とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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ビリデレメモリアル 1



○月20日月曜日午後4時ぐらい

当麻「はぁ…不幸だ…腹減った…」

上条は学校から帰路へ就くべく寮へ向かっていた.…空腹を我慢しながら.
その日上条当麻はお昼ご飯を食べていなかった.
なぜなら寮に居候している某シスターさんのおかげで今月の食費が限りな~くピンチなのだ.
そこで上条当麻は昼ご飯を抜かして今月を乗り切ろうという苦肉の策にでたのだ.(もちろんインデックスさんはちゃんとお昼も食べてます)

 当麻「(今日は特売セールがあるからこのままスーパーに向かうか…)」

などと考え事をしながら歩いていると,いつもの公園までやってきたところで不意に後ろから声をかけられた.

 美琴「いたいた!いやがったわね,アンタ!今日こそ決着を」
 当麻「御坂か….…悪い今日お腹減りすぎてお前の相手してやる元気ないんだわ…」
 美琴「は?だってまだ4時過ぎよ?早弁でもしたの?」
 当麻「上条さんは今月ピンチで昼飯を抜いてるんですよ…トホホ…」
 美琴「そ,そうだったの…アンタも大変ね…(ってこれはもしかしてチャンスかも!)」
 当麻「じゃあ上条さんは急いでるのでこれで…」
 美琴「ちょっとまって!」
 当麻「ん?まだなにか用があるんですか御坂さん」
 美琴「ひっ,え,えっとその,わ,わたしがアンタのお昼ご飯作ってあげるわよ…!」
 当麻「へ?」
 美琴「か,勘違いしないでよね!お腹空いてたら正々堂々戦えないでしょ…!」
   「わ,わたしは本調子じゃないアンタを倒したって少しもうれしくないんだから…」
 当麻「いやでもそこまでしてもらうのはなんか悪いというかなんというか…」
 美琴「あ~もう!わたしがいいっていったらいいの!」ビリビリ
 当麻「うおっ!あぶねぇ!わ,わかった!わかったからビリビリはマジで勘弁してくれぇ!」
 美琴「…ったく.最初からそう言えばいいのよ.」
   「じゃあ明日七時半にここで待っててよ.すっぽかしたらただじゃおかないわよー」タタタッ
 当麻「な,なんだったんだアイツ….ってかもう昼我慢しなくていいん…だよな?」

○月21日火曜日午前6時30分ぐらい 常盤台学生寮

 美琴「フンフフーン♪」
 黒子「こんな朝早くから部屋にいないからどうしたのかと思いましたら,こんなところにいらっしゃったのですのね」
 美琴「く,黒子っ!いやあのそれはこの…」
 黒子「それはご自分用のお弁当ですの?」
 美琴「そ,そう!学食飽きちゃったったから自分で…ね」
 黒子「お姉さま…もうちょっとマシな嘘はつけないんですの?仮に自分用としてもそんなに沢山つくってどうするおつもりですの?」
   「お姉さまが普段そんなに食べていた記憶なんてございませんことよ,オホホホ」
   「大方,あの殿方に食べさせるために作ってるんじゃありませんこと?」
 美琴「な,なんでわたしがアアアアイツなんかのためにお弁当を作らなくちゃならないのよ!」
 黒子「お姉さま…もういいかげん自分に素直になってくださいまし!じゃあそれはいったいだれのために作っているお弁当ですの?」
 美琴「う…それは…その…」
 黒子「まあ!もしかして私のために!ありがとうございますおねえさま!では一口」
 美琴「あああああああ!!!!やめんかゴラアアアアア!!!!」ビリビリ
 黒子「ああぁ!も,もっとやってくださいまし!おねえさまーん♪」

午前7時10分ぐらい 当麻宅

 当麻「じゃー学校いってくるからお留守番よろしくなインデックス」
 イン「いってらっしゃいなんだよとーま!」

 当麻「えーっと今7時28分か御坂は…まだ来てないみたいだな」

10分後

 美琴「ご,ごめーん…ハァハァ…待った?」タタタッ
 当麻「いやおれも今来たとこだから」
 美琴「そ,そう…よかった.あっ,これお弁当ね」
 当麻「お,おうサンキュー…ってすごい量だなこれ…」
 美琴「ちょっとつくりすぎちゃって…多かったら残してもいいわよ」
 当麻「残すだなんてそんな!上条さんは食べ物を粗末には決していたしません.責任もって全部食べさせていただきます.御坂が作ってくれた弁当だしな!」
 美琴「え!あ,うん…ありがと…」
 当麻「それでこの弁当箱はいつ返せばいいんだ?」
 美琴「うーん…じゃあ学校終わったらここに来て!放課後何か用とかあるんだったら今度でもいいけど…」
 当麻「いや特にないけど.なんか悪いな…お礼とかしないとな」
 美琴「い,いいのよ!わたしが好きでやってるんだからっ!」
 当麻「そ,そうか…じゃあおまえの言うことなんでも聞いてやるよ.それでいいか?」
 美琴「ふぇ?あ,うん…それでいいわよ(やった♪)」
 当麻「まあいつでもいいから考えておいてくれよ」
 美琴「わ,わかった!…じゃあわたし行くね!バイバイ♪」
 当麻「おーう.じゃあなー.(バイバイか…女の子らしいとこもあるんだな)」

昼休み 当麻の学校

 当麻「(さて,昼飯でも食うかな)」ゴソゴソ
土御門「か~みやん…まさかそれは愛妻弁当ってやつかにゃ~?」ピキピキ
 青髪「おのれ今度は一体どんなフラグを立てたんやかみやん!許さへんで!」ピキピキ
 当麻「あ,ちょうどよかった.一人じゃ食べきれないからお前らも食べないか?」
土御門「い,いいのかかみやん…」
 青髪「うおおおおおおおおおおやっぱり持つべきものは親友やなぁ!」
 当麻「大げさだろ…」

放課後

 当麻「学校終わったら公園に来てって言ってたけど…特に時間決めてないしどうすればいい…あれ?」

公園に着くとそこには常盤台の制服を着た女の子がベンチにちょこんと座っていた.

