とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part03

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3.素直な自分として過ごせる日々


今日もアイツを待ち伏せ、出会う。

当麻「げっ…ビリビリ…」

美琴「ビリビリ言うな!御坂美琴って素敵な名前があるんだから覚えなさいよ!
   アンタ!レベル0なんですってね!
   なんでレベル0なのにそんなに強いのか説明しなさいよ!」

当麻「うっ…(なんで俺がレベル0だって知ってる…いつものハッタリがばれたか?)
   お…俺はレベル6だぞ?(キリッ!」

美琴「嘘ね!わたし、ちゃーんと知ってるんだから~。ニヒヒ。
   とりあえず、今日の新技くらいなさい!
   電磁力で加速してそのままビリビリ帯電キーック!」

当麻「うわーーー!あぶねえな。そのスピードでビリビリ付きの蹴りくらったら
   病院送りどころじゃすまねえぞ!?」

美琴「ふん!レベル6なんじゃないの!?それにどうせいつもみたいに
   効かないんでしょうが!わたしの相手しろーーーっ!」

当麻「(う、めんどくせえ。とりあえず、ハッタリかましとこ)キリッ!
   俺が本気だせばお前のビリビリを永久に封じることもできるんだぜ?」

美琴「えっ…(びくぅとした表示になって)
   わたしのこの数年間の血のにじむような努力の結晶が消えてしまう?
   将来への夢もいっしょに…嘘…いや…それだけはやめて…」

当麻「えーっと…もしもしー。御坂さん?突然泣かれても上条さん困っちゃうんですけど…
   あはは…参ったなこりゃ。泣かれちゃうと、こっちも悲しくなってくる。
   そういう顔はみたくないな。
   いつもみたいに怒ったり、高笑いしてるほうがお前らしいぜ?なあ」

美琴「ひぐっ…え?今、御坂さんっていった?(ビリビリから格上げ?うれしいかも…
   それに今の駄々っ子をあやす困ったような優しい顔、
   癒されたな…ドキっとしちゃったかも?)」

当麻「なんだ…こいつ。突然、赤くなってニコニコしだしたぞ。大丈夫か?
   (あ…でも、いつも怒ってこっちを睨み付けているガラの悪い顔か、
   不敵な笑みか高笑いカマすそんな顔しかみたことなかったけど
   ちゃんとした笑顔初めてみたな。意外とかわいいかも?ドキドキ!)」

美琴「あ!そうだ!アンタやっとわたしの名前覚えたわね?
   よかったらわたしの友達にしてあげてもいいわよ!
   この美琴センセーの友人様になれるなんて、またとない光栄なことなんだからね?
   じゃ手始めに携帯番号をば…」

当麻「で、ビリビリよぉ。俺はせっかく名前おぼえてやったのに
   なんでお前はアンタって呼び方のままなわけ?」

美琴「あーーーっ!またビリビリに戻ってる(ガックシ)うっさいわね…
   アンタはアンタよ。(ほんとは当麻ってよびたいけど、
   いきなり親しすぎる気もするし、年上だからさんか君づけしたほうがいいかな?
   いやいやアンタはわたしの友達になる資格があるんだから
   わたしは親しみをこめて呼びたい。でも気恥ずかしい…
   上条当麻ってフルネームで呼ぶ?それも変だ。
   えーい!やっぱアンタでいいや!)」

と、当麻の呼び方をあーでもない、こーでもないと考えているうちにアイツは消えていた。
ちょーっ!どこいったのよ!

