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  • 台木(だいぎ)と穂木(ほぎ)

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台木(だいぎ)と穂木(ほぎ)

最終更新:2021年03月29日 00:20

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だれでも歓迎! 編集

台木(だいぎ)と穂木(ほぎ)



~ ??脳内思考?? ~

「…キィース。やっぱ未だに慣れネェもんだな『機動マシン』って可能性には」 
「とは言え、巨大ロボットでの闘いをせにゃならん可能性があるならば、そうも言っとられん訳だがな」
「そういう意味じゃ、今度の『ORGOGLIO最大トーナメント』とやらを見られるのは渡りに船ってモンだぜ」


~ ??最大トーナメント観戦中?? ~

「キイィィースッ! スゲェ! スゲェなこりゃ! これなら選択肢に入れても、さして後悔せずに済みそうだ」
「流石に『メイア・ルーア』なんて回る棺桶に乗るのは、真っ平御免被るからな」

「まぁ奴さんが機体から降りる様にも仕向けちゃいるが、あんな搦め手だけで上手く行きゃ苦労しねぇからな」
「…っつーかよ。 あ の 野 郎 、何 で ロ ボ ッ ト の 肩 の 上 で 立 っ て や が る ん だ !! 」
「キィス! そりゃま、奴の勝手だ。勝手だ・・・が。何だか釈然としねぇ~」


「・・・オィッ? オイッ! オィイ~ッ!!」
「見た目は少し違うが、動きを見りゃあ一目瞭然だぜ・・・一体、誰だい? ありゃあ」
「キィスト・・・。・・・まぁ、あれじゃ暫くは動けんだろ。ちょいと閃いたから、少し根回ししてみっか」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~ 某日某所・夜 ~

 慎ましく玄関扉をノックした者を出迎えたのは、筋肉で堅肥りした覆面男であった。
 だが、その覆面は緑と黒の縦縞に彩られてた特異なものである。
 ハロウィンのジャックオーランタンを、カボチャの代わりにスイカで作ったらこうもなろうかという風体。

 スイカ頭は客を応接室に案内する。
 そこには先客が居り、そちらも当然の様に覆面姿。柑橘類を模した覆面を被った年配の男であった。
 しかしその覆面は鈍い光沢を帯びた銅色。さながら金属で造った果実の様相。

 金属果実の眼光は、覆面越しからでも見て取れる程に鋭い。
 その鋭い眼光は客を、黄土色の柑橘類を模した覆面の偉丈夫を見ている。

「久しぶりだな、ザボン。・・・ふむ。土産持参とは中々殊勝だな」
「悪いがWM(ウォーターメロン)君、グラスとお猪口の用意も頼むよ。ほぉ、つまみも色々とあるな。気が利くではないか」

 ザボンが提げていた袋から、まず日本酒の一升瓶やウィスキーのだるま瓶を、次いで大量のつまみを取り出すのを見つつ
 マスク・ド・サンキスト「ブロンズ」は相好を崩した。

「こいつは全てハーモニー氏の伝手で仕入れた商品でしてね。品質と味は保証しますぜ。キィース!キスキス!」
「ほほう。彼の商売も順調な様だな。実に結構な事だ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~ ささやかな酒宴 ~

「・・・で。早速、本題で悪ぃんですが。お願いしてた件の首尾はどうですかね?」

 ザボンはブロンズの猪口に日本酒、WMのグラスにウィスキーを注ぎつつ尋ねる。


 ブロンズは静かに銘酒を舌で転がした後、枝豆を口へと運びつつ、WMに眼差しを向ける。
 WMはその眼差しを受けて軽く頷き、ザボンに返答する。

「あぁ、まず人員の方だが。条件に合う連中を数名ピックアップしておいた」そう言ってWMはザボンに書類の束を渡す。
「体格にこそ恵まれなかった奴らだが、根性と身体の仕上がりは普通のサンキスト並みにはあるぞ」

 WMは一旦言葉を切って、ウィスキーで口を湿す。 
 そして手を伸ばしてクラッカーとチーズの欠片を掴み、その間にサラミと韓国海苔を挟みつつ、WMは言葉を続ける。

「だがな。貴様の口癖『WIN-WINの関係』では、今回は双方にどういう”WIN”があるのか聞かせて貰おうか」

 ビーフジャーキーをモシャモシャと頬張ってたザボンは、それをウィスキーで口中に流し込み、その問いに答える。

「こいつにゃアムステラ軍の事情も絡むんで、未だ確約は出来ねぇんですがね。超技術で人体改造が出来るって事」
「地球の技術でも改造可能とはいえ、ライムスカッシュの奴みたいな特上の腕は早々転がっちゃ居ねェでしょうが」