 当麻「おーいみさかー」
 美琴「ひゃい!」
 当麻「わるいもしかして結構待ってたのか?」
 美琴「だ,大丈夫!わたしも今来たとこだから…」
   「そ,それよりお弁当どうだった?」ドキドキ
 当麻「めちゃくちゃうまかったよ!マジサンキューな!」
 美琴「ホントに!?よかった…」
 当麻「あっそうそうこれ弁当箱な」
 美琴「うん!あれ?全部食べてくれたの!?多かったでしょ?」
 当麻「さすがに一人じゃ食べきれないから土御門と青髪にも食べてもらったんだよ.うまかったのか泣きながら食ってたぞ」
   「あと,お前が作ったって言ったらあいつらめちゃくちゃ驚いてたな」
 美琴「ふふふ.そもそも美琴センセーがお弁当作ってあげるなんて常識じゃ考えられないのよ.アンタももっと感謝しなさいよねー」
 当麻「ああ.本当に感謝してる.ありがとうな御坂」
 美琴「ぶっ!」
 当麻「おい大丈夫か!?」
 美琴「な,なんでもないわよっ!」
   「じゃ,じゃあ明日もこれぐらいの量で大丈夫ね」
 当麻「え!明日もつくってくれるのか!?」
 美琴「だってアンタ今月はずっとお昼抜きって言ってたじゃない」
 当麻「いやそりゃそうだけど…」
 美琴「アンタまだ悪いとか思ってるの?こんなのあのときアンタが助けてくれたことに比べればたかがしれてるじゃない」
 当麻「御坂…お前優しいんだな…」
 美琴「ひょえ!べ,べつにこれぐらい大したことじゃないわよ!」
 当麻「おまえ可愛いんだからさ,勝負とか自販機蹴るとかそういうのやめようぜ.もったいないって」
 美琴「(か,可愛い!?)」カアアアアアアアアッ
   「…ふ」
 当麻「ん?」
 美琴「ふにゃ~…」ビリビリ
 当麻「うおっ!御坂!漏電してるって!っておい聞いてんのか!?」
 
この日から毎日(休日は除く)御坂は上条のためにお昼ご飯をつくることになった.(来月まで)

○月24日木曜日午前7時30分ぐらい 某公園

 当麻「おっす御坂」
 美琴「お,おはよう…はいこれお弁当」
 当麻「おっ,いつもサンキューな」
 美琴「今日も放課後ここで待ってるから…」
 当麻「いつも持っててもらって悪いな.なんなら寮まで持っていこうか?
 美琴「だ,大丈夫よ!ここの方が都合いいし!それに寮だといろいろ面倒なことがあるから…(黒子とか)」
 当麻「そうか?おまえが良いっていうならいいけど,…あんまり無理するなよ」
 美琴「う,うん…」
 当麻「?」
 美琴「あ,あのさ!この前アンタが言ってたお礼の件なんだけど…」
 当麻「あー上条さんのできる範囲でしたら何だってしますよ?それで何してほしいんだ?」
 美琴「え,えっと…その…,アンタからなにかプレゼントがほしいの…」
 当麻「プレゼント?なんでもいいのか?あんまりお金ないんだが…」
 美琴「あっ安いのでもなんでも構わないから!なんかほしいかなって…ダメ…?」
 当麻「い,いやっそれだったら大丈夫!うん!でもあんまり期待しないでくれよっ?」
 美琴「も,もちろんよっ!アンタのセンスなんてたかが知れてるだろーし,美琴センセーは寛大だから心配しなくても平気よっ!」
 当麻「うっ,さすがの上条さんでも今の言葉は少し傷つくわ…」シクシク
 美琴「あ,ごめんごめん.そんなに真に受けないでよ.冗談だからさ.じゃあわたし行くからしっかりプレゼント考えておくのよー」タタタッ
 当麻「あ,みさ,…行ってしまった」

放課後

御坂にお弁当箱を渡した当麻はプレゼントを買うべく商店街に向かった.

 当麻「プレゼントっていってもなぁ.はてさて何にするべきか…」テクテク
   「ん?こんなところにお店あったっけか?なになにファンシーショップ『シスターズ』!?うわなんだこの名前すごい嫌な予感がする…」
   「でもヒジョーに気になる!ええい!ここは勇気を振り絞って前進あるのみ!」
御坂妹「いらっしゃいませ,とミサカは溢れんばかりの笑顔であいさつをします」
 当麻「わっ!なんで御坂妹がこんなところで働いてるんだよ!?しかも溢れんばかりって…半笑いだろそれ…」
御坂妹「ただの研修ですよ,とミサカは答えます」
 当麻「研修ねぇ…(まぁ危ない事件に関わってるわけでもなさそうだし,深く言及はしないでおくか)」
御坂妹「そんなことより,あなたに対して場違いなこのお店に一体全体何用ですか?まさかそのような趣味がおありなんですか?とミサカは若干引きながら聞いてみます」
 当麻「そんな趣味ねえよ!ちょっと訳あってプレゼントするものを探してるんだ」
御坂妹「それはお姉様にですか?」
 当麻「あぁそうだけど,よくわかったな」
御坂妹「(お姉様…抜け駆けするとはさすがですね…,とミサカはくやしがります)ボソッ」
 当麻「んーでも何プレゼントしていいかわかんなくてな,お金もあんまりないし…なにかいいのないか?」
御坂妹「そうですね…でしたらご自分でつくってみたらいかがですか?と御坂は提案します」
 当麻「自分で?」
御坂妹「はい.このお店の二階には手作りコーナーがあるのですよ,とミサカは答えます」
 当麻「いやでも俺そういうのは苦手だし…」
御坂妹「その辺は心配いりません,とミサカは答えます」
   「なぜならミサカが付きっきりでご指導するからです.さらに料金も無料です」
   「さらにあなたはミサカの命の恩人であり少しぐらいお礼をさせてください,とミサカは切に願ってみたりします」
 当麻「そこまでしてもらうのは悪いって!しかも仕事中じゃないのか!?付きっきりってまずいだろ!?」
御坂妹「大丈夫ですよ.検体番号一九〇九〇号も働いているので.一階は彼女にまかせましょう,とミサカは二階に上がるように促します」
 当麻「い,いやっ,でも…」
御坂妹「はやくしなさい」
 当麻「ハイ…」

