上空2000mで繰り広げられている戦いも佳境に入っていた。
「終わりだアレイスター、てめえだって分かってんだろ。てめえの持つ力は所詮本当の強さなんかじゃねえ」
「てめえがまだこの世界でまだ何かやるってんならまずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」
「てめえがまだこの世界でまだ何かやるってんならまずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」
「貴様に近づけられるかな、幻想殺し」
そう言ってアレイスターは、結界を張った。
「上条!この結界はお前のその右手でその強度を増すようにできている!俺たちが結界を破壊する、お前はアイツを殴り飛ばして来い!」
破壊、回復、破壊、回復、破壊、回復……
フィアンマ達が結界を破壊し、アレイスターがそれを回復する。
今の所、若干フィアンマ達が押してるようだが、埒が明かない。
今の所、若干フィアンマ達が押してるようだが、埒が明かない。
「困ってるようだな、俺たちも加勢するぜ」
「私たちは貴方の言葉に心を動かされました。ぜひとも力になりたい」
「いくぞおぉぉぉぉぉぉ」
「「「「「おおおおおおぉぉぉぉ」」」」」
「私たちは貴方の言葉に心を動かされました。ぜひとも力になりたい」
「いくぞおぉぉぉぉぉぉ」
「「「「「おおおおおおぉぉぉぉ」」」」」
雪崩れ込んでくる人々。
そこに敵も味方もない。
あるのはただ戦争を一刻も早く終わらせようとする願いだけだ。
そこに敵も味方もない。
あるのはただ戦争を一刻も早く終わらせようとする願いだけだ。
さすがのアレイスターも数十万人による攻撃に回復が追いつかず、結界は部分的にとはいえ完全に破壊された。
「いっけえええぇぇぇ、上条当麻!!!!」
アレイスターによる回復までに数秒あっただろうか。
回復の術式を唱えていて、がら空きだったアレイスターの懐まで潜り込んだ。
慌てて対人術式を組もうとするアレイスターを見据えて上条は、
回復の術式を唱えていて、がら空きだったアレイスターの懐まで潜り込んだ。
慌てて対人術式を組もうとするアレイスターを見据えて上条は、
「てめえの力があれば、たくさんの人々を笑顔にできたはずなんだ!」
「あいつらのためにもこの世界のためにも、お前を少しだけ救ってやる、もう一度やり直して来いこの大馬鹿野郎!!!」
「あいつらのためにもこの世界のためにも、お前を少しだけ救ってやる、もう一度やり直して来いこの大馬鹿野郎!!!」
直後、人を殴った鈍い音と共に、辺り一帯を巻き込む大爆発が起こった。
「おい、上条達はどうなった!?」
「生存反応がない!まさか……」
「生存反応がない!まさか……」
と、ここでフィアンマ達の意識を別のものに向けさせた現象が起きた。
主を失ったことにより力の供給が途絶えた城が墜落し始めたのだ。
「まずいぞ!ここから避難するぞ!!」
「だがあの少年がまだ…」
「そんなこと言ってる場合か!?上条は後で捜索する。今は自分が生き残ることを考えろ!」
「だがあの少年がまだ…」
「そんなこと言ってる場合か!?上条は後で捜索する。今は自分が生き残ることを考えろ!」
なんとか全員の無事を確保したフィアンマ達は、今もなお落下してくる城をどう対処するかに頭を悩ましていた。
「一番簡単なのが木端微塵にすることなんだけどな」
「バードウェイ、それじゃ上条も心中しちまうだろ」
「ここに軟着陸させるってのも得策じゃないな」
「先の大戦のように、海に落とすのは如何でしょうか」
「バードウェイ、それじゃ上条も心中しちまうだろ」
「ここに軟着陸させるってのも得策じゃないな」
「先の大戦のように、海に落とすのは如何でしょうか」
結局神裂の意見に皆が同意した形で作戦は遂行された。
結果からいえば作戦そのものは成功した。しかし皆の必死な捜索もむなしく、上条当麻並びにアレイスター=クロウリーは発見されなかった。
結果からいえば作戦そのものは成功した。しかし皆の必死な捜索もむなしく、上条当麻並びにアレイスター=クロウリーは発見されなかった。
数週間後
学園都市代表の一方通行によって終戦宣言が発表された。
その席には各代表が参列していたが、上条当麻の姿はなかった。
その席には各代表が参列していたが、上条当麻の姿はなかった。
そしてそのことは御坂美琴にも知らされた。
今も捜索が続けられているが、おそらく……ということも。
今も捜索が続けられているが、おそらく……ということも。
この頃から、御坂美琴は昼は何事もなかったかのように学校へ行き、夜は外を徘徊するようになった。
半年後
美琴は今、高校の正門の前にいる。
理由は単純。
この高校に入学することになっていたからだ。
中学校を首位で卒業したにも関わらす、美琴は名門校を選ばなかった。
自分の実家からも、上条の実家からも近い普通の高校に通えば、上条もこの高校に来るような気がしていたからだ。
理由は単純。
この高校に入学することになっていたからだ。
中学校を首位で卒業したにも関わらす、美琴は名門校を選ばなかった。
自分の実家からも、上条の実家からも近い普通の高校に通えば、上条もこの高校に来るような気がしていたからだ。
そんな慌ただしい時期も過ぎ、6月も終わろうかというある日の夜のこと。
美琴は学園都市を望める河原にいた。
夜になるとここに来て、上条のことを思い出すのが、彼女のあの日からの習慣になっていた。
美琴は学園都市を望める河原にいた。
夜になるとここに来て、上条のことを思い出すのが、彼女のあの日からの習慣になっていた。
高校へ上がっても相変わらず人気で、異性からのアプローチも多い美琴だったが、そういったものは全て断り続けている。
どれだけ時が流れようが、彼女の心の中には常に上条がいたから。
どれだけ時が流れようが、彼女の心の中には常に上条がいたから。
そしてこれからもずっと……
(2年前の今日、私はアイツと出会ったのね…)
ザッザッザッ
いつものように上条のことを考えていた美琴の耳に、そんな音が聞こえた。
どうやら大勢の靴音らしい。
靴音は美琴のそばまで来ると、やんだ。
代わって聞こえたのが、
どうやら大勢の靴音らしい。
靴音は美琴のそばまで来ると、やんだ。
代わって聞こえたのが、
「ねえねえお譲ちゃん、何ぼーっとしてんの?そんなの時間の無駄だからさ、俺たちと遊ばない?」
「帰りは送ってやるからさ。まぁいつ帰れるか分からないけどねえ。ぎゃははははは」
「「「ひゃははははははは」」」
「帰りは送ってやるからさ。まぁいつ帰れるか分からないけどねえ。ぎゃははははは」
「「「ひゃははははははは」」」
美琴は顔を上げて、自分の大切な時間に水を差した馬鹿共をにらんだ。
数は9人。
どいつもこいつも軽そうな奴らばかりだ。
面倒くさいし、適当に料理してやろうかと考えた矢先、
数は9人。
どいつもこいつも軽そうな奴らばかりだ。
面倒くさいし、適当に料理してやろうかと考えた矢先、
「おお、いたいた」
アレ?この声どこかで…
「連れがお世話になりましたー」
アレ?このシチュエーションどこかで?
「駄目だろ?勝手にはぐれちゃ」
アレ?あのツンツン頭どこかで…
「じゃあどうも。あはははは…」
アレ?この心地よさどこかで…
そうだ……この人は私が一番逢いたくて逢いたくてたまらなかった人だ。
「おかえりとうまああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」