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匿名ユーザー
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毎日新聞社
外れなし作家として絶大な信頼性を誇る真保裕一が三十四歳の青春を描く選挙小説だ。国会議員に立候補するまでと立候補してからの選挙活動が詳しく書いてあるが、例によって丹念な取材を展開したのだろう、とても判りやすい。
しかしメインテーマは選挙ではなく「青春」だ。青春の文字を見れば何だか恥ずかしい気もするが「友情」「恋愛」「自分探し」といった普遍的なテーマを選挙の陰に隠すことで、より引き立たせる効果を発揮している。宙ぶらりんの三十四歳が同窓生とともに選挙に打ち込むことで何かを取り戻そうとする心の道を、読んでいて素直に応援したくなる。
連載小説だったから重複する記述があるものの、全体としては明るく爽やかな真保裕一らしくないが読み終えて気持ちいい作品に仕上がっている。これはディック・フランシスよりドン・ウィンズロウの雰囲気だ。読むべし。
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LAST UPDATED 2025-11-08 06:34:02 (Sat)