シスターズ 二階

 当麻「んで,一体なにをつくればいいわけ?」
御坂妹「ペンダントとか比較的簡単につくれますが,今回はがんばってぬいぐるみとかどうでしょう?とミサカは提案します」
 当麻「ぬいぐるみって…あの変なカエルでもつくろうってのか?」
御坂妹「それもいいと思いますが,お姉様がもっと喜ぶものを作りましょうとミサカは必要な道具を用意しながら答えます」
 当麻「?」

それから上条は三日間通いつめてプレゼントを完成させた

○月27日月曜日7時30分くらい 某公園

 美琴「はいお弁当」
 当麻「サンキュー」
 美琴「あら?その指の怪我どうしたの?」
 当麻「あー…まぁちょっとな…」
 美琴「…?」
 当麻「あ,そうそうこれプレゼントな」
 美琴「え!あ,覚えててくれたんだ…」
 当麻「当たり前だろ…って上条さんはどんだけ物覚えが悪いんですか?」トホホ
 美琴「あ,あけてもいい?」ドキドキ
 当麻「おう」
 ガサガサッ
 美琴「!…これ…もしかしてわたし?」
 当麻「ふふふ.上条さんとしてはなかなかの仕上がり具合だと思うのですがいかがですかな美琴センセー?」
   「(しかし御坂妹が付きっきりで教えてくれなかったらここまで完成度の高いぬいぐるみはいなかったらできなかったな)」
 美琴「…」
 当麻「ん?御坂さん?」
 美琴「う…グス…」
 当麻「うえぇ!?みみみ御坂サン?なにゆえあなた様は泣いているのでしょーか…!?」アセアセ
   「泣くほど嫌だったのか?ごめんなへたくそで…」
 美琴「違うわよ…バカッ!…(う,うれしかったのっ…!)ボソッ」
 当麻「え?今何て?」
 美琴「あああああもううううう!恥ずかしいこと二度も言わせんじゃないわよっ!」ビリビリ
 当麻「ギャアー!御坂さんやめてー!」

数分後 公園のベンチにて

 当麻「お,落ち着いたか?」
 美琴「う,うんごめん」
   「あ,これ,アンタが作ったのよね…?」
 当麻「ん?そうだけど?」
 美琴「そ,そう…アンタもなかなかやるじゃない」
 当麻「いやでもこういう慣れないことはするもんじゃないよな」
 美琴「…もしかしてさっきの指の怪我ってこれ!?そんなになるまで…」
 当麻「まあしょっちゅう入院してる上条さんとしましてはこんなの怪我のうちに入りませんよ.アハハ…」

 美琴「…ありがとう」
 
 当麻「お,おう」ポリポリ
 美琴「わたし一生大切にするから…」
 当麻「い,いやそこまで大切にしなくても」
 美琴「わたしが大切にするっていったらするの!!」ビリビリ
 当麻「ギャー!意味わかんねぇー!」

御坂妹「(お姉様よかったですね,とミサカは某熱血アニメの主人公のお姉さんみたいに木の陰からコソコソと二人のご様子をうかがってみます)」

(ぬいぐるみって人型も含まれるんですかね?この場合は人形かな?)

○月27日放課後 某公園にて

 当麻「ほいお弁当.ごっそさん」
 美琴「お粗末さま♪それにしてもいつもちゃんとキレイに食べるわねーアンタ好き嫌いとかないの?」
 当麻「…不幸体質の上条さんには好き嫌いとかそういうことを気にしている余裕なんてないのさ.じゃなかったらとっくの昔に飢えていたかもしれないんですよ?」
美琴「アハハなによそれー」
 当麻「いや笑いごとじゃないって…」
 美琴「そういえば明日午前中授業よね?」(28日は全学校午前授業という設定でよろしくお願いします)
 当麻「あーそういえばそうだったな」
 美琴「じゃあさ…明日一緒にお昼食べない?お弁当はこっちでまた用意するからさ」
 当麻「ああ.俺は構わないけど…(うーんインデックスどうすっかなーお昼多めに作ってもらってインデックスにも食べてもらおう.御坂の弁当栄養あるし)
 美琴「ほんとに!?じゃあここで待ち合わせね♪」
 当麻「あ,多めにつくってもらっていいか?夜も分もあると非常に助かるんだが…」
 美琴「おっけー♪美琴センセーにまかせなさい」
 当麻「悪いな…ん?そのぬいぐるみバッグにつけたのか」
 美琴「ふふ♪学校のみんなに見せたらかわいいって誉めてたわよ」
 当麻「…まぁその幼稚なカエルよりは断然いいだろ」テレッ
 美琴「この子とゲコ太をバカにするなっ!」ビリビリ
 当麻「のわっ!わ,悪かった謝るからビリビリはやめてくれぇー!」
 美琴「ったく」
 当麻「マジでシャレにならん…」

○月28日火曜日7時 当麻宅

 当麻「じゃあいってくるからなインデックス」
   「あっそうそう.今日の昼飯は御坂が弁当つくってくれるから家で待ってるんだぞ」
 イン「わかったんだよとーま!いってらっしゃいなんだよとーま!」

