○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『観客席』
観客達はざわめいていた。
次の試合…。
大蛇 勝美(おろち かつみ)
vs
孫 秀炎(スン シウヤン)
に対する期待感によるモノである。
皆、口々にこう言う。
「「孫の一撃だ!」」「「いや勝美にはマッハがあるぞ!!」」
「「音速の空手技スゲェよな…!!」」「「ああ…あれは、マジヤバイ…!!」」
「「孫より早く当たるだろうしな…!!」」「「ここまでもマッハのアドバンテージがデカかった!!」」
そ
の
時
で
あ
っ
た
!
ドッッッ ッ ッ ッ ン ! !
響き渡る轟音(ごうおん)ッ!!
シィ…………ン。
静まり返る『闘技場』…ッ。
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
のっぺらぼうみたいな顔に『光る丸目』。
付き過ぎてない筋肉を形取ったボディ。
先の試合のダメージ。上半身が、
ボコボコに凹んでいるモノも、
なめらかでいて、無機質な印象与える機肌。
付き過ぎてない筋肉を形取ったボディ。
先の試合のダメージ。上半身が、
ボコボコに凹んでいるモノも、
なめらかでいて、無機質な印象与える機肌。
そして“巨体”。パワー重視の機体…!
そ
う
!
“鉄面皮(てつめんぴ)”
孫 秀炎(スン シウヤン)の搭乗機ッ!!
カスタム修斗『千功者(せんこうしゃ)』であるッ!!
その『千功者』が、ざわめく闘技場へと現れ、
震脚(しんきゃく=足で地面を強く踏み付ける動作の事)を行ったのだッ!!
その轟音(ごうおん)!
訪れる静寂(せいじゃく)!!
孫は…。
こう言う。
「君達は“マッハ”とやらを、ありがたがてイルガ…。」
「我々中国拳法が、当の昔に通った道ダ。」
「早いだけの拳なら、ワタシにも打テル。」
医務室にて『ジェーン☆乙姫(おつひめ)』と一緒に、
試合を観戦する『ブラック少林(しょうりん)』。
同じく『マッハの技』を持つこの漢(おとこ)。
そんな漢が、こう呟(つぶや)く。
「人類史に置いて、中国拳法程、長い年月
研鑽(けんさん)された武術は無いでしょう。」
「しかし、人も武術も『進化』し続けます。」
「例え、その技が昔、通ったモノでも、
今が昔と同じようなモノかと問われれば、
私は『違う』と思いますね。」
乙姫は、うなずく。
「うん。今日よりも明日強くなっているモノね。」
反論。現代ならではの機微(きび)ありと。
その答えが正しいか否かは解らないが。
舞台は闘技場を戻す。
『千功者』は歩を進める。
ス…。(闘技場の…。)
ス…。(中央へと。)
そ
し
て
!
スゥ…。(腕を出す。)
VIPルームにて、
空石 雪千代(そらいし ゆきちよ)が
こう叫んだ!!
「対手(ついしゅ)ッ!伝説の試合法ッ!!」
〇対手(ついしゅ)
打撃同士が拳をあわせると、始めから
打撃の間合いに入っていることになる。
打撃の間合いに入っていることになる。
そこから、拳をどちらか早く叩き込むか仕掛け合う、
『 伝 説 の 試 合 法 』で あ る ! !
『 伝 説 の 試 合 法 』で あ る ! !
・
・
・
・
・
孫は言い放つ!
「覚悟良いカ?」
「ワタシは出来テル…ッ!!」
確かなるは、その覚悟…ッ!!
そ
の
時
!
ザッ!(1機の機体が現れる…ッ!!)
そ
れ
は
!
『F-44リベンジャー』!
本来軍用機であり、
攻守一体武装『インターセプター』が、
特徴だが、大会規定上、ソレは持っていない。
高性能のDTS(ダイレクト・トレース・システム)機。
修斗の上位機体として、出場している。
性能は『やや盛りのバランス機』と言ったトコロだ。
そ
う
!
