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鳳梨

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鳳梨 04/09/17

  パイナップルは「ananas」で、缶詰に馴れている場合、「穴茄子」と当てたくなるが、漢語で「鳳梨」とある。以下適用する。

  ところで鳳梨を食べると舌が痛いから嫌いだと述べる人が結構いる。何故だろうと調べてみると多少のことが判った。まず、鳳梨にはブロメライン Bromelainなる蛋白質分解酵素が大量に含まれている。「酵素」と聞いただけでそっぽを向いてやり過ごしたくなるが、そこを堪えて進む。このブロメラインなる輩は蛋白質を分解する能力を持しており、彼が舌の表面を保護する蛋白質の一部を分解してしまうと、舌の神経があられもなく剥き出しになる。その神経へ鳳梨に含まれる酸が襲い掛かるとちくちく痛いわけだ。

  このブロメラインは三十度から四十度くらいが最も活発になるのであって、咀嚼行為はその能力の最大限発揮出来る環境を整えていることを意味する。であるから極端に冷やしたり或いは凍らせたりすれば奴は弱っているので、そこを早廻しで咀嚼して嚥下すればあまり痛くはならない。また酵素は熱に弱いのであって、加熱加工された缶詰の鳳梨は恐るるに及ばない。

  迷惑なる奴と考えたくなるが、それは一面的な考え方であり、例えば肉料理に含まれていたりする。鳳梨が肉を柔らかくするというわけだが、残念ながらプロメラインは酵素であるからして熱に弱いのであって、肉と鳳梨を一緒に炒めて「はい酢豚」とあったところでブロメラインの蛋白質分解酵素はその働きを失しているから舌は痛くならないが、肉を柔らかくする効果を発揮する前に炒め上がってしまう。肉調理に鳳梨を利用する正しい方法としては、常温か体温程度の肉と共に一定時間漬け置くことだ。それでこそ蛋白質が分解されて肉が柔らかくなる。

  またブロメラインは腸内の腐敗物を分解する作用をも有しているので消化不良に効果があるという。何故か花粉症にも遠回しな効能があるらしいが、劇的に改善されるわけではなくて長期的展望に沿った来る日も来る日も鳳梨漬け生活を送らねばならない。そして鳳梨を食べ過ぎると胃が荒れることになるわけで、これは酸ではなくてブロメラインの効果であるからつまり、世の中にそうそう甘い話など転がっていないということだ。

 
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