11時ぐらい 某公園

 当麻「御坂はまだ来てないみたいだな」

11時30分ぐらい

 美琴「ごめーんおまたせーってあんたどうしたの!?」
 当麻「あはは…犬に追いかけられたり不良にからまれたりいつものことですよ…それよりどこで食べるんだ?」
 美琴「あっちに広場があるからそこで食べよっか」
 当麻「うい」
 
御坂と上条は芝生の上にシーツを広げてそのうえに座った

 美琴「はいお手吹き」
 当麻「おっサンキュー♪」
 美琴「今日はいつも以上にがんばってみたんだけどどうかな?」
 当麻「おお…こういうの懐石料理っていうんだっけか?さすが常盤台おそるべし…」
 美琴「じゃ,早くたべましょ?」

 当麻「う,うめぇ…!御坂さんは一流の板前さんですか!おまえいい奥さんになれると思うよ.すぐビリビリしなければなー」モグモグ
 美琴「え…そ,それはアンタがいけないんでしょ!そもそもアンタ以外には全然使ってないし」
 当麻「俺限定ですか…でもこんなの毎日食べれたら幸せだろうなー」モグモグ
 美琴「わ,わたし,良いお嫁さんに,なれる…かな?」
 当麻「もちろんオレが保障するよ.御坂ならいい人と結婚できるって(ビリビリは余計だけど)ボソッ」
 美琴「えっ…」
 当麻「御坂をお嫁さんにもらえる人は幸せだろうなぁ…旦那にはビリビリすんなよー」
 美琴「あ,あの…」
 当麻「あっ結婚式には呼んでくれよな.なんならスピーチしてやろうか?でも俺いったら不幸になっちまうな」
 美琴「…」
 当麻「まぁ御坂が恥かくような話はしないからさ.ところかまわずビリビリしてくることとかな」
 美琴「…もういい」
 当麻「ん?どうした?」
 美琴「もういいっていってんのよ!」ビリビリ
 当麻「うお!御坂いきなり何すんだよ!」
 美琴「そう…そうなんだ…わたし,バカみたい…」
 当麻「御坂?大丈夫か?体震えてるけど…」
 美琴「この鈍感!ばかっ!もうしらないんだからっ!」ビリビリ
 当麻「どわわ!!だからビリビリすんなって!…ってあれ?御坂どこいくんだよ!おい!」
   「(行ってしまった….なんか様子が変だったけど,俺が気に障ること言ったのかな…)」

12時ぐらい 当麻宅

 当麻「…ただいま」
 イン「おかえりなんだよとーま!」
 当麻「これ昼ごはんな.好きなだけ食っていいぞ」
 イン「これ短髪がつくったの?短髪ってすごいんだね!」
 当麻「ああ…そうだな」
 イン「はうう…めちゃくちゃおいしいんだよとーま!」ガツガツ
 当麻「…」
 イン「とーま…どうしたの?一緒に食べよ?」
 当麻「ん?あ,ああそうだな」
 イン「…」

第一部完

ビリデレメモリアル 2



○月29日水曜日午前7時10分 当麻宅

 当麻「じゃーいってくるからなー」
 イン「いってらっしゃいなんだよ!」
   「あ,短髪にお弁当おいしかったって伝えておいてほしいかも!あとまた作ってねって!」
 当麻「お,おう.わかった」

上条当麻は大きなお弁当箱と学校の鞄を持って寮を後にした.

 当麻「はぁ…」

上条は歩きながら昨日のことを考えていた.御坂が突然怒って帰ってしまった出来事を.

 当麻「怒った理由はよくわからないけれど,謝った方がいいかな…」

いろいろ考えているうちにいつもの公園の自販機の前までたどり着いた.

 当麻「(今は7時26分か…少し待ってみるか)」

一応今月はお弁当を作ってくれる約束だったので,昨日は怒って何も言わず帰ってしまったが,上条はもしかして御坂が来るんじゃないかと思い待つことにした.

7時40分

御坂は来なかった.いつもなら遅くても35分ぐらいには必ず来ていた.やはりまだ怒っているのだろうかと上条は思った.

 当麻「(まーお弁当箱も返してないしそりゃそうだわな)」

上条は公園を後にした.

昼休み

 当麻「(さてとお昼お昼っと…あ,そうか今日は御坂作ってくれてないんだったな…)」

上条は空のお弁当箱を見つめながら御坂のことを思い出した.

 当麻「(本当なら今日もアイツのおいしい料理を食べていたはずなのに,すっかり習慣になっちまったな)」

御坂が毎日お弁当を作ってくれたおかげで少しサイフに余裕ができた上条は購買部へ向かおうと立ち上がったところで声をかけられた

土御門「ありゃ?かみやーん今日は愛妻弁当じゃないのかにゃー?」
 当麻「ああ,昨日弁当箱渡しそびれちゃってさ,今日はないんだよ.ってかもうすぐ今月終わりだろ?だからもういいかなって…」
 青髪「そりゃないぜかみやーん.今日も楽しみにしとったのに,残念やわ~」
 当麻「悪いな…また今度作ってもらえたらみんなで食おーぜ」

放課後

ホームルームが終わると上条は急いで学校を後にした.公園に向かうためだ.もしかしたらアイツがいるかもしれないと淡い期待を込めて…

上条はいつもの自販機までたどり着いた.が,そこには御坂の姿はなかった.
上条はポケットから携帯を取り出した.

 当麻「(謝るだけだから…問題ないよな)」

trrrrrrr trrrrrrr trrrrrrr プツ

 美琴「…」
 当麻「もしもし御坂か!?」
 美琴「…」
 当麻「御坂…?」
 美琴「…」プツ ツーツーツー
 当麻「あ…おい!」

 当麻「(…アイツ…一体どうしたんだ…?嫌われちまったのかな…?)」

その日から上条は御坂とパッタリ会わなくなった.

