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灰皿
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匿名ユーザー
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灰皿 04/12/26
灰皿だ。
喫煙者ならば大抵の者は灰皿をひっくり返してうんざりした経験があるだろう。中でも憎悪するのは麦藁帽子を裏返したような、UFOを上下二枚におろした形の、吸殻と灰を撒き散らす為にひっくり返す必要さえない、ただ傾ければシーソーの原理で勢いよく噴散する奴だ。回転させて投げればさぞや遠くまで飛ぶだろう。
円盤を叩き伸ばして角度を付ければそれでよしとする安易な製造方法により大量に生産されて、重ねて保管出来ることから安手の早出し飯屋などで見かけるわけだが、少し触れただけで大袈裟な音とともに跳ね回り、運がよければそのまま落ち着くのだが、通常は辺りを汚染する。
手が当たって跳ねた場合、当たった手が抑え付ける形になり、重力に忠実に従った吸殻と灰が手に降り掛かる。不幸にして喫い差しの煙草が縁に乗せてあれば、それも愚直なまでに重力に従う結果灰塗れの手に接触し、「どわっちゃあ」と手を真上に振り上げてしまい、吸殻と灰は益々飛散し、糞っ垂な灰皿はからんかららんと鳴り続け、火のついたままの煙草は吹っ飛んで都合よく服の上に着地して穴を開ける。
ロケット花火という近所迷惑な花火があって、あれはボールペンのキャップの如き形の片方が閉じられた筒の奥に火薬を押し詰め、それに繋げた導火線に点火すれば火薬の勢いは開口方向にだけ向けられるので推進力が発生し、竹籤で方向を安定させつつ喧しい音で飛んでゆき、最後に鳴って終わるものもあるが、基本的にそのような仕組みになっている。このロケット花火の火薬は当然危険物であり、間違っても目的外の遊びに使用してはならない。穿り出した火薬に点火するなどしてはならないし、その火薬が白色で煙草の灰に似ているからと言って灰皿に少しだけ振り掛けておき、それを知らない誰かが灰を落とした瞬間「しゅぼわん」と燃えて驚かせるような危険な悪戯など絶対にしてはならない。まだ一服しかしていない煙草が一瞬で真っ黒になるのは酷いことだし、心臓に悪いし、火事の危険がある。全体的に見て洒落にはならない。
洗い立ての硝子や陶器製灰皿に喫い差しを置いておく場合、稀にぴしりと鳴り真っ二つに割れる事がある。冷却と加熱が極端であった故の結果らしいが、焦るあまり燃えている煙草を処理しようと片割れに押し付けて消すわけだが、あの場合はひとまず咥えて落ち着いた方がよいのかもしれない。
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LAST UPDATED 2025-11-08 21:22:44 (Sat)
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