 パシパシと書類の束を叩いて、ザボンは言葉を継ぐ。

「俺としても将来、自分も改造するか否かをコイツらの仕上がり具合を見て判断が出来ますしネェ~」
「この程度の利得なら、百文字に挑む機会を斡旋した手数料としちゃ妥当と思いませんかい? キィース、キスキス!」

 それを聞いたWMは納得して頷き、空になったグラスを突き出してザボンが注ぐウィスキーを受ける。


 ブロンズも軽く猪口を呷ってから、会話を繋ぐ。

「もう一つの件だが、例の奴の素性は直ぐ分かった」
「あいつに関しては、さして特筆すべき事項も無いがな。それで一体どう使う気だ?」

 ザボンは齧っていた裂きイカを指揮棒の様に掲げて、それに答える。

「宣伝でさぁ。あの『地下プロレス最後の日』以降、この裏の世界でも百文字の足取りは暫く不明だったでしょうが」
「だが、ここ最近になって奴さんの方から動きを見せてくれた」
「ならば俺達も、それに便乗してやるべきだと思いましてね」

「・・・ほぉ? 百文字に協力、だと?」

 胡桃を殻ごと摘まみ上げつつ、ブロンズは問い返す。
 鋭い眼光でザボンを射抜くと同時に、その親指と人差し指の間では胡桃がミキミキと軋み音を上げている。

「そう。奴さんにもまぁ、事情はあるんでしょうがね。どうやら今は陰で知名度を上げようとしてやがる」
「そして実は俺達にとっても、奴の知名度が上がるのは望ましい」
「実際の話。単なる『元地下レスラー』如きを倒しても、俺達の留飲は下がらない。そうでしょうが?」

 ビキィッ!
 殻を挟み割った胡桃の中身を器用に摘み出しては口に放り込みつつ、ブロンズは応じる。

「・・・我々の望みは『暗殺』では無く、あくまでも『名誉挽回』だからな」
「一歩間違えれば『地球の裏切者』扱いされるかもしれんが、我々の大義の前には些細な事よ」

 ブロンズはザボンの意見に同意して鷹揚に頷く。そして空になった猪口を、今度は用意が出来た熱燗の方へと突き出した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ザボンはいそいそとブロンズの猪口に熱燗を注ぎ、また別の話題を切り出す。

「あぁそうそう。地球だ宇宙だと言やぁ、オメガの奴も元気にしてるみたいですぜ」
「奴さんにしちゃ地道に、アムステラ軍での地位を高めてってるみたいですがねぇ。キスキスキス!」

 面白がった時のクスクス笑いに相当する、サンキスト特有のキスキス笑いを放ちながら、ザボンも熱燗の杯を干す。
 それを聞いたWMは、口元をへの字にしながらぼやく。

「勿体ない。あいつの実力なら一廉(ひとかど)のサンキストとして活躍が出来たろうに」
「そこまで出世欲に憑り付かれているとはな。権勢を得て一体、何をするつもりなんだ?」

 そこでザボンの表情が変化する。覆面越しにでも、片眉を跳ね上げたのが伝わって来る。

「いやいやいや、WM教官。そいつは愚問ってモンですぜ」
「多かれ少なかれ、俺達サンキスト一族の行動原理には、あの『耐撃の百文字』の奴が関わってきやがる」
「ましてやオメガの奴は、あの『地下プロレス最後の日』に関わってかつ、生還する事も出来たサンキストだ」


 そこで一旦言葉を切り、ザボンは遠い目をして当時の事を思い返す。

「あの一件。当時、若手随一の実力を誇っていたオメガの野郎や、腕利きのビッグとシャープのコンビ…」
「戦隊ギミックの五人衆を始め、サンキストの精鋭共を投入した、日本地下プロレス協会・新会長配下との大喧嘩…」
「結局、いつの間にか百文字を取り逃がした上に、蔵金芯太郎にも恨まれちまったのは…キィーッス。まぁ、ご存じの通り」

