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多数決

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多数決 04/10/29

  「最大多数の意見を採用しない」この決議を多数決に求めればどうなるか。

  無論採択される時点では最大多数の意見が採用されるわけだから、これを適用しない。「そんな馬鹿なことが多数派になる筈がない」とする考えはこの際封印しよう。「有り得ないことである」と向き合わないことは、矛盾という言葉からも逃げていることになる。

  最大多数の意見を採用しない理由は全体主義の拒否とでもしておいて、最大多数の意見を採用しないことが決まったと仮定しよう。すると多数決が効果を持たなくなるので他の手段による意思確認が必要となる。しかし仮に他の手段を確立してもその意見が最大多数ではないことを確認せねばならず、効果を持たない筈の多数決がなくてはならない存在であることに気付く。

  他の手段とは言っても意見を表明して検討する場合、完全なる独裁や暴走を除き必ず多数決の形になっているもので、「他の手段」を見つけるのは容易なことではない。「他人と同じ意見の禁止」の条件を付したならば意見の数は人数分存在し、全てが少数ながら全てが最大数となってしまう。そしてどの意見を採用するかの議論の過程で序々に多数決の形が現れ始める。最大多数の意見を捨てる為には多数決をしなければならない以上、他の手段を求めることは無意味となるので、手段としての多数決は維持される。

  では「多数決の放棄」を議決した場合はどうなるのか。選択肢は独裁か混沌の両極しかない。多数決とは中庸凡々たる妥協主義であることが判る。多数決の結果に不満が渦巻くことは妥協に対する不満と考えられる。一切の不満がない全員一致の議決は無効とする規則で行われていた投票が遥か昔にどこかの国で存在したが、これもまた全体主義の拒否を意味している。不満・対案は常にあるべきだ。

  日々の決議に面した際、常に第二の意見が採用された展開を想定することを繰り返すうちに物事の展開力、想像力が養われる。積み重ねてゆけばやがて状況の適切な判断力が身に付くだろう。
 
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