番外編(6.5話)『病室は戦場』
これは美琴が上条に可愛いと言われたと思って気絶した後の話です
美琴「う……あれ…?ここは…?」
美琴は横になった状態で目を覚ました。
なんだか頭がボーっとするし、自分がなぜ眠っていたのか思い出せない。
なんだか頭がボーっとするし、自分がなぜ眠っていたのか思い出せない。
??「あ!御坂さん目が覚めました!?
??「大丈夫ですか!?」
美琴「え……」
すぐ隣で声が聞こえる。
だが光で目がくらみ姿は見えない。美琴は右手で目をこすり10秒ほど経ってようやく側に立っている人を認識することができた。
だが光で目がくらみ姿は見えない。美琴は右手で目をこすり10秒ほど経ってようやく側に立っている人を認識することができた。
美琴「あ……みんな…」
そこにいたのは友人達だった。
ベッドで寝ている美琴を取り囲むようにして立っており、みんな心配そうな顔で美琴のほうを見ている。
そして美琴は思い出した、自分は気絶してしまったのだと。
ベッドで寝ている美琴を取り囲むようにして立っており、みんな心配そうな顔で美琴のほうを見ている。
そして美琴は思い出した、自分は気絶してしまったのだと。
美琴「(しまった……みんなに迷惑かけちゃったわね…)ん……あれ?黒子は?」
初春「白井さんなら隣にいますよ。もう目は覚ましてて何も問題ないです。あ、寮監さんが見てるので大丈夫です。」
美琴「あ、そういえば私気絶だけじゃなくて漏電して……悪いことしたな…」
黒子を漏電に巻き込んでしまった記憶はうっすらあるので罪悪感にみまわれ、後で謝ろうと思った。
そして美琴は上半身を起こし友人達が立っている方を向き、軽く頭を下げる。
そして美琴は上半身を起こし友人達が立っている方を向き、軽く頭を下げる。
美琴「それから…みんなもごめんなさい…、その、怒鳴ったりしちゃって…」
佐天「何言ってるんですか!!」
美琴「え……?」
佐天の大声に驚いて美琴が顔を上げると同時に友人8人が頭を下げた。
美琴がなぜ頭を下げているのか聞く前に
美琴がなぜ頭を下げているのか聞く前に
湾内「御坂様、すみませんでした!!」
泡浮「私たちの勝手な判断で上条さんの悪口を言ってしまって…」
固法「その、上条さんに対する悪口で御坂さんが嫌な思いしてるなんて思わなくて…」
婚后「今回だけはわたくしに非があるので謝っておきますわ。その、すみませんでしたわ…」
春上「ごめんなさいなのー…」
友人達は口々に謝罪の言葉を述べた。
春上に至っては上条の悪口を何も言っていないのに頭を下げている。
春上に至っては上条の悪口を何も言っていないのに頭を下げている。
美琴「ちょ、ちょっと止めてよみんな!別に私は気にしてないし…」
初春「いえそうはいきません!!御坂さんがあれだけ言うんだから上条さんはいい人、間違いないでしょうし、お詫びと言ってはなんですが
今度こそ2人の関係がうまくいくように全身全霊を尽くします!!」
今度こそ2人の関係がうまくいくように全身全霊を尽くします!!」
初春の言葉に友人sは皆うなずいている。どうやら本気のようだ。
しかし当の美琴は
しかし当の美琴は
美琴「べ、べべべべべべべ別にいいから!!ほら早くパーティに戻ろっ!」
無駄に『べ』を連発し、あくまで上条のことはなんとも想っていないということをアピールした。
もうみんなには上条が好きだと宣言してあるのだから、協力してくれるということをを否定する意味はないのだが…
どうやって協力すべきか話し合い始めた友人たちから逃げるように美琴は勢いよくベッドから飛び降り、
仕切られているカーテンを開け会場に戻ろうとした。
が、
もうみんなには上条が好きだと宣言してあるのだから、協力してくれるということをを否定する意味はないのだが…
どうやって協力すべきか話し合い始めた友人たちから逃げるように美琴は勢いよくベッドから飛び降り、
