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ラムネ
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匿名ユーザー
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ラムネ 2003/06/09
ラムネというものがある。
駄菓子屋の錠剤の如きあれではなくて、同じ駄菓子屋でも飲むほう、瓶のラムネだ。
レモネードが訛ってラムネとなったわけだが、実際ラムネとして飲んでいるものはレモネードではなくてただの甘い炭酸飲料である。独特の瓶が、アワーグラスライン、くびれの形が色っぽく、手の中にすっぽり納まるあれは、中身ではなくて瓶そのものに魅力を感じていたのであろうか。
振るとからから鳴るのは中にビー玉が入っているからであって、このビー玉が炭酸の力で押し上げられて栓の役目をする。だから最初にビー玉を「ぶしゅ」と押し下げてから飲む。ただし栓をしていたわけだから普通に傾けて飲むとビー玉はころころ口まで落ちてきて流れを止めてしまう。角度があるのだ。瓶を傾ける角度ではなくて、瓶を独楽のように回す角度だ。上のふくらみには「瓶が柔らかいうちに指で押してみました」といった感じのへこみがある。凹みである以上内側に突き出ている。これが二つ並んでいるところにビー玉を引っ掛ける角度にして傾けば玉は栓をすることがなく、ラムネはこぽぽぽと流れ出てくる。それを知らない奴は大きく呷ってはビー玉に蓋されてすぐに流れを止められる。
単に飲み方を知らないだけなのに「魅力でもあるんだよね」涼しい奴だ。
しかし洗浄に手間がかかるので次第に廃れ、今ではどこでも売っているわけではない。するとある日、胴体がプラスチック製でビー玉だけガラスのものが登場した。頭は捻って外せるようになっており、簡単にビー玉を取り出せてしまう構造であるから少し気が削がれるのだが、それでも最初にビー玉を押し下げるときの抵抗と、内側の出っ張りにビー玉を引っ掛けなければ蓋されてしまうことには変わりなく、まずは手軽なノスタルジーである。
ところでこの構造、日本人の発明であるらしいのだが(※1872年、イギリス人のハイラム・コッドでした)、これをラムネだけに利用するのは少々勿体無い気がするのだ。例えばどこかの地ビールで容器としてこれを採用しないものかと常々思っている。コップに注がずに瓶からラッパで飲むビールがあれば、味はどうであろうがとにかく瓶だけで話題になるだろうし、瓶を目当てに飲む人も多いだろう。そしてこの瓶は当然何度も何度も再利用することになるし、洗浄に使う水の問題さえ処理できれば、「地ビール」「リターナブル瓶」「ラムネの瓶」「環境にやさしい」「新鮮なノスタルジー」と宣伝文句には事欠かず、爆発的に売れる筈だと思うがどうか。
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