Running the way
第一章 Overcome the misfortune
夕日が沈む。
空気はまだ冷えるが、公園のベンチにいる二人には関係ないようだ。
「……ゲコ太?」
訳のわからない言葉とともに少女が目を覚ます。
ダーリン大好きだっちゃ、
を地で行くビリビリ美少女である。
名を御坂美琴といった。
「……起きたか?」
上を見ると、やさしく声をかけたとある高校生の顔が目に入る。
名は上条当麻。
上条当麻は世界中の誰よりも御坂美琴を愛しています、
と野球してないのに言える生粋の主人公である。
(……頭の下が柔らかい?)
膝枕されているのだが、
まだ意識ははっきりしていないようだ。
(あ、……当麻の顔が近い)
何度見ても飽きない顔。
(結構整った顔よね)
(このたれ目も大事な時はキリッとするし)
(この口がいろんな人の考えを変えて)
(このおでこには青筋)
青筋……?
「……上条さん、何をお怒りで?」
「そんな他人行儀な、当麻でいいよ、美琴」
「すごくいい笑顔!! 青筋増えたけど!!」
「……いつもなんだが、とりあえず、今日の事を思い出そうか」
「……はい」
ちなみに、膝枕のままである。
(今日は……)
集合に珍しく上条は遅刻せず、時間通りに映画館に着いた。
そしてスクリーンで見るゲコ太達も可愛かった。
ピョン子が素直になれない点にイライラしたり、ゲコ太が鈍感なことにあきれたり、
そしてゲコ太紳士バージョンの正体がゲコ太だとばれそうになった時、それはもうはらはらした。さらに
「……美琴さん、そこ巻きでおねがいします」
……むぅ、まあ、その後昼食とって、あちこち見て回ってこの公園に来た。
「……ゲコ太より文字数が少ない。まあそれで?」
「それで……」
ふと考えた。自分がここにいていいのかと。
インデックスとの関係に端を発するステイルとの事件。
その後美琴は何かあると、この考えにとりつかれた。
彼には自分よりも最適な人間がいるのではないか?
世界を救った英雄の彼女として自分は未熟なのではないか?
そして愛しの彼を見る。そうやって再確認する。
ダメなのだ。
私でなくては。
彼の横に他の人が立ったら、
私は壊れてしまう。
そんな不安を察してか、タイミング良く彼がこちらを向く。
そして、微笑んでくれるのだ。
「ふにゃぁぁああああああああ//////////////」
「それだばばばばばばばばばば」
「……ってことがあったのよ」
「はー、二度も気絶+漏電で上条さんを黒焦げですか」
「御坂さんならではの問題ですね」
いつものファミレスに、美琴、白井、初春、佐天の四人は集まっていた。
「どうせあの方のことです。『不幸だ』ですまされたのでしょう?」
まったくそのとおりだ。つまり、
「私が『不幸』を招いてしまっている。そういうことよね?」
佐天と初春はかける言葉が見つからないようだが、
「そのとおりですの」
黒子は言い切った。
初春が何か言葉を発しようとするも、美琴がさえぎる。
「そうよね、ならなんとかしなきゃ。みんな、協力して!!」
美琴らしい前向きな方針。
それに対し佐天は叫ぶ、
「もちろんですよ!!」
黒子は嫌がる、
「え、私もですの?」
初春は声を張り上げる、
「なんとかしてみせましょう!! 御坂さん!!」
美琴は全力で答える、
「ありがとうみんな!!!!」
店から追い出された。
「まずはイメトレです!!」
初春曰く、
上条の笑顔を想い浮かべ、耐性を付ける。
とのことだ。
「……そこからですの?」
結果、翌日上条は黒焦げになった。
本物の威力は大きかった。
「じゃーん!!見てよ初春」
「えーと、上条さんに変装したつもりですか?」
「そ、カツラかぶっただけだけどね」
「さすがの私もそれでは漏電しないわ」
「……前振りにしか思えませんの」
「ではー、コホン、……美琴、お前を抱きしめて、いいか?」
この時、
佐天涙子は『死んだ』。
「ほんと~にゴメン!!」
「大丈夫ですって!! ピンピンしてますよ」
「無理しないで下さいよ……って、きゃ~!!!」
「私は、なんだか、この子のスカートめくりたいと思ったんです。そう思えたんですよ」
「や、やめてください!! 佐天さん!!」
「これがどういう感情かわからないし、きっともう思い出すこともできないだろうけど、確かにそう思うことができたんです」
「……聞いてないわね」
「どこって、そりゃあ決まってますよ」
「――――心に、じゃないですか?」
「無駄に長いですの、アフロ佐天さん。では、私用事がございますので、お先に失礼しますわ」
白井はテレポートで消える。
「あー貴重なツッコミ要員がー」
「最近忙しそうなのよね黒子、無理してなきゃいいけど」
「風紀委員の仕事ではありませんし、用事ってなんでしょうかね?」
「まーそれは置いといて、次行きますよ!!」
「どうです!!」
佐天の手にあるのは、写真?
