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名物
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匿名ユーザー
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名物 04/09/03
新幹線や特急は、本来緊密に配置された駅に停車せず都市と都市を短時間で結ぶことを前提にしている。
用事などがあるならば当然速やかに都市を目指すことが目的となるし、ある程度の規模を誇る都市ならば別の線が接続されているから乗り換えてより遠くへ行く為にいちいち各駅停車されては困る事情があったりするから存在を否定することは出来ない。
しかしつくづく不審に思うのは、通過した筈の駅の名産品や弁当を売り捌くことで、当然それより以前の停車駅で仕入れていることくらいは理解できるが、それならば何故最初から「この列車はここ・そこ・あそこを通ります。各地の名産品を用意しておりますのでどうぞお求めください」と始発から終点まで売り続ければよいではないか。
姑息にも何台か待機させておいて通過するかしないかの間合を見計らって飛び出してくるのはあまりにもあざとい。今の幹線を走る列車に失われた旅情を求めるのが無駄であることを心得た上で、しかし「この列車はそんなに長い距離を走っているのか」と感慨に更ける気分を醸成出来るではないか。本来その土地でしか手に入れることの出来ない名物を、その縄張りの中でだけ売るのは律儀と言えなくもないが、そもそも社内販売の名物を買うのは土産を買い忘れただけか、酔っ払って口寂しいだけか、極端に愛好しているだけかのいずれかであり、それである程度の売上を確保しており満足しているならば構わないのだが、始発から終点まで絶やすことなく売り続けるならば、度忘者や泥酔者や偏執者の財布は簡単に緩むのだ。
速過ぎて単なる移動手段としか認識していなかったところから、長い距離を走る列車に乗ることで不思議な旅情を興して少しばかりの感傷を味わうことが出来るならば悪くないだろう。
東海道から山陽新幹線下り、新横浜を出たあたりで「え、ういろう。ういろうは如何ですか。柿羊羹も紅葉饅頭も萩の月もひよこ饅頭も全部ありますよ」
失礼した。上の考えは謹んで撤回させて頂く。
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