“空手を終わらせた女”大蛇 勝美の『搭乗機』ッ!!
そ
し
て
!
勝美!
「ハッ…!!」
ダッッッン!!
『F-44』は跳び上がる!!
グルングルングルン!!
『F-44』はムーンサルト!
即(すなわ)ちは月面宙返り!
後方2回宙返り1回ひねりにて!!
ダダァアアアアン!!
闘技場、中央に着地するッ!!
オォォオオオオオオオオオオオオオ!!!
沸くに沸くは観客席!!
「「なんつぅ身体能力!!」」「「やっぱ勝美は、天才だな!!」」
「「孫も強いが、こりゃあ勝つのは勝美だろ!」」「「“勝”美だけにな♪」」
勝美はこう言う。
「へ~……そりゃ大した歴史じゃあないか。」
「チューゴク4000年ってヤツかい?」
「歴史の授業料代わりって言っちゃあなんだけどさ…。」
そして、こう言い放つ!
「見せてやるよッ…その速いだけの拳ってヤツをさァッ…!!」
スッ…。
『F-44』は腕を差し出し、
『千功者』の腕と交差させる…ッ!!
VIPルームの空石が興奮気味にッ!!
「勝負は一瞬、瞬(まばた)き厳禁っすよ二人とも!」
素が出る空石!
訂正はしない!!
そして観客席に。
ザワザワ ザワザワ
ザワザワ ザワザワ
ザワ ザワ
ザワ ザワ
ザワ
・
・
・
・
訪れる無音…ッ!
幾ばくかの静寂の後…!!
ッ
ッ
ドォォオ オ オ オ オ オ ン ! !
闘いの銅鑼(どら)が鳴り響いた!!
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』
第 2 6 話 「 対 手 の 構 え ッ ! ! 」
原案・手拭
筆者・REO=カジワラ
筆者・REO=カジワラ
「ダオッ!」
叫ぶは勝美!!
それとほぼ同時に仕掛ける両者!!
そ
し
て
!
ド”パ”ァァ ア ァ ァ ァア”ア”ア”ア”ーー ー ー
ッ
ッ
ーー ー ア”ア”アアア ア ア ア” ア” ア”
ッ
ッ
アンア”ア ア” ン ン” ア アア”ア”ー ー ーー
ッ
ッ
ーー ー アンアンアン ア ン ア” ア ア” ア” ン” !” !” ! ”
ッ
ッ
ド”ッ”ッ”ッッパァァァアア”ア”アア”アア”アア ア ア ア ア ア ア” ア” ア” ン” ン” !” ! ”
ッ
ッ
凄まじいまでの『破裂音』!!
これこそが『拳が音速に達した音』ッ!!
それも『二者同時』にであるッ!!
それはそれは『凄まじい音』が高鳴られるッ!!
で
は
勝
者
は
!
「これぞ…!」
「音速の崩拳(ほうけん)…ッ!!」
ッ
ッ
グォオオオオオオ オ ン オ ン オ ン オ ン オ ン ! !
ッ
ッ
宣言通り…!!
孫の拳が先に届き…!!
ッ
大 蛇 勝 美 ぶ っ 飛 ば さ れ る ッ ! !
ッ
ッ
一撃必殺ッ!!
孫 秀炎(スン シウヤン)ッ!!
一撃で持って、見事決勝進出ってヤツかァー!?
否
ァ
!
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド
「………ッ!!」
孫は感じていた。
拳に違和感を覚える。
孫は確かに『F-44』の腹部に崩拳を打ち込んだが、
手応えは『鉄でできた“羽”』に打ち込んだような奇妙な『感触』であった。
そ
れ
は
!
拳が打ち込まれた瞬間、
打ち込まれる場所に、
万力の如き力を込め鋼の強度にッ!
反
し
て
!
それ以外の筋肉は脱力し、
衝撃を分散させ…ッ!!
同
時
に
!
