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情けない
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匿名ユーザー
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情けない 04/05/30
まあその、粋を気取ってひょいと下げた頭で暖簾を掻き分けて入ったと思った瞬間に閉まっていた扉に激突するわけだがね、暖簾を出してる時には扉を開けておいてくれないか。もう少し勢いがあったら硝子ぶち割ってたと思うぜ。少しばかり残っていた照れが潜る瞬間の微妙な制御に繋がって痛い音だけで済んだがね、その後それでも開けて入るべきかそのまま踵を返して去るべきか迷ったわけだ。結局硝子の向こうで小さく頭を下げた店の亭主と目が合ったから仕方なく入ったがね。冷房が効いていて扉を開放したくない事情は判ったから、それなら無理して暖簾を出すのは止めておくれよ。でなくともせめて暖簾と扉の間に余裕を持たせておくれよ。今後暖簾を潜る機会がある時は腰が引けてしまうじゃないか。頭から突入する方も再考の余地はあると思うがあれじゃまるでドリフだぜ。
こう、歩いている時にお互いこのまま直進したら衝突してしまうと確信する瞬間があるね。ごく冷静に右によけると相手も同じタイミングで同じ方向に寄る。それなら俺はこっち行くよと反対に寄ると相手も全く同じことを考えて同じタイミングで同じ方向に寄る。この段階で既に波長がぴったり合っているから歩くリズムも同じでね、同じ方向に進んでいるなら完璧な二人三脚の相棒になれると思うが、それが正面で向き合っているから困るわけでね。大体二回同じ方向に寄ってしまうと結構距離が狭まって焦りが出てくるね。んじゃ俺やっぱり右!とそれまでより機敏によけると相手も同じく機敏に合わせてくるね。もう余裕がないから歩幅は小さく横には大きく動くね。更に反対によけるとそれでも合わせてくるね。ついに進めなくなって立ち止まって、その場で向き合ったまま真横に右・左・右というのはとても不毛だと思うんだ。顔見合わせて小さく笑ってから体を半身にしてすり抜けるのは、和むにしても傍から見りゃただの馬鹿だぜ。ああいう時には船舶の回避規則みたいに「かち合いそうな際はお互い必ず右に寄ること」と大きく啓蒙宣伝したまえよ。
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LAST UPDATED 2025-11-08 02:14:50 (Sat)
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