その微笑ましげなやり取りを、横から見ていた者たちがいる。初春と佐天である。

初春「これは要チェックです!」

佐天「あの…あのあたしたちといるときは、イケメンぶり発揮しまくり、
   お姉さまオーラ全開の御坂さんが…
   怒ったり、わめきちらしたり、泣いちゃったり…まるでキャラが違う!
   極めつけは泣いたあとの笑顔!白井さんがベタボレになるのもわかるわ~。」

初春「御坂さんていつもクールビューティか熱血してるかのイメージしかなかったですが、
   あんなかわいい一面もあったんですね。びっくりです。」

佐天「それより、御坂さんをあんな丸裸にしちゃうあの人は何者なんだろう?」

初春「御坂さんとわたりあっていたから、きっとレベル5なんでしょうね。」

佐天「あーあ、レベル5か。うらやましいなあ、二人とも…
   ん?そういえば、御坂さんわたしの友達にしてやる!って言ってたよね?」

初春「どうみても、既にお友達な雰囲気にしか見えなかったですけど、
   まるでジャレているようにも見えなかったというか。」

佐天「まさか…御坂さん…恋しちゃってます?
   これはおもしろいことになってきたかも!?うひひひ」


場面は美琴に戻る。
あう。今日もお友達になる作戦失敗。携帯番号くらい聞きたいなあ。
気分を取り直して、マンガでも立ち読みに行こう。

マンガなんて読むとアホになると先生に言われて
自分に厳しく生きていこう!と決めた幼少の日から読むのをやめていた。
思えば小学生の頃は、マンガは一冊も読んだことがない。
こういうところも、わたしとみんなの間に壁を作ってしまって
疎外感が生まれていた原因なのかもしれないな…

レベル5に達してしまったこと、そしてレベル6は到達不可能という現実。
そして、本当にわかりあえる、心を許せるような友人とめぐり合えないこと。
表面的には、まわりは「お姉さま」「御坂様」と慕ってくれては
いるけど、わたしが求めているのはそういう関係じゃない。
生まれついてのカリスマ性がそうさせてしまうのかな?(って自分でいうな)
そう思って、男みたいな汚い言葉遣いや、普段のガサツな態度もその裏返しで
わざと自分を下げてみたりもしてるけれど、
それも逆効果で「イケメンぶりが素敵です。」
「ちょっと不良っぽいところもまた・・・(ポッ)」
とこのような展開になってしまう。
女の子ってちょっとワルっぽいヤツが好きって本当なのね。
あしたから、ブリブリのキャラになろうかな。
「当麻おにいちゃ~ん、美琴たん、会えなくてさびしかったんだから…
 うるうる…」あー!!!!ダメだ、こんなのわたしのキャラじゃない!

と、もろもろと悩みを抱える思春期なわけで、いろいろ疲れている。
でも、自分はレベル5。まわりの期待に答えなくてはならない
存在だから、弱みは見せられない。
自販機に蹴りを入れてしまうのもそんなストレスのはけ口かもしれない。
勉強も小学生のときほど身が入らず、ゲームセンターに入り浸ったり、
マンガにはまるようになった。
こんなお姉さまキャラになるために、
いろいろ頑張ってきたわけじゃないんだけどな・・・
さ!マンガでもよんでリフレッシュしよっと!

マンガは先生方がすすめてくる活字の本より、ストーリーは幼稚かもしれないが、
キャラクターがラブリーだ。特にこのゲコ太…最高!
ゲコ太にであってからマンガの立ち読みはわたしの重要な趣味の一つになった。
幼かったあの日に失ったものを取り戻すかのように、
わたしはマンガのキャラクターに夢中になった。
黒子に「お姉さま、少女趣味すぎませんこと?」
とよくジト目でつっこまれることがあるが、
かわいいものはかわいい。
とある人気漫画のキャラクターがかっこよくて最近のお気に入り。
ドラドラボール。主人公の必殺技が自分の決め技であり、
通り名でもある超電磁砲にソックリで親近感を覚える。
実はこの作品、学園都市に入学する前にみたことがある。
いまだに連載してるんだ。と、感心。
昔みたときは、主人公は幼くてヒロインの女の子よりずっと小さかった記憶がある。
それがこの掲載号ではなんと!結婚してしまったのだ。
ヒロインだと思っていた子ではなく、これも昔ちょっと見たことのある
脇役っぽい女の子と結婚していた。
この主人公、髪型がツンツンヘアーである。
あ…これって、アイツの髪型に似てるかも…。
新婚の二人は空を飛んでアツアツの雰囲気。
主人公がアイツで、このお嫁さんはわたし…