×月3日月曜日午前7時10分 当麻宅

 当麻「じゃーいってくる」
 イン「いってらっしゃいなんだよ!」
   「あれ?そのお弁当箱まだ返してなかったの?」
 当麻「あー…,なんか忙しいみたいでさなかなか都合がつかないんだよな.ほら,常盤台ってエリート校だからさ授業とか大変なんじゃねえの?」
 イン「ふーん…それならいいんだけど…」
 当麻「じゃ,じゃあな」

御坂と会わなくなって6日が過ぎた.あいかわらずお弁当箱は返してないしごめんの一言もいっていない.今日こそは会えるんじゃないかと上条は
キョロキョロあたりを見渡しながら登校していた.そんなこんなで6日もたってしまった.そして今日もいつもの自販機の前を通り過ぎる.
ふと向こうに髪がブラウン色で肩まである常盤台の制服を着ている女の子をみかけた.

 当麻「(あれ?向こうにいるのは…御坂じゃないか!?)」

上条は走って御坂のところまで行き,後ろから声をかけた.

 当麻「御坂!」
 美琴「…!」ビクッ
 当麻「!」
 
上条は振り向いた御坂を見てびっくりした.御坂の髪はボサボサで,制服は若干着くずれしていたのだ.そして目は少し腫れぼったい感じで目の下にクマが出来ていた」
普段だったら髪はサラサラで制服もピシッ!っと着こなしているのに.
なにより上条が一番驚いたことは,人を寄せ付けようとしないなにやらただならぬ負のオーラを纏っていたことだ.

 美琴「…おはよう」
 当麻「お,おう!」
 美琴「…何か用?」
 当麻「え!あ,その,こ,この前はごめんな」
 美琴「…別にいいのよ」
 当麻「そ,そうか?あ,これお弁当箱な!おいしかったぞ!」
 美琴「…うん」
 当麻「…」
 美琴「…」
 当麻「(ま,まずい!すごい気まずい!なにか喋らなければ!)」
   「あ,えっと,そのさ」
 美琴「…何?」

上条は何か話題がないか周囲を見渡していると御坂の鞄のぬいぐるみに目がいった.それは上条がこの前プレゼントした手作りのぬいぐるみだ.

 当麻「ありゃ?このぬいぐるみ…」
 美琴「…この子?」
 当麻「な,なんだって包帯なんかつけてるんだ?」
 美琴「…美琴ちゃん(ぬいぐるみの名前)ね.とっても悲しいことがあったんだって…」
   「あまりにも悲しすぎて,傷ついて,体中から血が溢れ出てきちゃったの…」
   「だから包帯で巻いてあげたのよ…」
 当麻「え?え?」ゾクッ
 美琴「…フフ.嘘よ.ホントは布がほつれて綿がはみ出ちゃったのよ…」
 当麻「そ,そっか…(びっくりした…)」
   「でも包帯より縫いなおした方がいいんじゃないのか?」
 美琴「…アンタ.美琴ちゃんに針を刺すっていうの…?」
 当麻「い,いやいやなんか解釈間違ってないか!?そもそもそれ針で縫って作ったんだぞそれ!しかも俺が作ったもんだし!」
   「明日までに縫いなおしてやるから,な?」

そういうと上条は御坂の鞄と美琴ちゃんをつないでいるチェーンを取ろうとした」

 美琴「!」
   「…い,いや!…やめてよ!これ以上わたしからなにも奪わないで!!!」ビリビリ
 当麻「おわわ!ちょ,いきなりなにするんだよ俺はお前のために…っておいどこいくんだよ御坂!」

御坂は走って行ってしまった.その背中はとても寂しそうだった.

 当麻「御坂…」

上条は茫然とその場に立ち尽くしていた.謝ることもできたしお弁当も渡すことができた.しかし御坂はいつもの御坂ではなかった.
今にも泣きだしそうな顔を必死に我慢しているような,そんな風に見えた.

 当麻「(…俺のせいなのか!…くそっ!一体どうすればいいんだよ…教えてくれよ御坂…)」

×月6日木曜日 放課後 常盤台中学 

 黒子「お姉さま,今おかえりですの?」
 美琴「…黒子」
 黒子「またあの殿方のことを考えていますの?黒子は…そんな顔をしてるお姉さまを見るのはもう耐えられませんの!」
 美琴「…」

御坂は上条が作ってくれたぬいぐるみを優しくなでた

 黒子「(そのぬいぐるみが元凶というのはもう調査済みですの…!お姉さまには申し訳ありませんが,あの殿方を忘れさせるたまにはやむ負えませんわ…!)

 黒子「お姉さま!よろしければショッピングに付き合っていただけませんか?わたくし先日ゴージャスな下着をみつけたんですの」
 美琴「…いいけど」
 黒子「まあ!お姉さまとデートなんて久しぶりですわ!…黒子は!…黒子は!嬉しさのあまりお姉さまに抱きついてしまいますのよ~ん♪」

白井は御坂に抱きつこうとした.が,

 美琴「…やめて」ビリ
 黒子「ああぁ♪」

電撃で簡単にあしらわれてしまった.

 黒子「(さすがおねえさま…こんな状態でも常に周囲を警戒しているのですね…さすがは常盤台のエースですわ…グフッ)


二人はセブンスミストへ向かうべく商店街を歩いていた.普段より人の行き気が多く,少し歩くのが窮屈だった.

 黒子「(ここなら気づくにも時間がかかるでしょうし,やるなら今しかないですの!)」

黒子は御坂が人ごみに気を取られている隙にバッグに付いてるぬいぐるみをテレポートで自分のバッグに滑り込ませた

 黒子「(お姉さま…許してくださいですの…)」

しばらくして二人はセブンスミストの下着売り場まで来た.