 手酌で熱燗のお代わりを注いで一息に干し、ザボンは話を続ける。

「後でオメガから聞いた話じゃあ、あいつらが突入した時。百文字の奴ァ罠に嵌められて瀕死寸前だった、とか?」
「でもってオメガの野郎。その時の流れで芯太郎の奴を直接ボコッたそうじゃないですかい」
「それなら百文字を捕捉・確保するのにも、邪魔な芯太郎を黙らせるのにも、権力が必要だと思うのは当然でしょうが?」

 その言葉を聞いたWMは得心して頷き、ブロンズも心なしか得意げな様子でザボンの説に頷くWMを見やる。


「そういう意味では、ドラゴンフルーツの奴も現在は面白い立ち位置に居やがると思いますがネェ。キスキスキス!」

 そう言いつつ、今度はウィスキーとオレンジジュースを1:1で大ジョッキに注いで手際良くブレンドするザボン。
 そしてWMが突き出したグラスと自分のグラスに氷を放り込み、その上からオレンジハイボールを注ぎ分ける。

「ま、今はドラゴンマスクでしたっけか? 表社会のベビーフェイスだから直に連絡するのは憚られますがね」
「でもここで上手い伝手がありゃ、奴さん達にも一働き……」

「待て。奴らはサンキストの名を捨てた粛清対象だという事を忘れ……」

 ザボンとブロンズの科白が突然断ち切られ、それと同時に彼らはWMの背後、即ち戸口の方を凝視している。
 WMも背後に言い知れぬ気配を感じたが、彼とて一廉の戦闘者。即座に状況判断を行い、最適な行動を選択した!

 WMは身体を浮かせて一歩前に踏み出し、両手を伸ばして空の盆を手に取る。
 その上にブロンズが手早く予備のグラスと猪口を並べ、そこへザボンがオレンジハイボールと熱燗を注ぐ。
 密やかに、だが素早く振り向いたWMは笑みを浮かべ、背後に居た2人の方へと向いて声を掛ける。

「ささっ。小梅様、小竹様。まずは御一献」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「キィストキスト! オメガ坊は元気にしておるとの事じゃな! 善哉、善哉!」

 金色のオーレンジ覆面・小梅がオレンジハイボールを一息に呷りつつ笑う。

「オーレンジ! ザ坊(ぼん)も、何やら面白げな事を企んどる様じゃの。そのドラ坊を利用する件、何とかなるかもじゃぞ」

 銀色のオーレンジ覆面・小竹も熱燗を呷りつつ、WMが作っていたクラッカーおつまみを摘んでは齧る。


「ホレ、WMのなら覚えとるじゃろ。確か年の頃はオヌシよりちょい上ぐらいじゃったか? 馬黒のミソッカスな隠し子よ」
「あの百文字かぶれ、悪タレ小僧の芯太郎に目を付けられておったからのぉ。上手く逃げてくれて良かったわい」
「何でも、顔と素性を変えた後は欧州辺りでブイブイいわせておったらしいがの」
「それが今やORGOGLIOの敏腕スカウトだそうじゃからな。世の中、面白いものよ」

 小梅と小竹は交互に喋りまくる。

「それとブロンズの。オヌシの指摘も尤もじゃがな。表社会に出た連中に関しては、基本的に黙認でも良いじゃろうて」
「無論、これは非公式の話じゃぞ。しかし利用価値があると言うのなら、公式にするのもやぶさかではないがのぉ」
「それにしても。ひょっこり帰って来た風来坊が、そこの教官共とつるんでひそひそ話」
「何ぞ面白げな話でもするかと思えば案の定。この婆達の耳目を免れると思うたか」

「「ワシら抜きで密談するのは百年早いわい! キィース! キスキス!」」

 最後に金銀のオーレンジ覆面の科白がハモる。


 今度は趣向を変え、裂きイカを肴に日本酒を冷やで堪能する小梅と、枝豆と胡桃を交互に齧りつつウィスキーを嗜む小竹。
 裂きイカをしゃぶりながら、小梅がしみじみと語りだす。

「ちと例え話をするぞい。オヌシら若造にゃ馴染みは薄かろうが、盆栽には『接ぎ木』という手法もあっての」
「土台になる『台木(だいぎ)』に、枝葉となる『穂木(ほぎ)』を挿して繁殖させるという重要な盆栽テクニックじゃ」

