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鍵束
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匿名ユーザー
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鍵束 04/12/20
キーホルダーは何を使うか。
いわゆる鍵束であるが、その中心の輪に何を用いるかは格別の拘りがなければ単なる輪で済ませている場合が多い。
一方カラビナを使って十数・・・・・・鍵の助数詞は何だ。錠前ならば一錠二錠、それは薬だ。おや?ざっと調べてみたが鍵には固定の助数詞は存在しないのか。一本二本でよいのか。そうか。カラビナを使って十数本の鍵を重そうに束ねて満足している者も居る。あれは落下音が自動的に警報を兼ねているから合理的と言えなくもないが、ポケットの中に収めず腰にぶら下げているのは執事のつもりかと思う。
鍵束は簡潔にして要を得ておればよいのであって、無駄な装飾はポケットが見苦しく膨らむので避けるよう心掛ける。しかしながら鍵束を分解する必要に迫られたり、紛失したりすれば、気分を変えてみようと何か変わった鍵束を作りたくなるものだ。
一人暮らしを始めると所持する鍵の数は急速に増えるのであって、束にしておくことで普段の便利を確保しつつ、紛失時には身動きの取れない状態に追い込まれるわけだが、それでもまとめて管理することの長所が多いから束ねる。
手前の場合、まずは単なる輪であったが、その後一人暮らしなのに鍵が異常に少なくて余りにも寂しく、つい出来心で針を外した疑似餌を装着した。一センチ角程度の河豚みたいな魚が鍵束に連なっているのは不思議に和むものであったが、使っているうち次第に塗装が剥げてきて、半透明の丸いでこぼこの物体と化した時点で諦めた。
次は南京錠に鍵を通して、これは数年愛用した。南京錠も当然吟味した上で最も小さかった縦横一センチで厚さ四ミリ程度の、しかし値の張るものだった。可能な限り単純にしようと考えた結果、間に輪を使わず、鍵の小さい穴に直接南京錠を通したものだから、妙にぼってりとした鍵束となりポケットは少々膨らんでいた。南京錠の鍵を紛失したから事実上分解出来ずに使い続けるよりほかの道はなかったことも長期愛用の理由に挙げられる。ある日鍵屋で一式全て複製して元の鍵は処分してもらい、ついに決別したが次の鍵束の輪には何を使うべきかとしばし考えた。
先頃てんとうむしの懐中時計が空中分解し、ばねのないまま組み立てて、それが再び空中分解して今度はねじが消えた。すると懐中時計の蓋の役目を果たしていたてんとうむしの羽根を固定出来なくなり、直径一センチ余りの立ちもしない置時計となった。これに使っていた鎖を鍵束の輪に使ってみようか。鎖は一本のそれぞれ先に時計と留具がある形ではなくて、首飾としても使用可能な輪鎖であるから、さほど膨らむまい。
非常に快適だ。何しろ鍵束を出す際に掴む必要がない。適当な指に適当に引っ掛かればずるずる引き摺り出すことが出来る。時折鎖の癖に結び目が出来ていて腹も立つが、一応金属製の鎖だから浮いたりせず底に沈んでいて音は全然発生しないし、なのに落とせば恥ずかしい程派手に響くから紛失する心配はしなくて済む。
その後十徳ナイフを鍵束の中心として使うようになった。かつてない重量感だが、多機能だけあって指すがに便利だ。
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