そこで、美琴の妄想癖が爆発した。

当麻「お前があんときの子だって、最初あった時は全然わからなかったぞ。」

美琴「なんでこんな美少女のこと忘れるのかしら?死刑よ!死刑!」

当麻「はっはっは。あんときは、お前チンチクリンのガキだったもんな。」

美琴「何よ!アンタもでしょうが!」

当麻「わりぃわりぃ。結婚ってうまい食いモンのことかとおもって
   もらえるならもらっとこうと思って、適当に返事しちまったこと覚えてる。」

美琴「え…そんな…結婚の意味もわからないのにわたしといっしょになったの?」

当麻「ちげぇよ。今のおれは結婚の意味、ちゃんとわかってんよ。」

美琴「良かった…。じゃぁ今のわたしのことどう思う?」

当麻「拳を交えれば、相手がどんな奴だかわかる。お前は熱いハートをもってる。
   腕っぷしも強いけど、心の強さの方に正直たまげたな!
   頑張り屋さんで、正義感、責任感が強くて・・・
   自分を犠牲にしてでも他人のことを優先してしまう優しすぎる人間。
   そんな奴といっしょになれて幸せじゃないなんて言ったら罰があたるな。ははは」

美琴「そんな…ちょっと買いかぶりすぎかな?
   でも、アンタが昔と変わってない真っ直ぐなやつで安心したよ。
   背は高くなったけどね。あの時からもう心に決めてたんだから…」

当麻「うーんっと…でも、お前は昔と変わったな。」

美琴「えっ…?」

当麻「いやぁ、見違えたというか。う・・・うん、そういうことだ。言わせるなよ…(赤くなる)」

美琴「嬉しい…当麻ぁ…一生、わたしはあなたのものよ…」

空中でデートを心から楽しむ二人であった。


エヘヘヘ…空中デート、ロマンチック…
コンビニの店員が怪訝そうな顔でこっちをみているような気がしたが、
この幸せな気分にもう少し浸っていたかったので無視。が、しかし…

なんと!佐天さんと初春さんが横でニヤニヤしているのに気づいて、
顔から火が出そうになる。ちょっ!いつからそこにいたの!?
外にいる人もこっちを振り向くくらいにでかい声で絶叫してしまう。
自分はかなり恥ずかしい緩んだ表情していたに違いない。

佐天「ちょっとー。御坂さん、どうしたんですか?顔赤いですよ(笑)」

美琴「な…何いってんのよ!今日、暑いわね~」

なんだかいつもと違って冷静な思考ができない!なんでよー!!!

佐天「え?店内クーラーガンガン効いてますけど」

美琴「えっ…そ、そうね。おかしいなぁ。わたしのとこだけ風こないのかな、アハハ…」

佐天「あらら、そのマンガ、ドラドラボールですね。今週号あたしも見ましたけど、
   主人公、結婚しちゃうんですよね。ビックリしました。」

初春「あ、この主人公ってそういえば、さっきの公園で御坂さんといっしょに
   いた人にかなり似てますね。」

美琴「アンタたち、あの公園の一件みてたの!?」

元に戻った顔がまたカァーッと赤面する。

佐天「ハハーン…この主人公ねぇ。どうしてさっきから御坂さんが幸せそうな
   顔してたかわかったような気がします。ふふっ。」

御坂「ど…どういう意味かしら~~~???」

もうこの場から逃げたい。人一倍、羞恥心が強い性格な為、
頭から湯気がでそうなほど顔が熱くなってきている。
電磁力ダッシュで飛び出そうと思ったが、
それではまわりの商品がメチャメチャになりそうなのでやめた。