 ウィスキーで唇を湿しつつ、小竹もそれに続けて語る。

「言ってみればワシらの技は『カポエイラ』という台木を『日本古武術』という穂木で彩った合わせ技よ」
「じゃがドラ坊やら、ありゃ誰じゃったか……そうじゃ、エックスの息子辺りの台木は、穂木を繁茂させる目的の支えじゃ」
「それ故、あ奴らの様なタイプの粛清対象に対して、ワシらから積極的に動く気はあまり無いのじゃよ」

「じゃがな、ザ坊(ぼん)。オヌシはもう少し剪定した方がえぇかもしれんの」
「大方、舶来モノ好きな熱情(ヘルファイア)の影響を受けたのじゃろうがな」

「まぁその件は後でじっくり詰めるとして」
「まずはその『百文字をぷろでゅーす』とやらの話を打ち合わせるとしようかのぉ」

 この後、5人のサンキストによる密談がしばし続いた・・・。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~ ORGOGLIO(オルゴーリョ)提携病院・病室 ~

 『ORGOGLIO最大トーナメント』から十数日が経過したが、未だワックス・ワイズは入院していた。
 それは『殺人野球』の使い手・犬鳴了が放った奥義『死神ボール』を股間に受けた所為である。

 だが幸いな事に、それは生身の股間に受けた打撃では無い。
 闘技エンターテイメント用スポーツマシン『修斗(シュート)』の、ペインセンサー越しに伝わった痛みである。
 とは言え、受けたのは時間経過と共に痛みが強くなる上に、それが3ヶ月は持続するといわれる魔技・死神ボール。

 現代医学でも解明し切れぬ地獄の痛みに未だ悶え続けるワックス・ワイズだったが、その彼の元に訪れた見舞客。
 それは、ORGOGLIOにワックス・ワイズを斡旋してくれた男。ダンチョ・タンチョであった。


「ウッキョッキョッキョ! チミィは良い仕事をしたでゲスよ! 病院送りは災難でゲシたが、まずは養生するでゲスよ」

 だがワイズは、その躁状態な労いの言葉に潜む複雑な感情を感じ取っていた。

「ダンチョさんよ・・・今日の用件、それだけじゃ無ぇんだろ? まずはその籠の中身を見せてみな」
「・・・鋭いでゲスね。だから先に念押ししておくでゲスが、これは『ワックス・ワイズ』との対話でゲスよ」

 そう言いつつ、ダンチョは持参した果物籠に被せていたランチョンマットを取り除ける。
 その中身は、数個の瑞々しいオレンジ。それを半ば予測していたワイズは、軽く吐息を漏らす。

 次いでダンチョはポケットから硬貨を取り出し、ワイズに向かって親指で弾く。
 空中で硬貨をキャッチしたワイズは、その感触に眉根を寄せる。

「・・・折り曲げた硬貨?」「…いや。折り曲げたのを再び曲げ戻した硬貨でゲスね」


 ワイズの言葉を訂正したダンチョは、遠い目をして語る。

「これはかつてワシが知っていた、ある覆面レスラーの話でゲスよ」
「奴は試合の際『貴様もこうしてくれる』とばかりに、親指と人差し指で硬貨をへし曲げるパフォーマンスをしていたでゲス」
「だが、ワシもそんな風に硬貨を元に曲げ戻したのは初めて見るでゲスね」

「って事は……俺は許された、のか? それで俺に一体何をさせようってんだ?」
「密かに彼の噂を広めるでゲスよ」「…誰の?」「耐撃の、百文字」「ッ!!」


 因縁深いその名を聞いたワイズは思わず硬直するが、ダンチョはそれに構わず、嬉しげな口調で言葉を紡ぐ。

「何でも百文字は、今やアフリカ南部の新興国家『レゼルヴェ国』における影の支配者だという噂でゲスよ」
「ここに資料もあるでゲスから、暇な時にでも一通り目を通して欲しいでゲス」


「・・・おい、ちょっと待て。どれもこれも信憑性が薄そうな『資料』ばっかしじゃねーか!」

 そのゴシップ雑誌などの『資料』を一瞥したワイズは文句を付ける。

「要は『耐撃の百文字』の名と、その生存が再びその筋の人間に知れ渡れば良いでゲスからね。信憑性は二の次でゲスよ」
「先日の試合に出場していた『カロ籐 清登(かろとう きよと)』や『壊撃(かいげき)のユージン』とか」
「あの辺の連中に百文字の存在を匂わせて置けば、後は勝手に話が膨らむって寸法でゲスよ」

