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習慣
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匿名ユーザー
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習慣 05/03/07
その習慣が無意識であればあるほど突発事態に対して不審な行動をとる。
小学生の頃には避難訓練なるものが行われる。まず訓練である旨の放送がなされ、ひとまず地震が発生したとの想定で机の下に潜らねばならない。授業が中断されることは喜ばしいにしても机の下に潜るという行動は何故か抵抗があってみな不真面目なままである。机の裏に鼻糞を見つけて騒ぐ奴、机を肩に乗せ立ち上がって中の教科書をぶちまける奴、一通りの騒ぎを終えると「上履きのまま運動場に集合」と念入りに放送される。
普段は上履きで外に出ると叱られるから大抵は嬉々としているが、それでも靴箱の周辺まで来ると必ず履き替えてしまう習慣が身に付いているもので、それを防ぐ為に教師が数人「履き替えないで!」と代わる代わる叫びたてる。運動場に整列して数えられ、退屈極まりない校長の御託を聞き流して教室に戻る際、出る時に履き替えて怒られていた奴を馬鹿にしていた人間はそのことを思い出しながらも上履から下靴に履き替えて教室に戻ろうとする。なんと強固な習慣であるか。
靴箱が並んでいれば履き替えねばならない衝動に囚われるわけで、考えてみればこれに類することは多々ある。駅の切符売場で直前まで「通り過ぎるべし」と念じていても、人の流れを避けているうちに券売機の方へ寄ってゆき、気がついたら行くつもりのないところへの切符を手にして茫然としている。
開いている玄関の鍵をわざわざ閉めてから入ろうとする事例などは日本中の経験を合わせると途方もない数になるだろう。これらに共通するのは確かに無意識であるが、無意識である以上に「注意力の散漫」と呼ぶが相応しい。杯と信じて注いだ酒は灰皿に溢れていたり、ライターを咥えて煙草をぽっきり折ったり、これらは単に間が抜けていてるとも評されるが本人は別の事に意識を集中しているつもりでいる。だから眼前の問題に対して注意力が及ばずに不本意なる評価が下される。
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