 美琴「…それで,黒子が欲しい下着はどれなわけ…?」
 黒子「よくぞ聞いてくださいましたわ!これですの!」
 美琴「……布…ちさ」
 黒子「ちょっと試着してきますので少し待っていただけますか,お姉さま?」
 美琴「…うん」

黒子は下着を持って試着室へ向かった.
御坂は近くにある柱によっかかって待つことにした.

 美琴「ハァ…」
   「(アイツに…会いたいな…)」
   「でもアイツはわたしのことなんとも思ってないし)」
   「(会えば余計辛くなるだけだよね…)」

御坂はいつものようにぬいぐるみを撫でようとした.上条の事を考えると辛くなってしまう.そんなときにこのぬいぐるみを触っていると少し落ち着くのだ.
しかしさっきまであったはずのぬいぐるみがなくなっている.御坂はショックのあまり鞄を落としてしまった.

 美琴「え…うそ…どこいっちゃったの…」

辺りを見まわしてもそれらしいものは落ちてはいなかった.

 美琴「アイツからもらった大切なものなのに…」

ここで白井が戻ってきた.落ち着きない御坂を見て白井は御坂に声をかけた

 黒子「お姉さま?どうなさいましたの?」
 美琴「ないの…美琴ちゃんがなくなっちゃったの…」
 黒子「美琴ちゃん?それはあのお姉さまにそっくりなぬいぐるみのことですの?」

御坂はコクンと頷いた.もしかしたら黒子が何か知っているかもしれないと期待を込めて

 黒子「もしかしたら途中で落としたのかもしれませんわ.でも今頃誰かに拾われているかもしれませんし,あきらめた方がいいと思いますわ」
 美琴「!」
 黒子「なんでしたらこの黒子がお姉さまのために新しいものを…ってお姉さま?」

白井は御坂の様子がおかしいことに気づいて話をやめた.

 美琴「…あ,あれは,アイツからもらった初めてのプレゼントなの…あれがなかったらわたし…わたしっ!」タタタッ
 黒子「お,お姉さま!(我慢ですの…!すべてはお姉さまのためですの…!黒子我慢です…の…)」グスッ


上条は特売セールのためにスーパーへ向かおうと商店街を歩いていた.
今日の目玉は一名様1パック限定の卵だ.いつもならここらへんで御坂とあって2パック買えるのに…とこんな感じでしょっちゅう御坂のことを考えてしまう.
ふと道路の向かい側に目をやると,道行く人に声をかけている御坂の姿があった.御坂はとても深刻な顔をしていた.
上条は迷うことなく御坂の元へと向かった.

 当麻「御坂!」
 美琴「…ない…ない…」
 当麻「おいどうしたんだよ!」
 美琴「あれがないと…わたし…」

なにやらかなり混乱しているらしく上条の声が聞こえてないらしい.
上条は御坂の肩をつかみ自分の方へ体を向かせた.

 当麻「御坂!」
 美琴「あ…アンタ…」
 当麻「どうしたんだよ御坂そんなにあわてて…!何かあったのか…?」
 美琴「…ないの…」
 当麻「ないってなにが?」
 美琴「美琴ちゃんがなくなっちゃったの!!!…ヒグッ…グスッ…」
 当麻「…」
 美琴「…グスッ」
 当麻「いつ落したんだ?」
 美琴「…学校帰るとき…はあったの…それで黒子とセブンスミストに行って…下着売り場のところでないって気づいて…それで来た道を戻ってきたの…」
 当麻「…わかったじゃあ手分けして探そう.俺は学舎の園には入れないからそっちの方を頼む」
 美琴「…う,うん…あ,あの!」
 当麻「ん?」
 美琴「…怒ってないの?アンタが頑張って作ってくれたものなのに…」
 当麻「何言ってんだよ?おまえあんなに大事そうに持っててくれたじゃねえか.ほらそんなことより早く探そうぜ」
 美琴「わ,わかった…」

一時間後

 当麻「どうだった?」
 美琴「…ダメ…ない…そっちは?」
 当麻「セブンスミストで係りの人に聞いたけどそういうの見かけてないってさ」
 美琴「……う…ヒグッ……」
 当麻「な,なぁこんなに探しても見つからないんだ.もうすぐ完全下校時刻だしとりあえず今日のところは家に帰ってだな…」
 美琴「…いや…帰らない…」
 当麻「気持はわかるけど暗くなってきたし…」
 美琴「美琴ちゃんが見つかるまでわたし帰らないんだからっ!」
 当麻「おまえ…!?なんでそこまで…」
 美琴「あれは…アンタが初めてわたしにくれたプレゼントなの!…わたしにとって一番の宝物なのっ!…一生…大切に…するって決めたんだから…」ポロポロ
 当麻「御坂…」
 美琴「…わたしは,あのとき泣いちゃうほどうれしくて…!でもアンタは鈍感で…わたしの気持全然わかってくれなくて…でもね…」
   「短かったけどアンタにお弁当作ってあげた楽しい思い出が…,沢山つまっているのよ…!」

上条は右手をポンっと御坂の頭にのせた

 当麻「あ~わかったわかった!だからそんなに泣くなって!気が済むまで付き合ってやるよ!」
   「おれもう一回商店街の方行ってくるからお前は白井に電話して遅くなるって言っとけよ.あいつ心配してるだろーしさ」
 美琴「ヒグッ…わかった…」
 
上条はもう一度くまなく商店街の道を歩きながらぬいぐるみを探すことにした.

ヒュン

 黒子「お待ちなさいな!」
 当麻「し,白井!?おまえどうしてここに?御坂を迎えにきたのか?御坂ならむこうに…」

白井は上条にぬいぐるみを差し出した.