仕切られているカーテンを開け会場に戻ろうとした。
が、
美琴「あぅ」
目の前の何かにぶつかって鼻をうってしまった。
美琴「い、痛たた…一体何が…え」
上条「あ、御坂。」
まさかの展開、美琴と同じく医務室に運ばれていた上条と遭遇した。
美琴「な、な……」
心の準備が全くできていなかった美琴はその場で硬直、さすがにこう急な展開では友人sもアドバイスをできるわけもない。
後ろから美琴を見守るしかできなかった。
後ろから美琴を見守るしかできなかった。
美琴(なんでコイツは会いたい時にいないで会いたくない時に現れんのよ……ていうか何を話せば…)
気持ちの整理がつかない美琴が話しだせるわけもなく、左手で鼻を押さえながらできるだけ上条を見ないようにする。
だがその状況は長く続かない。
だがその状況は長く続かない。
上条「あ、ひょっとして鼻うったのか?見せてみろよ。」
美琴「へ?え?え?」
上条は右手で美琴の左手を掴み、横にどかし顔を近づけてきた。
美琴「ちょ…!」
上条「んー…鼻血も出てないし大丈夫そうか…?でもちょっと赤いな。」
上条はジッと美琴の鼻を見つける。
その距離わずか10センチ、もう少し近づけばキスしてしまいそうな距離だ。
その距離わずか10センチ、もう少し近づけばキスしてしまいそうな距離だ。
美琴(近い…コイツの顔が…私の前、前に……ふ、ふ、ふにゃ…)
突然だったこと、上条に左手を握られていること、そして顔が超近いこと、美琴が気絶する条件がそろっているわけで…
上条「お、おい、なんか顔どんどん赤くなってきてないか!?これヤバいん「ちょっと勝手に行かないでくださいよ。」じゃ…」
ふいに上条が歩いてきて方向から声がした。
声を聞いた上条はとっさに美琴の手を離して後ろを振り返る。
声を聞いた上条はとっさに美琴の手を離して後ろを振り返る。
御坂妹「アナタはまだ横になっておくべき…お姉様!?起きられたのですか?
とミサカは内心もうちょっと寝とけと思っていることを隠して心配するそぶりを見せます。」
とミサカは内心もうちょっと寝とけと思っていることを隠して心配するそぶりを見せます。」
美琴「え?」
手を離され上条が遠のいたことで美琴は復活し、今の声が自分の妹であったことを認識、確認する。
上条が歩いてきた方向にはやはり御坂妹と他の『妹達』3人がいる。
上条が歩いてきた方向にはやはり御坂妹と他の『妹達』3人がいる。
さらには
雲川「ちょっと待ってほしいのだけど。私たちが話している間に勝手に会場に戻ろうとしないでほしいのだけど。」
五和「そ、そうですよ!それに本当にもう大丈夫なんですか……ってあなたは……!」
インデックス「短髪……!!ここで何してるんだよ!!!」
オルソラ「御坂美琴さん……でございましたか…?」
アニェーゼ「チッ!また女子が増えやがりましたか。」
姫神「……敵が。多い。」
親衛隊のようにぞろぞろと女の子達が登場、
美琴「な、な、なんなのこの状況!?まさかみんなコイツに気があって倒れたことが心配で医務室に…?」
神裂「!?いや私は違いますよ!?恋愛感情など抱いていません!」
フロリス「そ、そ、そうよ!!なんでこんなやつのこと…」
吹寄「あのね…あたしは姫神さんと一緒にクラスの代表としてここに来ただけ!」
上条に気があるということを否定する3人だが特に上の2人は怪しい。
すると他の女の子たちと同じく上条の側にいた結標が
すると他の女の子たちと同じく上条の側にいた結標が
結標「あら、残念ながら起きるのが遅かったわね。もうお楽しみの時間は終わったわよ?」
美琴「お楽しみ!?何!?何があったの!?」
結標の言葉に食いつく美琴、
レッサー「それは添い寝とかお触りとかですね。あ、お触りってのは上条当麻が私たちを、私たちが上条当麻を、の両方ですよ。