「土御門兄弟の協力により、上条さんの学校生活を撮ってきてもらいました!!」
「買った!!」
「売った!!」
「二人とも、落ち着いてください。……それで上条さんの顔に慣れる、と」
「そうゆうこと!! しかし……」
「……周囲の女性率高いですね」
「うわっ、押し倒してるよ!!」
「こっちは明らかに抱きついてますね!!」
「む、胸をもんでる……」
「ス、スカートの中に頭が……」
「み、御坂さん!! 帯電してます!! ビリビリしてますって!!」
「最後は映像です」
「初春さん、私一つもクリアしてないけど?」
「で、どうするの? 初春?」
「だからね?」
「あっちこっちのカメラにはハッキング済み!! リアルタイムで上条さんを観察できます!!」
「ここでもスルーか私は、……不幸ね。つか犯罪じゃないのそれ?」
他にも風紀委員だろとか、大丈夫か学園都市とかあったが、割愛。
「……かれこれ三人目ですね」
「家出てから十分で女性三人にフラグか、すごいなこの人」
ちなみに、
知らず知らずのうちに一つのテロリストグループを潰している。
十分で。
「で、コイツはどこ向かってんのよ?」
「どこでしょうね~?(不機嫌だ)」
「(美人ばっかりだったからねぇ)あ、誰かと合流しましたよ!!」
「この人は……」
「「白井さん?」」
「……黒子?」
Running the way
第二章 「Walking with you」
「……なんで黒子が?」
「レストランに入っていきますね」
「ほわぁ、上条さんって紳士ですね~、きちんとエスコートして」
「流石御坂さんの彼氏さんですね!!」
自分は、そんなこと、されたことはなかった。
「楽しそうに、お話してますね……」
「でも時折真剣な顔になる、これって……」
浮気にも見える。
「そんなわけないでしょ、黒子にアイツよ」
「「そ、そうですよね!!」」
「じゃ、なんか疲れたし、私帰るわ」
誰も口にしなかった。
皆、黒子のあんな笑顔を見たことが無かったことを。
ああ、これはいつもの夢。
「……美琴」
あの日からみる、いつもの絶望。
「別れよう」
大丈夫、彼がこんなことを言わないことはわかっている。
「お前の電撃には、もう、つきあえない」
これは自分のコンプレックスの具現化。
しかし、最近は続きがある。
「それに、今は、オレ、白井の事が……」
自分でもばかばかしいと思う。
「お姉さま!!」
珍しい、今日は黒子まで出てきた。
「そのように苦しまれるのなら、黒子が慰めてさしあげますの!! ウうぇっへっへっへ」
いやこれは現実なので……。
「なっ!!! 眠っているはzばばばばばば」
「う、う~ん……」
鳴っている電話をとる。
『起きたか? 美琴』
「おはよう、とうま」
夢の中と同じ声、温もりは全く異なる。
床に転がる真っ黒焦げ。
あれから、数日経っていた。
皆(特に黒子の指摘)のおかげで、少しずつ漏電も治ってきた(気がする)が、
(……当麻……)
今日も一日が始まる。
「「えっ!!? 御坂さん、上条さんと食事したことないんですか??」」
「!! そうじゃなくて、エスコートされたことが無いだけ」
以前ちょっとしたところ(上条にとってはとんでもないところ)に連れて行った。
上条はエスコートどころかテーブルマナーもダメダメで、不幸だと美琴は呟いたりしている。
「じゃあ、白井さんはなんでエスコートしてもらってんの??」
「「……」」
わかれば苦労は――
「風紀委員で遅れましたの、初春後d……どうしましたの??」
今はまずい、タイミングが最悪だ。
「……不幸ね」
「見損ないましたよ白井さん!!」
「へっ!? なんであなたの仕事を代わったのに、そんなこと言われなければいけないんですの??」
ややこしくしないで……
「じゃあ先日なんで上条さんと一緒にいたんですか!!?」
だからすんなって!!!!