 喋ってるうちに、どんどんダンチョの鼻息が荒くなってゆく。

「上手く話が膨らんだらこの際、表裏は関係無しにワシが直接スカウトしに行きたい位でゲスがね!」
「ウケッコウケッコウケケコラン、ケペェ~~~~~!!」


 感極まって遂に奇声を発し始めたダンチョを尻目に、ワイズは資料をパラパラとめくる。
 そしてフト果物籠を見やると、オレンジの陰に小さな菓子箱も入って居たのに気付く。
 その箱を手にして蓋を取ると、中身は柑橘類の砂糖漬け。

「・・・あぁ、そういう事かよ。あの変人野郎が一枚噛んでやがったのなら納得だぜ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~ ORGOGLIO(オルゴーリョ)提携病院・ダンチョ来訪の翌日 ~

 この日は、意外な見舞客がワックス・ワイズの元に訪れていた。
 来訪者は“殺人野球の申し子”犬鳴 了(いぬなき りょう)。ワックス・ワイズを病院送りにした張本人である。

「キヒヒヒヒヒヒ…。そう嫌な顔をしなさんな。見舞いのついでに、ちょーっと尋ねたい事があるだけだっちゃ」
「俺(おりゃあ)の『死神ボール』を喰らった感想をな。いや、こりゃあ冗談や愚弄とかじゃぁのぉてな」
「実際に、ましてや修斗越しに喰らった奴の話を聞ける機会なんてぇのは、俺(おりゃあ)も初めてだっちゃからね」

 そう言って犬鳴は笑顔を浮かべるが、ぼさぼさの長髪で右目に眼帯、左目にも濃い隈が浮かぶ不健康そうな顔。
 そして一本の出っ歯を剥き出しての怪笑からは、どう見ても狂気しか感じない。

「いやいや、何もタダで喋ってくれなんて図々しい事は言わんっちゃ。ちゃんと見舞いの品もあるっちゃよ」
「何なら無聊を慰めるのに、PPPのP国での武勇伝をひとくさり語っても良いっちゃ」

 そう言いながら犬鳴が取り出した見舞いの品は、ダンシングフラワーの鉢。
 サングラスを掛け、ニヤケ笑いを浮かべた造花のヒマワリがゆらゆらと揺れている。


(「この野郎・・・多分、本気で言ってるんだろうが。それで対価になるとでも思ってんのか、狂人め・・・」)
(「大体、貴様の武勇伝って何だよ・・・んっ? いや、ちょっと待て!」)

「おい。PPPのP国って言えば、近くにレゼルヴェ国もあったな。そこを影で支配し…」
「…あぁ。ルイヌーヴォーとか言う太っちょのオッサンだっちゃ?」
「そっちじゃ無ぇ! 影で! 支配してる! 『真の首相』とか『影の総理』とか呼ばれてる奴の噂だ!」


 妙な処に食い付いて来たワイズの反応を見て、犬鳴は沈思黙考。
 ややあって怪笑を浮かべながらワイズの問いに答える。

「あぁ。その噂なら聞いた事があるっちゃよ。レゼルヴェ国民から『オサ』と呼ばれている巨漢の英雄の話をヨォ」
「俺(おりゃあ)の推測が正しけりゃ。その前身と因縁のある覆面集団の話も知ってると言った方が良いっちゃか?」

「いや。そいつは今の俺にとっちゃ最早、関係の無い話だ」
「テメェは武勇伝のついでに、そのオサの話もしてくれりゃあ良い。他の奴にも広めてくれりゃ、もっと良い」
「その代わり、俺も『死神ボール』とやらを喰らった感想を聞かせてやるぜ、たっぷりとな」

「よーし! 交渉成立だっちゃ!」
「自分が使っている『殺人技』にどの程度の効果があるかを知っとかないと、どうにも気持ち悪いっちゃよ」
「だからまた機会があったら、宜しく頼むっちゃ!」

「二度と喰らう気は無いぜ、馬鹿野郎」


 数時間後。互いに新たな情報を仕入れたら知らせる約束をして、犬鳴は帰って行った。
 その夜。ワイズは色々と入り混じった感情を整理してから、股間の痛みを堪えて眠りについた。

 そして翌朝。

 鉢の底から足を生やして立ち上がり、ヘッドシェイクしながら大音量のデスメタルをがなり立てるダンシングフラワー。
 次の瞬間。ワックス・ワイズ怒りの鉄拳がダンシングフラワーに炸裂したのであった。


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