それでもうお触りとかじゃなくて裸をみてしまおうということで移動を始めたわけです。」
それでもうお触りとかじゃなくて裸をみてしまおうということで移動を始めたわけです。」
美琴「はぁ!?」
それを聞いた美琴はギロリと上条を睨む、
上条「違う!違うから!!上条さんそんなことしてもらったりしようとしたりしてないから!!」
美琴「……ほんとに?」
上条「ほんとだって!!御坂の知ってる上条さんは自分からそんなことをするやつじゃないだろ?」
美琴「…え……まあ確かに…………って、アンタ私のこと1回押し倒したわよね?大覇星祭で競技中に…」
美琴は一度肯定しかけたものの、大覇星祭で上条に押し倒されたことを思い出しそう言った。
あれは上条が美琴を魔術から助けようとして(結局魔術ではなかったが…)起こした行動である。
しかし当然美琴はそれを知らない。
あれは上条が美琴を魔術から助けようとして(結局魔術ではなかったが…)起こした行動である。
しかし当然美琴はそれを知らない。
上条「あ、いや、あれは………すまん…」
美琴「(す、ストレートに謝られると逆に困るわね…)
べ、別にいいのよ、アンタが私に変なことしようとしたわけじゃないのはわかってるし…」
べ、別にいいのよ、アンタが私に変なことしようとしたわけじゃないのはわかってるし…」
美琴も上条もあのシーンを思い出し恥ずかしくなったのか少し顔は赤くなっており、なんと2人の間に桃色空間が広がっているように見える。
だがそんな空間が生まれることを彼女達が許すわけがなかった。
だがそんな空間が生まれることを彼女達が許すわけがなかった。
アニェーゼ「…でもアナタは私の裸を見ましたよね。」
上琴「「え?」」
インデックス「……余り思い出したくないけど私もなんだよ…」
神裂「そ、そういえば私も着替えているところを…」
オルソラ「私もお風呂に入っているところを見られたのでございますよ。」
医務室から音が消えた。
シーン、という静寂が生まれ全員の視線が上条に集まる。
シーン、という静寂が生まれ全員の視線が上条に集まる。
上条「い、いや、あれは不可抗力だ!だから別に見ようと思って見たわけじゃながっつぉふぅ!!」
上条は前のめりに倒れた。
美琴が電撃を纏った拳で上条の腹をとらえたのだ。上条はしびれながら悶絶している。
美琴の友人たちが『うわ~…』、といった様子で見ている中
美琴が電撃を纏った拳で上条の腹をとらえたのだ。上条はしびれながら悶絶している。
美琴の友人たちが『うわ~…』、といった様子で見ている中
美琴「よかったじゃない……これでまた女の子に看病してもらえるわよ!!」
乙女心を裏切られた美琴は怒りのあまり電気を全身に纏ったまま医務室を出て会場へと戻って行った。
奇跡的に医療器具などは壊れていないようだ。
そして倒れた上条は再び女の子達に抱えられ、先ほどまで寝ていたらしい医務室のベッドへと連れていかれた。
奇跡的に医療器具などは壊れていないようだ。
そして倒れた上条は再び女の子達に抱えられ、先ほどまで寝ていたらしい医務室のベッドへと連れていかれた。
固法「結局上条さんって……どういう人?」
初春「……とりあえずものすごくもてるってことだけはわかりましたね。」
佐天「わかったのそれくらいじゃない?ていうか御坂さん機嫌悪くなっちゃったみたいだし、もう1回謝ったほうがいいかな…」
佐天は別に自分が美琴を怒らせたわけでもないのに、謝らないといけないような気がした。
そして美琴の友人達は少し上条について考えた後、先に医務室から出て行った美琴同様パーティ会場へと戻っていった
そして美琴の友人達は少し上条について考えた後、先に医務室から出て行った美琴同様パーティ会場へと戻っていった
で、この後上条を待ち受けていたのは女子たちによるあま~い看病タイム……などではなく、それはそれは厳しい尋問だったらしい。
上条「不幸だ……」