つま先でわずかに後ろへ飛び、
衝撃を逃すネコ科猛獣の如き勘と
精妙なる筋肉操作が無ければ出来ない芸当ッ!!
こ
れ
ぞ
!
長き大蛇流空手の歴史の中で、
“天才”『大蛇 勝美』のみが可能とする、
蛇が全身の筋肉を自在に操作できるが如く行われる
『 筋 肉 操 作 術 』で あ る ッ ! !
し
か
し
!
それでもダメージが深刻な勝美!!
『F-44』はうつ伏せに!
ッ
「グェ!グエエエ!?」
「オゲェェエエエエエエ!!?」
ッ
機体内で、吐しゃ物を巻き散らす勝美…!!
ッ
「~~~~~~~!」(追撃が来る!)
「~~~~~~!!」(動け!)
「~~~~~!!!」(ダメージが抜けるまで何秒?)
「~~~~!!!!」(バカ!関係ない動かせ!!)
が
ば
ッ
!
起き上がる!
だ
が
!
息も絶え絶えだ…!!
し
か
し
!
「………???」
来ない!追撃が…!!
そ
う
!
『千功者』は中央で対手の構え…!!
ッ
ッ
勝美は!
「ふ…!」
「フハハハハハハハハハ!!」
「ハハハハハハハハハハハ!!」
そんな孫を笑う!
笑う!
笑う!!
笑う!!!
そしてこう言う!!
「何とも虫酸(むしず)が走るような美学があったモノだッ…!」
「崩拳以外での決着を拒むとでもッ…?」
「とにかく君は、最大にして最後のチャンスを失ったァーッ!!」
『F-44』は起き上がった!!
「コォ…オォッ…!」
空手独自の呼吸法『息吹』。
息吹とは簡単に言うならば、
逆腹式呼吸と言われる「丹田呼吸」の事だ。
逆腹式呼吸と言われる「丹田呼吸」の事だ。
逆腹式呼吸は息を吸った時に凹み、吐いた時に膨らむ。
呼吸を整えるための第一歩は、まず空気を出しきる事。
その為、内臓やインナーマッスルが活性化しやすくなる。
そ
の
!
息吹で呼吸を整え、ダメージを抜く勝美。
そしてこう言う。
「中国拳のマッハ。」
「大したモンだったな。」
孫は問う。
「だった?」
勝美。
「百聞は一見に如かず。」
「百見は一触に如かず。」
「貰ったぜアンタの『マッハ』…ッ!」
孫!
「ただの一撃でワタシの拳を覚えタト?」
ダ
ン
!
『F-44』は跳躍し!
グルングルングルン!!
再びムーンサルトで、
闘技場中央に着地するッ…!!
闘技場中央に着地するッ…!!
勝美は問う。
「試してみるかい?」
ッ
『F-44』と『千功者』は、再び対手の構えに。
ッ
孫!
「………ッ!」
勝美!
「ッ………!」
ッ
互いに気が満ちた…ッ!
次
の
瞬
間
!
ド”パ”ァァ ア ァ ァ ァア”ア”ア”ア”ーー ー ー
ッ
ッ
ーー ー ア”ア”アアア ア ア ア” ア” ア”
ッ
ッ
アンア”ア ア” ン ン” ア アア”ア”ー ー ーー
ッ
ッ
ーー ー アンアンアン ア ン ア” ア ア” ア” ン” !” !” ! ”
ッ
ッ
ド”ッ”ッ”ッッパァァァアア”ア”アア”アア”アア ア ア ア ア ア ア” ア” ア” ン” ン” !” ! ”
ッ
ッ
再び『破裂音』が高鳴った!!
『拳が音速に達した音』!
『二者同時』にであるッ!!
そ
し
て
!
「グゥゥウウウ…!!」
此度(こたび)は!
勝美のマッハ!
勝美版の音速の崩拳が勝り!
穿(うが)つは腹部!
吹っ飛ばされるは、孫 秀炎(スン シウヤン)!!
し
か
し
!
