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小閑
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匿名ユーザー
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小閑 04/09/11
くそ蒸し暑い中を歩いていると視界に靄がかかり簡単に失神してしまうから、本年中に使い切らねばならないところのビール券で昼飯代わりを調達し、炎天下に二缶の炭酸活力を注入してみると新陳代謝が劇的に進んだ。また別の表現では「滝のような汗が流れた」とも言うが、とにかく元気を取り戻したので一息入れることにして煙草に火を点けた。道端で煙草を吸おうとしていたのは少し離れたところにステンレス製と思しき灰皿が目に入ったからであり、ビール二缶程度で酔っていたわけでは決してない。にも関わらず近寄って灰を落とそうと構えた手の先にある灰皿は何故か消火栓に変身しており、そのままの姿勢でしばし凍りついていたが、消火栓へ不自然に伸ばされた手から立ち上る煙が目にしみた瞬間これは傍から見るとかなり間抜けな状況であるようだとの認識を得、とりあえず掌を下に向けて消火栓の天辺に置き、体重を預けて休息の態度を装ってみた。
閉店セールと書かれた宣伝は何処の町の商店街にも必ず見る事ができる。閉店するならばそれは商売換えであるか商売が立ち行かなくなった事例かであり、前者ならばそこに売り尽くしの文字が躍る。後者でしかも洋服を売っている店舗にある閉店セールの文字は単に売れ残りであることを示している。そもそも金策尽きて真実閉店するならば、ある日突然店が開かなくなり表には都合により閉店致しましたとの張紙が「閉店」の文字の横に花丸で彩られて走り書きされているものだ。金策に走り廻っている時期にのんびり閉店セールなどやっていられよう筈はない。何故ならば閉店セール真っ最中のところへ金を貸す者など居やしないからだ。つまり正しい閉店のあるべき姿とは、限界まで通常営業を続けた末に力尽きて行方を晦まし、店はもぬけの殻となっている状態のことだ。従って閉店セールなどの文字に騙されてはならない。
百円均一店があったから入ってみて、店内を巡回してみると百円で売られている物の多さに圧倒された。百貨店からスーパーへの移行が今度はスーパーから百円均一へと流れるようだ。中でワイシャツを百円で売っていたから試しに一着買ってみて、具合がよければ次に来た時大量に買い込もうと考えた。そして当然のように具合が悪いのであって、まず釦穴がない。袖の切れ込みはただの飾りであって開放や調節は不可能であった。またワイシャツと見えたが実は正面の釦を外すことが可能なのは上から二つのみであり、いや首の付根を含めると三つ、形状としては通常ポロシャツと呼ばれるものだ。生地が一見ワイシャツらしいだけなのであって、正しく値段相応であることに心より納得するものである。
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