「なんでそのことを……初春!!! お姉さま!! これは……」
不幸だ。
「違うの、わたし、わかってるから、理由があるのよね、信じてるから、大丈夫……」
一瞬、白井は辛そうに顔をゆがめる。そして息を吸い、
「はぁ~~~~~~~~~~」
盛大にため息をした。幸せ逃げまくりだ。
「どー説明しましょうか、とりあえず、今日は上条さんとお会いするのでしょう?」
なぜ、白井が上条の予定まで知っているのだろうか。
「ならば、明日ご説明しますわ。そろそろお時間でしょうし」
美琴は後ろ髪をひかれながらも、バタバタと出て行った。
「……初春、佐天さん、お話がありますの」
「……不幸だ」
電撃を打ち消しながら上条は呟く。
「ご、ごめん!! ちょっと待って!!」
漏電である。仕方ないよな上条さんかっこいいもんな。
しばらくして落ち着いた美琴に、上条は話しかける。
「気絶しなくなったんだな?」
「ま、まあね……」
なんとか耐える。
そして、聞きたいことがあった。
「そういえば、当麻は……私といない時、何してるの?」
その核心にせまる問いは、
「う~ん、まあいろいろやってるな、特定の何かってのはないかな」
いつもはぐらかされる。
今日も夜を迎えた。
白井は先に寝ている。
全ては明日。
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美琴が四人がいつも集まる場所に行くと、
「どおりゃああああああああ」「えっ、なに!? なんなの!!??」
佐天に拉致られた。
「えっと、ここは?」
「私の家です!!」「見りゃわかる!!」
「御坂さん……さあ、覚悟してくださいね」
「え? ちょちょっと、佐天さん?」
黒い笑みで近づく佐天、突然の事に驚く美琴、
悲鳴が響いた。
「////////////」「////////////」
美琴は無理やりドレスに着替えさせられていた。
地図を渡され、家から追い出される。
そこには、なんとなく想像していた通り、上条がいた。
スーツで。
「////////////(やばいヤバイ、これ以上アイツ見てたら、死んじゃう!!!)」
カッコよさ三倍増し。
「//////////――白井……約束が違うぞ。ってはいはいゲンコロゲンコロ」
「ふにゃ~~~。……はっ!! ご、ごめん」
「いいって、しかし黒子の奴なんのつも「prrrrr」ん?」
二人の携帯にメールが入った。
内容も同じだ。
『いままでお二人が相手のいない時、いったい何をしていたのか、
またどうしてそれをしようと考えたのか。きちんとお話しくださいな」
「えーと……」
突然の事に美琴は訳がわからない。
「はぁ、約束はどうなった白井……。
まあいいや、とりあえず予約してあるレストランにいこうぜ」
そこは、美琴にとっても、それなりのレストランだった。
「ほら」
差し出される腕、戸惑いながら美琴は手を添える。
上条は先にドアを開け、美琴が入るのを待つ。
上条の笑顔、美琴は漏電を必死に我慢する。
上条はコートを脱ぐのをさりげなく手伝い、
美琴は近い距離を耐える。
「荷物を」
上条は美琴から荷物をもらい、そのまま預ける。
美琴はさりげないしぐさに発電を抑える。
案内される際は先に美琴を歩かせ、美琴は少し冷静になる。
係りが椅子を引こうとすると、
「私がやります」
と、上条は静かに椅子を引き、美琴に勧める。
その優しさに、美琴はなんとか赤くなるにとどまる。頑張った。
夢にまで見たエスコートであった。
「……どうなってるの??」
食事をしながら美琴は尋ねた。
未熟だが、食事のマナーが見違えた上条は言いにくそうに口を開く。
「……ステイルと戦って以来、夢を見るんだ」
それは、
「美琴に、オレが相応しくないと、美琴本人に指摘される夢なんだ」
自分の悪夢のはずで、
「もちろん、美琴がそんなことを言うわけない、これはオレの劣等感だ」
自分の悩みのはずだった。
上条は白井からいろいろ教えて貰っていたことを話す。
一方美琴もいままでの不安と、漏電への対策を語った。
しばらくして、ひととおり会話を終えた二人は微笑みあう。
「「似た者同士だな(ね)」」
店を出るころ届いたメールに従い、
二人は例の公園に向かった。
待っていたのは三人、
第一声は白井の
「二人とも正座」
だった。
「上条さん、男性が店内に先に入るのは、女性にとって初めての場所のみです、基本はレディーファーストですわ!! 以前、お姉さまとあそこには行ったはずですの!!