打ち込まれる瞬間感じた『勝美の天才性』に、
『李 白鳳(リー パイフォン)』がダブり…!
捨てたはずの『白華鳳凰拳の動き』で、孫は受け身を取ったッ!!
ッ
(まさか、ワタシが『白華鳳凰拳の動き』を取るトハ…!?)
(“白き鳳凰”と例えラレル、白華鳳凰拳の動きハ、
『猿舞爪襲』『鳳凰天舞脚』等に見られるヨウニ、
“華麗にして、身、軽し”…ッ!!)
(それ故、受け身の段階カラ、身軽さを重視サレ、
その動きは骨の髄にマデ、叩き込まレル…ッ!!)
だ
が
!
(完全に受け流せなイ…!)
(意識ガ…ッ!?)
孫は意識を失った…!!
○1×年前
拳と手の平を胸の前で合わせ。
一礼をする少年。
その少年の名は『李 白鳳(リー パイフォン)』。
その白鳳が、ワタシを倒したヨ。
初めて…。
白鳳に敗北(ま)けタ。
時間の問題だと思ってタ。
ワタシは白鳳より4歳年上。
成長期の白鳳にとって、
4歳の体格差は大きなモノだと思ってたガ、
日に日にワタシの利が、無くなって行くノ、
理解してタヨ。
白鳳は白華鳳凰拳を愛シ。
白華鳳凰拳は白鳳を愛してイル。
そんな感覚があっタヨ。
この敗北を皮切りに、
ワタシは白鳳に勝てなくなっタ。
悔しかっタ。
ただただ…。
『 悔 し か っ タ 』ッ ! !
負けたくなイ…!
誰ニモ!もちろン…!!
李 白鳳ニモッ!!
ッ
ッ
それから…。
始まっタんダナ…。
二度と…!
涙セヌ…!!
『 道 』ッ ! !
ッ
崩拳の修練…ッ!!
ッ
幾度となく!
幾度となく!!
幾度となく!!!
幾度となく!!!!
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
○現在“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
数舜(すうしゅん)であった。
数舜、意識を失った。
そ
し
て
!
「ッッ!!!」
覚醒(めざ)める…ッ!!
(来る!大蛇の追撃が!!)
追撃に備え、構えを取る孫ッ!!
し
か
し
!
「起きたかい?」
勝美は中央で対手の構えを取っていた。
孫は…!
ヒューゥ…!
ヒューゥ…!!
乱れた呼吸でこう言う。
「虫酸(むしず)が走る美学…。」
「じゃあなかったノカ…?」
勝美!
「あんな真似されて…。」
「私だけが追撃する訳にはと思わないか?」
そ
れ
に
だ
「この試合…!」
「“対手”以外で
勝ち得たくないと思っているッ…!!」
孫!
「その意地にも似た、頑なまでの“信念”」
「大蛇…ッ。お前もまた…ッ!!
“ 武 人 ” で あ っ タ カ … ! ! 」
勝美!
「こんな気持ち久し振りだ。」
孫!
「お前の崩拳で、意識を失イ…ッ。」
「その数舜の時を得て…ッ。」
「ワタシも、久し振りニッ。」
ッ
「 初 心 に 帰 れ タ ッ ! ! 」
勝美!
「そうかいッ…!」
「初心かどうか忘れちまったがッ…!」
「私も…そうなんだッ…!!」
「こんな気持ちは、何時以来だろうかッ…?」
ッ
「“這い上がってでも勝ちたい”『自分』がいるッ…!!」
ッ
サク…!(『千功者』は…!)
サク…!(歩み出す…ッ!!)
ヒューゥ…!(歩きながら…!)
ヒューゥ…!(息を整える…!)
闘技場中央…ッ!!
『千功者』もまた構えるッ!!
勝美!
「それじゃそろそろッ…!」
孫!
「ああ終わりにしヨウ…ッ!!」
両者、“対手の構え”にて、向かい合ったッ!!
ーーーーーー