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虹 04/12/06

  虹とは光線と霧の角度を調整すれぱ見えるものだ。

  両端は必ず地面に突き刺さっているか途切れて消えているのであって、しかし完全なる虹とは円形になっているらしいことは何かの写真で見た覚えがある。あれは確か尼亜加拉瀑布だったろうか、七色の輪が落水を背景として宙に浮かんでい構図は神秘的と呼べるものであった。

  「四角い太陽」と「真円の虹」は死ぬまでに是非一度見てみたい現象なのだが、見ることの可能な場所が限られているならば、その場所へ行くしか方法はない。しかしながら見えるかどうか判らないのに遥々太平洋を横断するほどの余裕もないのでおそらく一生適うことのない夢だろう。

  通常の虹が極めて近く見えたならばつい手を伸ばして触れたくなるのは本能であろうが、それは視線の角度を上手く保ったままでいることが要求される。失敗すると忽ち消失してしまい再び見える角度を探そうとしている間に太陽はあっさり雲に隠れてしまうことになっている。その場を動かずじっと待機して、ついに忍耐力が破裂してどこかへ去ろうとした瞬間に陽が差すことになっているのも腹が立つし、その場でじっと待った甲斐あって再び陽が差した場合でも、太陽の位置が微妙に変わっており二度と見えなくなっているのはお約束と呼ぶべきなのか。

  それでも水を撒いたりする機会があれば可能な限り虹を出そうと試みるわけで、理科に通じる全ての科目が苦手であることから虹が上手く見える角度の調整方法を知らず、仮に見えても円にはならず、どうにか円の虹を出そうと毎回太陽を背にしたり直接見たり横に向いたりしつつ、水をなるべく霧状にしてこれまた前や後ろや左右に散布してどうにか虹を発生させようと苦心するうちに、毎回毎回迂闊にも真上に吹き上げてしまった水を被る羽目になり、そこで必ず我に返って諦めることになっている。
 
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