれたのだ。

≪ツヅク≫
最終更新:2016年02月04日 00:20