被害者・白井
こんにちは、白井黒子と申します。お見知りおきくださいませ。
え? 顔が怖い?
ああ、ちょっとした悩み事がありまして。
実はお姉さま……失礼しました、わたくしが尊敬している人物で御坂美琴と申しまして……
あら、ご存知でしたか、それもそうですわね、
あら、ご存知でしたか、それもそうですわね、
なんといってもあのお方は常盤台の超電磁砲とよばれ……
(略)
失礼しました。本題に戻りますの。
そのお姉さまが最近、ある男性に誑かされていますの!!
この前だってお姉さまは、その類人猿と映画に行ったんだと楽しそうにお話ししました!!
挙句の果てには今週末はショッピングに一緒に行くといっておりましたわ!!
あの腐れウニ頭類人猿がお姉さまの貞操に手にかけるのは時間の問題ですの!!
なんたってその殿方はずかずかとひとの領域に土足で侵入し……
(略)
あんにゃろう、いつかぶっ殺す!!!!!!
……失礼、つい取り乱してしまいましたわ。
その殿方の名は上条当麻……あら、こちらもご存じですの?
まさか、あなたも彼に助けられた口で??
まあ、いいでしょう。
わたくしはその魔の手からお姉さまを救うために、いろいろ手段を尽くしました。
それは決してわたくしの欲望のためでなく、お姉さまを救うためですの。
しかし、わたくしの愛がお姉さまに届くことはありませんでした。
そこで!!わたくしはお姉さまにプレゼントをすることで、私の愛に気づいてもらおうと思いますの!!
さて、それでは、わたくしの高度な演算でシミュレーションしてみましょう。
『なあに? 黒子?』
『お姉さまに差し上げたいものがありますの』
『え? 今日なんかの記念日だっけ?』
『日頃の感謝の気持ちですわ』
『そんなのいいのに』
『受け取っていただけます?』
『わかったわ、ありがと、それでなにくれるの?』
『それは……生まれたままのわたくしですわ~~~!!』
『死んで』
うおぅ、危ねー、アニメの収録途中で出演者が一人いなくなるところでしたわ。
ではプレゼントを変えて、これならどうでしょう。
『なあに? 黒子?』
『お姉さまに差し上げたいものがありますの』
『え? 今日なんかの記念日だっけ?』
『日頃の感謝の気持ちですわ』
『そんなのいいのに』
『受け取っていただけます?』
『わかったわ、ありがと、それでなにくれるの?』
『それは……こちらですの!!!』
『すごい!! レア物のゲコ太マグカップじゃない!!!』
『喜んでいただけましたか?』
『ありがとう、すごくうれしい』
『お姉さま、実はお伝えし『これで当麻とお揃いね!!』たい……はい?』
『ホントにありがとう黒子!!!』
なんでわたくしのプレゼントが二人の背中を押しとるんじゃい!!!
とにかく、これはダメですの、
では、ストレートに、
『なあに? 黒子?』
『お姉さまに差し上げたいものがありますの』
『え? 今日なんかの記念日だっけ?』
『日頃の感謝の気持ちですわ』
『そんなのいいのに』
『受け取っていただけます?』
『わかったわ、ありがと、それでなにくれるの?』
『それは……こちらですの!!!』
『うわぁ、かわいいネックレス!!!』
『喜んでいただけましたか?』
『ありがとう、すごくうれしい』
『さすが白井だ、よく美琴に似合ってる』
『は?』
『ホント? 似合ってる?』
『ああ、美琴につけてもらえたこれは幸せ者だよ』
『///////////////』
『オレからもあるんだ』
『え? これは、指輪?』
『本物が薬指にはまるまでの代打だ。受け取ってくれるか?』
『受け取るに、決まってんじゃない!!!』
シャラーーーーーーーップ!!!!
どうしてこうなりましたの!!!!???
こうなったら、お姉さまが大好きなもので
あの類人猿には渡せない物をぉぉぉおおおお!!!!!
『なあに? 黒子?』
『お姉さまに差し上げたいものがありますの』
『え? 今日なんかの記念日だっけ?』
『日頃の感謝の気持ちですわ』
『そんなのいいのに』
『受け取っていただけます?』
『わかったわ、ありがと、それでなにくれるの?』
『それは……こちらですの!!!』
『すごい!!!!!』
『喜んでいただけましたか?』
『うん!! 似合うかな??』
『とてもお似合いですわ
お姉さまが大好きな上条さんが描かれた帽子に
お姉さまが大好きな上条さんがプリントされたTシャツに
お姉さまが大好きな上条さんアップリケのショートパンツに
お姉さまが大好きな上条さん手作りのカバン
もうとってもお似合いですわ!!!……って』
なんっでやねん!!!!!!!!!!!!