美琴「はーぁっ…あのやり取り見られちゃったか。
   あの時のわたしってアンタたちがいつも見てるわたしとちょっと違ったかもね…」

初春「いや…ちょっとどころというか…すごいかわいい一面みちゃった気がします!」

美琴「え?かわいい?」

かわいいなんて、ナンパ師以外から言われたの超ひさしぶり。
女の子からじゃなくてアイツにも、そんなふうに言われてみたいかも?エヘヘ…

佐天「もしもーし。どこいっちゃったんですかー???
   でも、御坂さんの素顔って実はあっちのほうなのかもしれませんね。
   何かに対する責任感や、使命感みたいのがあって、
   それが周りに壁をつくったりしてるのかな?
   そんなふうにしてると疲れちゃいますよね。楽にしてくださいよ。
   そうだ、あたしたちにもあんな風に接してくれるとうれしいなあ。」

美琴「…(佐天さんって実はすごい子よね。うちの盛夏祭にきた時も、
   なんでもできちゃうこのわたしより刺繍がうまかった気がするし、
   今もちょっと心の中、のぞかれた気がする…
   レベル0なんて、努力しないで遊んでるバカなやつって
   軽蔑してたこともあるけど、気になるアイツもレベル0だし。
   認識が改められるわ、ホント…)
   うーん、でも、わたしはアンタたちより先輩だし。
   やっぱり頼りになるアネゴポジションでいたいかな…」

佐天「そうですか…でも!白井さんのこと黒子!ってよんでますよね。
   すぐにジャレあう仲にとはいかないかもしれないけど…
   手始めに初春とあたしをファーストネームでよんでください!
   いつか、御坂さんがほんとに心を許してくれるのを待ってるんですから!」

美琴「あ…ありがとう(じーんと涙目)そうね!じゃあ、涙子、飾利!
   今度からそう呼ぶね!」

初春「よろしくお願いします!あ、でも今の笑顔かわいかったです!」

佐天「うんうん、かわいいのぅ。」

美琴「ちょろっとー。年上をからかうもんじゃないわよ!」

佐天「でも、あの男の人には、自分から友達にしてやる!っていきまいてましたよね。
   妬けちゃうなあ(ニヤニヤ)年上趣味なんですね。御坂さんって!
   やっぱ、同年代や年下には御坂さんと対等につきあえる
   器をもった人っていないんだな。きっと」

美琴「ちちち、違うって。アイツはバカなくせに、キザでかっこつけで
   ふざけた態度で人を馬鹿にして、金にいじきたなくって
   おせっかいで、強くて、優しくて、あれれ?とにかくムカツクのよ!」

早口でまくしたてたが、なんかフシギな感情がわいてきて
最後のほうは正常な思考ができなくて変なこと口走ってしまった。やばい!

初春「最後のほう褒めてません?」

佐天「ふふーん。まぁ、いいでしょう。ツンデレごちそう様でした。」

美琴「ツンデレって…あの木山先生もそんなこといってたわね…
   それって、冷たい態度とってるけど、実は好きってやつよね。
   でも、本当にアイツとはなんでもないんだから!
   ちゃんと話もしたことがないくらいだし…
   だから、アイツがどんなやつかよく知らない。
   優しくて強いやつだっていうのはわかるけど、
   実はド変態の浮気野郎とかかもしれないし、それだったら許せない!
   だいいち、向こうもわたしのこと、気にも留めていないみたいだし…
   何回も名前で呼べっていってるのにビリビリ中学生!とかふざけた呼び方。」

佐天「ふーん、まだその程度の仲かー。
   でもでも!御坂さんって男嫌いだと思ってたのに、
   あの人だけには気を許してますよね。あーーー、一途な御坂さんかわいい!」

初春「お嬢様の恋物語。憧れです~。」

御坂「もーーーー!!!そんなんじゃないって!!!」

こうして、彼女たちとの絆も深まった。アイツとの距離は縮まったのかな…
とにかく、楽しい一日だった。


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