とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part16

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ごっつんこ


『2人とも頭部に怪我もなければ、脳にも異常はみられないね?
 脳に衝撃を受けたための軽い記憶の混乱だろう。
 珍しいが、前例がないわけではないから、
 まぁ、時間が解決するのを待つんだね?』

もう1回衝撃を与えても、もしかしたら治るかもね?
なんてほざく医者 に全力で首を振り、4人は上条宅に向かった。

4人? おかしくない?

「それで、あの2人は公園においてきてよかったんですか?」

「敬語やめてくださいよー、御坂さんも上条さんも。いいんですよ、あの2人は」

麦茶を3人分、ミルクを1つ作りながら佐天は思い出す。
自分にインデックスを渡して送り出し、「妖怪ですの」に1人で立ち向かった親友を。
そして彼女に託されたこの隠しカメラを。

「し、しかし……まさか、オレたちがそんな関係だったとは……」

上条が、ついでに美琴の周りも重たい空気になる。
しかし、嫌な感じじゃないのである。

「ねぇ、佐天さん、ほんとうに、そんなことになってるの?」

確かに、異性と同居ってのは、やっぱりいろいろ恥ずかしい。

「はい、上条さんと御坂さんは実は幼馴染だったんです。
 小さいころは周囲には子供の夢と笑われていましたが、
 当時から二人は将来を誓い合っていました。
しかし、上条さんが中学に行ったときに離れ離れ。
 さらには上条さんは携帯を一度紛失し、データが破損。
 そのため、連絡が取れなくなっていました。
しかし!! 去年二人は運命の再会!!
再び恋の炎を燃え上がらせたのです!!!!!!」

盛りすぎだ。

「「……そ、そうだったのか」」//////////

バカなのかな?

「だ!! さてー」

「じゃあ、この子は?」

「……実は、御坂さんと上条さんの娘さんで
 4年後からタイムスリップして来て、
 帰る手段が見つからず、
 今ではお二人が4年後の自分に代わって
育児をされてるんです。
こんなに小さいのに、両親と離れ離れなんてっ!!」

くっ とか言う佐天さん。
ムリしかねーよ。

「「……う、うぅっ、じょ、じょうだゃったのか~~」」

アホなのかな?
ってか泣くな。

「ちゃんとママが守るからーーーーーー!!!」

「? まーま?」

ぐわしっとインデックスを抱く美琴。

「安心しろーーーー!!! パパとママがついてるからなーーーーー!!!」

「ぱーぱ? あう?」

さらにぐわがしっと二人を抱く上条。

「…………なにこの茶番?」

そういいながら佐天は目の前の麦茶をすする。
……てめーがふったんだろ。

「じゃあ、その……えっと……」

「えっと、そのー……」

「!! 御坂さん、上条さん、お二人は♡付きで下の名前を呼び合ってました!!」

「「////////////////////」」

真っ赤に顔が染まる、だが、上条は

「なんか、へんな感じだけど、これからも宜しくな、美琴」

はにかみながら、言った。

「……うん、よろしく、当麻」

彼女も、静かに微笑んだ。

(あれ? あたし、いらない子?)

佐天は目の前のもやもやした幸せオーラを避けつつ、移動、
そして、

「おじゃましました~~お好きなだけいちゃいちゃしてください!!」

佐天は逃げ出した。
いきなり3人だけになる。

「……えーと、とりあえず、夕飯作るから、当麻はインデックスを見てて」

「おう、わかった、頼むよ美琴」

こうして夜は更けていく。


一方、数刻前、公園の戦いは佳境を迎えていた!!

「……そ、そのような戦い方をするとは、予想外でしたわ、初春」

外傷は無い。しかし、その顔色から、白井はとんでもないダメージを受けたことは明らかだ。
一方の初春にも外傷はない。顔色も問題なく、彼女が優位なのは間違いない。
しかし、彼女にも余裕はなかった。
額に、汗が流れ得る。

(……まだ、追うつもりですか、白井さん)

その一瞬の隙に白井はテレポートしようとした、が

「『風紀委員活動の記録part3』!! パスワードは『loveoneesama』!!」

「ぐっ!! それも知っていたんですの!!?」

「本命をpart3にしたのは流石ですが、どうします? これも……」

結局近くに姿を現した白井、
そして、画面の削除しますか? という問いにenterで答えようとする初春。

この戦い、白井の相手は白井本人だったのだ!!!!



ほんとそんなのはどーでもいいのだった。

夕食の後、上条と美琴は、ソファーに並んで座っていた。
インデックスは美琴の膝の上で録画してあったカナミンに夢中だ。

「……どうしたの?」

「へ、ああ、いまだに信じられなくてさ」

美琴は上条の方を向くが、
上条は一瞬美琴を見た後、すぐに正面を向いた。

「オレに彼女がいて、娘が未来から来て、こうやって幸せに過ご「ウソ」へ?」

「ウソでしょ?」

「い、いや」

「うん、ウソじゃないかもだけど、あの瞬間はそうじゃないんじゃない? 明日佐天さんに聞けば済むことだし」

「じゃあ、オレがなに考えてたって言うんだよ?」

上条が美琴を見た時、今度は美琴がテレビの方を向いていた。
カナミンの好きな人が敵であったという急展開。
しかも互いにそのことを知らなかったという
まあ、定番な展開だった。

「当麻は、きっと、周りの人のことやわたしたちのことを考えてたんじゃない?」

そう言って美琴は視線をはがきの山に移す。

「…………」

「あの人たちを悲しませたくない、とか、オレがしっかりして二人を支えなきゃ、とか考えてたんじゃないの?」

信じられない。言葉よりも正確にそれを伝える上条の表情は、
少しして苦笑に変わる。

「…………はぁ、美琴さんってばテレパシーの使い手ですか?」

「エレクトロマスターって話だったでしょ?……図星だったんだ」

「彼女さんにはかないませんなー」

「それもあやしいけどね」

「確かに、あやしさ満点だったもんなぁ」

でも、さ、と上条は続けた。

「でも、美琴とインデックスが隣にいると、ホッとするんだよ」

「……」

「正直、以前どうだっかとかは、今のオレには関係ないんだ」

美琴は上条の方に顔を向ける。
そこには、

「隣にいてくれて、ありがとう」

同じように美琴に向かって微笑む上条。
その瞳に対し、美琴は

「こっ恥ずかしいわねー」

と真顔で応えた。
がくっとよろめく上条。

「……い、いうんじゃなかった」

美琴の方とは逆に顔を向け、しくしくと悔し涙を流す。
しかし、その表情がふと驚きに染まった。
ぽすっという音とともに、彼の肩の上に何かが乗っかったからだ。

「……こっち見ないでね」

「お、おう」

美琴は目をつぶる。
ドキドキしている心音が、彼の肩から自分の頭を伝い、
自分の心臓まで届き、同じタイミングで動かしているのがわかる。

「安心して、きっと周りも記憶がないこと、受け入れてくれる。一時的な物だし」

それに、と彼女は続ける。

「わたしが一緒にいる。隣にいたのが当麻で、本当によかった」

それまで言って彼女は次回予告まで終わった録画を停止すると、
インデックスを抱え、風呂場に走っていった。
彼が固まったままだったのは、言うまでもない。










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