それに、ナイフの使い方がまだ力づくですわ!! 何度言えばわかりますの!!」
「す、すみません」
「お姉さま!! あれほど言ったにもかかわらず、また気絶して!!
スーツに変わったぐらいじゃありませんか!!
食事中も静電気が出ていましたし、まだまだですの!!」
「は、はい、精進します」
「そして、お姉さま、上条さんの口癖『不幸』が移っていることにお気付きで??」
「……いえ、気付きませんでした」
「なにが『オレの努力不足で美琴を不幸にしてる』ですの! 『私が不幸を招いてしまっている』ですの! 相手に悩みも言わず、問題の指摘も改善もしようとせず、不幸の一言で済ませ、相手に問題を丸投げ! それこそ相手を不幸にしていることに気づかないって、どういう事ですの!!」
「「申し訳ありません」」
「上条さんから指導を頼まれ、しかたないと思っていたら、今度はお姉さまが同じようなこと言ってきましたの。めんどくせぇったらねえですの!! そもそも、上条さんがお姉さまに協力して、お姉さまがマナー等を指導した方が、お二人にとっても喜ばしいのではなくって!!?」
「「お、おっしゃるとおりです」」
「頼まれた以上、ある程度の水準までもっていこうとしましたの。なのに、このざまですわ!! お二人ともまだまだですの!!
それにお姉さまが、自分の嫉妬心にすら素直になれない点にイライラしたり、上条さんがお姉さまの心情にあまりにも鈍感であきれたり、そして、この私には何のメリットもない綱渡りがばれそうになった時、それはもう無駄にはらはらしましたの。この気持ちをお二人に理解できて!!??」
「「ご、ごめんなさい」」
黒子はようやく一息入れた。初春も佐天も顔が引きつっている。
「今までお二人は、どんな困難も乗り越えられてきました。それは私も承知しているつもりです。ですが、お二人の問題にはお二人で解決するべきでは??」
「……」「……」
「……返事」
「「はい!! その通りです!!」」
「よろしい、ではここで今まで感じていた不安、抱いていた不満を全て相手に伝えてからお帰りください。ああ、そういえば――」
突然白井は上条の手を両手で包んだ。
周りは驚くが、白井と上条は微動だにしない。
少しして白井が口を開いた。
「……全く動揺なし、浮気性の危険性はありません。ご安心くださいなお姉さま。では、私たちは帰りますの」
初春と佐天は驚くが、声を発したのは上条と美琴だった。
「待ってくれ!!」「待って!!」
「なんですの? せっかく二人にして差し上げようと――」
「ありがとな、白井」「黒子、ありがとう」
「……どういたしまして、それではごゆっくり。あ、一線は越えないように」
「なっ、なにを!!」というハモリを後に、三人はテレポートする。
その時二人は思った。
((私たち、一つもセリフが無い!!!!))
