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倒れる時
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匿名ユーザー
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倒れる時 03/06/12
例えば唇や頬の内側を噛んでしまう時、血の出る場合と出ない場合があるが、血の出る場合、何故か噛む瞬間いや直前「あ!噛む!」と思ってから噛んでしまう。「噛みそう」などといった弱気な予感ではなくて確固たる予感があり、ほぼ同時とも言える瞬間「ぐに」血が出るわけだ。
「噛む」と考えてしまうから反射的に或いは無意識に噛むのか、対処は不可能ながら確実な予知なのか、よく分からないが「くそう。わかってんに噛むなよ」とやり場のない怒りが血とともに滲む。
「やばい」と思った瞬間つい噛み締める癖が原因なのだろうか。「やばい、噛む!」で噛んでいては意味がないのだが
、しかし何かを咀嚼している時、「噛む!」と思った次の瞬間はそれまで規則正しく噛み合せていた筈の歯が不整脈のように突然乱れる。「もぐもぐもぐもぐぐぐ」「あ痛」何故だ。
、しかし何かを咀嚼している時、「噛む!」と思った次の瞬間はそれまで規則正しく噛み合せていた筈の歯が不整脈のように突然乱れる。「もぐもぐもぐもぐぐぐ」「あ痛」何故だ。
手前はゴルフをしないが夏坂健のエッセイは面白いので読む。書かれていた中に「スライスしてはいけない」と思いながら打つと見事にスライスする原理が紹介されているのだがこれと同じかもしれない。強迫観念と体による負の学習機能が作用している気がしてならないのだ。
「箪笥の角に小指をぶつけないように避けて通ろう」と考えて、「ぶつけたら痛いからな」とも考えて、確実に避けたつもりで「がつ」「うぐふ」何故だ。「だから避けようと」「だから痛いと」「避けた筈やのに」「痛ったいがなむおお」激痛と呼ぶに相応しいにも関わらず不思議に骨に異常はない。折れてもいず、皹も入っていない。箪笥に小指ぐらいで病院など行かないから確実に異常がないとは言い切れないが、大抵は痛みが治まると忘れてしまう。「そういえばぶつけたが」程度に思い出すわけだが、もしかすると足の小指とは凄く頑丈なのだろうか。骨は折れない代わりに痛みが激しいだけなのか。
低い鴨居に「頭気をつけよう」一度目はまず無事であるが、二度目には必ず星が散る。
この「星が散る」という表現は長い間漫画の中の表現だとばかり考えていたが、実際に星が散ると「ああこれか」と納得する。その後寝起き、久しぶりに煙草を吸った直後、貧血、湯当り、脱水症状、伸びをして血が頭に届いていない瞬間など、よくよく星が散っている。栄養状態に難があるだけかもしれないが、この瞬間は既に快感を伴っている。
蛍よりも小さい光が視界一面無数に跳ね回り、それは近いようで遠いようで掴むことの出来ない二重露出のような距離感に、星を見つめていると平衡感覚を失ってぶっ倒れる。
虚弱体質ではない筈であるが、何故かよく倒れる。倒れそうになって踏ん張る勝負も楽しいが、意識が飛ぶ瞬間を体感する誘惑にあっさり負けることも多い。うんこ座りをして深呼吸を十回して急に立ち上がると頭に血が足りず、視界に灰色のもやがかかって耳がざーと鳴り、そのまま踏ん張って飛びそうになる意識を捕まえておく戦いをするか、「ふっ」と飛んでぶっ倒れるか、周囲の状況にもよるが、体中が痺れて痛覚が麻痺しているのでたまにやってみると面白い。こうして倒れる瞬間は女性のオーガズムの感じと似ているという話を聞いてからは複雑な気分であるが、まあよい。
それから倒れる瞬間に必ず何かの角にぶつかる角度で顔と頭が落ちてゆくのは納得がいかないが、今のところそれで大怪我をしたことはない。
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