 当麻「おまえ!こ,これ!どこで見つけたんだよ!?」
 黒子「わたくしが隠していましたの」
 当麻「な,なんだってこんなことを?」
 黒子「上条さんのことを忘れていただく為ですわ」
 当麻「俺の事を?」
 黒子「このぬいぐるみを見かけたのは先月の27日のことでしたわ」
   「お姉さまったらとってもご機嫌でずっとこのぬいぐるみのことを話していましたのよ」
   「それが次の日の夕方泣きながら帰ってきて…訳も話さず布団にもぐりっぱなしで朝までずっと泣いてましたのよ」
   「大方,あなたがお姉さまになにかひどいことを言ったのではなくて?」
 当麻「…う」
 黒子「それでもお姉さまはこのぬいぐるみだけは片時も離さずに持っていましたわ.よっぽどお気に入りだったんでしょうね」
 当麻「…」
 黒子「わたくし…もう耐えられませんでしたの.深夜に一人で泣いてるお姉さまを見て,いつも自信に満ち溢れているお姉さまに早く戻ってほしくて…」
   「お姉さまにとってあなたの存在はあまりにおおきすぎましたの…だから…実らぬ恋なら忘れた方がお姉さまにもいいのかなって思いましたの」
   「でも…間違っていましたわ…わたくしのやっていることは,単にお姉さまを悲しませているだけだと!」
 当麻「白井…」
 黒子「さ,お姉さまが待っていますわ.早く行って,お姉さまの笑顔を取り戻してくださいまし!」
 当麻「お,おう!ありがとうな白井!」
 黒子「ありがとう!?わたくしこんなひどいことをしたんですのよ!それを『ありがとう』だなんて」
 当麻「おまえのやっていたことは間違っていたかもしれない.でもそれは御坂のためを思ってやっていたことなんだろ!?」
   「そもそも御坂を傷つけたのは俺だ.俺に白井のこととやかく言う権利なんてねーよ」
 黒子「…!…あなたって人はどこまでもお人よしですのね…!(なんとなくですけど,お姉さまが上条さんを好きな理由がわかったような気がしますわ)」
 当麻「…それはお互い様だろ」
 黒子「そうですわね…」
   「まだあなたを認めたわけじゃありませんけど,次またお姉さまを悲しませるようなことがあったら…わかっていますわね?」
 当麻「ああ,もうあいつを悲しませるようなことはしない.約束する」

そう言うと上条は御坂の元へ走っていった.

 当麻「御坂ー!あったぞー!」
 美琴「…え!…ほ,ほんとに!?」
 当麻「ほら!もうなくすんじゃないぞ!」
 美琴「あ…あ…よかった…」ポロポロ

御坂はぬいぐるみを両手いっぱいに抱きしめながら泣いていた.
そこにいたのは常盤台のエースでもレベル5の超能力者でもない,普通の女の子の姿であった.

 美琴「……」ポロポロ
 当麻「な,なあ御坂…」
 美琴「…何?…グスッ…」
 当麻「最近のお前なんか元気なかったろ?」
 美琴「…」
 当麻「その原因ってのはきっと俺にあるんだろ?」
 美琴「…」
 当麻「だから…俺にこんなこと言えた義理じゃないのはわかってるんだが…」

 当麻「俺は,いつも笑っている御坂美琴が大好きなんだ!」

 美琴「!」
 当麻「おまえには…悲しい顔は似合わないよ…もっと笑っていてほしいんだ…」
 美琴「…」
 当麻「そのためだった俺はなんでもする!お金は全然ないけど…」
 美琴「…ホントに?」
 当麻「あ,ああ!」
 美琴「…なんでもしてくれるの?」
 当麻「上条さんは約束は守りますよ!」
 美琴「…じゃあ…目をつぶってて…」
 当麻「ん?わ,わかった………わっ!」
   「みみみみみみ御坂サン!?これは一体どういうことでしょうか?」アセアセ
 美琴「腕…まわしなさいよ…」
 当麻「あ,ああ…」ギュ
 美琴「しばらくこのままでいさせて…」
 当麻「御坂…」

 当麻「なあ…」
 美琴「ん?」
 当麻「またお弁当作ってほしいんだけど…だめかな?」
 美琴「…いいよ」
 当麻「ほんとか!?」
 美琴「そのかわり」
 当麻「ん?」
 美琴「わたしのこと美琴って呼びなさい」
 当麻「…え?」
 美琴「いやなの?」
 当麻「い,いえ!そんなことはないですよ!」
   「…ゴホン」
 当麻「み,美琴…」
 美琴「…」
   「ふ」
 当麻「ん?」
 美琴「ふにゃ~…」
 当麻「結局そのオチかい!」

そのあと気を失った御坂は疲れていたのかそのまま寝てしまった.上条は御坂の携帯を借りて白井に連絡をとりテレポートで寮に連れて帰ってもらった.
結局その日上条は何も買わずに寮へ戻った.

 当麻「ふ~ただいまぁ…ありゃインデックス?」
   「(ん?置手紙があるぞ?)」

とーまへ

全然帰ってくる気配がないから小萌のとこでご飯食べてくるんだよ!
ついでにしばらく小萌のところに泊っていくからとーまは早く短髪
と仲直りするといいんだよ!          
                        インデックス

 当麻「(アイツ…)」
   「ありがとなインデックス」

第二部完

ビリデレメモリアル 3



×月7日金曜日

午前7時25分、上条はいつものように公園の自販機の前を通りかかったところで、後ろから声をかけられた.