しばらくして、上条が口を開いた。
「オレにはさ、いろいろ欠点がある。鈍感だし、ドジだし、マナーもよくわからない。
でも、きっとお前に相応しい男になるから、それまで、一緒に歩いてくれるか?」
「私も、素直じゃないし、短気だし、すぐビリビリして危険かもしれない。
だけど、あなたの横がぴったりな女になるから、これからも、よろしくね」
二人は互いを抱きしめ合う。
プロポーズに聞こえなくないと気付くのは、二人とも深夜だった。
「すみません、白井さん、疑っちゃって」
「ごめんなさい」
三人は公園から少し離れたところを歩いていた。
「でも、初春、相談にのっていたらいつのまにか、ってなこともあるよ」
「まだ懲りてないんですか? そもそも白井さんは美琴さんラブですよ。
どちらかというと、『あの類人猿め~~』ですよ。ねえ、白井さん!!」
白井は月を見ているようで、二人に全く答えない。
「「白井さん??」」
「えっ、なんですの」
「ですからー、白井さんは上条さんに惚れたんですか?」
「ちょ、ちょっと佐天さん!! 御坂さんをとられて悔しいだけですよね?」
白井は今までの事を振りかえっていた。
美琴との日常を。
上条の日々を。
そして微笑む。
「御想像にお任せしますわ」
Running the way
第三章 「Running the way」
透き通るような青い空。
見渡す限りの草原。
少女の右手を少年は左手で握りしめる。
二人は地平線に向かって走っていた
全力で。
「はぁ、はぁ、ちょろっとー。聞きたいんだけどー」
ダーリン大好きだっちゃ、
を地で行くビリビリ美少女である。
名を御坂美琴といった。
「はぁ、はぁ、なんだ? 美琴」
彼の名は上条当麻。
上条当麻は世界中の誰よりも御坂美琴を愛しています、
と野球してないのに言える生粋の主人公である。
「私たちデートしようとしてたのよね?」
「そうだぞ、珍しくオレから誘って、お前めちゃくちゃ喜んでたじゃん」
「///////――そ、それであんたの財布が」
「自販機前で猫にひったくられました、はぁ」
「それを裏路地で見つけて」
「そしたら、たまたま近くで」
「原石の女の子が車に連れ込まれる現場で」
「そうそう」
「その子は巨乳で」
「……関係ないだろ、それ」
その時、二人の後方から電撃が襲いかかる。
しかし、急に上に軌道を変え飛んで行った。
美琴の能力だろうか。
「それを追いかけて」
「浜面たちがいて助かったよな」
「増援も軽くやっつけて」
「麦野さん怖かったな」
「……ラッキースケベが発動して」
「わざとじゃないんです、ごめんなさい」
今度は氷の塊が飛んできた。
しかし、上条がいとも簡単に打ち消す。
「空港に着いたのよね」
「空に逃げるなんてなー」
「連中の飛行機に忍び込んで」
「一方通行達の陽動のおかげだよな」
「ふんっ、まあ、それでも出発しちゃって」
「でも、あの子は助けられたな」
「ステイルさんやインデックス達のおかげね、その後に親玉が出てきて」
「強かったよな」
「でもやっつけて」
「あいつもきっとやり直せるさ」
お次は炎の柱だが、砂鉄の壁が阻む。
「そしたら、飛行機が落ち始めて」
「怖かった」
「不時着させて」
「よく出来たよな、流石美琴たん」
「一度見ればわかるでしょ? アンタも一緒にハワイで見たじゃん。あとたん言うな」
後方から虹色の光線、上空から真っ黒な物質が襲いかかってくる。
だがいつものように、右手で後ろの光線の向きを変え、上空の物質と相殺する。
「そんな……まあ、不時着したら、なんかの儀式場を壊してたんだよな」
「そうそう、今追いかけてきてるやつらが、女の子を生贄にささげてどーたらこーたらだったわよね」
「まあ、結果オーライ」
「巨乳の……」
「だから、関係ないでしょ、それ」
「でさぁ」
「ん?」
「デートは?」
「……きっと上条さんとだと、これがデフォです」
「……不幸ね」
「あー美琴、約束を……って今だ!! 美琴!!」
二人は後ろを振り返る。
目の前の紫色の何かを上条が打ち消した瞬間、
美琴の電撃が敵の意識をなぎ払う。一瞬で全滅だった。
が、敵の魔術師たちも意地があるようで、
倒れる前に全員で、なんかわけのわからない巨大な力の塊を放ってきた。
上条と美琴は見つめ合う。
次の瞬間には全力で走り始めた。
「なんで!? どうして!? もう不幸よ~!!」
「オレはそうでもないぞ」
「ふぇ!!? デートが潰れたのよ??」
「それはそうだけど、隣に、美琴がいる!!」
「ふにゃっ……」
「オレに足りないところを、美琴が修正してくれる。
そうすれば、オレたちの距離はもっと近くなれる!!
二人で一緒に成長していける!!!」
「……ぅぅ……」
「それに約束だぞ、『不幸』の代わりに違う言葉をってなっただろ?」
「……ぇぅ……ぁぅ」
「オレも叫ぶから」
「……わかったわよ!! 叫ぶわよ!! やったるわよ!!」
その瞬間二人は走り幅跳びの要領で跳躍する。
被害がギリギリ届かないところに魔力の塊が落ち、大爆発が起こった。
それを背景に、爆音にも負けない声量で二人は叫ぶ。
「美琴!!」 「当麻!!」
「「大好きだー!!!!!!」」