美琴「おはよ!」
当麻「ん?お,おう(おっ元気になったみたいだな、よかったよかった)」
美琴「昨日はごめんね…わたし途中で寝ちゃったんでしょ?」
当麻「あー気にすんなって。疲れてたんだろ?長い時間探しまわってたしな。そもそも俺は白井に連絡しただけだし。白井にお礼言っとけよー」
  「(白井がいなかったら今頃どうなってたことやら…寮の門限過ぎてただろうし,あぶないあぶない。)
美琴「そ、そうね(あのままアンタの家に行ってもよかったんだけどな…)」
  「あ,そうそうはいお弁当」
当麻「ありゃ?別に来週からでもよかったのに。おまえ疲れてたみたいだし、あんまりむりすんなよ」
美琴「…ほしくないの?」パチパチ
当麻「いえありがとうございます御坂サンだからビリビリだけは勘弁してください」
美琴「むー…やっぱあげなーい」プイ
当麻「うぇ!?御坂そりゃねーだろ!」
美琴「アンタ…昨日の約束もう忘れちゃったの?」
当麻「昨日の…?あ!」
美琴「何か言うことは?」
当麻「ごめんなさい…美琴さん」
美琴「さんはいらないでしょ!」ビリビリ
当麻「うぎゃー!あー悪かったよ美琴!」
美琴「ふ,ふん!最初っからそう言えばいいのよ!」カアアアアア
当麻「(昨日名前で呼んだら気絶してたくせに…)ボソ」
美琴「なんか言った?」
当麻「なんでもありませーん!」

当麻「ん?そういえばそのぬいぐるみ…もう包帯してないんだな」

上条は美琴ちゃんを見ながら言った

美琴「あ、うん。美琴ちゃんもう悲しくないってさ。だから包帯も必要なし!…いろいろ心配かけてごめんね?」
当麻「そっか…」
  「…なぁ美琴」
美琴「え?」ドキッ
当麻「おまえはやっぱ笑ってる時が一番可愛いと思うぞ」
美琴「あ,ありがと…」カアアアア
当麻「今日はやけに素直じゃないか」
美琴「う,うるさいっ!わたしはいつだって素直よ!っ」ビリビリ
当麻「おわ!お,おいやめろって!ギャー不幸だー!」
美琴「逃げんなー!」

数日後,とある休日

常盤台学生寮

御坂はこの日上条と会うために電話をかけた

プルルルル プルルルル

当麻「はい上条です」
美琴「あ,あの,御坂ですけど…」
当麻「おう,どうした?」
美琴「あ,あのね?今日暇?」
当麻「んー今日は特になにもないぞ」
美琴「えっとその…,今日の五時にいつもの自動販売機に来てほしいんだけど」
当麻「わかった五時だな」
美琴「じゃあまたあとでね…バイバイ」
当麻「おーう」

プツ ツーツーツー

美琴「ふう…」
黒子「お姉さま」
美琴「わっ!黒子!アンタいつのまに!?」
黒子「がんばってですの」
美琴「黒子…ありがとね…」

自販機前

当麻「おーっす美琴」
美琴「…やほ」
当麻「どうしたんだ?」
美琴「今日は,アンタにどうしても聞いてほしい話があるの…いいかな?」
当麻「お,おう」
美琴「えっと…」
  「先月アンタにお弁当作ってあげたじゃない?」
当麻「ああ,いやーあのときはホント助かりましたよ。ありがとな」
美琴「う,うん。あのときは正々堂々勝負できないからとかそんな理由で作るって言ってたけど,あれは嘘なの」
  「ホントは,アンタと会うきっかけがほしかっただけなの」
  「それでアンタはわたしに手作りのぬいぐるみを作ってくれたよね?あ,あのときはホントにうれしかったんだからね…!」
  「そして,二人でお弁当食べてたときに,結婚式招待しろよなとか言われて,とてもショックだったの」
  「でもそれはわたしが素直じゃないからいけないの…アンタが鈍感なのもいけないんだけど」
  「そしてわたしがぬいぐるみ落としちゃって,一緒に探してくれたよね?それで…アンタはいつも笑っているわたしが大好きだって言ってくれた」
  「わたしも…上条当麻が大好きだよ」
  「だから…付き合ってください…お願いします!」
当麻「…ああ,これからもよろしくな!」
美琴「ほんとに!?ありがとう!」
当麻「おわっ!みみみ美琴!いきなり抱きつくなって!」
美琴「えへへー」
当麻「ったく」
美琴「ねえ」
当麻「ん?」
美琴「わたしたち恋人同士になったんだよね?」
当麻「そうだな」
美琴「じゃあ,名前で呼んでもいい?」
当麻「え,ああ」
美琴「当麻♪」
当麻「はいよ」
美琴「大好き♪」
当麻「…おまえ大分キャラ変わったな」
美琴「むーいいじゃない当麻のバカ…」
当麻「ごめんごめんわるかったよ」
美琴「じゃあキスしてくれたら許してあげる」
当麻「ええ!?」
美琴「…いやなの?」ビリリ
当麻「い,いえいやじゃないですけど…じゃあ目瞑ってくれよ…」
美琴「ハイ,瞑ったよ♪」
当麻「い,いくぞ…」
   チュ
美琴「…」
当麻「…」
  「あーもうすぐ完全下校時刻だなーそろそろ帰らないとな…」
美琴「帰りたくない…」
当麻「へ?」
美琴「もっと当麻と一緒にいたい」
当麻「あのなぁ。別に明日から会えないわけじゃないんだから今日は遅い」

上条の言葉をさえぎるように御坂は得意の上目づかいを駆使しながら話した

美琴「今日…泊っていい?…ダメ…かな?」
当麻「え!?いやいやいやそれはいろいろまずいだろ!おまえ寮はどうすんだよ!そ,そんな目で見るんじゃない!」
美琴「別に一日くらいどーってことないわよ」
当麻「しかしだなぁ…」
美琴「いいでしょ!わたしたち恋人同士なんだから!」
当麻「ったく,おまえにはかなわねーよ(まあインデックスは小萌先生のところにいるし,今日ぐらいいいか…)」
美琴「ふふっ♪じゃあ夜ご飯つくってあげるね!スーパー行ってから当麻の寮行きましょ?」
当麻「へいへい」

当麻宅

  ガチャ

イン「おかえりなんだよとーま,短髪と仲直りできた?」
当麻「あれ?イ,インデックスさんいつの間に…」
美琴「当麻?これはどういうことかしら?返答次第ではただでは済まさないわよ…!」
当麻「だーふこーだぁー!」

おしまい


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